アカウント名:
パスワード:
地上に比べて発電量が稼げる、(送電方式にもよるが)天候に左右されにくい、などの利点は良いのですが、ほとんど論じられていない欠点が一つ。
ロケットや衛星のリサイクル技術に目処がついていません。
太陽電池は大部分の構成材料がリサイクルできるのが利点の一つ(=半永久的に利用可能)ですが、現状の打ち上げ技術ではそれが損なわれてしまいます。個人的には普及するにしても、軌道エレベーターかせめてCNTフライホイールロケット [so-net.ne.jp]が出来てからじゃないかと考えてます。
> 打ち上げ機材のリサイクルを必須条件と見なす必要はないのでは?
たしかに、実現させるだけなら特に必須ではないです。でも資源の面からみても持続的かどうかは、おそらく20年後には今よりもずっと重要になっているはずです。またその目処が立たない限り、「今すぐにできるエネルギー・環境面での対策」をしなくて良い理由にもなりません。
夢のある技術ではありますが、問題先送りの口実に使うのは不許可、ということですわ。
まず
太陽電池は大部分の構成材料がリサイクルできるのが利点の一つ(=半永久的に利用可能)
太陽電池は基本的に消耗品です。半永久的に利用可能なんてありえないし、宇宙空間では放射線の影響などで地上よりも早く劣化します。
輸送コストについてはリンク先の「Bloomberg.co.jp の記事」で
ばく大な物資を宇宙に運ぶため輸送コストがかさむことから、資材の運搬費用が「現在の100分の1ぐらいにならない限りペイしない」とみている。
研究開発にも多大な費用必要になるため、「他の政策もある中、政府は宇宙太陽光発電の技術開発についてどう優先度つけるのか苦労するだろう」と指摘した。
と書かれています。これでもほとんど論じられていない?
「今すぐにできるエネルギー・環境面での対策」をしなくて良い
そんなことは誰も言っていないのに、突然そんな話を持ち出されても意味がわかりません。
すでに実用化に向けて動き出していると受け取ったためにそのようなコメントになったのかもしれませんが、実証試験というのは実際にやってみてどのような課題があるのかをより具体的に確認するのが目的で、必ずしも近いうちに実用化することを前提としているわけではありません。「今やらなければいけないことか」という点では意見が分かれるでしょうけど、「輸送面の課題が解決していないからやるべきではない」というのも、見方によっては問題先送りの口実といえなくもないでしょう。
ロケットのリサイクルについては、ロケットの質量の大半が回収不可能な燃料(と酸化剤)で占められていること、安全に回収するための仕組みを追加するとさらにロケットの重量が増して燃料を浪費することなどから、今の時点では使い捨ての方が主流です。リサイクルしようとする方が資源を浪費してしまうこともあるんですよ。
激しく勘違いされてしまった。
>実証試験というのはあいや、それでも私は実証試験には賛成です。やってみないとわかんないことなんて、世の中には多々あるんで。
でも宇宙太陽光発電に限らず、”○○年後にはこういうのができるはずだから、今からあくせく温暖化対策なんてやらなくてもいい”という先送りな意見を、つい最近もここでお相手したばかりなんで。# それでブチ切れて、マイナスモデされちゃいましたけど。
>今の時点では使い捨ての方が主流です
ええ、だからエレベーターかSSTOが出来てからじゃないとリサイクルは難しいなぁ、ということで、そこは意見が一致してるかと。話すっ飛ばしすぎてすみません。
>半永久的に利用可能なんてありえないまず地上の場合について話しますと、個々の製品では確かに期待寿命が数十年程度ですが、材料をリサイクルして再生利用が可能、という意味です。これは現状でも既に行われています(例:欧州のPV CYCLE [pvcycle.org]機構)。
ただ、宇宙で利用すると放射化することは私も見落としてました。リサイクルにも差し支えるほど放射化してしまったりするのでしょうかね??
なるほど。誰かのコメントに対するつっこみならまだともかく、ツリーのトップに置くコメントとしてはたくさんの前提が抜けていて意図が正しく伝わらないのも無理はないかなと。
材料をリサイクルして再生利用が可能、という意味です。
普通はそれを「半永久的に利用可能」とは言わない(笑劣化した太陽電池を地上へおろしてから素材をリサイクルするとなると、打ち上げのコスト削減だけではダメで、大気への再突入を安全かつ安価に行えるようにする必要があります。これはこれでけっこう技術的ハードルは高い。回収によって得られる資源よりも回収のために費やす資源の方が大きくなる可能性は十分にあります。そんなわけで打ち上げが低コストになって発電衛星が経済的に実現可能なレベルになっても、しばらくはリサイクルの方は現実的ではないかもしれません。リサイクルは「もしできるようならやる」程度で、必要条件のような見方はしない方がいいのでは。
リサイクルにも差し支えるほど放射化してしまったりするのでしょうかね??
宇宙空間で長期に渡って放射線に曝された人工物を地上へ持ち帰った前例はないと思います。スカイラブやミールのように燃えながら落っこちたものはあるけど。そのあたりは今のところ未知数でしょうね。人が近づくと危険なほどの放射化はたぶんしていないと思うけど。
ちなみに軌道エレベータが実現したら、マイクロ波送電のような効率の悪い方法を取らなくても有線で送電できるじゃないですか。エレベータの周囲に太陽電池を並べれば、設置も保守も楽になるのでわざわざ衛星を飛ばす必要性は少なくなるのでは。だから発電衛星は、むしろ軌道エレベータ実現以前でこそ意味のある技術じゃないでしょうか。
フライホイールロケットは…ジャイロ効果を甘く考えすぎじゃね?ロケットは一見まっすぐ飛んでいるように見えますが、低高度では大気の薄い場所に早く到達するために垂直に近く、高高度では軌道速度を得るために水平に飛ばす必要があります。さらに水平飛行といっても地球の周囲を回っているため徐々に向きを変えています。ロケットにそれだけの速度を与えるほどのエネルギーを持ったジャイロであれば、その向きを変えるにはとんでもない力を必要とするはずです。そのためジャイロの回転軸の向きは推進方向と無関係にできなければ現実的ではありません。リンク先のアイディアではジャイロの回転軸と推進剤の噴射方向が一致することを前提としているようで、「こりゃダメだろ」と思ってしまいました。(リンク先は惑星間船にも触れてますが、惑星間航行でもそのルートは太陽を周回するカーブを描くため、進行方向は変化します。でもジャイロの向きは変化しない)
>たくさんの前提が抜けていて意図が正しく伝わらないのも無理はないかなと。
いやはや、お手数をおかけしました。申し訳ない。
>リサイクルは「もしできるようならやる」程度で、必要条件のような見方はしない方がいいのでは。
うーん、そこは意見が分かれます。ロケットなどに使われる資源は有限ですので、最終的にはリサイクルも求められると思います。ただ、それがいつの時点からになるかは私も見当がつきません。また、リサイクルに目処が付かない段階での実用化も十分ありえると思っています。
>軌道エレベータが実現したら、マイクロ波送電のような効率の悪い方法を取らなくても有線で送電
この場合、ケーブルの長さ(&重さ)が凄いことになるんですよね。地上各地の乾燥地域に設置して、大陸間を繋いでしまう方が楽(&便利)かも知れません。実際、最近はアフリカから欧州に送電なんて計画 [desertec.org]も出てきてます。それに勝てるだけのメリットを提供する必要がありますので、やはりコストや持続性での競争力も求められるように思います。
いずれにせよ、技術的に実現すると仮定した上で、一足飛びに「商売として競争力を持つにはどうすればいいか」を気にしてたわけですわ。(^^;;;
かなりいろいろなことをはしょって単純化して考えると、リサイクルが必要なら、軌道上に工場を設置して軌道上の豊富な電力で製造するということになるのではないでしょうか。
ああ、決定的に足りないのは重力と水、か。地上とはかなり違う新しいプロセスが必要そうですね。
>軌道上でリサイクル
挑戦的ですが、面白そうですね。熱は太陽熱を使い放題で、真空も比較的容易に得られるでしょうし。
洗浄が一番難しそうだけど、密閉したカプセルで、振り回して遠心力与えながら洗浄とか…水と薬品さえ持ってこれれば、力技でなんとかできそう?
宇宙線による太陽電池の劣化は結晶格子が乱されることによるもので、放射化は問題にならない。宇宙空間で太陽電池をレーザーで溶かして再生させるアニーリング技術が完成すれば、リサイクル可能。大気中より容易なはずだが、まだ理論の段階みたいだけどね。(そもそも宇宙の超高真空を地上で作れる程度の真空で実験するのは難しい)
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond
宇宙特有の課題 (スコア:3, すばらしい洞察)
地上に比べて発電量が稼げる、(送電方式にもよるが)天候に左右されにくい、などの利点は良いのですが、ほとんど論じられていない欠点が一つ。
ロケットや衛星のリサイクル技術に目処がついていません。
太陽電池は大部分の構成材料がリサイクルできるのが利点の一つ(=半永久的に利用可能)ですが、現状の打ち上げ技術ではそれが損なわれてしまいます。
個人的には普及するにしても、軌道エレベーターかせめてCNTフライホイールロケット [so-net.ne.jp]が出来てからじゃないかと考えてます。
Re: (スコア:3, すばらしい洞察)
いざ建設となれば膨大な機材を消費することになるでしょうが、
建設した発電プラントの費用対効果の検証要素に
含めて考えれば良いだけだと思います。
〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
Re:宇宙特有の課題 (スコア:2)
> 打ち上げ機材のリサイクルを必須条件と見なす必要はないのでは?
たしかに、実現させるだけなら特に必須ではないです。
でも資源の面からみても持続的かどうかは、おそらく20年後には今よりもずっと重要になっているはずです。
またその目処が立たない限り、「今すぐにできるエネルギー・環境面での対策」をしなくて良い理由にもなりません。
夢のある技術ではありますが、問題先送りの口実に使うのは不許可、ということですわ。
Re:宇宙特有の課題 (スコア:1)
まず
太陽電池は大部分の構成材料がリサイクルできるのが利点の一つ(=半永久的に利用可能)
太陽電池は基本的に消耗品です。
半永久的に利用可能なんてありえないし、宇宙空間では放射線の影響などで地上よりも早く劣化します。
輸送コストについてはリンク先の「Bloomberg.co.jp の記事」で
と書かれています。これでもほとんど論じられていない?
「今すぐにできるエネルギー・環境面での対策」をしなくて良い
そんなことは誰も言っていないのに、突然そんな話を持ち出されても意味がわかりません。
すでに実用化に向けて動き出していると受け取ったためにそのようなコメントになったのかもしれませんが、実証試験というのは実際にやってみてどのような課題があるのかをより具体的に確認するのが目的で、必ずしも近いうちに実用化することを前提としているわけではありません。
「今やらなければいけないことか」という点では意見が分かれるでしょうけど、「輸送面の課題が解決していないからやるべきではない」というのも、見方によっては問題先送りの口実といえなくもないでしょう。
ロケットのリサイクルについては、ロケットの質量の大半が回収不可能な燃料(と酸化剤)で占められていること、安全に回収するための仕組みを追加するとさらにロケットの重量が増して燃料を浪費することなどから、今の時点では使い捨ての方が主流です。
リサイクルしようとする方が資源を浪費してしまうこともあるんですよ。
うじゃうじゃ
Re:宇宙特有の課題 (スコア:1)
激しく勘違いされてしまった。
>実証試験というのは
あいや、それでも私は実証試験には賛成です。やってみないとわかんないことなんて、世の中には多々あるんで。
でも宇宙太陽光発電に限らず、”○○年後にはこういうのができるはずだから、今からあくせく温暖化対策なんてやらなくてもいい”という先送りな意見を、つい最近もここでお相手したばかりなんで。
# それでブチ切れて、マイナスモデされちゃいましたけど。
>今の時点では使い捨ての方が主流です
ええ、だからエレベーターかSSTOが出来てからじゃないとリサイクルは難しいなぁ、ということで、そこは意見が一致してるかと。
話すっ飛ばしすぎてすみません。
>半永久的に利用可能なんてありえない
まず地上の場合について話しますと、個々の製品では確かに期待寿命が数十年程度ですが、材料をリサイクルして再生利用が可能、という意味です。これは現状でも既に行われています(例:欧州のPV CYCLE [pvcycle.org]機構)。
ただ、宇宙で利用すると放射化することは私も見落としてました。リサイクルにも差し支えるほど放射化してしまったりするのでしょうかね??
Re:宇宙特有の課題 (スコア:1)
なるほど。
誰かのコメントに対するつっこみならまだともかく、ツリーのトップに置くコメントとしてはたくさんの前提が抜けていて意図が正しく伝わらないのも無理はないかなと。
材料をリサイクルして再生利用が可能、という意味です。
普通はそれを「半永久的に利用可能」とは言わない(笑
劣化した太陽電池を地上へおろしてから素材をリサイクルするとなると、打ち上げのコスト削減だけではダメで、大気への再突入を安全かつ安価に行えるようにする必要があります。これはこれでけっこう技術的ハードルは高い。
回収によって得られる資源よりも回収のために費やす資源の方が大きくなる可能性は十分にあります。
そんなわけで打ち上げが低コストになって発電衛星が経済的に実現可能なレベルになっても、しばらくはリサイクルの方は現実的ではないかもしれません。
リサイクルは「もしできるようならやる」程度で、必要条件のような見方はしない方がいいのでは。
リサイクルにも差し支えるほど放射化してしまったりするのでしょうかね??
宇宙空間で長期に渡って放射線に曝された人工物を地上へ持ち帰った前例はないと思います。
スカイラブやミールのように燃えながら落っこちたものはあるけど。
そのあたりは今のところ未知数でしょうね。人が近づくと危険なほどの放射化はたぶんしていないと思うけど。
ちなみに軌道エレベータが実現したら、マイクロ波送電のような効率の悪い方法を取らなくても有線で送電できるじゃないですか。エレベータの周囲に太陽電池を並べれば、設置も保守も楽になるのでわざわざ衛星を飛ばす必要性は少なくなるのでは。
だから発電衛星は、むしろ軌道エレベータ実現以前でこそ意味のある技術じゃないでしょうか。
フライホイールロケットは…ジャイロ効果を甘く考えすぎじゃね?
ロケットは一見まっすぐ飛んでいるように見えますが、低高度では大気の薄い場所に早く到達するために垂直に近く、高高度では軌道速度を得るために水平に飛ばす必要があります。
さらに水平飛行といっても地球の周囲を回っているため徐々に向きを変えています。
ロケットにそれだけの速度を与えるほどのエネルギーを持ったジャイロであれば、その向きを変えるにはとんでもない力を必要とするはずです。
そのためジャイロの回転軸の向きは推進方向と無関係にできなければ現実的ではありません。
リンク先のアイディアではジャイロの回転軸と推進剤の噴射方向が一致することを前提としているようで、「こりゃダメだろ」と思ってしまいました。
(リンク先は惑星間船にも触れてますが、惑星間航行でもそのルートは太陽を周回するカーブを描くため、進行方向は変化します。でもジャイロの向きは変化しない)
うじゃうじゃ
Re:宇宙特有の課題 (スコア:1)
>たくさんの前提が抜けていて意図が正しく伝わらないのも無理はないかなと。
いやはや、お手数をおかけしました。申し訳ない。
>リサイクルは「もしできるようならやる」程度で、必要条件のような見方はしない方がいいのでは。
うーん、そこは意見が分かれます。ロケットなどに使われる資源は有限ですので、最終的にはリサイクルも求められると思います。
ただ、それがいつの時点からになるかは私も見当がつきません。また、リサイクルに目処が付かない段階での実用化も十分ありえると思っています。
>軌道エレベータが実現したら、マイクロ波送電のような効率の悪い方法を取らなくても有線で送電
この場合、ケーブルの長さ(&重さ)が凄いことになるんですよね。
地上各地の乾燥地域に設置して、大陸間を繋いでしまう方が楽(&便利)かも知れません。実際、最近はアフリカから欧州に送電なんて計画 [desertec.org]も出てきてます。
それに勝てるだけのメリットを提供する必要がありますので、やはりコストや持続性での競争力も求められるように思います。
いずれにせよ、技術的に実現すると仮定した上で、一足飛びに「商売として競争力を持つにはどうすればいいか」を気にしてたわけですわ。(^^;;;
Re:宇宙特有の課題 (スコア:1)
かなりいろいろなことをはしょって単純化して考えると、
リサイクルが必要なら、軌道上に工場を設置して軌道上の豊富な電力で製造する
ということになるのではないでしょうか。
ああ、決定的に足りないのは重力と水、か。
地上とはかなり違う新しいプロセスが必要そうですね。
Re:宇宙特有の課題 (スコア:1)
>軌道上でリサイクル
挑戦的ですが、面白そうですね。
熱は太陽熱を使い放題で、真空も比較的容易に得られるでしょうし。
洗浄が一番難しそうだけど、密閉したカプセルで、振り回して遠心力与えながら洗浄とか…
水と薬品さえ持ってこれれば、力技でなんとかできそう?
Re:宇宙特有の課題 (スコア:1)
宇宙線による太陽電池の劣化は結晶格子が乱されることによるもので、放射化は問題にならない。
宇宙空間で太陽電池をレーザーで溶かして再生させるアニーリング技術が完成すれば、リサイクル可能。
大気中より容易なはずだが、まだ理論の段階みたいだけどね。(そもそも宇宙の超高真空を地上で作れる程度の真空で実験するのは難しい)
the.ACount