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テクノロジー

カーボンナノチューブの特性を利用した体内埋め込み電源 32

ストーリー by headless
夏は暑そう 部門より
jonykatz 曰く、

産業技術総合研究所は、カーボンナノチューブの光発熱特性を熱電変換素子に組み入れ、生体内で発電できる新たな光熱発電素子を開発した(プレスリリースマイコミジャーナルの記事)。

この発電素子は、カーボンナノチューブを分散させた樹脂フィルムを熱電変換素子に接合したもの。近赤外レーザー光の照射により樹脂フィルムが発熱することで熱電変換素子との間に温度差が生じ、熱発電動作を示す。これまでカーボンナノチューブは溶媒に分散しにくい点が応用上の制約となっていたが、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)を用いることでシリコーン樹脂中に均一に分散できることが分かったとのこと。

既に生体外においてゼブラフィッシュの心筋を効果的に電気刺激できることが確認されており、ラットの背面に埋め込んだ光熱発電素子にレーザー光を照射することで生体外と同様に発電動作が起こることも実証されているという。

体内に埋め込んだ素子に体の外から近赤外レーザー光を当てるだけで、人体に負担をかけずに電力を供給できるとのことで、安全で電池交換の不要な体内電源が利用できる日は近いかもしれない。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • C60とかCNTって発がん性ありまえんでしたっけ? まぁ体曝する部分でないと思いますけど。
    • by Anonymous Coward

      C60・発がん性だとコバルト60連想してしまうので要注意だ。

      ま、それは置いといてもカーボンナノチューブやらナノコーン?の発がん性に対しての評価は疫学的に十分な資料がない。
      数十年後の発がん性に対しては動物実験も出来ないので大量暴露した研究者の人柱待ちだね。

      なんか良い手段はないものか?

      • > C60・発がん性だとコバルト60連想してしまうので要注意だ。

        それは、60-Coってお約束のツッコミは置いといて。

        > ま、それは置いといてもカーボンナノチューブやらナノコーン?の発がん性に対しての評価は疫学的に十分な資料がない。
        > 数十年後の発がん性に対しては動物実験も出来ないので大量暴露した研究者の人柱待ちだね。
        > なんか良い手段はないものか?

        CNTは、(ポインティングディバイスではない方の)マウス相手に影響検証をしているようです。
        ・国立環境研究所ニュース 29(5)カーボンナノチューブ吸入曝露装置の作製と毒性評価 -中核研究プロジェクト3「環境中におけるナノ粒子等の体内動態と健康影響評価」から- | 国立環境研究所
        http://www.nies.go.jp/kanko/news/29/29-5/29-5-02.html [nies.go.jp]

        とかく新素材(←言葉合ってる?)の機能効用がクローズアップされますが、安全性の検証方法の確立も同じように重要です。
        #ソフトウェアのユニットテストの様な方法論があるのかな?

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        • by Anonymous Coward on 2011年10月30日 18時35分 (#2042225)

          マウスによる検証は短期毒性には有効でも長期に渡る検証や蓄積性の化学物質に対してはデータ出しづらいですらねえ・・
          C60は呼吸器から血液内に取り込まれて末端血管系にたまるようだ・・・みたいな実験ありましたがそれがどんな障害を出すかは
          結論が・・・しばらく出ない。

          親コメント
      • by Anonymous Coward

        細長い物質は先端で細胞が粒子だと誤認識して飲み込もうとして
        飲み込み切れずに細胞が死んでしまうという話を何処かで見た気がする
        石綿の発がん問題と関連して

        • by Anonymous Coward on 2011年10月31日 0時27分 (#2042308)

          短期的には、ナノチューブはむしろ細胞と親和性が高くて、表面にくっついて成長したりします。長期的な影響は現在検証中。あまり影響なさそうって報告は多いけど、影響があるという報告もあるので断言できず。

          元々はアスベストとの絡みで、細長いから同じようにまずいんじゃない?って話だったんだけど、そもそもアスベスト被害のメカニズムがよくわかっていないため、細長いからと言うだけでまずいのかどうかすらよくわかっていない。
          一応アスベストの方の最近の研究では、細長いことは排出されにくい事には繋がるが、毒性のメカニズムには関係なさそう、という意見が多い。ただしそもそものアスベストが何故毒性を示すかのメカニズムが(仮説はいくつかあるけど)確定していないので、確実とは言えないけど。

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          • by Anonymous Coward on 2011年10月31日 11時08分 (#2042383)

            岡山大学が、アスベストの発がんメカニズム解明! って発表してましたね。
            ガラスウールも細長いですが発がん性はIARCのグループ3ですので、物理的形状がただちに発がん性と結びつくわけではなさそうです。

            #アスベストはグループ1

            親コメント
            • by Anonymous Coward

              二つ上の#2042308のコメントのACです。
              岡山大の話(中村先生の研究ですよね?)が出たので、せっかくなのでちょっと補足を。

              石綿による中皮腫を発症している人においては含鉄タンパクであるフェリチンが増えていることが知られていました。中村先生の研究はそのあたりを(多分)出発点にしていまして、6名の中皮腫患者を調べて、

              ・鉄含有量の多い石綿の周りには、フェリチンの蓄積が起こっていた
              ・フェリチンは沈着時に様々な微量金属元素も一緒に取り込んでいた

              と言うことを見出します。で、そこから、

              アスベスト類は一度取り込まれると排出されにくく1箇所に留まる(よく知

  • by Dobon (7495) on 2011年10月30日 19時28分 (#2042241) 日記
    皮膚を通してレーザ光を受光部に当てる→レーザ発信器を皮膚に密着させないと効率が悪い。位置ズレにシビア:使い勝手が悪そう。
    熱電素子は一般に温度差が大きいほど発電量が大きいです。しかし、体内に埋め込む以上、体温より数℃高い程度が限界でしょう。(下手に上げると低温火傷で周囲の組織が破壊されるので)
    つまり、非常に広い面積が必要になります。当然、照射装置も大きなものになるでしょう。

    素直に電磁誘導で給電した方が安全かつ便利そうです……。
    --
    notice : I ignore an anonymous contribution.
    • by nemui4 (20313) on 2011年10月31日 8時54分 (#2042340) 日記

      単純に皮膚部位で吸収されにくい波長(具体的には知らないけど)のレーザを利用するんじゃないんすか。
      CO2とかNd:YAGとかのメインの発振波長だと確か皮膚にも吸収されやすいけど、ArとかEr:YAGなんかは割と皮膚を透過して内部まで入っていくんじゃなかったっけ。
      #すっかり数字は忘れた。

      パルスレーザでもピーク値がそんなに高くなくして時間的空間的エネルギー密度を低くしておけば人体の組織破壊を起こさず皮膚下デバイスへのエネルギー供給は出来そうな気がする。

      いっそ皮膚の一部に普段は閉じておける光学的な「窓」を付けておいて、ソコにレーザを照射するともっと効率は上げられそう。
      #ガンダムなんとかで戦艦からビーム照射してエネルギー供給するシーンを連想した。

      親コメント
      • by Dobon (7495) on 2011年10月31日 20時33分 (#2042820) 日記
        くりかえしますが、熱電対というのはホットとコールドの温度差で発電する素子です。
        ホット側の熱がコールド側に移る際の落差を起電力として利用するのです。
        つまり、何をどうやってもコールド側の温度は上昇します。

        コールド側の温度が体温より数℃高くなる程度に押さえながら使う必要があるのです。
        受光部を高熱化しても、その温度はコールド側の面積(体積)に制限されてしまいます。
        (受光側から温度データを送信してレーザ出力を制御する必要がある)
        これって、無駄に複雑ではありませんか?

        熱電対を使うなら、むしろ、太い血管や体内深部に置いた集熱版と、背中に取り付けた放熱版を熱電対で結んだ方が余程効率よく発電できるかと。
        ・外気温が30℃超える場合は放熱版に水をかける必要があるかもしれません。
        --
        notice : I ignore an anonymous contribution.
        親コメント
    • by Anonymous Coward

      電磁誘導で給電できない 場合があるからだろ

      • by Anonymous Coward

        具体的にどんな場合?電磁誘導での給電はシリコンパットあたりに発電コイル挟んだの埋めて、
        磁石を左右に往復させるだけで熱電素子よりはるかに高い効率で発電できますが,
        そんな手段使えない場合・・・予想しづらい。

        • by Anonymous Coward

          プレスによると

          電磁波による生体への影響や、医療機器内の電子回路の誤動作などが大きな問題となっている。そのため、生体内に埋め込まれたデバイスへの安全な遠隔電力供給システムが求められている。

        • by Anonymous Coward
          >磁石を左右に往復させるだけで熱電素子よりはるかに高い効率で発電できますが

          つまり自家発電行為による自家発電が可能になるって事か。
      • by Anonymous Coward

        磁場の漏れくらいしか欠点が思い浮かびません。
        MRIとか磁場を使う・影響される精密検査との併用くらいしか用途が無さそうな気がするけれど、そんな用途ならコンデンサで持つだろうし・・・

        参考までになんか例を出してもらえませんか?

        • by Anonymous Coward
          >くらいしか用途が無さそう

          医療の現場では、そのわずかな用途があるかないかが重要なんですよ。
          • by Anonymous Coward

            や、だからそこはコンデンサで十分じゃないかと思っての疑問です。
            この方法で供給できる電力はかなり小さいので、適当にコンデンサに電力ためてしまえば賄えるのではないかと。
            半日超えてくるとコンデンサで持つかは怪しくなりますが、コレ埋めて半日以上MRIに缶詰とかするくらいなら有線で供給すべきでしょうし、結局需要がなぁ・・・

            上のコメントで「電磁波による生体への影響や、医療機器内の電子回路の誤動作などが大きな問題となっている」とかありますが
            生体への影響ってプラセボレベルだし、この方法で置換できるレベルの電力供給に必要な電磁波に匹敵するノイズなんてそこいらじゅうに溢れているので、それで誤作動するようなら電波暗室でも持って来るのかってレベルなんでは?

            基礎研究としての価値はあるかもですが、現場でも実用性が皆無に思えてならない。

            まぁ思うだけですが。

  • by Anonymous Coward on 2011年10月30日 17時18分 (#2042206)

    たとえ僅かな電力でも体内で電源が確保できるとなれば、
    これまで体内に埋め込みたくても埋め込めなかった、もしくは
    まったく思いつかなかった便利で有用なデバイスが現れるかも
    という事でしょうか。
    Bluetoothの最新規格など、わずかな電力で動作する通信と組み合わせれば
    医療以外にも面白い事が出来そう。

  • by Anonymous Coward on 2011年10月30日 17時21分 (#2042207)

    カーボンナノチューブを用いた発電素子開発が目的でデモとしてたまたま体内埋込発電をしたのか、ウェアラブル型医療機器の電源を作りたくてカーボンナノチューブを応用したのか、どっちなのか良く分からないし、どちらかで評価も変わってくるはずだが
    開発した部門の名前を見たら後者のようだが......
    それと体内埋込の電源の選択肢は他にもあるはずだが、この手法が圧倒的に有利なのか?

  • 有効な電流量として何アンペア取り出せるんだか?
    樹脂シートにコイル挟んでピップエレキバン上で回すほうが数百倍の発電出来ると思います。

  • by Anonymous Coward on 2011年10月31日 12時21分 (#2042415)

    おでこに当てて、デュートリオン充電

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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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