arXiv:1009.4698 "Eternal inflation predicts that time will end" Raphael Bousso, Ben Freivogel, Stefan Leichenauer, Vladimir Rosenhaus
Present treatments of eternal inflation regulate infinities by imposing a geometric cutoff. We point out that some matter systems reach the cutoff in finite time. This implies a nonzero probability for a novel type of catastrophe. According to the most successful measure proposals, our galaxy is likely to encounter the cutoff within t
元ネタ? (スコア:2, 参考になる)
http://xxx.yukawa.kyoto-u.ac.jp/abs/1009.4698 [kyoto-u.ac.jp]
arXiv:1009.4698
"Eternal inflation predicts that time will end"
Raphael Bousso, Ben Freivogel, Stefan Leichenauer, Vladimir Rosenhaus
Present treatments of eternal inflation regulate infinities by imposing a geometric cutoff. We point out that some matter systems reach the cutoff in finite time. This implies a nonzero probability for a novel type of catastrophe. According to the most successful measure proposals, our galaxy is likely to encounter the cutoff within t
それですね (スコア:5, 参考になる)
あと,タレコミにある「日米の研究グループ」ってのはちょっと変.メインの著者のR. Bousso先生が東大の客員か何かもやっていてそっちの所属も書かれているだけで,実際はアメリカのグループのみ.
計算そのものは同じ著者の以前の論文
Phys. Rev. Lett., 97, 191302 (2006) [doi.org]
に基づいたものであって,他のカットオフに従えば数値は多少変動します.
でまあ内容なんですが,分野外なんで不確かな点が多いのはご勘弁を.
そもそもの発端は,宇宙論の進展に従って出てきたMultiverseと言うとらえ方にあります.真空が正のエネルギーを持っているような時空は
Re: (スコア:0)
> 極々わずかな(何せ指数関数的に短寿命な宇宙の方が多い)可能性で,我々の宇宙が長い寿命な宇宙に属する可能性も残りますが.
そこで人間原理ですね。
Re: (スコア:1, 参考になる)
もともとMultiverseは人間原理を内包してますから。
我々がいるのはインフレーションで生じた無数のUniverseのうちのひとつで、
他のUniverseで人間のようなものが進化できるかどうかはわからないというか
できないUniverseのほうがずっと多い。なぜ人間にとって都合が良い物理定数
なのか、はそれを観察している人間が存在可能なUniverseだから当然だ、という
人間原理な説明にならざるを得ないんですね。
Re: (スコア:0)
>なぜ人間にとって都合が良い物理定数なのか、はそれを観察している人間が存在可能なUniverseだから当然だ、
それは人間原理の逆というかメタ人間原理では
Re:それですね (スコア:1)
>それは人間原理の逆というかメタ人間原理では
で、それらを全て知り得ていない状況で、辻褄があう説明をしているという面があるんだ..ということだろ?
それらを全て知り得ていない状況で、こういう考え方もあるだろうという提示に対して、メタ人間原理だろうがそれを示すのは面白いし、有意義だと思うのだけどね。
Re:それですね (スコア:1, 興味深い)
いろいろ面白いんですよ。
インフレーション理論によると、小さな領域が相転移を起こして拡大した
ということになっている。我々がいるUniverseだけが相転移を起こして
大きくなったというのはコペルニクス的に不都合なので、多数のUniverseが
生まれたはずです。元レスにあるように、それぞれのUniverseは一切の相関
を持たないので我々は我々がいるUniverseしか知り得ない。
宇宙の矛盾をクリアにするために導入されたインフレーション理論が
我々が知りうる宇宙しか知り得ないという不可知論的な結論を引き出して
しまうのが奇妙です。
もうひとつ、もともとTOEは物理定数がこうなっている理由を明らかにしてくれる
ことが期待されていましたが、元レスにあるようにTOEの有力候補である弦理論/M理論
では安定状態が無数に出てきてしまいます。いまのところ無限ではなさそうだが
無数だろうくらいです。
つまり、物理定数がこうなっているのは、たまたま我々がここにいるからだという
”メタ人間原理的”な説明しかできないらしい…。
どうやら「人生、宇宙、すべての答え」(42)は注意深く我々の目からは
隠されているんではないか?
時空の地平の向こうは知り得ないですし、そんなような気もしてくる話ですよね。
Re:それですね (スコア:1)
>コペルニクス的に不都合
なにかの理屈に不都合ということで、世界をそれに当てはめる必要があるのかな?
>物理定数がこうなっているのは、たまたま我々がここにいるからだという
>”メタ人間原理的”な説明しかできないらしい…。
そういう説明しか得られないのであれば、それでよいと思うのだけどね。
実際に、人間がそういう説明しか得られない状況が、世界の仕組みがかくあるべし..というわけでもないだろうね。
>時空の地平の向こうは知り得ないですし、そんなような気もしてくる話ですよね。
そうだと思うよ。なんせ、説明出来ない判らない事を言おうとしているわけだからね。