第5回宇宙エレベーター学会開催、討論会テーマは「だからできない!宇宙エレベーター」 106
ストーリー by hylom
ネタっぽいですがマジメです? 部門より
ネタっぽいですがマジメです? 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
次世代の宇宙輸送手段として注目されている宇宙エレベーターの実現に向け活動している一般社団法人宇宙エレベーター協会が、第5回宇宙エレベーター学会(JpSEC:Japan SpaceElevator Conference)を2月23日に開催する。
今回初めての取組みとして、勢いポジティブな面ばかり語られる宇宙エレベーターについて、あえてネガティブな面を語ってみる討論会「だからできない!宇宙エレベーター」 も開催される。
お金があれば作れる (スコア:2)
ってわけでもないんだよね?(政治的なものは抜きにして)
雑すぎる楽観論 (スコア:1)
Re:雑すぎる楽観論 (スコア:1)
落雷は? (スコア:1)
落雷受けまくりそうな気がするんだけど、それは大丈夫なの?
電流はそのまま地面に流れるとしても、
落雷の流入部分と(避雷針も先端が溶けてたりするし)
落雷発生時の高周波の影響はどうなんでしょうね。
Re:落雷は? (スコア:1)
-- 哀れな日本人専用(sorry Japanese only) --
耐テロ (スコア:1)
格好の餌食
通常兵器を燃えやすいカーボンの近くで爆発させてやれば良い。
そもそも論 (スコア:0)
っていうか、宇宙エレベーターってそんな実用的かつ実現性の高いものなのだろうか。まあ、できてしまえば、コスト的にはすごい有利ってのは分かる。でも、だって、例えばロケットの方が金はかかるけど応用性も将来性も高いし、重要じゃね? いや、そんな議論はもうとっくに終わったとかってレベルだったらすまん。
SFの読み過ぎで頭に血が上っちゃった一部の人が興奮してる、というさめた見方もできるんだよなあ、というか俺はそういう風に見てる。
Re:そもそも論 (スコア:1)
長さ何百キロメートルもある純粋なカーボンナノチューブを製造出来る見込みは今のところ全くない
数ミリ程度のカーボンナノチューブや糸状のナノチューブが出来たと言っているのは、短いナノチューブの混合物であって当然ながら純粋な一本のカーボンナノチューブほどの強度は無い
大昔にはウィスカー(ホイスカ)と呼ばれる高強度の金属結晶で超高層ビルやら超長大橋を作れるという話があったが、いまだに実現していない
長大な金属結晶すら作れなかったのなら長大なカーボンナノチューブも作れないと類推するのが自然
>例えばロケットの方が金はかかるけど応用性も将来性も高いし、重要じゃね? いや、そんな議論はもうとっくに終わったとかってレベルだったらすまん。
ロケットも現在知られている推進方式ではSFにあるような宇宙時代はやってこないことは明らか
宇宙には空気がないから燃焼のための酸素も地上から持っていかなければならず、ペイロードの厳しい縛りを乗り越えることは原理的に不可能(当然だが推進薬も地上から持っていかなければならない)
SF話に浮かれている人たちはアポロ計画で3人の人間を月に往復させるのに重さ何トンのロケットを必要としたのか知らないのだろうか?
小さな衛星で無人探査をするなら太陽電池とイオンロケット等の組み合わせが使えるが、有人飛行にはあまりにも非力
航空機が飛躍的に発達したのは地上にいくらでもある空気を使った高効率のエンジンが発達したからであって、ロケットの推進効率はまったく進歩していない(化学反応の原理に縛られているので技術的に進歩する見込みも今のところほとんど無い)
Re:そもそも論 (スコア:4, 興味深い)
「軌道エレベーターが作れるほど頑丈な素材があるなら、その素材でペットボトルロケットを作れば衛星打ち上げに使える」
とゆー話を聞きました。
確かにペットボトルロケットのほうが六万キロの構造物を作るよりは安くあがるよね。
Re: (スコア:0)
うちのセンセも
「現実的にそんな素材が出来たなら、その頃には動力源を圧搾空気にするなんてのは既に実用化しているね」
と言っていたな。
今あるカーボンタンクの強度が100倍になれば、それだけで大革命になるとか。
Re:そもそも論 (スコア:1)
一点だけ。
>数ミリ程度のカーボンナノチューブ
これは出来てますよ。
産総研の開発したスーパーグロース法だと、単一のCNTで数ミリぐらいまではにょきにょき伸びます。
まあ、だからといってこれがキロメートル単位まで伸びるとは思えませんが。
Re: (スコア:0)
それって写真を見ると剣山みたいに真っ直ぐではなくて、繊維が捩れたような形してるけど強度は高いの?
捩れてるということは、6角ではなくて5角や7角の部分があってチューブが折れ曲がっているからだと思うが、そこで強度は低下しないのかね?
そういえば、何かのニュースでスプリングみたいにしなやかで折れないカーボンナノチューブ(の構造物だか繊維構造だとか)が出来たというのを見たことがあるんだけど(強度が高くて折れはしないのだが良くしなるのだとか)
○○と現実の区別 (スコア:1)
とか言う文言は平然とまかり通るのがね。
Re: (スコア:0)
> ロケットの方が金はかかるけど応用性も将来性も高いし、重要じゃね?
これがそもそも間違いですね。
惑星から軌道上に打ち上げるロケットってすごく効率悪いんですよ。
たとえは、サターンV型の場合、総重量に対するペイロードの比は低軌道で4%弱、月軌道だと1.5%に過ぎません。
日本のH-IIB も低軌道で3.6%なので似たようなもの。
つまりロケットって、その96%は荷物以外の部分として、無駄に消えてしまうんですよ。
スペースシャトルは、これらよりもさらに経済性で劣るという結果に終わっています。
これに対し、宇宙エレベータは、エネルギー消費はほとんどゼロです。
(軌道から
Re:そもそも論 (スコア:2)
経済性の話になるのなら、軌道エレベータも同じ問題を抱えていそうですよ。技術的に実現の目処がたったとしても、実際に建造されるには経済的に成立する必要があるでしょう(少なくとも、見込みのレベルで)。つまり、建造費・維持費をペイするだけの打ち上げニーズが必要です。
ペイロード質量あたりの打ち上げコストが無制限に安くなるなら、例えば「宇宙植民地をいっぱい作って人類の版図を広げてウハウハ!」のようなSF的な使い道も思いつきますが、現実的にはそこまで下がらないと思います。仮に、ロケットと比較して2桁くらいのコスト削減が見込めるとして、どんな用途があるのでしょうか。
大林組の構想 [slashdot.jp]だと月面都市建設なんてのがありますが、これも「月面都市を作りたい(目的)から軌道エレベータが必要(手段)」というのではなくて、「軌道エレベータを作りたい(目的)から使い道を考えてみました」的な印象が拭えず。
ますどらいばー (スコア:2)
なんでみんな、既存のロケットと宇宙エレベータの比較ばっかりで、マスドライバーを持ち出さないんだろう。
よっぽど現実的だと思うんだが。
まぁ、マスドライバーだけで第一宇宙速度まで出そうと思うと、
3G(人体が普通に耐えれる)なら1063km、6G(寝た状態なら耐えれる)なら532km必要なんですが・・・
第二宇宙速度ならさらに倍。
まぁ、初期加速と割り切って1000m/sなら3Gで17km、6Gで8.5km。現実的だがしょぼすぎるか。
2000m/sなら68km(3G)、 34km(6G)。このあたりが限界?
3000m/sなら153km(3G)、76km(6G)。ここまで出せれば多段ロケットの一段目が不要になる。
Re:ますどらいばー (スコア:2)
数十トンのペイロードを数百km~1000kmの距離において数Gで加速する機構って難しくありませんか。
ロケットエンジン使えば簡単ですけど、その場合、ロケットエンジン加速式マスドライバーの(従来型ロケットに対しての)メリットは重力損失がない点だけになりそうですし。
Re:ますどらいばー (スコア:2)
第1宇宙速度は無茶だと思いますが、
2000m/s程度なら現実味ないかな?
あの馬鹿でかい1段目のロケットを減らせるだけでも大きいでしょう。
とりあえず160m/sならほぼ実用化されてる。JRマグレブ。
騒音とかブレーキとかコストを度外視すればもう1桁くらいいけない?
#あ、音速の壁・・・
Re:ますどらいばー (スコア:2)
リニアモーターで軌道速度レベルまで加速できないか、というのは過去に/.Jでも何度か話題になりましたし(#2062707 [slashdot.jp], #1805230 [slashdot.jp])、色々調べてみたのですが、よく分からなかったんですよ。
# 大きい電気に詳しくないので…。
JRマグレブの場合、加速用コイルは数十Hzとかそのあたりで駆動されると思うのですが(←よく知らない。以前調べたが資料を見つけられず)、軌道速度に達するリニアモーターの場合、加速用コイルは kHz あたりの領域になりそうです。コイルにはリアクタンスがあるので大パワーと高速応答の両立は難しいと思うのですが、実際どのくらいまで上がるものなんでしょう。
あるいは、リアクタンスの制約に縛られないようなリニアモーター方式が考案されているとか…。
Re:ますどらいばー (スコア:1)
一つ思ったのは、数百kmの自重に耐えるワイヤを使い、ウインチでの加速とか。
宇宙エレベーターからすれば、その材料のほんの緒端の技術だけど、使えそうな気がする。
ワイヤー素材も巻き上げ機も、基礎技術的には一緒で、性能はずっと下。
Re:ますどらいばー (スコア:2)
この条件でワイヤを巻き上げるウインチは、円筒の外側にワイヤを巻き取っていく方式は使えそうにないので、空洞になっている円筒の内側に慣性で押し付けて引っ張る形式になりそうです。
参考: #1735735 からの #1736406 [slashdot.jp]
こういうウインチで巻き上げって可能なのかよく判りませんが、ウインチが弾け飛ばないための素材強度としてはCNTクラスが必要になりそうな気が。(…あれ??)
Re:ますどらいばー (スコア:1)
>こういうウインチで巻き上げって可能なのかよく判りませんが、ウインチが弾け飛ばないための素材強度としてはCNTクラスが必要になりそうな気が。(…あれ??)
ですから、宇宙エレベーターを作る前段階の技術で、ってお話ですけど?
現状では数百kmの自重に耐えるワイヤは無いんですから。
宇宙エレベーターからすれば強度も規模も数ケタ下で済みますよね?ってお話。
Re:ますどらいばー (スコア:1)
自分で計算すればわかると思うけど,自重数百kmに耐えるだけなら(宇宙線への耐久性とかその他もろもろで実際に垂らすとうまくいかないだろうけど),比重1で数GPa程度に収まるので,例えば,今普通に売ってるダイニーマ程度で実現可能なはず。
Re:ますどらいばー (スコア:2)
地上で宇宙速度出しても空気抵抗でよくて減速、悪ければ分解してしまうだけです。
大気を打ち抜いて軌道に乗せる計画もありますが、人や精密機械は運べなくて建築材料などに限定されていました。
Re:そもそも論 (スコア:2)
軌道エレベータは遠宇宙探査に使えますよ。重心より上で荷物離すだけで飛んでいきますから。
佐藤実「宇宙エレベーターの物理学」によると、得られる速度は第三宇宙速度に迫るので、太陽系内ならたいていのところへいけそうです。
Re:そもそも論 (スコア:1)
機体の構造の問題と、
へたに再利用することにこだわるよりも、使い捨てで割り切ったほうが安くつくことに気が付いたからかと。
Re:そもそも論 (スコア:1)
-- 哀れな日本人専用(sorry Japanese only) --
台風とか大丈夫なんだろうか (スコア:0)
確か赤道直下に作るのが一番効率がいいっていう話を聞くけど、台風とか来たら一発でへし折れそうな気がしないでもない。
Re:台風とか大丈夫なんだろうか (スコア:1)
確か赤道には台風はこないはず。
台風は赤道よりちょい下、もしくはちょい上で発生して極に向かって進む。
Re: (スコア:0)
赤道のちょい下もちょい上もやっぱり赤道ですよ。
# 地球の西の方って表現も見たことあるな
Re:台風とか大丈夫なんだろうか (スコア:1)
# 地球の西の方
そういえば、太平洋の西側が「東洋」、東側が「西洋」ですね。池袋のようだ…
Re: (スコア:0)
地震はフック大丈夫なのだろうか? #遠心力でケーブル張り詰めてる?それとも宇宙側をエンジンで随時移動させて微妙にたわませてる?
Re:台風とか大丈夫なんだろうか (スコア:2)
>地表側を固定しないでおくという案
極超音速スカイフック [wikipedia.org]のようなコンセプトではなくて、同期軌道エレベータとしてですか?
それは、(同期)軌道エレベータのうま味のかなりの部分がスポイルされてしまうと思うのですが、大気の影響の対策のためだけにそんな案が出てきているのでしょうか?
そんなことするくらいなら、より小規模で現実的なスカイフック衛星でいいと思うのですが。
Re:台風とか大丈夫なんだろうか (スコア:2)
ああ、そういうことですか。強風などテザーになんらかの影響のありそうな場合だけ地上との接続を切り離す運用ということなら、(技術的に可能かどうかは別として)理論的には問題なさそうです。
(もちろん、切り離している間はエレベータは上昇・下降不可)
元コメントを、テザーの下端をずっと空中に浮かせておくように読んでしまったので、それはさすがに意味ないのでは…と思ってしまいました。
Re: (スコア:0)
赤道無風帯という言葉があるように赤道直下の気流は安定しています
あと、軌道エレベーターは蜘蛛の糸なので「折れる」というより「切れる」の方が表現としては合っているでしょう
Re: (スコア:0)
一番大きな問題 (スコア:0)
それは政治的なことなんじゃないかと思うんだけど。
Re: (スコア:0)
一番大きな問題は素材が具体的にまだ実現していないからでは?
Re: (スコア:0)
いや建造費もだろ。
Re: (スコア:0)
実現可能になったら政治的、経済的問題なんて一気に解決できるんじゃないのか、と思うんだけどなー。ロマン的に考えて。
被災地復興のための増税よりも我慢できる。
Re:一番大きな問題 (スコア:2)
問題はあなたや私のようにそこにロマンを感じることのできる人間が全人口の何%ぐらいいるか、ってところですね。
金儲けのネタになるか、大衆の心をひきつけるか、そのうちのどちらかでも満たせば実現も夢ではないと思うんですけどね。
Re: (スコア:0)
事故ったら大災害な巨大建造物を常時防衛って大変だよなぁ
Re:一番大きな問題 (スコア:1)
自分も昔はそんなイメージがあったんだけど(「銃夢」のザレム的な)、実際には倒壊するシャフトっていっても、切れた蜘蛛の糸とかサランラップみたいなのがヒョロヒョロ降ってくるだけだと知りました。ま、それとは別にエレベータ本体が降ってきて危険なんだけど、それは飛行機墜落と比べて大災害じゃないしな。もちろん災害には違いないけど。
LIVE-GON(リベゴン)
Re:一番大きな問題 (スコア:1)
被害だし経済的損失は大きいので、そういう意味では災害と言えますね。ただ、地震や台風に比べて、災害の映像的にはぱっとしないなあと。
テロリストに狙われるのは災害とは言わないですしね。
LIVE-GON(リベゴン)
Re:一番大きな問題 (スコア:1)
Re:一番大きな問題 (スコア:1)
他にも周りをコモンウェルスの国々に囲まれてるし、実際に作られる際には英国を中心とした国際共同事業になるでしょうね。
とある学園都市のエンデュミオン(オフトピ-10) (スコア:0)
いったいどうやれば日本にある学園都市から、垂直方向に宇宙エレベータを建てることができるのか、私は知りたい。
http://www.project-index.net/ [project-index.net]
#そっちの方が奇跡じゃね?w
Re:とある学園都市のエンデュミオン(オフトピ-10) (スコア:1)
垂直てのがどういう意味か分からんが、鉛直でなければ高緯度から宇宙エレベータを建てるのは可能だよ。
重力と遠心力と張力を3方向からバランスさせれば良い。
子午線とは垂直でないが緯線とは垂直だ。
the.ACount
Re: (スコア:0)
琵琶湖の上空に静止軌道な映画があるこの世の中ですから。
Re:回転式や極超音速スカイフックにも目を向けて (スコア:1)
ラウンチループ [wikipedia.org]なんてのは発案者のキース・ロフストロムが詳細な計算をしてまして、既存の材料(ぶっちゃけると高張力鋼)で建造が可能だって結論を出してますね。
地上からの打ち上げ以外にも低軌道から高軌道或いはそれ以遠への軌道への投射のためのボロ [wikipedia.org]やロータベータ [wikipedia.org]なんてアイデアも在って、これらも既存のヘヴィ・リフターで打ち上げと運用が可能だとされてますが、どこの宇宙機関や企業も建造に名乗りを上げませんね。
一旦打ち上げてしまえば軌道とトルク維持のための燃料補給だけであとは高軌道投射ビジネスで大儲けできるはずなのにね。
所謂軌道エレベータに耳目が集まったり学会(笑)なんかが作られるのは一見派手で見栄えがするからでしょうね。
ワタクシに言わせりゃ建造できる材料の1万分の1の歩留まり(それだけで工業や建築に大革命が起きる)ですら作る目処が立たないのにビークルなんて作ってる奴はバカか詐欺師かのどっちかですな。まあ上記テザーシステムの役に少しは立つかも知れませんが。