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NASA

NASA、真空中でEM Driveの実験に成功 147

ストーリー by headless
推力 部門より
昨年、NASA EagleworksがEM Drive(電磁駆動: electromagnetic drive)の実験結果を発表して話題を呼んだが、真空中でも推力が得られることが確認されたそうだ( NASASpaceFlight.comの記事io9の記事本家/.)。

EM Driveは密閉された空間でマイクロ波を反射させることにより、推進剤を放出することなく推力が得られるというもの。2001年ごろに英国のSatellite Propulsion Researchが研究を始めており、中国の研究者も研究成果を発表している。ただし、EM Driveで推力が得られる仕組みは解明されておらず、運動量保存の法則にも反するため懐疑的な見方が強い。NASA Eagleworksを率いるHarold White博士は、EM Driveでは電磁流体力学(MHD)駆動における推進剤イオンの役割を量子論的真空が果たすとの説を提唱していた。しかし、これまで真空中での実験結果がなかったことから、推力はマイクロ波により発生した熱の対流によるものとの仮説を多くの物理学者が支持していたという。今回、真空中で推力を得る実験に成功したことにより、この仮説は否定されることとなった。

EM Driveはまだ研究の初期の段階であり、仕組みの解明などさらなる検証が必要となるが、実現すれば火星まで70日程度で行けるようになり、太陽系から4.3光年離れたアルファ・ケンタウリ系へのミッションも夢のような話ではなくなるとのことだ。ただし、実際にどこから推力が発生しているのかという点については、厳格な検証が必要となるだろう。
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  • by Anonymous Coward on 2015年05月05日 20時48分 (#2809241)

    推力としてみるのではなく
    物質や原子や素粒子の存在位置を
    観測すると何かわかるかも

    たとえば特殊な空間に特殊な波長を流すと
    量子的に出現不能になるなんてことがあった場合
    その外側に出現が偏ることになって
    結果押し出され推力となっている
    みたいなことが観測できたりしないかな

    エネルギー保存の法則の外側として考えるなら
    そんな突飛な仮定もアリかもしれない

    # 存在確立に干渉できるとかなにそれこわい

  • by Anonymous Coward on 2015年05月05日 21時22分 (#2809260)

    そういう効果が実在すると仮定したとしても、「火星へ70日」は違うような。それって大出力を自慢するときに使う文言だし。
    「従来のロケットでは達成不能な出力を達成できる見込み」ってのは、理論の飛躍すぎる。

    もし、「簡単な実験機ですでにすごい出力が得られていて、大きくすれば従来型のロケットでは達成不能な出力まで」って話なら、
    「あるかも知れないし無いかも知れない謎の効果」なんて曖昧な状態になるはずがない。大騒ぎになる。

    一方、「まだ実験的に得られる出力は観測限界のギリギリだけど、この方式を突き詰めて行けば、大出力を達成できるんだよ!」と言うのも、
    何が原因で起こってるのか分かってない段階で何を夢見とるんだ君は? と言う話になるし。

    話を盛るなら、ハヤブサのイオンエンジンよりも噴射剤が不要な分だけさらに効率が良い、と言うような、
    ひたすら地味な出力だけど時間を掛ければもっと遠くへ、という方向でないとダメなんじゃ?

    • by Anonymous Coward on 2015年05月05日 21時30分 (#2809268)

      推進剤が消耗しないので35日間加速し続けられるというのがポイントなのでは

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2015年05月06日 3時16分 (#2809358)

        必要な増速の合計が5.46km/sほど [yahoo.co.jp]らしいので、
        それを70日で割ると、だいたい0.0009m/s2ぐらい。

        宇宙船の質量が1トンなら、地上で計って92gほど軽くなるぐらいのエンジン出力で達成できるのか。
        それだと、測定誤差じゃないか、実験をやり直せ、と物議を醸してもおかしくない程度に小さいのかな。
        長時間の加速を舐めちゃダメですねぇ。

        親コメント
    • ひたすら地味な出力だけど時間を掛ければもっと遠くへ、というのは、実際には「もっと速く」なんだな。

      大出力のエンジンを作ることはできても、燃料は使えばなくなるというのが宇宙機のいわば"航続距離"の悩み。ロケットに積める燃料重量は限られていて、エンジンを工夫しても燃料の重さ辺りの推力×時間の積は大して変わらない。大型エンジンを一瞬使っても、小型エンジンをしばらく使っても、同じ燃料では与えられるエネルギーは同じ。ジェットエンジンみたいな燃費改善の余地は、たぶんあんまりない。結局、エンジンは軽く作って載せられるだけ燃料を積むことになる。

      イオンエンジンは使う燃料の重さ辺りの推力×時間の積、比推力(ISP)が高い。同じ重さの燃料から、より多くのエネルギーを引き出せる。燃料が"よく燃える"ので、パワーウェイトレシオが上がって性能が上がる。ただし、出力は瞬間ではなくて総運転時間で見ている。

      EMDriveは燃料消費がゼロ、総運転時間が無限大になるので、比推力が無限大になる。元記事ではこれを利用して、出力2MWの原子炉を搭載して総質量90tの宇宙船を作り、0.4N/kW(=800N@2MW)のEMDriveを積むと仮定している。出発から到着までの間運転すると、地球低軌道―火星間に必要なΔVおよそ4300m/s に対して、最大で 800N × 70日 ÷ 90t = 53760m/s の軌道変換量…はやぶさのΔVが2500m/s程度なので、もし本当にこのエンジンが動作するなら夢がひろがりんぐ。

      親コメント
  • by magicME (10732) on 2015年05月06日 22時58分 (#2809778)

    マイクロ波の研究は光ファイバが主流になってからめっきり下火になってしまったと思っていましたが地道に色々続いてるんですね。

    電波による通信以外の作用と言えば電子レンジなんかの熱作用(って言い方であってるのかな?)くらいしか思いつきませんが他にもこの推進力のようなまだ未知の分野があるんですかね~。

    ずいぶん昔にマイクロ波によるperl chain effectってのを知りましたが、その当時は結局理由はよく分からないってので終わっていた気がします。
    現象としては水泡が多数浮かんでいる水面に、マイクロ波をあてると数珠つなぎに並ぶって内容だった気がします(うろ覚え)。

    あれって理由は解明されたのかな?

  • by Anonymous Coward on 2015年05月05日 19時43分 (#2809204)

    「EM Drive」なんて最低。

  • by Anonymous Coward on 2015年05月05日 20時25分 (#2809230)

    これを使うと、空中を走る車とか出来るんですかね。出来たらいいな。

    • by Anonymous Coward

      原理がちゃんと解明されれば、1Gに対抗できるだけの力を生み出せるかもしれませんね。

    • by Anonymous Coward

      まあ日本では速攻で規制されるけどね。万が一にも規制されなかったら官邸か皇居か大阪の公園に放り込むだけの簡単なお仕事です。

  • by Anonymous Coward on 2015年05月05日 20時50分 (#2809242)

    これっていわゆる「光子ロケット」なんですか?
    波長がマイクロ波帯なだけで。

    • by Anonymous Coward

      違います。いわゆる光子ロケットというのは、光子を噴射して飛ぶロケットで、光子はロケットと逆方向に飛んでいきます。

      ここでは電波は外に出ないので、系全体の運動量の保存を考えると動くはずないので不思議な(怪しい)んですね。

    • by Anonymous Coward

      でも、密閉空間なんでしょ。光すら放出してないということでは?

    • by Anonymous Coward

      せっかく電磁(波?)推進と名乗ってるのに、光子とかいうのは野暮でしょう。

      光子の物理的反動による推進であるとは定義されてないんだし。

  • by Anonymous Coward on 2015年05月05日 21時10分 (#2809254)

    > マイクロ波は電気から生まれるので、太陽発電でも動かせます。推進剤は不要で、つまりこのエンジンはハードウェアが壊れない限り永遠に動き続けられるんです。

    という説明があるので、つまり完全閉鎖系が何故か推進するのでなく、「外部からエネルギーを供給」するわけですよね。

    質量がエネルギーに変換できる相対性理論があるんだから、おかしくないと思うのは素人ですかね。

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