盗用された皆既日食写真、天文雑誌の表紙に載る 34
ストーリー by hylom
天文ファンとしては大きな失態? 部門より
天文ファンとしては大きな失態? 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
天文雑誌「星ナビ」2008年6月号と2009年10月号の表紙写真が他者の写真を盗用したものと判明、投稿者が謝罪する事態に発展した(asahi.com記事、公式サイト発表)
投稿者は国内で日食の撮影を試みたが天候に恵まれず、チェコの研究家のWebページにある画像を無断で複製・加工し、撮影場所を偽って投稿したという。
2009年10月号の発売直後から電話やメールで複数指摘があり、編集部の検証と追及を経て、投稿者は2008年6月号での盗用も認め謝罪したという。天文ファンならずとも、いろいろ考えさせられる事件だ。
asahi.comの記事によると、写真に写っていた恒星と太陽の位置関係を確認したところ、恒星は日本や中国では見られない位置にあったことから盗用が発覚したという。
ほんとによく似ている (スコア:3, 参考になる)
月刊 星ナビ 2009年 10月号 [雑誌] [amazon.co.jp]
Corona up to 6 solar radii [vutbr.cz]
しかしただ相似しているだけでなく、日食の周りにある恒星の位置で撮影地が間違っていることまで指摘されるとは、さすが専門誌。
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
Re:ほんとによく似ている (スコア:5, 参考になる)
暇だったのでちょっくら検証
NASA - Total Solar Eclipse of 2009 July 22 [nasa.gov]を見てみると、喜界島での皆既食はおおよそ1:55UT、マーシャル諸島でのそれが3:30UT。ってことでその時間差はおおよそ1.5時間。
太陽は星々の間を1日にほぼ1°動くので、この1.5時間の間には 1.5 / 24 ≈ 0.06°。
太陽の見かけの直径はおよそ0.5°なので、0.06° / 0.5° ≈ 0.13。
ということで太陽の見かけの直径の0.13倍だけ星が動いて見えることになりますよっと。...これだとすぐにわかる人もいるはずです。
Re:ほんとによく似ている (スコア:2, 興味深い)
物理の一分野としての天文という意味でなら、本来の天体写真とはこういうものだということになる。しかし、特に趣味的方面の雑誌となると、科学的な意味づけよりも芸術的側面が幅を利かすようになる。結局、芸術をやっているのにもかかわらず自己認識では科学をやっているつもりになっていた作者の必然だったのだろう。
これに限らず、天文雑誌の読者投稿写真は、まさに芸術を追求した写真が高評価を得ている。家庭向けの機材でいかに200インチ反射的写真をものにするか、というような。もうちょっと、やっていることは芸術だ、ということをはっきりさせるべきかと思う。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
>>写真に写っていた恒星と太陽の位置関係を確認したところ、恒星は日本や中国では見られない位置にあった
歌にあるじゃないですか
♪ほし~は何でも知っている~
Re: (スコア:0)
2chでトレス疑惑追及してる連中に任せればあっという間ですよ。
今回だけじゃないのが問題。 (スコア:3, 参考になる)
別コメントでも指摘されていますが、雑誌表紙を含めた多数の画像で盗用の疑惑が持ち上がっています。
まとめWiki [atwiki.jp]によくまとまってます。
7月の皆既日食関連で旅行代理店や切手、地元広報誌などに幅広く使われた画像も盗用の可能性が濃厚、
しかもそれだけじゃなくてこれまでさまざまな天体について天文雑誌やウェブサイトに発表してきた
写真の多くで、同様の盗用が行われている可能性が高いようです。
Re:今回だけじゃないのが問題。 (スコア:1)
いっそのこと天文写真家ではなく、需要家向けに天文写真家から天文写真を
調達するエージェントとして活躍するってのは、ありえない選択なのかなぁ。
それだけあちこちで採用されてたということは、自前の供給能力がどうであれ、
どんな需要があるか、よく把握してたんじゃないかと推察するのですが……
Re:今回だけじゃないのが問題。 (スコア:1)
盗用^h^h供給元の著作権者との交渉までやってくれるのなら、そういう需要はあると思いますよ。
ていうか、そういう業務はすでに色々な素材写真提供する会社がありますよね。
#タモリ倶楽部で見た記憶が。
彼の場合、そこ(原著作権者との交渉)を省いてしまったことが問題で、そこの能力があるかどうかによるんじゃないんでしょうか?
まあ、まとめサイトで見る限り、人との交渉事が出来るタイプには見えませんけどね。
動機の説明が無い (スコア:1)
謝罪文を読んでも、なぜやらかしたのかが説明されてませんね。
まあ功名心だったのでしょう。しかし実は何度も表紙写真を飾るほどの常連投稿者だったので、写真仲間の手前こんなビッグイベントを落とすわけには行かなかったとか、別の促進要因があったのかもしれない。アマチュア天文写真界ってのは歴史は長いがずいぶん狭い世界らしいので、面子ってものが重んじられるんじゃないかしらん。
すいません、チラ裏級の所感でした。
Re:動機の説明が無い (スコア:2)
疑惑は、確かずいぶん以前からです。2chの天文板でいろいろ指摘されています。ということで、今回たまたま写真を撮れず、プレッシャーに負けて…ということではないと思います。
Re:動機の説明が無い (スコア:2, 参考になる)
まとめサイト [atwiki.jp]まであるんですね。
大変なことになっているようですね。
Re:動機の説明が無い (スコア:1)
まとめサイトに依れば、盗作画像100点超なんて情報も(しかも伝聞ではありますが本人からの電話という情報で)あるようですね。どれだけ広がるんだろう。
天文写真は天文雑誌の華だし、これが偽物となったらその雑誌の信用性自体が疑われるわけで。これは星ナビの編集部が法的処置なんてものを振りかざすのも当然ですね。
とはいえ、藤村新一氏の件と同じで、斯界のあちこちにシンパが居ないと、これだけ偽造しまくってここまで露呈しなかったなんて、あり得なかったんじゃないかと思います。
続報を待ちたいですね。(もっぱら観望ですが)天文趣味を持つ者の一人としては。
Re:下地はあったのかな。 (スコア:1, すばらしい洞察)
件の人物に関しては、以前から年齢詐称疑惑は言われてましたね。
なんでも、天体写真の部で未成年の部に何年間も投稿していたとか。
若いときにちやほやされてその優越感が忘れられなかったのかな。
後、この手の趣味が高齢化し若年層が少なくなってるという、
金のかかる趣味全般の傾向もあるかもしれない。
昔は、金のある社会人は機材に資金を投じ、金のない若い人間は
それを、時間と体力で補ったという感じですが、天体写真は所詮
どれ位綺麗な写真が撮れるかなんて、機材と時間、それに運が
必要ですからね。
今、社会人で金をある程度稼いでいる層は、ほとんど趣味に裂く
時間がない状況ですし、若い人も、就職進学考えてる層は、そちらの
対策に金と時間を取られて、こういう趣味に廻す層は減少してる。
さらに言えば、普通の天体写真なら、それこそハッブルや大望遠鏡の
画像がNASAのサイトに行けば無償で幾らでもありますからね。
天体写真という分野自体が、ちょっと厳しくなってる面はある。
もちろん、そんな中でも頑張って成果を上げてる人達は居るわけですが。
天文業界としても、何か若いヒーローを作りたかったのではないでしょうか。
ちょうどそのポジションに彼が居たというわけでしょう。
Re:動機の説明が無い (スコア:1)
なるほど。藤村新一的展開もありうるというわけですか。
Re:動機の説明が無い (スコア:2, 興味深い)
今回の件は捏造ではないですが、インチキしてても功を急ぎたいっていう気持ちにさせる何かがあるんでしょうね。
Re: (スコア:0)
興味深いモデがついてますが、タッチの差で既出な気がします。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
インチキで功が成るなら、そうしない手はありません。
この人たちの失敗は、インチキがバレるリスクについての認識が甘かったことでしょう。
Re: (スコア:0)
ゴッドアイ板垣の所業もそろそろ明るみに出るのではなかろうか。
Re:動機の説明が無い (スコア:1, 参考になる)
望遠鏡などの広告に紛れそうなモノクロページに掲載されていますが、
これはスケジュールの都合で仕方なかったのかもしれません。
(9/25 謝罪申し入れ → 9/28 謝罪文が届く → 10/5 11月号発売)
内容は公式サイトの通りですが、投稿者の発言は「二転三転」したそうです。
そこで編集部は「状況証拠をもって、編集部の責任において判断する」という、
訴訟も辞さないような脅し文句を告げ、ついに投稿者が観念したようです。
それでも投稿者は本人でなく「協力者」の仕業と言っていますが・・・。
なお、報告ページの冒頭では「本誌は読者・執筆者との信頼関係の上に成り立って
いる」と断っているものの、最後は「今後の応募作品は原板やオリジナルデータの
提出を求めることがある」と方針転換を告げています。
詰めが甘いよね (スコア:1, おもしろおかしい)
それによって元の写真では隠れていた部分は、やはり星の位置を調べてレタッチして…
変光星の明るさとかも気をつけて…
ねぇ?
Re:詰めが甘いよね (スコア:2, おもしろおかしい)
確かにそうだな。
ニコ動やYoutubeのアニメMAD職人の労力考えたら、
主要な恒星のデータやシミュレーションソフトが揃ってる
天文なら、それくらいやらないと職人芸とは言えないな。
まだまだ精進が足らんよ、うん。(問題がとらえ方が違うからAC)
Re: (スコア:0)
#位置(は)きっと正確・・・
元写真すごい (スコア:0)
地球照でうっすら月の模様が見えるのですね……。
そういえば反射能としては月よりも地球の方が全然高いのでしたっけ。
朝日じゃないの? (スコア:0, オフトピック)
一瞬、「朝日がまたやったんかい。」と思った。
Re: (スコア:0)
産経だって月にコウノトリだっけ? やらかしてるけどな(藁
Re: (スコア:0)
"月にコウノトリ" でぐーぐる先生に聞いてもわからなかったのでkwsk
"月に雁" なら有名なんだけどねぇ
Re: (スコア:0)
「月にコウノトリ 産経」で普通に出ましたけどねえ。どんな検索してるのやら。
とりあえず「合成写真掲載のおわびと経緯」でぐぐれ。(元の記事は消されてるみたいだけど)
Re: (スコア:0)
google先生だって下手な質問には答えづらかろう。
質問者には質問者の態度ってものがあるんよ。
思考を挟まず、オウム返しのように訊くだけでは駄目。
> 産経だって月にコウノトリだっけ?
1.語尾が曖昧調であることから、「月にコウノトリ」で検索して見つからなくても、
他の表現があるのではないだろうかと推測できる。
2.それらしい単語に分けたり、置き換えて検索する。「産経 写真 コウノトリ」とか「産経 写真 盗用 鳥」。
3.産経の件は盗用で問題になったわけではないのだが、まあ「虚偽」という枠は一緒なので
検索には引っかかることになる。
こんなんよく見つけるな・・・ (スコア:0)
> 天文雑誌「星ナビ」2009年10月号の表紙は、沖縄県の宮城隆史さんから提供されたもので、
> 「2009年7月22日に、中国の杭州および鹿児島県喜界島で撮影した多数の画像を素材として
> 作成した」という趣旨の説明文を同号の目次ページに記載しました。
この撮影箇所の申告があったから
> ところが、この10月号の表紙画像に写っている恒星の太陽との相対的な位置が、
> 中国の杭州および鹿児島県喜界島で撮影された場合のそれと大きく異なるという指摘がありました。
となって調査が進んでバレバレになった訳でまさに墓穴ですが、実際の写真を見ると
「恒星ってどれですか?」状態で脳内天文地図が自宅周辺地図並みに頭に入ってないと
とても気づけないのではコレって感じで驚愕。
Re:こんなんよく見つけるな・・・ (スコア:5, 参考になる)
いやいや、さすがに恒星の分布までは頭には入ってないですよ。
星の位置の違いが盗用を疑うきっかけだったのではなくて、疑いから確信に変えた材料です。
撮影場所とされている喜界島は当日薄曇りだったそうで、そんな状況で撮られた写真から
画像処理を経たとしてもこんな超高解像度の画像が出来上がるのは不自然なのです。
いろいろ探しまわってみると、よく似た日食画像があった。この写真はマーシャル諸島で撮られたものだった。
重ねて比べてみると、とてもよく一致する。
シミュレーションソフトを使うとマーシャル諸島と喜界島・中国杭州から見た星と太陽との位置関係なんて
すぐわかるので、これが盗用の決め手となりました。
今度盗用した奴は (スコア:0)