光速超えのニュートリノ、原因は時計の同期にあり? 89
ストーリー by reo
重力項の導入は簡単なのかしらん 部門より
重力項の導入は簡単なのかしらん 部門より
capra 曰く、
CERN (欧州原子核研究機構) が実験で計測したという光速超えのニュートリノについて、「光速を超えた」ように見えた原因は計測に使用した時計のシンクロにあるのではないかとする論文が発表された (arXiv:1109.6160v2、Nature News の記事、本家 /. 記事より) 。
光速超えのニュートリノを計測したのは、OPERA (Oscillation Project with Emulsion-tRacking Apparatus) というニュートリノ検出装置を使った実験。ニュートリノはスイスのジュネーブの CERN から、イタリアのグランサッソ研究所まで地下経由で 731 km の距離を飛ばされ、その時間が計測された。
ニュートリノの計測には、始点と終点にて 2 つの時計が必要となる。これらの時計は同じ衛星を使った GPS 信号を用いて同期されているが、この度発表された論文では重力の影響によって時計が異なる速度で時を刻んでいたのではないかとの説を唱えている。論文は、地球の中心からの距離の違いによって、始点である CERN の方が終点のグランサッソ研究所よりも重力が僅かに強いことに言及。このため CERN の時計は終点の時計よりも僅かに遅く進んでおり、この点が考慮されていなかった可能性について指摘しているとのこと。
なお、OPERA 実験チームは現在この分析を精査しているとのことである。
驚き! (スコア:3)
>CERN の時計は終点の時計よりも僅かに遅く進んでおり
イタリアの時計の方が正しかったんだ…
その解釈に驚き! (スコア:1)
どっちが正しいかなんて書かれていないだろ
Re: (スコア:0)
いつも思うことだが、
速度=距離/時間
距離は重力の影響を受ける。
光は重力の影響を受ける(直進できない)。
こんな状況下で本当に光速が絶対基準なのかと。
可変する光を絶対基準にするから
時間が変化してみえるのではと。
Re:その解釈に驚き! (スコア:5, 参考になる)
>可変する光を絶対基準にするから時間が変化してみえるのではと。
「相対論は光を基準に考えてるから変なことになるんだ」というのは良くある勘違いで,実は光を基準にする必然性はありません.
良くある教科書とか説明で光を基準にして(光速度不変をまず原理と置いて)相対論を構築するのは,そうすると理論の見通しが良くなって,しかも説明が簡単になるからです.
そのため,別に光速度不変からスタートせずに相対論を構築することは可能です.例えばローレンツ不変性を原理として置いて(ただし変換式中のcは,とりあえず単なる変換のための定数とする),後はそこから演繹するとか.さらにはもっと戻って,相対性原理だけからローレンツ変換を導き,さらにそこから光速度不変を出すことも可能です(正しくは,ローレンツ変換に伴うある最高速度cが定義され,それが光速度に等しい事が実験的に判明する).
こういった回りくどい説明をわざわざ行って,光速度不変が相対論の構築に必ずしも必要ではない(前提ではなく,結果として出てくる),ということを示す教科書もあります.
……まあ,そのかわりに式の構築がかなりめんどくさくなったりするのですが.
#この場合は,光速度不変は原理ではなく,理論の帰結として出てきます.
また,各種測定自体も,別に光速度を基準に用いて行う必要はありません.単純に光を用いるテクノロジーが非常に高度に発達していて精度が出るためよく使われているだけです.
Re:その解釈に驚き! (スコア:1)
「普通、目にする物理現象は電磁気力によるもので、
距離も、時間も光速を基準にせざるを得ない」
と解釈しています。
光速を直接、測定に使うことは
距離、時間のように二次的な測定量であることを
考慮する必要がないという点で意味があると思います。
Re:その解釈に驚き! (スコア:1)
因果関係だけがあって、個々の事象が電磁相互作用で結ばれているとしたら、
光速が絶対的な意味を持つのは当然だと思います。
人間の感覚も含めて光速に支配されているのですから。
Re:その解釈に驚き! (スコア:2, 参考になる)
可変するって、光速度不変は実験結果から来たものですよ。そして不変なのは無重力下、真空中での光速です。
今回の実験も真空中での光速の速度より速い速度で進んだように見える、という話でその場で光と駆けっこして勝ったという話ではありません。
マクスウェルが導き出した波動方程式に、光速という定数項が出てきてしまったので、
ニュートン力学がすべてだった当時の科学者は「その速度って”何に対して”の速度なのよ?」
と真空中での光速をいろんな条件下で計測しましたが、違いが見られなかったのです。つまり何に対してもいつも同じ速度に見える。
困った科学者達は、あーだこーだと理由を考えようとしましたが、そこでアインシュタイン御大が
「実験がそうだってんだし、波動方程式も間違ってないみたいだし、光速度不変をもう認めちゃおうぜ~。
んでそうするとニュートン力学といろいろ矛盾が出てきそうだけど、どう矛盾するのか見てみよっか」
と考えられて、生み出されたのが特殊相対性理論です。
特殊相対性理論は、光速度不変のほかに相対性原理も前提にしていますけど。
Re: (スコア:0)
光速度不変をアインシュタインの成果とするのは違和感を覚える。
ローレンツその他の人々のことも、たまには思い出してやってください。
Re:その解釈に驚き! (スコア:1)
みなさん勘違いしてらっしゃいます。
光速度はSI系の定義です。
変わるはずがあるわけないじゃないですか。
# 保守派
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Re:その解釈に驚き! (スコア:2)
アインシュタインはそういってますね。その場合でも光の速度は絶対だと。
この実験もその検証だったはず。
その前に、「2地点間にある時計の同期」が、そもそも可能なんですかね。この前提が成り立たたないんじゃないかと思うんですが。
hoihoi-p 得意淡然、失意泰然。
Re:例えば (スコア:2)
コメントありがとうございます。(遅くなりました)
他の方が言われているように、「考えうる限りの補正値を入れる」と言うことならば、逆説的に「2地点間にある時計の同期は出来ない」事を認めてるんじゃないかと思うんですよ。
「重力の影響の無い、真空の2地点間。」なんて、現実には宇宙空間にすらないんじゃないかと。
偉そうに書いてますが、全くの素人です。
hoihoi-p 得意淡然、失意泰然。
Re:その解釈に驚き! (スコア:1)
いや, たまたま光が光速で動いているから「光」速と言っているだけで, 本質としては単なる一定(constant)速度(celerity)に過ぎませんから.
Re: (スコア:0)
じゃあ何でもいいから検証・観測できるもので基準を提案してくださいよ。
だいたい直進って誰から見てのものですか。
Re:その解釈に驚き! (スコア:2)
空間って鏡一つで曲がるんだ!
#一般的にイメージされる「光」と相対性理論で扱われる「光」って知れば知るほど別物だよなぁ・・・
Re: (スコア:0)
いや、オレは素直に笑えたが…
スイス時計残念(笑)
リアル話をすると、地球の暦のような統一認識の時間ではなく、その時空間での時間と言う意味では、重力の影響により各時計が存在する時空間での時間の進む早さ自体が異なっているだけで、それぞれの時計が存在する時空間における時計の正確性は同じなのだろう。
(とも書かれていないが、そう読み取れる。)
Re:その解釈に驚き! (スコア:2)
> それぞれの時計が存在する時空間における時計の正確性は同じなのだろう。
そうそう。それを書きたかたんですよ。
同じ時空間と重力場(?)に無いわけだから、時計の同時性なんて、どういう根拠に基づくんだろうと思ったわけで、・・・。
# あー、ついていけない話題に書いた私が馬鹿でした。
hoihoi-p 得意淡然、失意泰然。
Re:その解釈に驚き! (スコア:1)
時計の進み具合 (スコア:3, 興味深い)
論文を読む限りでは、60nsのオフセットは2年間の実験期間中、ずっと安定しており、
時計の進みが違うようには見えませんでした。(実験誤差も10nsぐらいですし)
そもそも重力による既知の効果は補正されているので、この指摘は違う気がします。
Re:時計の進み具合 (スコア:1)
Re:時計の進み具合 (スコア:1)
たぶん、1年≒12ヶ月から時計の円も12時間になって、指が5本から1目盛りが5等分されたんだろう。
1周 360°も 1年=365日≒360 が元だろうから、正三角形=60°てのもあるかもね。
the.ACount
Re:時計の進み具合 (スコア:2)
日常的に使われるのが10なのは手の指の本数が10だからだろうなぁ、と思う。
360は2でも3でも4でも5でも6でも割りきれる最小の数で、
60は2でも3でも4でも5でも割りきれる最小の数で、
12は2でも3でも4でも割りきれる最小の数だよね。
単純に算術的な扱いやすさから来ている数字で、暦周りはあまり関係ないはず。
Re:時計の進み具合 (スコア:2)
あ、、、
360の項は一番最後に後付したんだけど、
60x6で36だから360になるよね、って思考した時点で気づけよ
って話ですよね、60って無茶苦茶露骨に6で割れるやん、って。
Re:時計の進み具合 (スコア:2)
ギャグに説明を求める事になる気がして少し気が引けるけど、360と求めた先で何にびっくりすれば良いのか全然わからなかったから説明してくれるとうれしい。。。
だが待ってほしい (スコア:2)
イタリアの影響で光の速度もちょっぴりあやふやになるのではないだろうか。
Re:だが待ってほしい (スコア:2)
なにしろ、波紋法の国だしな…
ニュートリノに対するオーバードライブぐらいかけられるだろう。
fjの教祖様
もしやこれは・・・ (スコア:2)
"2地点間の時間の進み方を一定にできない"
科学的な遅刻の言い訳に使える大発見なんじゃ・・・
++ ftsh ++
デジタル回路屋の目線で見ると (スコア:1)
デジタル回路屋の目線で見ると、実験結果の60ns差が、妙にキリの良い値なので、なにやら不審なものを感じています。
計測器のどこかに、16.666MHzのクロックで動いている回路があって、そこに回路バグがあって、1クロックずれて動いてるんじゃないかな~?って。
(60nsは16.666MHzの1クロック周期に当たります)
16.666MHzって、一見変な値ですが、時折、この周波数のクリスタルが乗っている基板を見かけます。(ウチのASICでは使いませんが)
Re:デジタル回路屋の目線で見ると (スコア:2, 参考になる)
元論文 [arxiv.org]見てもらうとわかるけど、量子化幅はもっと狭いよ。1nsとかそのぐらい。
そのぐらいの刻み幅で測定すると、ブロードな到着ピークが得られて、そのピーク全体をフィットして到着時間を出す。で、その測定を何度もやって統計値を出してる。
60nsってのも別にぴったりな値でもなくて、60.7±6.9(統計的なばらつき)±7.4(系統誤差) nsってのをわかりやすくばっさり60nsって言ってるだけ。
素人でも (スコア:0)
時計の同期の確からしさを疑問視してた。
追試の結果待ち。
もっと距離のある場所(例えばスーパーカミオカンデ、たぶん距離的に10倍ぐらい)とかに打ち込めば、今回の結果が確かだったと仮定した場合それに比例した結果が出るはずだがやらないかな~?
Re: (スコア:0)
CERNから日本に打ち込もうと思うと、大工事が必要です。
Re: (スコア:0)
日本内でも打てるんじゃないかな
それとも、生成できるとのはCRENだけ?
Re: (スコア:0)
日本内で打ってもいいけど「スイスのジュネーブの CERN から、イタリアのグランサッソ研究所まで地下経由で731 km」よりも長い距離が確保できるの?
Re: (スコア:0)
距離が大事なんで日本で打つんだったら意味がないじゃないですが。
速度= 距離/時間
距離を大きくするか時間の精度を上げないと制度は高まらない。
日本にはT2Kがあります! (スコア:1)
日本にはT2Kという物があります。東海村から神岡にニュートリノを飛ばす実験です。
私も素人ですので、どなたかのフォローがいただければですが、
この超光速のニュースがCNNで流れたとき、
「追試できるのはアメリカのフェルミ研と日本のT2Kだけだ」という記事を見ました。
軍事とは切り離された大規模実験で科学的な基礎研究が行える国(団体)は世界でその3つだけである。
これは本当の意味での先進国にしか実行できないことなのである。
ということで、日本ももっと自信もて(ちょっと話題がそれてしまいましたね・・)。
Re:日本にはT2Kがあります! (スコア:2)
核兵器がらみなら巨大な施設を持ってる国が他にもあるからでしょう。
それに、軍事目的の研究は結果が公開されないことも多いですから。
Re: (スコア:0)
カミオカンデに打ち込むには斜めに…
ニュートリノは透過するからいいとして光は…
今の設備ではできないことは素人でも考え付く
Re:素人でも (スコア:2)
詳細はヤマトのワープ航法の説明図を参照のこと。
つまりニュートリノを圧縮して爆発させるレシプロエンジンを作ればワープ航法が可能になるということでいいんだよな。
Re: (スコア:0)
「光は…」って、まさか光も飛ばすとか思ってる?
Re: (スコア:0)
そうか!
光も一緒に飛ばせば、光速を超えているかどうかが簡単にわかる!
Re: (スコア:0)
真空中で無ければ光より速いというのはありうるんでございますよ。
Re: (スコア:0)
CERN からグランサッソ研究所まで穴を空けよう。
Re: (スコア:0)
マカロニ作りの技術の応用ですね。
Re:素人でも (スコア:2)
ニュートリノを打ち出すと同時に、地上に敷設した光ファイバーに同期パルスのっけて測定してたらそうなるかもね。
# ファイバー網も普通は実験所間を直線で走るとは思えないんだが…
自分の考えるところ、カミオカンデの観測結果が光学的観測の結果と同期してたのを考えれば、
この実験も時計の方が狂ってたと考えるほうが妥当だろうと思います。
毎回60nsのずれ、と矛盾するのでは? (スコア:0)
実験を複数回行なって、毎回60nsのずれが出た、と言っていたはず。
重力の影響で、時計の進みに差が出たのならば、
2台の時計をGPSで合わせてから本番の実験を行うまでの時間が長ければ長いほど差が大きくなるはず。
複数回実験を繰り返せば、実験毎に時間差が異なるはずだと思うので、重力の差では説明できないと思う。
Re:毎回60nsのずれ、と矛盾するのでは? (スコア:2)
この記事 [mycom.co.jp]のこの図 [mycom.co.jp]をみると、1秒毎に時刻同期が入ってるように見える。同期の精度は2.3±0.9ns
ただ、この時刻同期システムが常時動作していたのか、一定時間毎に実施していたのかは、記事からはわからない。
Re: (スコア:0)
毎回、時計合わせてたのでは?
Re: (スコア:0)
毎回、時計合わせてたのでは?
毎回、時計を合わせていたにしても、
時計を合わせてから、本番の実験を行うまでの時間を、毎回ぴったり同じにしないと、
実験する度に、50nsのずれになったり、70nsのずれになったり、微妙に値が変化すると思う。
まあ、毎回、GPSで時計合せしてから、ぴったり10時間後に実験、とかしてれば、おっしゃるとおりです。
逆に、それならば、GPSで時間合わせしてから実験するまでの時間を変えて試してみれば、
この論文で指摘されていることが起こったのかどうか、簡単に検証できると思う。
(今まさに検証中なのかもしれないけど・・・)
Re: (スコア:0)
毎回、時計合わせてたのでは?
はい行くよー、時計合わせてー、行くよー、
3、2、1、どーん!
あ、ちょーっとニュートリノ早かったかな、まあいいや。
Re: (スコア:0)
時計合わせは、実験装置の建造中に並行してやると思うので。
時計をあわせてからの時間よりも、実験間隔が十分に短ければ誤差に埋もれるのでは?
統計誤差は±6.9nsだそうだから、
一年前に時計をあわせて、1ヶ月で実験したとか。
可能性としてはゼロではない。一応。
#それも含めて、さすがにそれぐらい検討してるだろうと思うけど >今回の件
Re: (スコア:0)