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地球

「海洋酸性化」によって南極海の食物連鎖を支える「海のカタツムリ」の殻が脆くなっている 38

ストーリー by hylom
意外な影響 部門より
danceman 曰く、

近年、化石燃料の燃焼により大気中に放出された二酸化炭素が海水に溶け込むことで、海洋の酸性化が進んでいると言われている。これにより、南極海の食物連鎖で重要な役割を担う「海のカタツムリ」として知られる「翼足類」の殻が脆くなってきているそうだ(本家/.BBC記事)。

翼足類は植物プランクトンを補食する一方で、大きな動物プランクトンや、魚、海鳥、鯨などの餌となる。 翼足類は、殻が破壊されたからといって必ずしも死んでしまうという訳ではないようだが、補食されやすくなったり、ウィルス感染を起こしやすくなったりして、結果として全食物連鎖に影響を与えることになってしまうのだという。

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  • by akairaiden (11916) on 2012年11月29日 9時06分 (#2280947) 日記

    影響受けてないんですかね?
    蜆とかあさりとか帆立とか。

    • Re:普通の貝類は (スコア:5, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2012年11月29日 10時38分 (#2280999)

      二枚貝の殻や円石藻という植物プランクトンの殻などは、カルサイト(方解石)と呼ばれる炭酸カルシウム結晶からできており、一方、この翼足類の殻やサンゴの骨格はアラゴナイト(あられ石)という炭酸カルシウム結晶からできています。
      で、アラゴナイトの方が溶けやすいというか、先に海水中の飽和度が下がるのです。
      したがって、目に見える影響が出始めるのは二枚貝よりもアラゴナイト殻生物です。低緯度地方では水温の影響もあり飽和度は十分高く、そのへんに棲むサンゴは特に影響を受けていないようですが、高緯度地方に棲む翼足類には影響が出始めているようだ、というのがこの調査かと思います。

      厳密には酸性化による炭酸イオン濃度の低下のほか、気温上昇(温暖化)によって海氷が溶け、海水が薄まる影響もあると考えられています。海氷が溶けると大気と海の接触面積が増えてよりCO2が溶け込み、さらに酸性化するとか、とにかく色々な要因はあるけど高緯度地方の海の炭酸カルシウム飽和度が下がってきていて心配だね、という話です。

      参考:
      http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/stfc/stt107j/1002_03_featureart... [nistep.go.jp]
      http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20091120/ [jamstec.go.jp]

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      • by Anonymous Coward

        >>高緯度地方に棲む翼足類には影響が出始めているようだ~

        ということはクリオネさんには影響大?(成長すると殻が無くなる裸殻翼足類だそうです)

    • by Anonymous Coward

      BBCの記事より:

      "It took us several years even to develop a technique sensitive enough to look at the exterior of the shells under high-power scanning electron microscopes, since the shells are very thin and the dissolution pattern, subtle," commented Dr Tarling.

      He went on: "We are now undertaking a much more comprehensive programme completely focussed on the effects of ocean acidification, not just on pteropods but to a wider range of organisms."

      だってさ。

  • by sei5 (45140) on 2012年11月29日 7時11分 (#2280902)

    牛乳飲んで、丈夫なからだを作ろう

    • by northern (38088) on 2012年11月29日 21時24分 (#2281422)

      食物ピラミッドのこれから上が軒並みカルシウム不足になるだろうしね

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      不足というより溶けちゃうんじゃ?

  • たちまちおれは酸になった。

    --
    らじゃったのだ
  • by Anonymous Coward on 2012年11月29日 6時30分 (#2280892)

    脱原発で温暖化も防ぐ!
    ダムをいっぱい造ろう!
    洪水も防げるし一石二鳥

    • by Anonymous Coward

      セメントって作る過程で結構二酸化炭素排出するんですけど。
      日本が出す総CO2の4・5%くらい。これを増やすんですか?

      • by Anonymous Coward

        火力発電所とどっちがマシですか?

        • by Anonymous Coward

          原発がマシですね

          • by nemui4 (20313) on 2012年11月29日 10時23分 (#2280983) 日記

            暴走したら人類だいぶん減るから地球にも優しいし。
            それは他の生物も減っちゃうのが欠点。

            親コメント
            • by Anonymous Coward

              チェルノブイリや福島で減っちゃったって例はあるんでしょうか?
              立ち入り禁止区域内は動物の楽園になってるようですが?

              • by benzene975 (41852) on 2012年11月29日 21時35分 (#2281431) 日記

                こういうのってジョークの一種という認識でいいんですかね?
                なんかたまーに真面目に言ってるような感じがして怖いのですが。

                --
                自由の行使には責任を伴わなければならない
                親コメント
              • by Anonymous Coward

                原発が自然に優しいことが実証されましたね

              • by nemui4 (20313) on 2012年11月29日 11時06分 (#2281024) 日記

                そうか、あの周りで人口が減って動物の楽園化してるならそれはいいことなのかもしれない。
                人間以外にとって。

                じゃぁ、原発推進しようぜ(違

                親コメント
    • by Anonymous Coward

      ダムって環境破壊の最たるものじゃん

      • by Anonymous Coward

        山林から河川を流れて海洋へ流出するはずの有機物質を堰き止めてしまってはいけませんよねえ

        • by Anonymous Coward

          ダムに用いられているセメントから、カルシウムが溶出して海に供給されるから
          海のカタツムリさんたちが喜ぶかも知れないぞ。

        • by Anonymous Coward

          有機物質を上手く流す方法って無いのですかね?

    • by Anonymous Coward

      なんでも原発につなげて考えてしまうのはなんとか脳と言うらしいですね。

  • by Anonymous Coward on 2012年11月29日 8時53分 (#2280936)

    石油業界にとって都合の悪い研究結果は、すぐにそれを否定する研究結果が出てくるから大丈夫。
    殻が脆くなっているのは別の原因。

    • by Anonymous Coward

      ゴルゴ13の読み過ぎだと思います。

  • by Anonymous Coward on 2012年11月29日 10時49分 (#2281008)

    化石燃料の形で発掘された炭素は、
    燃焼に利用された後、光合成によって生物界に取り込まれてぐるぐる回り、
    最後は海洋生物による石灰化で固定され、半永久的に貯蔵されるものと認識しています。

    海水の酸性化で、炭素の固定が機能しなくなったとしたら、
    または海中のさんご礁や海底に堆積している炭酸塩が溶出したりしたら、
    さらに海水の酸性化をすすめてポジティブフィードバックがかかって
    もはや人類が化石燃料の消費をやめたとしても(orいなくなっても)
    CO2濃度は増え続けることになるのでしょうか。

    それってなんて破滅フラグ

    • by digoh (17917) on 2012年11月29日 11時48分 (#2281064) 日記

      めっちゃ長期的に見るならその酸性度が高い海に適応した二酸化炭素固定生物が繁栄するんじゃないですかね。
      人類の歴史のスパンで理解できるほどの時間でバランスするのかは分かりませんが。

      あと、二酸化炭素が溶け込むことで炭酸塩が溶液中に溶け出す、というのはちょっと難しい気が。
      ある一つの固定ルートについてそういう逆転が起きる可能性はありますが、
      全体としては系中の二酸化炭素が増えれば炭酸塩は溶けるよりも固定される方に働くかと。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        というかそういうレベルだと、過去はもっと二酸化炭素濃度が高かったし、気温も高かった。
        白亜紀とかそんなんじゃなかったっけ。

      • by Anonymous Coward

        >系中の二酸化炭素が増えれば炭酸塩は溶けるよりも固定される方に働くかと。

        CaCO3はCO2と反応してCa(HCO3)2になって溶け出してしまうんじゃない?

        (;゚⊿゚)ハッ Ca1個に対してCO22個受け持ってくれるからそれはそれでいいのか?
        というか、サンゴってCa(HCO3)2からCO21個追い出す悪者?

        • by digoh (17917) on 2012年11月29日 13時21分 (#2281153) 日記

          無意識に空中→海中を固定と考えてしまいました。
          固体として固定されていたものが溶液中に出る、ということになるのか。
          勉強不足でした。

          #……てかこのあたりの知識をかなり忘れさったということだな自分。うぅ。

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          • by Anonymous Coward

            一般人の認識はそういうレベルであるというコメントありがとう。/.Jだと勘違いコメントの後逃亡することがあるけど、出直してくれるとほんとありがたい。

            (#2281064 [srad.jp])で何を言いたかったのがマジで意味不明だったので。

    • by the.ACount (31144) on 2012年11月29日 16時11分 (#2281243)

      単にCO2が海に溶けるだけじゃだめで、温暖化で水蒸気量が増えて降水浸食で陽イオンが海に流れ出て炭酸塩を作らないと堆積→プレート運動で地中へ、のサイクルが回らないでしょう。
      このサイクルは万年単位だから人類が存在してるうちに間に合わないと思うけど地球に取っては問題なし。

      --
      the.ACount
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2012年11月29日 11時24分 (#2281039)

      (m´・ω・`)m ゴメン…理解できない。

      海洋に溶けるんだったらそのまま海洋生物による石灰化になるのでは?
      そもそも海から陸へ生物の生活圏が移る過程では
      大陸棚に居る生物の光合成で酸素が大気へ放出されたと思ってますので
      大陸棚が活性化するだけじゃないかな、と思うんですよ。

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      • by Anonymous Coward on 2012年11月29日 12時36分 (#2281110)

        現在の常識で過去を観るのは誤りのもと。

        現在は、海の深層は冷たく、しょっぱくて重い水で、酸素が多い酸化環境です。
        降り積もった動植物の死骸も、酸素を利用する微生物などでやがて風化します。
        最終的には酸化反応でなくなります。その証拠に、サンゴ礁などごく一部を除いた現在の海底から上に、
        新たに形成された石灰岩や石油・石炭などが蓄積していく様子は見られません。
        (海底から下に、過去に造られた石灰岩や石油・石炭はあるでしょう)。

        石油・石炭・石灰岩が全地球規模で形成された石炭紀では、
        全地球の海の深層は温かくしょっぱくて重い水で占められており、
        温かい水は気体を溶解しにくいので、貧酸素の環境下(還元環境)にありました。
        この重い温水は、『たまたまその当時は無氷河時代だった』ので「冷たくて重い水」を形成する海がなかったこと、
        当時の巨大大陸パンゲアの中央のテーチス海 [wikipedia.org]が『たまたま赤道直下にあったこと』でできたもので、
        現在ではまずありえません(小さな閉鎖的な湖・湾などでは現在でも貧酸素な深層が実現しますが)

        降り積もった動植物の死骸は、嫌気性生物などが分解したかもしれませんが
        活発に活動できる好気性生物は少ないかほとんどいなかったので多くはそのまま降り積もり、
        貝殻などは石灰岩に、有機物は石油・石炭となりました(石油起源の一つの説)。

        現代において、石油・石炭の燃やし尽くして、大気の元素バランスを当時(石炭紀)の状態に戻せば
        また海洋側で二酸化炭素を吸収・固定化して、19世紀以前に戻るかというと、まあ無理ですね。
        現在の地球で、「温かくて重い水」を大規模に作っているのは、ヨーロッパ地中海だけです。
        あそこを閉じて還元環境にする(底生生物が住めない死の海にする)なら、巨大な二酸化炭素吸収源になるかもしれませんが。

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計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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