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日本

T2K実験で電子型ニュートリノ出現現象の存在を示す決定的な測定結果 32

ストーリー by headless
出現 部門より
T2K実験国際共同研究グループによると、ミュー型ニュートリノが飛行中に電子型ニュートリノに変化する「電子型ニュートリノ出現現象」が存在することを示す決定的な測定結果が得られたそうだ(高エネルギー加速器研究機構のプレスリリースNHKニュースの記事MSN産経ニュースの記事本家/.)。

T2K実験(東海-神岡間長基線ニュートリノ振動実験)は、茨城県東海村のJ-PARCで作り出したニュートリノビームを岐阜県飛騨市神岡町にあるスーパーカミオカンデで検出するもの。今回の結果はは2010年1月から2013年4月までにスーパーカミオカンデで検出したニュートリノ事象のうち、J-PARCからビームを打ち出した時間と同期しているものを解析したもの。電子型ニュートリノが物質と反応すると電子が生成されるが、ビームと同期するニュートリノ事象532個のうち、28個で電子の生成が確認されたという。このうち、電子型ニュートリノ出現現象に起因しないものは4.6個だったという。2011年6月には同研究グループがこの現象の兆候をとらえたことを発表しているが(/.J記事)、今回の測定結果により、電子型ニュートリノ出現現象が確実に起こっていることが世界で初めて示されたとのことだ。
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  • by Anonymous Coward on 2013年07月21日 17時55分 (#2425317)

    目的外利用でばかり活躍してますね

  • by Anonymous Coward on 2013年07月21日 20時06分 (#2425360)

    最終的に三種類のニュートリノが相互に変換可能なんだとしたら6通り。
    今回の実験で4通り目が観測されたって事でいいの?
    全容解明した先は未知のフロンティア?

    • >三種類のニュートリノが相互に変換可能なんだとしたら6通り。

      A → BとB → Aの行きやすさは同じになるので,値は3つとなります.
      文字通り振動のように扱えるので,弦の振動が右から左に行くのと左から右に行くのが等価,というような感じです.

      *物理現象では,「行きやすさ」と「戻りやすさ」が「最初の状態」と「行った先の状態」の「重なり」に依存することが多く,重なりが大きい=行くのも戻るのも同じようにやりやすくなる,という感じになることが多々あります.

      ニュートリノは3世代あって,電子ニュートリノ(νe),ミューニュートリノ(νμ),タウニュートリノ(ντ)の3つがあります.
      これまでの実験で,νe ↔ νμとνμ ↔ ντの間の行きやすさは決定されていましたが,唯一残っているのがνe ↔ ντの値です.

      今回の実験では,νeとντの間の変化を直接観測するのでは無く,νμを多量に発生させて,そこからνeに変化したものの量を測定しています.
      νeが発生するルートとしては,νμから直接νeになるという振動と(この行きやすさは既知),νμから一度ντになり(この行きやすさも既知),生じたντからさらにνeへと変化する(これだけ未知)という過程の和になります.
      で,行きやすさが未知の過程(ντ → νe)の寄与を含めないと説明できないぐらいνeがいっぱい検出されたから,この両者の間での振動が確実に存在するよ,と.
      今後はデータを増やして,この振動の起きやすさを定量的に決める,という方向に行くかと思います.

      余談ですが,プレスリリースでCP対称性の破れ(物質と反物質との性質が微妙にずれるのに関係)の話が出ているのは,このCP対称性の破れに関連するパラメータ(δ)が,ντ ↔ νeの振動の行きやすさを表すパラメータ(θ13)との積で理論に現れるためです.
      積で出てくるため,ニュートリノの変化のしやすさθ13が大きければ,値δθ13が測定しやすくなるから,実験的にδ(CP対称性の破れに関するパラメータ)を検出しやすくなるよね,と.

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      • 全部わかったら・・・どんないい事があるのかが一番興味あります。
        人口重力とかあったらいいな。

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        • by Anonymous Coward on 2013年07月22日 4時18分 (#2425442)

          人口重力とかあったらいいな。

          人工重力を開発できれば、加速度のSI組立単位に名が付く。
          こいつは、ノーベル賞や天体に名を残すことより、遙かにでかい名誉だ。

          なお沢山(特に肥満体の)人間を集めて人口を増やすと、それに応じて人口重力が発生することは自明です。
          小生としましては暑苦しいので、特にこの季節には、そんな人口重力圏に近付きたくもありませんが。

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          • 人口重力の単位は1 Ishizukaとか1 Ijuinとかでしょうか。
            表記は略して1 Iになりそう。

            --
            -- う~ん、バッドノウハウ?
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          • by Anonymous Coward

            人口重力は近々お台場に発生する!

            • それは(港区)台場じゃなくて、江東区有明のことじゃないですか?

              はっきり言って、江東区民は怒っています。
              大江戸温泉物語、ヴィーナスフォート、湾岸警察署、日本科学未来館、
              ビッグサイトが「お台場」扱いされることに。

              #けど、船の科学館が台場扱いされてることについて、品川区民はあんまり怒ってないと思う。

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            • by Anonymous Coward

              反重力ストームで蹴散らしてしまえ。

        • 弱い相互作用の制御ができたら放射能処理も出来る。
          今んとこ慣性核融合の中性子で放射性物質を強制反応させてエネルギーを取り出す方法が有望らしいが。

          --
          the.ACount
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        • by Anonymous Coward

          先は長い。
          電磁弱統一場理論出て30年以上たつけど弱い相互作用の制御を実用化できたって話は聞かないし。
          重力は単独で量子力学との折り合いをつけてる最中では

    • by Anonymous Coward

      物理学よくわからないけど
      いずれ、タウ型ばっかりになってしまわないの?

      • by Anonymous Coward on 2013年07月22日 11時08分 (#2425518)

        振動だから、τからまたeやらμやらに変化する。

        細かい話をすると、ニュートリノだと粒子の種類の3つの固有状態(ν_e、ν_μ、ν_τ)と、質量(エネルギー)の固有状態が一致しない。
        われわれの身の回りにある粒子は、「ある決まった静止質量を持ち、ある決まった種類の粒子」となっているものが多い。ところがニュートリノの場合、「質量が決まった状態(=エネルギーが一定の状態)」を作ろうとすると、三種類のニュートリノを混ぜ合わせないと作ることが出来ない(三種類のニュートリノが、質量の固有状態じゃないから)。逆に「種類が決まったニュートリノ」は質量が決まらなくなる。世の中はだいたいエネルギー一定で成り立っているので、ニュートリノも「質量(エネルギー)は一定、その代わり種類が不確定」という状態となって飛んでいる。
        「種類が不確定」ってのは3種類のニュートリノが混ざった状態で、その混ざり方が時間とともに振動する、というもの。この振動を検出する。

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        • by Anonymous Coward

          タウ型から電子型、ミュー型への変身は否定されています。

          •  μ→eへ変化した量(今回測定) 
              = μ→eへの変化しやすさ(既知) * μの量(今回生成させたμの量)
                + (τ→eへの変化しやすさ(未知) * τの量※1)

                    ※1 = μ→τへの変化しやすさ(既知) * μの量(今回発生させたμの量)

             という式で表されるとして、τからeに変化すると考えないとおかしいぐらいにeが検出された(τ→eへの変化のしやすさ(未知)>0)ということは、τからeに変化すると考えなければならないんじゃないでしょうか。τ→eへの変化が否定されている(未知=0)場合は、今回の測定結果から、既知の値μ→eへの変化しやすさに誤りがあることになります。
             それに、A→Bへの変化のしやすさと、B→Aへの変化のしやすさは振動なので等価、ということを考えると、μ→τの変化があるなら、やはりτ→μにも変化すると思うのですが。
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            • by Anonymous Coward

              >μ→τの変化があるなら、やはりτ→μにも変化すると思うのですが

              過程に飛躍が見られます。願望?

          • >タウ型から電子型、ミュー型への変身は否定
            嘘を書くな。

            --
            the.ACount
            親コメント
        • by Anonymous Coward

          全部見つかったら、CP対象性の破れにならないんじゃないかい?

          • by Anonymous Coward

            今回測定したニュートリノ振動の混合角を、
            次は反ニュートリノの振動の混合角を測って比較。
            違えばパリティの非対称性になる。

  • by Anonymous Coward on 2013年07月22日 11時57分 (#2425529)

    将来どんな応用が期待できるものなのですか?
    放射性廃棄物の無毒化とかゲシュタム機関とかに1歩でも近づけるものなのかな?

    • by the.ACount (31144) on 2013年07月23日 13時13分 (#2426482)

      >応用が期待
      そりゃ宇宙に大量に存在する高エネルギーニュートリノをエネルギー源にする夢の永久機関ですよ。
      実現形態はシズマドライブのようになると予想。
      そしてエネルギーを失ったニュートリノが地球近傍に蓄積して軌道エネルギーを持ち去り、月の落下と言う大厄災が…
      それを予測した大科学者が陽子崩壊を利用して逆反応で災害を防ごうとしたら暴走して更に大惨事!(ジャイアントロボ・地球が静止する日、参照)
      なお、逆反応の作動中はシズマドライブが機能停止するというネタ込み。

      --
      the.ACount
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    • by Anonymous Coward

      どんな応用が可能なのか見当も付かない、というのが正直なところ。
      SF的妄想しかできないんじゃないかな。

      電磁力を発見した時、何かの応用が期待できると思った人は極めて少なかった。
      方位磁石の針を動かすだけ、だもんね・・・。
      それを学者の道楽として捨て置いたら、今我々はPCでスラドしてないわけで。

      どう転がるかわからないから、将来、下手すると遠い将来のために研究しておかなきゃね。
      まぁ、基礎研究は基礎学問なので、応用のことなんか考える必要無いんだけどさ。人類の英知を深める、というのが最大の目的。

    • by Anonymous Coward

      安定なワームホールを検知するとか、遮蔽された物体もスキャンするとか。

    • by Anonymous Coward

      確実に応用できるのは、ゲシュタルト崩壊する人が一定数発生することだな。

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