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これってどのくらい凄いニュースと捉えればいいのでしょうか?
1.人類初の人工光合成。将来のノーベル賞間違いなし。2.これまでわざわざ誰もやろうとしなかった。CO2問題でニーズが変わってきた。3.たしかに人工光合成なんだが、(従来では外部から電荷を付加するなど)独力で実現できるくらい触媒の性能が上がっただけで、従来研究と比べた独創性はない。とか。4.そのほか
1.人類初ではないです。光化学的には、NADHなど還元剤(犠牲試薬)と光触媒を使って、CO2→CO or HCHOくらいまでできています。問題は、還元剤が必要なこと。還元剤を作るのにエネルギーを大量消費したら、CO2収支悪くなりますから。
2.これまで、長きにわたって試みられてきましたが、京都議定書のあたりから力がいれられるようになってきました。この5~6年で1で書いた光触媒の効率や耐久性は上がってきていましたが、犠牲試薬の縛りからは逃れられなかった。
3.1,2に書いたように、従来からCO2還元はやられています。量子効率(光の利用効率)も、今回のよりは
> 昔さわったことがあるのでAC。
ギ酸を?
元ACです。
ギ酸くらい触ったことありますけど何か?無機酸なら、硝酸(キサントプロテイン反応で黄変したあげく指先パリパリ、大変でした)、硫酸(濃硫酸はドロッとしてます)、塩酸(指紋薄くなりました)、王水まであります。もっとも、触ったのはどれも希酸ですが。(っていうか、触れちゃった、というのが正確。)フッ酸は薄くても怖かったなー(これは手袋で。直で触れた同僚はひどい目にあってましたっけ)有機酸なら酢酸(無水酢酸で脱水したあとの酢酸は・・・)が多かったですね。
え?そんな話じゃない?(ネタニマジレスカッコワルイ)
濃硫酸は,触れた瞬間は何ともなくて,一瞬後からカッと熱くなります.なんだろ,じわっと炙られてる感じというか.「あちちちちち」とか言いながらすぐ流し台に駆け込んで水を出せば後にはなんにも問題にならないレベルではあるんですが,熱いんですよねぇ.すぐに水で洗える状況じゃないと厳しいことになりますが.#ほんのちょっとでも水が混じると,熱さが格段に違います.
塩酸とか王水(金とは錯体を作るんで溶かしますが,それ以外はまあ硝酸みたいなもんですよね)とかはまあ,それに比べればダメージは少ないというか.#でもガスが飛ぶんで周囲の腐食は激しい.その点濃硫酸は使いやすくてお気に入り.
ああ,あとは濃過酸化水素水とかもきついですね.触れた瞬間は何ともないんですが,しばらくして気づくと触れた部分の皮膚が真っ白になって粉吹いてて,内側から針でざくざく刺されてるような痛みが止まらないという.触れた瞬間に熱くなってわかる濃硫酸の方がすぐ洗えて良かったり.
ところで,フッ酸は触ると骨が溶けて死ぬ,とかいわれたんですが,本当ですか?むかしそのまま(もち手袋・ドラフター内)使ってました。結構怖かった。(化学系でなくて半導体関係だったのでちゃんと教えてもらったことない)
骨が溶けるっちゅうか,血中カルシウムをバカスカ食っちゃうんで(非常に溶解性の低いCaF2となってしまう),低カルシウムでショック状態になって死ぬ可能性が高くなります.ある程度大量に浴びちゃった場合は初期段階でいかに体内のフッ素を除いてカルシウムを補給してやるかが結構重要だったはず.
細胞内外のシグナル伝達などカルシウムは非常に重要な役割をしているのですが,血中のカルシウムは全量で500mg程度と少量しかありません.そのため,あまり多量のフッ酸が浸透するとこのカルシウムをあっという間に食い尽くし,低カルシウム血症で筋肉等がまともに動かない=心臓がまともに動かず死にます.
また,良くありがちな無機酸ですと皮膚などの油脂部分で弾かれてなかなか深部まで浸透しないのですが,フッ酸は例外的に強い水素結合でコンパクトにまとまってしまう&H-F結合が結構共有結合性であることにより分子としての極性があまり表に出てこず,まるで低極性の分子のように油にもそこそこ混じってしまいます.そのため体内への浸透性が強く,塩酸などに比べどんどん内部がやられてしまいます.(酸として強いと言うより,塩酸が弾かれるのにフッ酸は染み込んでしまうと言う違いが効く)
そのため,(他の酸のように)「後から水で流せば結構大丈夫」(ほとんどが表面にとどまっている)とか思っていると,意外なほど内部に染み込んでいて水で洗ってももう取り除けず,(文字通り)痛い思いをしたりします.#塩酸などのように表面が焼けるだけでなく,手の内部まで満遍なくやられて腫れ上がったりする.#直火焼きと遠赤グリルのように(違う)
phasonさんが詳細を書かれていますが、実際の事故例を一つ。
実験中、グローブにでできたピンホールからフッ酸が侵入。0.1N(もっと薄かったかも)の希酸、少量ということで甘くみて、手技後(←これ最悪)に石けんで水洗いして終わり。で、その晩、触れた指に激痛が発生し、指が青黒く大きく腫れました。浸食性が高いうえに、爪の隙間からも内部に侵入されたようです。翌朝に行った大学病院では、最優先扱いになりました。最悪だと、指切断だったみたいです。その後、その方は問題なく復帰しましたが、一ヶ月くらい包帯巻いてたかな。
フッ酸接触時は、希薄・少量でもマジで即対処が必要です。それで、できるだけ早く医師の指示を仰いでください。実験しているといろんなモノとの接触は当たり前で油断しがちですが、フッ酸は、希酸でもなめないよう、肝に銘じてください。
なるほど,そういうことだったのですね。長年?の疑問がとけました。
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Stay hungry, Stay foolish. -- Steven Paul Jobs
ニュースのインパクトの解説を希望 (スコア:0)
これってどのくらい凄いニュースと捉えればいいのでしょうか?
1.人類初の人工光合成。将来のノーベル賞間違いなし。
2.これまでわざわざ誰もやろうとしなかった。CO2問題でニーズが変わってきた。
3.たしかに人工光合成なんだが、(従来では外部から電荷を付加するなど)独力で実現できるくらい触媒の性能が上がっただけで、従来研究と比べた独創性はない。とか。
4.そのほか
Re: (スコア:5, 参考になる)
1.人類初ではないです。
光化学的には、NADHなど還元剤(犠牲試薬)と光触媒を使って、CO2→CO or HCHOくらいまでできています。
問題は、還元剤が必要なこと。
還元剤を作るのにエネルギーを大量消費したら、CO2収支悪くなりますから。
2.これまで、長きにわたって試みられてきましたが、京都議定書のあたりから力がいれられるようになってきました。
この5~6年で1で書いた光触媒の効率や耐久性は上がってきていましたが、犠牲試薬の縛りからは逃れられなかった。
3.1,2に書いたように、従来からCO2還元はやられています。量子効率(光の利用効率)も、今回のよりは
Re: (スコア:0)
> 昔さわったことがあるのでAC。
ギ酸を?
Re: (スコア:0)
元ACです。
ギ酸くらい触ったことありますけど何か?
無機酸なら、硝酸(キサントプロテイン反応で黄変したあげく指先パリパリ、大変でした)、
硫酸(濃硫酸はドロッとしてます)、塩酸(指紋薄くなりました)、王水まであります。
もっとも、触ったのはどれも希酸ですが。(っていうか、触れちゃった、というのが正確。)
フッ酸は薄くても怖かったなー(これは手袋で。直で触れた同僚はひどい目にあってましたっけ)
有機酸なら酢酸(無水酢酸で脱水したあとの酢酸は・・・)が多かったですね。
え?そんな話じゃない?
(ネタニマジレスカッコワルイ)
Re: (スコア:2)
濃硫酸は,触れた瞬間は何ともなくて,一瞬後からカッと熱くなります.なんだろ,じわっと炙られてる感じというか.
「あちちちちち」とか言いながらすぐ流し台に駆け込んで水を出せば後にはなんにも問題にならないレベルではあるんですが,熱いんですよねぇ.すぐに水で洗える状況じゃないと厳しいことになりますが.
#ほんのちょっとでも水が混じると,熱さが格段に違います.
塩酸とか王水(金とは錯体を作るんで溶かしますが,それ以外はまあ硝酸みたいなもんですよね)とかはまあ,それに比べればダメージは少ないというか.
#でもガスが飛ぶんで周囲の腐食は激しい.その点濃硫酸は使いやすくてお気に入り.
ああ,あとは濃過酸化水素水とかもきついですね.触れた瞬間は何ともないんですが,しばらくして気づくと触れた部分の皮膚が真っ白になって粉吹いてて,内側から針でざくざく刺されてるような痛みが止まらないという.触れた瞬間に熱くなってわかる濃硫酸の方がすぐ洗えて良かったり.
Re:ニュースのインパクトの解説を希望 (スコア:0)
ところで,フッ酸は触ると骨が溶けて死ぬ,とかいわれたんですが,本当ですか?
むかしそのまま(もち手袋・ドラフター内)使ってました。結構怖かった。
(化学系でなくて半導体関係だったのでちゃんと教えてもらったことない)
Re:ニュースのインパクトの解説を希望 (スコア:2)
骨が溶けるっちゅうか,血中カルシウムをバカスカ食っちゃうんで(非常に溶解性の低いCaF2となってしまう),低カルシウムでショック状態になって死ぬ可能性が高くなります.ある程度大量に浴びちゃった場合は初期段階でいかに体内のフッ素を除いてカルシウムを補給してやるかが結構重要だったはず.
細胞内外のシグナル伝達などカルシウムは非常に重要な役割をしているのですが,血中のカルシウムは全量で500mg程度と少量しかありません.そのため,あまり多量のフッ酸が浸透するとこのカルシウムをあっという間に食い尽くし,低カルシウム血症で筋肉等がまともに動かない=心臓がまともに動かず死にます.
また,良くありがちな無機酸ですと皮膚などの油脂部分で弾かれてなかなか深部まで浸透しないのですが,フッ酸は例外的に強い水素結合でコンパクトにまとまってしまう&H-F結合が結構共有結合性であることにより分子としての極性があまり表に出てこず,まるで低極性の分子のように油にもそこそこ混じってしまいます.そのため体内への浸透性が強く,塩酸などに比べどんどん内部がやられてしまいます.
(酸として強いと言うより,塩酸が弾かれるのにフッ酸は染み込んでしまうと言う違いが効く)
そのため,(他の酸のように)「後から水で流せば結構大丈夫」(ほとんどが表面にとどまっている)とか思っていると,意外なほど内部に染み込んでいて水で洗ってももう取り除けず,(文字通り)痛い思いをしたりします.
#塩酸などのように表面が焼けるだけでなく,手の内部まで満遍なくやられて腫れ上がったりする.
#直火焼きと遠赤グリルのように(違う)
Re:ニュースのインパクトの解説を希望 (スコア:1)
phasonさんが詳細を書かれていますが、実際の事故例を一つ。
実験中、グローブにでできたピンホールからフッ酸が侵入。
0.1N(もっと薄かったかも)の希酸、少量ということで甘くみて、手技後(←これ最悪)に石けんで水洗いして終わり。
で、その晩、触れた指に激痛が発生し、指が青黒く大きく腫れました。
浸食性が高いうえに、爪の隙間からも内部に侵入されたようです。
翌朝に行った大学病院では、最優先扱いになりました。最悪だと、指切断だったみたいです。
その後、その方は問題なく復帰しましたが、一ヶ月くらい包帯巻いてたかな。
フッ酸接触時は、希薄・少量でもマジで即対処が必要です。それで、できるだけ早く医師の指示を仰いでください。
実験しているといろんなモノとの接触は当たり前で油断しがちですが、
フッ酸は、希酸でもなめないよう、肝に銘じてください。
Re: (スコア:0)
なるほど,そういうことだったのですね。長年?の疑問がとけました。