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サイエンス

北磁極、シベリアに向かって移動中 29

ストーリー by kazekiri
動く点 部門より

capra 曰く、

磁力線の方向が鉛直になる地点である「北磁極」は継続的に動いているが、近年その移動スピードが速くなっているそうだ(本家/.)。
北磁極は北極とは異なる地点である。磁力線が「下方向に垂直に落ちる」ことから英語では「dip(落ちる) pole」とも呼ばれている。イギリスの探検家ジェイムズ・クラーク・ロスによって北磁極が発見されたのは1831年であり、当時の北磁極はブーシア半島(現カナダ北部)に位置していた。その後観測を続けたところ1990年代までは1年あたり15km程度移動していることが分かった。しかし1990年代以降は移動速度がスピードアップし、北北西方向に年間55kmのスピードで移動しているとのこと。 今後このペースで移動した場合、10年そこそこで北極点を通過しシベリアに到達すると予想されている。

北磁極の移動にはプルームテクトニクスが関わっていると近年は考えられている。より低密度のプルームが地球の自転軸を中心とするシリンダー状の筒を上昇した場合、地球の自転によってプルームに強いらせん状の動きが生まれ、これが磁力線に影響を与えるとのことだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 予想外 (スコア:3, すばらしい洞察)

    by Fushihara (40722) on 2010年12月30日 12時15分 (#1881767)
    年10kmもあるのかよ。はえーな
    • by Anonymous Coward

      オカルトのネタになりそうで嫌だなあ。
      天変地異とか世界的なコンピュータの誤作動とか、いろんな尾ひれがついて行きそうな予感。

      • by Anonymous Coward

        温暖化じゃ、温暖化の仕業じゃ!

        #よくわからないものは全部温暖化のせい

        • by Akisame (35837) on 2010年12月30日 14時13分 (#1881824)
          逆に、
          温暖化は北磁極が移動していたせいだったんだよ!(AAry
          ってなる可能性も。
          親コメント
          • つまり2012年、ポールシフトにより人類は滅亡する! (AAry
            • by Anonymous Coward

              >つまり2012年、ポールシフトにより人類は滅亡する! (AAry
              もしある日突然ポールシフトが発生するといろいろな航法支援システムが発狂する可能性があるだろうから洒落にならない。
              まあ今時は慣性航法装置と全地球衛星測位システムを併用しているだろうからそう簡単には事故は起きないだろうけど…

      • by Anonymous Coward

        確か幸福の科学の信者だった景山民夫が「地球がひっくり返る!」とか言ってたね。
        地磁気の逆転と地軸の逆転ではえらく違う…。

      • by Anonymous Coward

        何をいまさら。
        オカルト業界では結構前から磁極の移動、磁力の低下が加速していることに着目してますよ。

  • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 13時26分 (#1881806)

    すみません。地磁気を専攻するものですが、

    > 北磁極の移動にはプルームテクトニクスが関わっていると近年は考えられている。

    なんて誰が言っているのですか?出典をお願いします。

    だいたい、プルームの運動と地磁気を作るダイナモ作用では時間スケールが違いすぎていて(特徴的時間スケールは前者が数百万~数千万年、後者が数百年~数千年)、コアから見るとマントルは止まっているようにしか見えないので「プルームの動き」自身がダイナモに影響を及ぼすことは考えられません。

    また、マントル対流ではエクマン数(粘性力とコリオリ力の比)が10^9程度もあるので、自転がプルーム運動を含むマントル対流に影響を及ぼす可能性は限りなく小さいと考えられます。「プルームが自転でねじれる」ってのは悪い冗談にしか聞こえません。一方コアのエクマン数は10^-9くらいのため、自転はとても重大な影響を及ぼしてます。

    文句を言うだけでは何ですので付け加えると、たしかに北磁極の運動に着目する研究者も結構いるみたいです。理由は北磁極の位置は地磁気を球面調和関数で成分分けしたときに現れる軸対象双極子(n=0,m=0)成分とそれ以外の比率に大きく依存すると考えることができるからです(例えば、Korte and Mandea, Earth, Planets and Space, 60, 937, 2008)。ただし、磁極の位置自身は敏感過ぎてわけ分からんという気もしますが。

    • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 14時06分 (#1881822)

      出典は American Geophysical Union の EOS(12/21分)のようです。
      タレコミ中の本家記事に貼られているリンク先(Scientific Americanの記事 [scientificamerican.com])で内容の一部が紹介されていますよ。
      (自分は門外漢の外野なのでリンク先記事の信用度判定はお任せします)

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 15時32分 (#1881845)

        元ACです。ありがとうございます。
        元々のJGR論文(Chulliat, Hulot and Newitt, 2010)のアブストと、Scientific American の記事の引用部分を拝見しましたところ、
        こんな感じではないかと分かりました。

        (1)地表における北磁極の位置(とその移動)には、ノヴォシビルスク近辺直下のコア-マントル境界(CMB)付近にある、「(通常の双極子とは反対向きの)上向き磁力線を発する磁気フラックス(これを「パッチ」と呼びます)」が関係する。
        (2)極域にあるこの部分は最近幾つかのダイナモシミュレーションで示唆されている。そして、それらのシミュレーションが示唆するところによれば、このパッチの原因は、外核タンジェントシリンダー内(自転軸を回転軸とし、内核を被うような円筒)において内核外核境界付近(つまり外核の底)から上昇する流れ(これを「プルーム」と指してます)がコリオリでねじれることにあるようだ。

        (1)については因果関係はともかく現象論的にはそうなのでしょう(北磁極が一番近いフラックスパッチの影響で位置を決めるのは当たり前)。(2)については現在「最新」とされるダイナモ計算には色々あり、そのどれもがこの現象を作り出している分けではない(そしていずれの計算も実際の地球外核のパラメータ領域にはほど遠い)ので何とも言えません。

        (1)は#1881827さんのコメントにある「モンゴルの停滞性地磁気異常」と同一のものだと考えられます。

        タレコミ文では「プルームテクトニクス」という言葉が誤用されています。コア内でも大きな流れを「プルーム」と呼ぶことはあるのです。しかし、「プルームテクトニクス」という用語になると、(私の元コメントで使ったように)マントル対流のうち、とくに巨大規模の流れが作り出す一連のテクトニクスを指します。

        私個人としては納得したのですが、/.的にテクニカルタームの誤用を放置するのはいかがなものかと思われますので、何とかすることを希望します。

        それから、元コメントで軸対象双極子をn=0,m=0と書きましたが、n=1,m=0の間違いですね。おわびします。

        親コメント
        • タレコミ読んで、コアによる地球磁場とプルームテクトニクスに関係あるわけない!と突っ込もうと思ったら、すでに終わってたか。
          プルームテクトニクスとは別のプルームなのに混同した訳ね。
          タレコミがまだ修正されてないのは、コメントの意味が分からないからだろう。

          --
          the.ACount
          親コメント
          • by Anonymous Coward

            いや、単に麻生元首相以外は誰が見ても明らかな誤字とかじゃないともはや放置がデフォだから。たまに直すことがあってもあたかも最初からそう書いてあったかのようにこっそり直す始末。
            アレたま時点のタレコミは隠せないけど採用後に編集者が修正した記録はどこにも残らないから困ったもんだ。それでも直してくれるならまだマシなんだけど。

        • by Anonymous Coward
          解説有難うございます、#1881827 のACです。
          # 今は研究の世界からは離れてまして、JGR(のアブスト)を読んでなかったので。

          > (1)は#1881827さんのコメントにある「モンゴルの停滞性地磁気異常」と同一のものだと考えられます。
          概ね、そのつもりで書きました。ただ、より直接的に指している物は地表での観測結果である地磁気異常の事です。で、ソレを作るためにはCMB付近に「パッチ」が必要、という話でしたよね?
          # その世界から離れてしまったので、うろ覚えですが

          確かにScientific American の記事には、
          "plumes of less dense fluid form at t
    • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 14時16分 (#1881827)
      以前、地磁気に近い分野をやっていた人間ですが。

      > 北磁極の移動にはプルームテクトニクスが関わっていると近年は考えられている。
      無理やり解釈すれば、
      「モンゴルの停滞性地磁気異常と、アジア大陸下のコールドプリュームは関係がある」て話と、
      # 因果関係かどうかはおいといて
      「地芯双極子以外の成分の地表での観測結果であるモンゴルの停滞性地磁気異常」て話と、
      「非双極子成分の寄与によって磁北極が移動する」て話を、
      風が吹いて桶屋を儲けさせる要領でつなげたんじゃないでしょうか?
      # だとしても、聞いた事がないのはかわらんのですが
      親コメント
  • 高速で磁石上の北が動くと、家にある地形図の磁北線も引き直さないといけないのか。

    趣味はいいとして、業務の人はどうなるのだろう。毎年補正するのか。
    最近はGPSでの測量に切り替わっているから大丈夫なのか。

    • > 趣味はいいとして、業務の人はどうなるのだろう。毎年補正するのか。
      > 最近はGPSでの測量に切り替わっているから大丈夫なのか。
      GPS測量は制約(※)があるのでトータルステーションやセオドライトはまだまだ健在ですよ。

      ※……ビルの谷間や山間部などの上方が開けてない場所では、位置情報を受信できる衛星の個数が少なくなるので精度が落ちます。

      測量屋さんは偏角(磁北と真北のなす角度)が問題になる場合には、現地で太陽を観測して方角(真北というか真南)を求めてるので、磁北がずれても直接的にはあまり問題にならないような。

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    • 趣味の中だと、登山が一番危ない感じがするけども、どれぐらい影響あるんでしょう?
       # 個人的には既存の山道を歩くだけなので、ざっくりした方角がわかれば良いんですが。

      ……というコメントを残そうとしたのですが、東京から北極点までが6300km以上。
      てことは、1度ずれるのにざっくり100km必要だから、今のままだと2年で1度ずれる。
      ってことは、10年に一回の国土地理院の磁気図書き換えで十分なのかな?
       # 2,3度が致命的になる登山する人は当然方位磁針のズレも補正しつつ登るだろうし。

      知らずに30年前の使ってだいぶズレてる!って人は、そもそもコンパス使わない気もするし:-P

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      • by Anonymous Coward
        その理屈だと、江戸時代に入った頃は現在と南北が逆転していたということ??
    • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 12時36分 (#1881777)

      Low Earth Orbit (LEO) [wikipedia.org] での荷電粒子分布はどれだけ変わるのかなぁ。
      運用やシミュレーションのパラメータ見直さなきゃいかんのかな、参ったな……。

      # そりゃもうACですとも。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      年10kmともなると、リアルタイムに予測計算しないと間に合わないんじゃないですかね。
      その内加速が更に進んで、最終的にはポールシフト?

    • by Anonymous Coward
      船は地図上の北を基準としますが、飛行機は磁気上の北を基準とします。 だから、各飛行場では、滑走路の磁気上の方向を測定しているはずです。 長い習慣でそうなっているのですが、いまではGPSに両者のずれを含めて配信するのでしょうか。
      • by 90 (35300) on 2010年12月31日 1時20分 (#1882008) 日記

        GPSでは絶対座標だけが返ってきます。しかし普及が進む電子コンパスはそのうちGPSを使った定期的な磁北補正なんかが登場するかもしれませんね。あるいは地球上の磁場分布データを持っておいて現在地と突き合わせて補正、とか。

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  • でも最後はプーチン隊員がやっつけるの。
    http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1171196.html
  • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 12時47分 (#1881782)

    地球磁場の減少とかんれんがあるのでは?

    http://www.kakioka-jma.go.jp/knowledge/mg_bg.html [kakioka-jma.go.jp]

  • by Anonymous Coward on 2010年12月30日 13時41分 (#1881811)

    出オチ。

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Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級

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