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186312 story

粘菌使ってネットワーク設計 67

ストーリー by makeplex
生命の神秘 部門より

parsley 曰く、

読売新聞の記事,「粘菌」エサの駅つなぎ首都圏そっくり鉄道網によれば、 北海道大学の手老研究員らが、現在の首都圏の主要駅の位置に粘菌のエサを配置し、 東京駅に粘菌を配置したところ、次第に鉄道網のようなネットワークになったと いう研究を22日付けの米サイエンスに発表した。
(米サイエンスの記事[Ride the Slime Mold Express!], Rules for Biologically Inspired Adaptive Network Design)

手老研究員の紹介ページ、北海道の駅でも実験済みのようです。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by ttm (8278) on 2010年01月22日 18時33分 (#1707210)

    培地に地図をうつしこんであって、平地には粘菌が住みやすいようになっていて、山地には粘菌が住みにくいようになっています。そして都市部分にエサが置いてあります。
    結果としては粘菌は1つのエサ場から別のエサ場に向かう時に、平野部を通りながらできるだけ短い距離で結ぶように伸びていきます。一方で、鉄道の線路はもともと都市間を結ぶときに平野部を通るなかで直線的に経路を選んでいます。
    だから、粘菌のネットワーク形状と鉄道の路線図が似るのは、ある意味必然に近いかなと思います。

    • by Anonymous Coward on 2010年01月22日 20時19分 (#1707239)
      問題はそこではなくて どうして粘菌は迂回路もあるような回路を形成するかでしょ
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2010年01月25日 9時14分 (#1707863)
        > 問題はそこではなくて どうして粘菌は迂回路もあるような回路を形成するかでしょ

        実は種明かしもあって、わざわざ迂回路を作るのではなくて、作った迂回路が
        維持されるというだけです。

        粘菌はいろんなところに枝を伸ばしていくわけですが、行き止まりみたいな先が無い
        ところや、あるいは次の栄養ポイントまでとても遠い場合には、枝がそこまで届かず
        しぼんでしまうんです。

        理由は、栄養の循環です。
        栄養が流れる経路があるなら迂回路でも維持されますが、行き止まりの枝などは
        栄養がうまく流れないので衰退してしぼんでしまうんです。

        よく、粘菌が迷路を解く不思議をやったりしますけど、それも同じ理由です。
        粘菌はいろんな経路を試すんでしょう。
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        不思議。駅がない所にも分岐作るしね。やっぱり年寄りには勝てないか
        • by Anonymous Coward
          ねんきん生活者を馬鹿にしてはいけません。
    • by Anonymous Coward
      あの写真だったら、「爆笑問題のニッポンの教養」の FILE096:「単細胞は天才なのだ」 [nhk.or.jp] で見たけどなぁ。
    • by Anonymous Coward
      この話が何故「ネットワーク設計」と言うタイトルになったのか理解し難い。
      • by Anonymous Coward
        このACが「ネットワーク」と聞いて何を思い浮かべているのか興味深い
        • by Anonymous Coward

          LANとかハブとかルータとかだろ。
          ネットワークエンジニアっていったらなにする人よ。
          #マジレス

        • by Anonymous Coward

          興味深くもなんともないな。
          一般的な感性を持っていれば十分に予想できる。

      • by Anonymous Coward
        あなたが原著論文を全く読まない人だというのがよく理解できます
        • by Anonymous Coward
          事前にポイントと経路まで用意して「粘菌で設計」もないだろ、と思ったのですが、
          論文の方ではちゃんと「設計」について書かれてるんですね。

          私はこれらの記事のミスリードにより関心を削がれ、
          もう論文を読む気にはなれません。
    • by Anonymous Coward

      あの話のキモは

      鉄道のように利権がからむインフラは政治的かけひきで
      もっと無駄が多いルートを通ってると思って実験したが
      案外現実も(粘菌的)最適解と同じだったので逆にびっくりした。

      って部分かなぁ…

    • by Anonymous Coward
      東京西部の回路は
      中央線はもっと南を通っていた方が適切であったことを実証してくれているんですね。
      #調布・府中の住人の反対と習ったが、本当なんでしょうか。
      でも、東急線が全然再現されていないのが残念な感じ
      • by Anonymous Coward
        > 調布・府中の住人の反対と習ったが、本当なんでしょうか。

        事実ではありません。
        先見の明のない住民の反対運動のせいで鉄道のルートが変更されたという各地にある伝承について
        丹念に当時の記録を調査した「鉄道忌避伝説の謎」という本が最近出版されました。
        これによれば、反対運動の事実はほとんど確認されなかったそうです。
        調布・府中についても、当時の甲武鉄道(中央線を建設した私鉄)の記録を見ても
        調布や府中を通ることを検討した形跡すらないそうです。

        急な高低差を避けるとか、架橋しやすい位置を選ぶとか、
        もっぱら建設のしやすさでルート選定されていて、途中の中小都市は眼中になかったようです。

        この粘菌の路線図は、その先にえさがあることでルート形成が誘導されてしまっているんじゃないでしょうか。
        実際の中央線は、八王子や橋本などを通ることを狙っていたわけではなく、
        あくまで東京と甲府を結ぶ上でよいルートを検討したら八王子を通ることになったというだけですし。
        甲府の位置にえさを置いていたら変わっていたかもしれません。
  • ごめんなさい (スコア:3, 参考になる)

    by parsley (5772) on 2010年01月22日 20時59分 (#1707250) 日記
    関連ストーリーを忘れてタレてしまいました
    週末ですが、以下を追記します。

    http://srad.jp/science/article.pl?sid=01/06/13/064243 [srad.jp]
    粘菌が組み合せ最適化問題を解く [srad.jp]
    「迷路を最短距離で解く粘菌」などにイグ・ノーベル賞 [srad.jp]
    --
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  • by Anonymous Coward on 2010年01月22日 20時55分 (#1707249)

    今回取り上げられている手老篤史・北大准教授は、粘菌が迷路を最短ルートで解くことを示した2008年イグ・ノーベル・認知科学賞受賞者中の中垣俊之・北大准教授、小林亮・広島大教授と、論文執筆者に名を連ねる関係なのですね。

    参考リンク
    中垣俊之(研究者ページ) [hokudai.ac.jp]
    アメーバに学ぶ賢さのしくみ・中垣先生インタビュー [hokudai.ac.jp]

    #スラド編集者におかれては、関連ストーリーに「迷路を最短距離で解く粘菌」などにイグ・ノーベル賞 [srad.jp]を入れてほしかったところですね。

  • T/O
  • by suzushiro (30819) on 2010年01月25日 10時32分 (#1707890)
    5角形の基調にしたフラクタル図形に見える > 粘菌線路図
  • 同じような感じだよね。
    自律的にネットワーク網が想定外で広がっていくのは。
    脳のニューロンネットワークも似たような感じで広がっていきますしね。
    この場合餌は『刺激』とか『経験』ですけど。
    人為的にネットワークを制御するのではなくて、自律的にネットワークが拡散集合する。
    そして集合体が意思を持ち動的に動いていく世界。
    これは功殻機動隊の世界ですかw

    --
    日日是好日。そう思わないとやってられない!
  • 人間が敷設した鉄道網が最高に合理的というよりも、
    生物が網を作る時の原則というか、判断の基準が似ている。
    という話かもね。と思いました。

    山を避けるとか、それはもちろん、
    合理的な判断ではありますが、
    評価軸を敷設のコストに閉じてしまわなければ、
    今以上に効果的な鉄道網は考えられるかもしれません。

    ですので、網の設計に使えるかも、というのは、
    もうちょっと検討が必要かもですね。
    --
    -- LightSpeed-J
    • by tmiura (6268) on 2010年01月23日 1時22分 (#1707328) 日記

      迷路を解く話から最短経路以外を枝刈りした結果ができそうなことは 想像ついたものの、それで迂回路なんてどうやってできるんだろうと 疑問に思ってリンク先の写真を見たら、 餌場の点がたくさんあるから全体として迂回路もできているだけの話で、 ボロノイ分割された各セルの中は最小シュタイナー木に 収斂しているように見える。

      別に思考じゃなくて、適当な微分方程式にポテンシャル分布を与えると それっぽい解に収斂するって系だよね。 普通にアナログコンピュータというか。

      それでも結果を見れば知的に見えるって切り口で工学的に応用するとサブサンプションアーキテクチャとかができるんだろうけど。

      親コメント
  • 粘菌さん粘菌さん (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2010年01月23日 3時40分 (#1707345)

    リニアの路線はBルートとCルートのどっちがおいしいですか?

  • 英語でslime mold [wikipedia.org]
    Rogueではコレを食うんですよね。

    #違う種類なのかなぁ。

    --
    しろうと考え
  • by cljack (22418) on 2010年01月25日 11時41分 (#1707926)
    久留里線が鴨川あたりにつながってるね.

    そのうち東京湾横断道や圏央道ができるのかな?
  • by Anonymous Coward on 2010年01月22日 19時11分 (#1707221)

    網の設計には使えるのかもしれませんが、
    それを鉄道に応用しようとするのであれば、
    始点、終点、経路の選択と分配を行い、
    「路線」のレベルまで落としこむ必要があるので、
    もう一歩なにがしかの発展がほしいところですね。
    遺伝的アルゴリズムとかで補うと面白いかも。

    # 広域イーサ網への応用であれば大丈夫かな?
    # ひょっとして、粘菌の作る経路の太さから、
    # 確保すべき最適な帯域がわかったりして

  • by Anonymous Coward on 2010年01月22日 19時51分 (#1707232)

    何かむちゃくちゃ楽しそうな実験なんですけど!

    • by Anonymous Coward
      いやいや。ここまでくるのに200万年ほどかかって大変だったぞい。

      by 神
    • by Anonymous Coward
      マジな話、世の中の難しい問題は、こういった単純でごく自然なものが解決の糸口を解く鍵を持っているのかも…なんて思えてしまいます。

      例えば巡回セールスマン問題とか解けそう。
      場合によってはリーマン予想を証明する鍵になるとか。
  • by Anonymous Coward on 2010年01月22日 22時07分 (#1707275)
    厚労省が関与して効率が悪そうな響きだ
  • by Anonymous Coward on 2010年01月22日 22時19分 (#1707280)
    鶴見線を再現するのは無理だったか・・・
  • by Anonymous Coward on 2010年01月22日 22時26分 (#1707285)
    主要都市扱いされてない...orz
typodupeerror

UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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