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テクノロジー

生きた細胞の超微細構造の観察に成功 33

ストーリー by headless
微細 部門より

m.sakkanen 曰く、

日本原子力研究開発機構と奈良女子大学のグループは、生きた細胞の内部構造を詳細に観察可能なレーザープラズマ軟X線顕微鏡の開発に、世界で初めて成功した(プレスリリース時事ドットコムの記事産経関西の記事)。

可視光よりもはるかに波長が短く、水に吸収されにくい軟X線を使用すれば細胞の内部構造を微細に観察できるが、従来の技術では長時間の照射が必要となるため、生きた細胞を静止した状態で撮像することはできなかった。同グループは高強度レーザーを金属薄膜に集光して高輝度の軟X線を発生させる技術と、X線感光材上に細胞を直接培養する手法を開発し、短時間の照射で撮像可能なレーザープラズマ軟X線顕微鏡を実現したという。蛍光顕微鏡で細胞内器官の位置を特定する方法との組み合わせにより、90nmという高解像度で細胞核やミトコンドリア、細胞骨格といった生きた細胞の内部構造を観察することにも世界で初めて成功したとのこと。

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  • by LoadFF (27414) on 2011年08月20日 13時49分 (#2006343)
    X線感光剤の上に直接細胞培養したってのも凄いよなぁ。
    生体に与える影響が小さい感光剤が出来たとか、感光剤から細胞を守る素材が出来たとか?
    --
    如何なる内容であろうとACでの書き込みは一切無視します。
    • by y-stm (36170) on 2011年08月20日 14時48分 (#2006361)

      軽く調べてみたけど、感光剤としてポピュラーらしいPMMAには際立った毒性が無いのでは?
      やってみれば何とかなりそうだけど、最初に手を出した人は偉い。素晴らしい。

      個人的にがんばってるなあと思ったのは真空中でも大丈夫な試料ホルダーを作ったところ。
      軟X線は空気によく吸収されるために(軟X線の)光学系は真空にしないといけないけど、細胞は水中じゃないと培養できない。
      X線なのでレンズを使わない直接法でイメージングしているところも素晴らしい。

      ただ、そうは言っても軟X線なので生体試料へのダメージは気になるところ。time-lapseイメージングはできるのでしょうか。
      また、最近出てきた超解像顕微鏡はレンズの限界を超えた空間分解能(100nm程度)を光学顕微鏡で実現できているので、
      取り扱いが難しい軟X線顕微鏡が次に進む先も興味深いです。より高分解能の世界を目指すのでしょうか。

      親コメント
      • どっかに分かりやすい邦文文献とかないかな。
        電離則とかはエックス線については結局エネルギーだけカウントしてるけど、
        波長によってダメージの仕方とか色々変わると思うんだ。

        • by Anonymous Coward

          硬エックス線なら骨髄、軟エックス線なら真皮に影響が大きいぐらいまでは
          分かるんだけどね。

    • by T.SKG (20663) on 2011年08月20日 14時16分 (#2006351) 日記

      日本原子力研究開発機構のプレス発表の、おしまいの方の用語説明でX線感光材にも触れていますね。
      ポリメタクリル酸メチル樹脂とのこと、アクリル樹脂の一種でしょうか。

      http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p11081701/03.html [jaea.go.jp]

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      生物は、いろんな環境に適応できるよう進化できるのだから、
      感光剤の上やX線照射条件でも生存できる生物(細胞)なんてのも
      作れたりして。

      でもそれだと、その生物しか見ることができないけどね。

  • by Anonymous Coward on 2011年08月20日 14時04分 (#2006347)

    殆どのリンク先にX線顕微鏡像がないので、なんとも言えん。
    もうちょっときれいなものはないのかな。
    http://www.jaea.go.jp/02/press2011/p11081701/all.html [jaea.go.jp]
    感光板自体を防水にすれば簡単に培養できるんじゃない?

    • by Anonymous Coward

      >もうちょっときれいなものはないのかな

      それがあれば苦労してないって。

  • 細胞内はタンパク質やらなんやらでごちゃごちゃしているので、そういう中から興味ある分子を識別してあげる必要がでてくると思うんだけど、X線だと何で標識すればいいんだろう?
    現状、蛍光顕微鏡や電顕を置き換えるものではないような。この方法の使いどころってなんだろう?

    • by Anonymous Coward
      観察の対象は分子じゃなくて、構造だからラベリングは不要でしょう。
      TEMみたいな感じ。

      培養条件や遺伝子の発現パターンをRNAiか何かでリアルタイムに操作して、
      構造がどう変わるかを見るなんていうのもワクワクしますが、
      生きたままのアドヴァンテージって動画で撮れてナンボなんだよね。
      フィルム直植えでは、ちょっと難しそう。
      複数回照射して、軌跡を撮るとかかなぁ…。
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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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