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バイオテック

遺伝子組み換えトウモロコシ、肝機能や腎機能への悪影響が認められる 68

ストーリー by hylom
へー 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

モンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシの摂取は腎機能や肝機能を損ねる恐れがあることがラットを使った実験で明らかになったそうだ(本家記事)。

実験に使用された遺伝子組み換えトウモロコシは、広域除草剤への耐性がある「Roundup-ready」と呼ばれる1種と、細菌由来のプロテインを含む殺虫属性をもった2種の合計3種類。また、研究にはMonsantoの生データも活用されたという。結論には「複数の遺伝子組み換えトウモロコシをたった90日間与えたラットにて腎機能や肝機能への明らかな悪影響が確認されたため、この種の研究では腎臓と肝臓に焦点を当てる重要性が今回の分析で明らかになった」と記述されており、他にも心臓や副腎、脾臓や血球への影響も確認されたとのことだ。

この論文は昨年12月のInternational Journal of Biological Sciencesに掲載されており、全文閲覧可能となっている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Meth610 (31617) on 2010年01月18日 17時53分 (#1704801)

    ストーリーを読むのに参考になれば。

    .

    ・Roundup

    世界で一番使われている農薬(一般名グリホサート glyphosate)の商品名。開発はモンサント社。
    葉緑体中のEPSP synthase(エノールピルビルシキミ酸3-リン酸合成酵素:芳香族化合物の前駆体合成系の一部)の
    阻害により、タンパク合成阻害とシキミ酸の蓄積をもたらし、植物を2-3週間かけて枯死させる。

    単純な構造で環境中での分解性が大きく、またターゲット酵素のEPSP synthaseを動物は持たないため、
    万が一残留しても危険度が低い。実際、ラット30日後致死量LD50が10g/kgと非常に低い値(食塩で3.5g/kg)。
    特許が切れており、非常に安価に購入可能。日本のホームセンターでも売ってる。

    .

    ・Roundup-ready

    Roundupは非選択性の農薬なので、Roundupをまいた土壌は基本的に植物がまったく生えない。
    ここにRoundup耐性の作物を植えると簡単に雑草防除ができるので、耐性遺伝子を導入した作物が売られている。

    この導入作物をRoundup-readyと呼ぶ。遺伝子組み換え作物でいちばん多い事例はグリホサート耐性遺伝子の導入。
    Roundupの特許が切れたことや薬剤開発が難しいこともあって、モンサント社は農薬開発をやめ、
    いまでは耐性作物の開発のみを行っている。
    #なんと効率的なビジネス

    .

    2007年での状況。
    ・組み換え作物の85%がグリホサート耐性作物
    ・栽培しているのは23カ国
    ・栽培国ではダイズの64%, ワタの42%, トウモロコシの24%が組み換え作物
    ・耐性雑草の出現が徐々に問題化しつつある

    • by Anonymous Coward on 2010年01月18日 20時03分 (#1704893)
      ラウンドアップは土壌処理材(発芽していない種子も枯らすもの)ではなく発芽していない種子には影響ないので、地中に種子がある土地であればその種子は発芽します。
      親コメント
      • #1704893とは別だけど、最近の農薬は土壌処理(発芽直後に雑草を抑える薬剤)が主流です。
        半減期も時間的に有利ですし、雑草の前処理としては今後も期待される使い方だと思います。

        現実的に規模拡大を促進する政策が続いている中で、農業者の労働人口あたりの面積が増えてきているため、インフラ的にラウンドアップは必要不可欠なものになっています。
        高齢化が進めば放棄地の問題がでてくるため、3-5年以内に遺伝子組み換え作物を導入しなければ、労働力が足りず放棄地に歯止めがかからない現状もあります。

        --
        #壮大なストーリ。空転するアイディア。
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2010年01月19日 1時51分 (#1705063)
    FSANZ(food standards austraria new zealand)の見解では、この研究、見事にダメだしされてますね。 http://www.foodstandards.gov.au/educationalmaterial/factsheets/factshe... [foodstandards.gov.au] フランスの公的機関(HCTだっけかな?)も見解だしてたけど、フランス語なんでオレには読めんw GMはとんでも研究ばっかりなんで、公的機関も、またかという感じでほとんど相手にしてないけど。 同じ研究者たちは、過去にもねつ造というか、とんでも研究をやってるみたい。 http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/qanda.htm#ans5_16 [affrc.go.jp]
  • by akiraani (24305) on 2010年01月18日 15時59分 (#1704723) 日記

     正直、遺伝子組み換えなんてのはどうでもよろしくて、問題なのは「品種としての評価」がどうなのかというところ。

     遺伝子組み換えはあくまで品種改良の手段の一つに過ぎない。天然種だと思っているものだって毒性があったり内臓器官に負担をかけたりすることは大いにあるわけで、手段は別にさほど重要な問題とは思えない。
     それぞれの種に農産物としてのメリットデメリットがあるはずで、内臓器官への負担もそのひとつに過ぎない。他のファクターも合わせて総合的に評価すべきだ。

    #言ってるほうはこの手の正論はお呼びじゃないんだろうけど……。

    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
    • by Anonymous Coward on 2010年01月18日 17時43分 (#1704795)

      人体実験されてきた年数が違います。
      とくに天然種に関しては現代では到底不可能な人体実験も行われてきたわけで…。

      親コメント
    • 仰るとおり、遺伝子組み換えだから問題だっていうよりも、農薬耐性アップ、なんてのばっかりだから問題なんでねぇかな。
      農薬耐性作物ってだけでも農薬漬けなのは確定だし、虫害対策なんて、要は毒性の強い種を交配してるようなもんだ。

      何のために遺伝子組み換えをするのかって所が問題で、要はお金を稼ぐためなんだよね。
      モンサントのコレにしても種と農薬セットで売れてウハウハって事であって、
      もちろん種自体も通常品種より高額なので、別に食糧危機に対するメシアって訳ではない。
      品種改良という域だと、既存の品種と比べてよほどの違いと利点がなければ商機にならないだろうし、
      故に研究される事も無く、結局目に見えて効果がわかりカネになる農薬耐性品種ばっかり増えた結果として、

      遺伝子組み換え作物=農薬耐性作物

      になっちゃってる側面があるのだと思う。というか、これ以外の遺伝子組み換え品種で問題視されてる作物あったっけ?
      寡聞にしてその辺よく知らないのでご存知の方居られましたらコメントください。

      参考:http://www.yasudasetsuko.com/gmo/faq.htm [yasudasetsuko.com]

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2010年01月18日 16時31分 (#1704747)

    この論文に対する規制当局等の反応はこちらが参考になります。
    食品安全に関することなら、まずここを検索すればたいてい何かしら出てきます。

    http://d.hatena.ne.jp/uneyama/searchdiary?word=Seralini [hatena.ne.jp]

    あと、同じ人がかいたこちらは読み物として書かれているのでわかりやすいです。
    日経FOODScience自体は有料ですが、うねやま研究室だけは無料で読めます。
    http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji_uyt_itiran.jsp [nikkeibp.co.jp]

    ついでに、このブログ主が書いた本を宣伝。(関係者じゃないですよ。単純にいい本だと思うのですすめてるだけです。)
    http://www.amazon.co.jp/dp/4759813284 [amazon.co.jp]

  • by Wingard (37819) on 2010年01月18日 15時30分 (#1704709)

    遺伝子組み換え食品って出てきてからもだいぶたつよね?
    なのにたった90日でわかることが、
    今まででてこなかったのはなんでだろう?

    • by saitoh (10803) on 2010年01月18日 16時10分 (#1704731)
      遺伝子組み換え食品全部が持つ共通の性質がわかったというニュースじゃないでしょ。今回調べた品種に関してはそうだというだけ。まぁ、モンサント自身の手による当該品種の毒性チェックでなんで見つからなかったのかというのは疑問だけど。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      今までは「スポンサーがつかなかった」とか…
      • by Anonymous Coward

        今までは「スポンサーがつかなかった」とか…

        逆にスポンサーがついているから”何もわからなかった”

    • by Anonymous Coward
      代替燃料利権のために、何が何でも人間が食うには危険という結論を作り上げる必要が出てきたのが最近のことから。
    • by Anonymous Coward
      運用開始してから何年も経つシステムに異常が起きた、
      調査すると(割と直ぐ)原因が分かった、
      どうしてこんなのが見逃されたんだろうと関係者全員首を捻る。
      ってのは結構聞くように思う。

      それの生化学版なんでは。
  • by flutist (16098) on 2010年01月18日 16時01分 (#1704724)

    雑誌のウェブページを見ると、2005年創刊で現在のインパクトファクター (IF) は3.24とありますね。基礎科学系では悪くないIFじゃないでしょうか? この雑誌に投稿した人がいたら、感想など聞いてみたいですね。どんなソサエティの雑誌なのかな。

    筆頭著者の所属はCRIIGENとあります。ウェブページがフランス語でしか書いてないのでわかりませんが、フランスの非営利団体っぽいですね。人びとの健康増進を目的として遺伝子組み換え作物、農薬、環境汚染物質の影響を研究する、みたいなことが書いてあるっぽいです(ありがとう google 翻訳)。

    • IFは信頼性の指標じゃなかったはず。トムソンロイターのサイトのFAQ [thomsonscientific.jp]に詳しいが、あるジャーナルに載った論文の総数でそのジャーナルに載った論文の被引用数を割った数値であり、影響度の指標に過ぎない。影響にもいろいろある。

      極端な話、批判のための引用でもIFは上がるはず。なんだけどちょっと自信がないからACでごめん。

  • by onikuya (17148) on 2010年01月18日 17時13分 (#1704770) 日記

    ハッタリで出来ていると思う。
    残りは金勘定。

  • 遺伝子組み替えされた野菜などで怖いのは、毒性もさることながら、爆発的に広まって他の品種を駆逐してしまうことだそうな。
    日本で魚など外来種に絶滅させられる話がありますが、それに似てるのかも。
  • by Anonymous Coward on 2010年01月18日 15時16分 (#1704695)
    遺伝子組み換え人間を作るのがアメリカ。一方ロシアは(ry
  • by Anonymous Coward on 2010年01月18日 15時24分 (#1704702)

    ・モンサントの委託を受けた有力教授による遺伝子組換トウモロコシに悪影響が統計的に見られるとは言いがたいという論文が出る。
    ・農家のモンサントに対する訴訟
    ・今植わっているトウモロコシは遺伝子組換ばかりなのでトウモロコシ相場の高騰(モンサントばかりではないけど)

    • by pmjames (29210) on 2010年01月18日 21時50分 (#1704949) 日記

      一応モンサントとは何の関係もないんですが、この論文は Table 1 からして異常に胡散臭いです。

      生データ(の統計学的代表値)を素直に書けばいいのに、「それぞれの値のコントロールからの差(%)」なんていう、普通では登場しえない値を記載しているので、よくlegendを読んでみるまでは何が書かれているのか分かりませんでした。

      他にも何を言いたいのか分からないデータ(Fig.7とか、著者の主張するような解釈は不可能です)が散りばめられていて、数字遊びで騙そうとしていると思われても仕方がない論文の体裁だと思います。

      親コメント
    • 日本国内で大量に消費されている「植物性油脂、異性化液糖、アルコール、香料、デンプン、果糖」が
      槍玉にあがるなんてこともありそうだ。

      --
      モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2010年01月18日 15時50分 (#1704720)

    モンサント (企業) [wikipedia.org]は世界シェア90%を誇る売上げ1兆円企業(2008年度時点)で、
    (勝手な想像をすると)今回のは下手したら発表した学者が消されるくらい、
    企業の根幹を揺るがす危険な情報開示だと思ったのですが、
    December 2009に開示された論文のデータで、その後の株価の流れを追ってみるとあまり変動ありませんねえ。
    MONSANTO COMPANY Share Price Chart | MON - Yahoo! Finance [yahoo.com]
    「結局のところ、危険だろうが何だろうがおまえらウチの種買うしかないよなあ?」
    ってフェーズに入ってるんでしょうかね。。

    • 遺伝子組み換えトウモロコシの大半が飼料とか燃料だからってこともあるのでは?
      人も食べてるはずだけど、トウモロコシ全体の消費から見れば微々たるものじゃないかと思う。
      それに遺伝子組み換えじゃないトウモロコシを食っている(と信じている)のって日本人くらいじゃないの?

      親コメント
      • 飼料・工業用製品としてのトウモロコシは、バイオ燃料のほかに、加工されて下記のような商品に。

         ・食肉(草しか食べない牛を、トウモロコシを食うように品種改良。)
         ・コーラ(いわゆる「ブドウ糖加糖」の原料は、トウモロコシ。)
         ・酒(工業用アルコールの原料はトウモロコシ。)

        #まあようするに、アメリカンスタイルの生活は、トウモロコシ食って太る生活ってことで。

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      • by Anonymous Coward

        以前TVで放映されたものでは、収穫されたトウモロコシを遺伝子組み換えあり・なしで
        区別せずに一緒くたに集めていましたよ?アメリカでの話だったと記憶しています。
        組み換えありが食用として承認された段階で、どちらも価値は変わらないって話でした。

        #その後区分けされるようになっていたらごめんなさい

        • アメリカの非食用コーンは、最低限品質(水分含有率と虫害くらいしか規定されていない)での規格化が
          前提としてあって、その低品質規格で統一された飼料・工業用素材を、

           ・いかに低コストで大量生産できるか(農家)
           ・いかに低コストで輸送・保存できるか(流通業者)
           ・いかに低コストな原料として加工し、高価格な商品を製造できるか(加工者)

          といった思考を、極限まで煮尽くした観点で取り扱っています。

          農家は、食味・品質もロクに指定されておらず、品種も指定されていないので、
          単位面積当たりの収量向上のみに心血を注ぎます。
          だから、遺伝子組み換えだと収量が増えるぞ、となると、じゃあ植えるか、となります。

          流通業者は、品種や農家ごとの品質等は関係ないので、すべてを混ぜた状態で扱います。
          (それこそパイプで吸い出したり、ショベルとブルドーザーですくう扱い。)
          全部が均一の扱いなので、混ぜることが出来るし、金融的な商品取引も簡単に可能な訳です。

          このような社会的インフラが前提なので、品目として『非遺伝子組み換えトウモロコシ』が出来ても、
          混ざっちゃう訳わけですよ。

          農家のオジサンが、今年は「非・遺伝子組み換え」が価格高いらしいから作るべ、となった場合でも、
          トラクターや保存庫やスコップは当然、去年の「遺伝子組み換え」作ってたときと同じものだし、
          流通業者も、今度の便のトウモロコシ積載用貨車には、「非・遺伝子組み換え」乗せるね、ってやって、
          さっきまで「遺伝子組み換え無分別」を注いでいた積載設備のパイプで、今度は「非・遺伝子組み換え」を
          ザザッと貨車に流し込むわけです。

          結果、なんで遺伝子組み換えのトウモロコシが混ざることがあるんだ!って日本人から言われても、
          いや、ある程度は混ざるに決まってるじゃん、みたいな食い違いとなるわけです。

          親コメント
      • by Anonymous Coward

        アメリカ人が驚いて言う。
        「日本のピザにはコーンがのってるんだぜ!」
        何がショックなのか分かりませんでしたが、ありゃ牛や豚の餌で人間の食い物じゃない、ということらしい。

        #そういうお前らだってポップコーン食ってんじゃん

        • アメリカ人のいう「トウモロコシ(コーン)」は、食用じゃないので。
          生食用のスイートコーンは、違う種類の作物として扱われています。
          スイートコーンは、穀物統計からすら除外されてるので、たぶん野菜と同列の扱いじゃないかな。

          親コメント
        •  あくまで聞いた話ですが、アメリカでは黄色いコーンは飼料等用で、人間の食用コーンは白いやつらしいですよ。
           まぁピザに乗っけること自体考えられないのかもしれませんが、品種の違いもあるらしいって事で。

          --
          ここは自由の殿堂だ。床につばを吐こうが猫を海賊呼ばわりしようが自由だ。- A.バートラム・チャンドラー 銀河辺境シリーズより
          親コメント
        • by Anonymous Coward

          アメリカでは確かにコーンがあまり出てこないですね。でもまったく出ないわけじゃないけど。

          日本じゃこいつが有名ですが、米国じゃ全然見かけない
          http://www.campbellsoup.co.jp/soup/s-02.html [campbellsoup.co.jp]

          日本じゃこれもあるけど、米国じゃ全然見かけない
          http://www.mcdonalds.co.jp/sweet-corn/index.html [mcdonalds.co.jp]

          こないだステーキ食ってvegiっつーから何かと思ったらあま

          • by Anonymous Coward

            他にも、トルティーヤはタコスの皮に使ったり
            チップスをディップに付けて食べたりしますね。

typodupeerror

ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ

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