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世界中ではありふれた温度域となるわけです.
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Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級
タイトルがちょっと (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:タイトルがちょっと (スコア:5, 参考になる)
・液体窒素温度(77 K)
どこにでもある.低温系の人にとっては熱い温度に分類される.
・液体He温度(4.2 K)
物性で良く使う.低温物性やる人は液体Heそのものを見たことある人も多い.
(最近はガラスデュワーとか減ったから見たことない人も結構いますが)
物性系以外でも,超伝導マグネット使うところとかだと必ず使う.
・液体Heパンピング(1 Kちょっと)
要は液体Heの入った容器を減圧する.沸点が下がって温度も下がる.
ラムダ点以下まで下がると超流動になって,それまでぼこぼこと沸騰して
いた液体Heの液面が急に静謐になるのを見た人も結構いるかと.
(流入する熱がすぐに液面の部分に運ばれ,そこからのみ沸騰するため
下の方からは泡が出ない)
このへんの温度までは単にHe汲んで減圧するだけなので楽.
・希釈冷凍機(1 K以下,数十 mKぐらいまで)
Heの4と3を混ぜて,反対側からポンプで引く.すると沸点の低い3のみ飛んで
いくんで,そいつをまた上から降らせて混ぜると希釈熱で下がる.
それなりの冷却能力があるんで,ある程度のサンプルスペースを数十 mKに
冷やし続けることが可能.ちょっとマニアックになってきた低温屋とかが使う.
まあ出来合いの装置も結構あるんで,買ってくるとそれなりに楽に使用可能.
結構あっちこっちにある.
・電子スピン冷却(1 mKとか)
フリーなスピンは有限温度では熱揺らぎでバラバラな方向を向いているが,
磁場をかけるとある程度向きが揃う.ここで磁場を取り去ると,磁場が無いのに
ある程度スピンの向きがそろった状態=温度(スピン温度)の低い状態になっている.
この系を放置すると,他の自由度からスピンに熱が流れ込むことでスピンはまた
バラバラになるが,スピン系に熱を渡した分,系の他の自由度の温度が下がる.
(ちなみに温度というのはエネルギーがどのくらいばらばらに分配されているか
どうか,です.必ずしも物体の運動と対応する必要はありません.温度というのは
もっと広い概念です)
このへんの温度になってくると,自由度によって温度の下げやすさが違うので「温度」
といった時に何を指しているのかをはっきりさせないと混乱することも.
(スピン温度とか並進温度とか)
とりあえずこのへんになると持っているところはかなり減る.
・核スピン冷却だのレーザー冷却だの
(略)
こんな感じですんで,1 K前後ですと持ってるところはいっぱいあります.
理学部なんかですといくつかの研究室で持ってますんで,世界中ではありふれた温度域となるわけです.
Re:タイトルがちょっと (スコア:4, おもしろおかしい)
特にフィンランドではありふれているようです。 [fc2.com]
地球外に目を移すと、ケンタウルス座方向にあるブーメラン星雲が1Kという話があるようですね。(宇宙背景輻射より低いなんて)
Re: (スコア:0)
大規模な装置でも1.9Kに冷却することは技術的になんら難しくないのか、
実は冷却しているのは衝突を起こすための限られた部分だけで、加速レーン内を全て冷却している訳ではないのか、
とか
Re:タイトルがちょっと (スコア:3, 興味深い)
まずこいつですが,基本的に冷やすのは加速粒子を曲げるための超伝導マグネットの部分です.
で,そいつが全体的にぐるっと曲がってますんで,全体が冷えてます.粒子のいる部分はその
マグネットの内側の管の中ですんで,自動的にそこも冷えてます.
#あと検出器にも超伝導マグネット使ってたりする部分もありますが省略.
#マグネット周りの設計は結構大変だったと以前お聞きしたような.
>大規模な装置でも1.9Kに冷却することは技術的になんら難しくないのか
今回のは大規模と言っても長いだけですんで,単純化して言ってしまえば個々の小さい
要冷却部を繋いだだけです.
液化機等もリングに沿っていくつか並べられていまして,単純にある長さの冷却装置を繋いで
いったものとなっており,特に何か劇的にすごい革新/改良がなければ出来なかったという
わけではありません.まあ枯れた既存の技術だけで対処できるってのは良いことです.
#発熱量(発熱密度)が多いものを冷却しないといけない,となるとまた大変ですが,そういう
#わけでもないので.
もちろん大型機械ですのでそういった意味での難しさはありますが,それ以上のものではありません.
極端な話,いくらでも予算があるなら,「全長が10倍の加速器を冷却できるようにしてみろ」と
言われても特に苦もなく(もちろん一般的な,大きなものを作る上での苦労はありますが)実現可能です.