大林組、宇宙エレベーター構想を公表 82
ストーリー by reo
その頃には景気も良くなってるだろう 部門より
その頃には景気も良くなってるだろう 部門より
m.sakkanen, gf1e, danceman ら曰く、
大手総合建設会社である大林組が高度 96,000 km に達する宇宙エレベーターを 2050 年までに供用開始とする工程付きで構想を発表した。本家 /. 記事でも話題になっている (大林組のプレスリリース、YOMIURIN ONLINE の記事、建設通信新聞の公式記事ブログより) 。
カーボンナノチューブ製のケーブルを使用し、ケーブルにはたらく重力と遠心力のバランスによってピンと張った状態を保つ。宇宙エレベーターの発着点であるアース・ポートは海に浮かぶ基地となり、総延床面積は 27 万㎡、高度 36,000 km 上の宇宙空間に静止軌道ステーション (1 万 3200 ㎥) を建設し、50 人が滞在できるようにするという。
2025 年からアース・ポートの建設に着手とあるが、果して実現できるだろうか。
大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:5, おもしろおかしい)
前田建設なら、ファンタジーで済むんだが、大林組となるとマジだ。
個人的印象なら、日本国家がやるといいうより現実味がある。
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:1)
ところで、リンク先には宇宙エレベーターの用途として宇宙への物資の大量輸送が示されています。そんな需要ってあるんでしょうか。月面に基地を作るとか、宇宙ステーションを建造するとか、何か大規模な需要がないとペイしないんじゃないですかね。
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:3)
宇宙への大量輸送の理由はいくらでもありそうです。
何といっても、無重力でしか作れない物を作るための「工場」でしょう。ロケットで送っている限りは「実験室」レベルでしか出来ないですが、軌道エレベータであれれば商業レベルまでの生産も現実の物となりそうです。
本数が増え、ペイロードも上がってくると観光、当然、商業。そして、名物宇宙まんじゅう、製造は地上。
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:3)
商業利用、いいですよね。馬鹿らしいようなものができるほどになれば面白い。
たとえば、成層圏縦断ウルトラクイズとか。脱落したら文字通り脱落してもらいます。
人生は七転び八起き、一日は早寝早起き
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:2)
密度の違う餡と皮が均等に混ざり合ったまんじゅう(無重量状態でしか作れない)も悪くありませんが、1/10スケール軌道エレベータ模型も捨てがたい。
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:2)
> 1/10スケール軌道エレベータ模型も捨てがたい。
そして、銘盤には「努力」「友情」「根性」
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:2)
ペナントも是非。
#「宇宙」って書いてあるんかな。
怠惰・短気・傲慢! 怠惰・短気・傲慢!!
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:1)
誰かつっこめよ。9万キロの 1/10 スケールっていうスケールに(笑)
#真ん中を地面に置いたとしても両端の高度は……えーと、地球の半径を6370km として……
LIVE-GON(リベゴン)
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:1)
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:3)
ああ、それも大林組の構想なんですよ。「月面都市 2050」 [obayashi.co.jp]
# 需要と言いますか、何と言いますか…。
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:1)
上りと下りの質量が同じなら(理想的には)エネルギ消費が無いってのがありますから, 例えば軌道まで酸化マグネシウムを持っていって太陽光励起レーザーで分解 [titech.ac.jp]して, また地上まで持って帰るなんていう贅沢な使い方もできるようになります.
高圧直流送電で36000kmを送るのと, どっちが効率がいいかとか, 宇宙エレベータに数千~数万トンの輸送力があるのかとか問題はいろいろありますけどね.
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:2)
いや、そこまで無制限に輸送能力があるわけではないでしょう。ケーブルの強度はそんなに余裕あるわけではないですし、同期軌道までペイロードを運ぶのに時間がかかります。
# そもそも、酸化マグネシウムを分解して発生した酸素は宇宙空間に捨ててしまう?
1kgのマグネシウム(Mg)を得るために軌道上に持ち上げなければならない酸化マグネシウム(MgO)は1.6kgほどです。1kgのマグネシウムから得られる25MJのエネルギーでは、リフターのエネルギー効率が100%としても、1.6kgを持ち上げられるのは高度2000km未満です。
同期軌道上ではエネルギーを無制限に得られると仮定するにしても、マグネシウム程度の低いエネルギー密度のもので軌道エレベータの輸送能力を占有してしまったらさすがに無駄が大きすぎるでしょう。(たぶん収支はマイナス)
同期軌道をぐるりと周る円形加速器(←夢が広がるなあ)で反物質を生成して地上に下ろす、という使い方なら、エネルギー密度的においしいかもしれませんが。
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:1)
元コメの主張は、「1.6kgのMgOを持ち上げる」のと同時に「1kgのMGと0.6kgのO2を下ろす」ことで、「位置エネルギー的には得失がない」から、「上げ下ろしに必要なエネルギーは、摩擦などのロスの分だけ」ということでしょ。
だから、
というのは、ちょっとずれてると思う。
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:2)
あー、書き方が良くなかったですね。
…をゴッチャに書いてます。
「酸素分の質量を持ち上げるエネルギーを捨てることになるから」収支がマイナスだよね、ということを言いたかったわけではありません。
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:1)
いや, この場合でもゴンドラの位置エネルギをリニアモーター等で発電・回収して上りの方の駆動に回すって設計にすればいいだけです. と言うか, そうした設計にしないと軌道エレベータのうまみがかなり削減されます.
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:2)
いや、エネルギーを回収できるかどうかではなくて、吊っているケーブルの質量が大きいので動かすのが大変だ、という指摘でしょう。
ただ、数トンのペイロードを吊るすだけなら、必要なケーブルはそんなに大きな質量にならないという試算をみたような。(で、最初期の軌道エレベータはコンパクトに作れるので現実性はそんなに薄くないですよ、という試算だったような。うーん、検索してもすぐに出てこないな)
Re: (スコア:0)
遠心力による衛星の射出も可能になりますから、下手をすると現在のロケット需要丸ごと頂けます。
Re:大林組が?前田建設じゃなくて? (スコア:2)
いえいえ、「下手をし」なくても、ロケットなんて、武器か趣味の世界になります。ゴダートの時代の「男のロマン」と。
Re: (スコア:0)
> 個人的印象なら、日本国家がやるといいうより現実味がある。
国は実現の見込みがない事業にいくらでも金をつぎ込めるけど民間企業はそうはいかないからね。
これこそ僕らが夢見た21世紀! ※ファンタジー営業部 (スコア:3)
2050年には永住可能な月面都市も構想されていますから、軌道エレベータくらいは実現していないと困ります。
もちろん東京湾には高さ20kmのエアロポリス2001がそびえたち、ジオフロントで大深度地下も開拓。こうして、21世紀の人類は空にも地下にも進出するのです。
あとは透明チューブ高速道路が空に張り巡らされれば完璧です。
(以下、小松崎茂画伯による、のどかな田園風景に散在する一戸建てに幸せそうな家族が暮らしている図を頭に思い描きながらお読みください)
建設以外の分野では、大型壁掛けテレビと携帯電話、キャプテンシステムはすでに実現。残っているのは、体にピッタリな銀色スーツと在宅勤務くらいか。
Re: (スコア:0)
こっちはもう実現してるよ。日本だけでも何万人もの自宅警備員が働いている。
Re: (スコア:0)
>残っているのは
真空チューブ式大陸横断弾丸列車がまだだよ!
リニア新幹線を全線地下式にすればおk、かも。
あ、あと、クジラ牧場も。
Re: (スコア:0)
>体にピッタリな銀色スーツ
レギンスとか流行らせた奴、銀色スーツへのハードルを着々と下げてると思う。
Re:これこそ僕らが夢見た21世紀! ※ファンタジー営業部 (スコア:1)
それを言うならチャリダーが筆頭だろうな。
季刊大林はそういうもの (スコア:3, 参考になる)
季刊大林は過去も月だとか火星だとかスペースコロニーだとかやってて、そーゆー「うちはこういうことだってできるぜヘヘン」てな宣伝用の冊子なんですよ。
で、最新53号に「宇宙エレベーター」の項があるわけですが、この号の特集名は「タワー」です。
普段話題にもあがらない冊子が今この時期新聞記事になってるのは、宣伝効果抜群のタワー工事がそろそろ終わるから頼んで記事にさせたんじゃないですかね。
すごく期待してます (スコア:1)
まあ,時々こういうの出しますよね (スコア:1)
計画が出たからといって,「実際に建築が始まるんだやった!」と素直に喜んでしまう純朴な方は/.Jのようなスレた大人の溜まり場にはあまりいないとは思いますが.
大林組(というか大手ゼネコン)って,時々こういう夢のある計画を発表しますよね.
例えば2000m級超超高層建築とか,数千人規模の宇宙都市の建造計画とかも今までに提案してます.
もちろんそのまま建築できるなんてことは向こうも考えていないんでしょうが,日々の業務にプラスアルファな夢を,遙か将来を見据えて(実現性はとりあえず置いておいて)壮大な計画を(そしてあわよくば官民巻き込んで大規模事業を),という感じで.
Re:まあ,時々こういうの出しますよね (スコア:2)
しまった。高さ20km(#2104611 [slashdot.jp])ではなくて、2kmでしたね。うっかりうろ覚えで書いてしまいましたが、さすがに20kmはないだろと反省。(最上階に人が行くと、気密室を与圧していないかぎり死んでしまう!)
ちなみに、個人的にこの手のもので一番印象に残っているのは、バブル期にゼネコン各社からさかんに提案されていたジオフロント構想です。
Re:まあ,時々こういうの出しますよね (スコア:2)
ああ,ありましたねジオフロント構想!
バブル期はなんというか,力任せなアイディアが次から次へと提案されていた面白い時代でしたね.
今になって落ち着いて考えてみれば技術的 and/or 経済的にどう考えても不可能なんですが,当時は「でももしかしたらこういう凄いモノもそのうち出来るのかも?」と思わせるような不思議な熱気がありました.
まあ,その当時に勢いだけで本当に開始していたら,今頃えらいことになっていたんだとは思いますが.
うるう秒が増える? (スコア:1)
こんなものを作った、自転速度が遅くなったりしないのかなぁ。
うるう秒を廃止するかどうかで、最近、一悶着あったけど、これで自転速度が遅くなったら、どんどんズレていって、終いには、「1日は 24 時間と1秒」という決まりになったりして。
Re:うるう秒が増える? (スコア:3)
質量7.347673×1022 kgの月ですら、たったこれだけ(およそ10万年に1秒)しか自転速度落とせないのですから、宇宙エレベータ程度の質量ではほとんど影響無いかと・・
Re:うるう秒が増える? (スコア:2)
Re:うるう秒が増える? (スコア:1)
それで自転していたならその方がいい
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Re:うるう秒が増える? (スコア:1)
地上から質量を持ち上げれば遅くなり、宇宙から降ろせば早くなります。
まあ誤差の範囲みたいな小さな数字ですけどね。
新卒者を集めるため? (スコア:1)
注目を浴びて志望者を増やすため
というのもあるのでしょうかね?
片道7.5日 (スコア:1)
しばらくロケット屋は安泰ですかね。
しかしトラブルがあったら、救出するのに3日以上かかるのか・・・。
Re:片道7.5日 (スコア:2)
無重力体験とか「地球は青かった」を言いたい(^^;)という人向けに
高度100kmぐらいのところに中継基地を作ってほしいですね。
(これなら30分で行ける!)
…そんな半端なところに中継基地は置けない??
例によってCNTの調達方法はスルー? (スコア:1)
大林組は材料研究もやっていて、ついにCNTの大量生産・連続生産・歩留まり99.9999...%超の品質確保を実現する目処がついたということなんでしょうか?
それとも、誰かがCNTを用意してくれるならな!という話でしょうか?
もしそうなら、(誰かがワープ装置を実現してくれるという前提で)2050年に当社は第二の地球入植プロジェクトを実施します!と宣言してるのと何も違いはありませんよね?
# 大林組は昔からスペースコロニーだの月面都市だのの構想を出しているので、単にそのノリなだけだと思いますが。
# むしろそれを知らない人たちが、ついに大林組も参入か!?これは実現も近い!みたいに騒いでいるように見えます。
ねぇねぇ (スコア:0)
3000mオーバーのビル建てるのはいつになるの?
Re: (スコア:0)
長さ3000mのカーボンナノチューブが出来てからだ
カウンターウェイトはいらないのか? (スコア:0)
CNTのコストが従来の1/1000ぐらいに低減してグラム数百円で量産できそう、という記事がありましたね。
アレを見て構想したんでしょうか。
うさみみデリバリーズを思い出すなぁ…。
ところで該当の広報誌はどこで手に入るんでしょうか。
どっかで読んだ記憶があると思ったら (スコア:0)
楽園の泉 [asahi-net.or.jp]を思い出した。
#そんだけなんでAC
Re:どっかで読んだ記憶があると思ったら (スコア:1)
楽園の泉はスリランカの世界遺産シーギリア [naver.jp]がモデルです. 後書きかなんかで, 現実とは緯度が違っているけど, 無理やり赤道にあることにしちゃったと書かれていました.
ちなみに同時期に書かれた星ぼしに架ける橋 [seesaa.net]でもパナマ地峡が接地点で, 海上浮体プラットホームを地球側アンカレジにした作品って無かったような.
2050 年までに供用開始 (スコア:0)
え?
2018年4月12日 [srad.jp]に運行開始じゃなかったっけ?
Re:あくまで構想でしょ? (スコア:3, おもしろおかしい)
馬鹿だなぁ。
みんなで騒いで大騒ぎすることで大林組の退路をたってるんぢゃないか
黙って本気にするんだ
Re:リスク管理はどうなってるのだろうか? (スコア:2)
大したことはないですよ. 何かあって切れた場合, 切れたところから上は上に落ちていくだけですし, 下側も密度が低いうえに速度が遅いので, 大気圏内で十分に減速され被害らしい被害は出ないはずです. 密度の高いゴンドラなんかは問題になると思いますが, これも基本的には飛行機事故と同じレベルですし, しかも落ちる場所は赤道に沿った狭い範囲なので対策を取ること(例えばちょっと加速して落ちる場所を海にするとか)は容易でしょう.
Re:リスク管理はどうなってるのだろうか? (スコア:2)
でも、あれだけ安全だって行ってた原発があのざまですし・・・
Re:正直にいうと・・・ (スコア:2)
今のロケットでも静止軌道に乗るには、
6日くらいかかりますよ。
バベルの塔 (スコア:3)
下から積み上げて静止軌道ステーションも積みあげるんでは。
建設会社的アプローチとして。
Re:教えてエ□い人 (スコア:2)
ちょっと古典ですけど、「楽園の泉」をお読みになるとよいと思います。まさに、そのあたりの疑問に対する回答が書かれています。
(作中では、専門家が一般人向けに解説するシチュエーションで出てくるので、あまり正確でも定量的でもない表現でしかありませんが)
CNTと言えども引っ張れば伸びるので、エレベータに荷物を載せればケーブルはダラダラ伸びるんじゃないでしょうか。CNTの音速が15-20km/sあたりらしいので、荷重かけてから (36000km)/(20km/s) = 1800s つまり30分くらいはズルズルと伸びる感じ? どれくらい伸びるかは積載する質量次第。