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テクノロジー

人工ニューラルネットワークで人間の知性の進化を表現 14

ストーリー by reo
セントラルドグマ的にはどうなの 部門より

taraiok 曰く、

マキャベリ的知能仮説」とは、人間の知的能力が社交性や協力性のような人間の駆け引きの能力に影響されて発展したのではないかという仮説であるが、アイルランドのダブリン大学の研究者らはこの仮説を実証するため、人工ニューラルネットワークを構築した。この研究では「協力」システムが出現する過程を解明するのが主な目的である (Sciencemag.com の記事本家 /. 記事より) 。

この人工ニューラルネットワークには、3 〜 6 個のニューロンにより構成される 50 パターンの「脳」がプログラムされている。実験は「囚人のジレンマ」と「snowdrift (Chicken)」というこの手の実験で多用される二つの古典的なゲームを使用した。そして、二つのゲームを各 10 回、50,000 世代分走らせ、時間経過後に脳がお互いとどれほど協力を行い、脳にはいくつのニューロンがあったかを測定している。

実験ではゲームを解き終えると、それぞれの「脳」は新しいニューロンを生み出した。ゲーム中でより有利な選択をした「脳」ではとくにその傾向が顕著だ。次に、ランダムな突然変異が起き、ニューロンの数やそれらのニューロン間の接続の強さが変化し、最終的にはより大きい脳は順調に協力を行い、知性が増加することが分かった。

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  • 人工ニューラルネットワーク(以下、「人工」省略)は単に機械学習の手法で
    それと遺伝的アルゴリズムを上手く組み合わせただけのようですね。
    ポイントは
    人間の知能を、脳のメタファーであるニューラルネットワークで表現し
    遺伝的アルゴリズムの突然変異によって、知能(脳)の進化を表現しているという点でしょうか。

    とはいっても、他のコメで疑問が出ているように問題は山積ですね。
    ・マキャベリ的知能仮説を実証するにはモデルが単純過ぎね?
    ・ニューロンが多い方が最適解(この場合、ナッシュ均衡ではなくパレート最適)に辿り着きやすい傾向にあるのはニューラルネットワークの性質上、当たり前じゃね?(実験が若干トートロジー的)
    などなど。現状で何らかの結論を述べるのは早計かと。

    面白そうな研究ではあるので、今後の展開を暖かい目で見守るのが正解でしょう。
    • by Anonymous Coward

      タイトルも「解明」とか「証明」ではなく「表現」ですもんね。

    • by Anonymous Coward

      > ニューロンが多い方が最適解(この場合、ナッシュ均衡ではなくパレート最適)に辿り着きやすい傾向にあるのはニューラルネットワークの性質上、当たり前じゃね?

      これってそれほど自明ですか?
      単純な問題に対して過剰に大きなネットワークを形成してしまうと,
      ・最適解へ遠のくことがある
      ・学習時間が大きくなってしまう
      という問題が知られています.
      そのため, ネットワークサイズの効率的な抑制方法の研究も多くなされているようです.

      いずれにしても, 問題のサイズについてバリエーションが増えたら,
      かなり面白い研究になるのではないでしょうか.

      • なるほど。人間の脳が持つニューロンの数を思うと
        複雑過ぎるモデルによる過学習や学習時間の問題とも関連付けられそうですね。

        それはさておき、自分が自明といったのは
        この研究の初期モデルと囚人のジレンマの両方を考慮した場合ですね。
        すみません。ちょっと端折りすぎました。

        この手の問題ではランダム戦略が割と強いので
        ある程度複雑な戦略でないと有意にランダム戦略を上回るのは難しいんですよね。
        ニューロンが少ないうちはランダム戦略といい勝負だと思いますよ。
        ニューロンが増えるとしっぺ返し戦略のような
        他者の行動履歴を考慮した戦略を取るようになるのだと予想してます。

        要するに囚人のジレンマ問題なんだからちょっとは複雑なモデルが必要なのは自明でしょってことです。
        ちなみにしっぺ返し戦略は単純かつ優れた戦略なんじゃないの?
        と思った人はしっぺ返し戦略をニューラルネットで学習してみて下さい。
        親コメント
  • 社交性や協力性を重視しないような人工にゅーらるねっとわーくをつくったら、結果は逆になるんだろうか?
    そもそも用意したその人工にゅーらる(略)って、本当に人間の脳を確実に模倣したものなの?
    素人としては、「宇宙をシミュレートした環境でおこなったよ^^」という実験結果みたいにアレとしか思えない……。

    関係ないけど平井太郎君(ペンネーム江戸川乱歩)は、若ハゲを気にして土蔵にこもってたから、
    ハゲに相応しい年齢になって社交的になるまでは、協調性とか社交性とかとはほとんど無縁だったはず。

    となると、そんな大作家先生も社交的な人に比べたら、ニューロンの数はすくなかったのかな。

    • サヴァン症候群 [wikipedia.org]のようにコミュニケーション障害を持っていても優れた知的能力を発揮する人が知られています。従って個人レベルの知的能力の発達は、社会的な駆け引きの能力に基づいているわけではないでしょう。

      進化の過程で、ヒトが大きな脳・高い知的能力を獲得したのは社会性のおかげではないか、というのが元々の仮説で、イルカの存在(やはり社会性)などが傍証と考えられているようです。でも、全く社会的でなくても高い知的能力を持つニューカレドニアのカラス(道具を作る鳥)のような例もあるので、進化レベルに限ってもまぁそう単純な話じゃない、ということみたいです。

      親コメント
      • >でも、全く社会的でなくても高い知的能力を持つニューカレドニアのカラス(道具を作る鳥)のような例もあるので、進化レベルに限ってもまぁそう単純な話じゃない、ということみたいです。

         カラス自体が、けっこう社会的な種のような…。ニューカレドニアのカラスの生態はよく知りませんが、日本で見かけるカラスは群れまたは小グループで行動していることも多いですし。
         日常で見かけるカラス(ハシボソかハシブトかは不明)は、なにやらちょっとややこしい変調をかけた鳴き声で鳴いていてさらに遠くのカラスと半二重通信している…ように聞こえることがあります。鳴き声のパターンに何らかの意味・情報が込められているように思え、どんな意味が込められているのだろうなぁ…と思うことがあります。単にこちらがそう思っているだけで、実は特に意味は無いか、せいぜい「いるかー?」「いるぞー」程度なのかもしれませんけど。

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  • by Anonymous Coward on 2012年04月16日 12時24分 (#2136660)

    より大きなネットワークがより正しい選択をしたということでしょうか。
    マキャベリなんとかの実証なら、「狩猟に適した脳」とかと比較しないと意味がないのでは?
    結局大きい脳が有利になりそうですけど。

  • by Anonymous Coward on 2012年04月16日 12時58分 (#2136706)

    人工ニューラルネットワークを構築したとあっさり書いてますけど、
    素人の私にはどんなもので、どうやって構築したのかちんぷんかんぷんです。
    そんな簡単にできちゃうものなんですか?

    #元記事読めばわかるのかな?後で見てみよう。

    • by Anonymous Coward

      20年くらい前に大流行した最適化手法の一種ですよ。

      ・ファジィ制御
      ・シミュレーテッド・アニーリング

      の次ぐらいにやってきたビッグ・ウェーブだったと思う。
      バック・プロパゲーションでピンと来る人も多いはず。

      • by Anonymous Coward

        > ・ファジィ制御
        > ・シミュレーテッド・アニーリング
        > バック・プロパゲーション
        これらはいずれも Perceptron [wikipedia.org]で用いられた改良・学習手法(つか重み付け計算の発散抑止)のことに思えますが、もと記事を検索してみてもどこにもPerceptron書いてないのでなんとも根拠に欠けるように思えます。。。(違ったらスミマセン)

        そもそもニューロン数が3~6個とのことなので古典Perceptronのような層構造でなさそうな気がしてます。
        もと記事は検索引っかけたくらいで全くみてないので恐縮ですが、状況証拠からの私的大予想としては

        • by Anonymous Coward

          見逃してたらしく

          > ニューロン数が3~6個とのことなので

          というのに改めて驚いたのですが、
          だとすると私のまったく知らない別の「何か」なのかもしれません。

          ニューロンが3~6個で意味のある動作をさせることができるのですね。驚きました。

          • by Anonymous Coward on 2012年04月16日 17時42分 (#2136900)

            #2136880のACです。
            私も大予想してますが、私のまったく知らない別の「何か」という所感は一致しています。
            今回の評価系が囚人のジレンマのような項目が少なくてはっきり区別できる組み合わせ(入力は最終回の結果と利得だけかな?)であれば、少ないニューロン数でも結果は出せると思います(これも推測ですが)
            論文みればいいじゃん!とおもってもと記事みても、論文へのリンクがないので解明するのは半分諦めました。(本家は相変わらずコメ数多くてみる気おきないし。。。)
            # AI屋の問題に遺伝的アルゴリズムによる解法のはざまで「キャッチーだからニューロンつかっとけ!」ってあつかわれてる気も。。。

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