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正直なところ、この手の「宇宙日傘」はいわゆる地球温暖化の解決策として筋がよいとは思えないので、こんなものを研究するくらいならもっと有意義な他の研究に資金をまわすべき。…という意味では、今回の方針は正しいだろうと私個人は思います。
何億年か後、太陽が熱くなってきた場合になら役に立つかもしれませんが、そっちの危機のほうはまだ時間があるので、研究を始めるのはもうちょい未来でもいい。その場合も、地球の公転軌道を広げるほうがおいしいのかもしれないし。技術的にはどっちが難しいのかよく判りませんが。
トラスやら何やらを使った頑丈で複雑な組み立て工程が必要な構造でなくとも単に陽をさえぎる用であれば遠心力利用とかインフレータブル構造とかで面積に比べて相当軽くできると思うので、温室効果ガスを完全に押さえ込むまでの繋ぎとしては全く芽が無いわけではないと思うのよね。というか、本当に芽があるのかダメなのか、危険なのかどうなのか研究するのさえ禁止するいわれはないでしょう。
そしてもしこれを実現するならば、いかに軽く作ったといえど大ペイロードの打上げ機の量産は必須になるでしょうし、その暁には打上げコストの大幅な低下を伴って宇宙空間利用のハードルがぐんと下がりますよ。それこそ月/他惑星/小惑星への有人探査やSSPSみたいな宇宙開発の次のステップが大分現実味を帯びてくるはずだし、そういうのを渇望する宇宙開発周辺の人々の最終目的を考えると、地球でこの程度の自然改造は大したこと無いんじゃないの。
そもそも、国連に研究を禁止するような権限があるのか? というところがまず不思議だったのでちょっと調べてみました。
うまく調べ切れていないので間違っているかもしれませんが、調べた範囲から結論を言えば、「試み」を先走ってやらんでくれよ、という要請レベルの話ではないかと思います。また、未来永劫「試み」を禁止するとか、そういう話ではありません。
で、重要なのは、ここで言う「試み」というのは、紙と鉛筆、計算機ですむ机上の研究レベルではありません。商業化をみすえて、実際の環境で実験してみようとする者が現れるレベルを指しているようです。
実際にこの件については似たような前例「海洋の肥沃化実験(栄養の乏しい海洋に養分をブチこむことで植物プランクトンの光合成を促し、二酸化炭素固定を促進できるかという実験)」があり、環境に与える影響が不明ということで気候変動枠組条約国の会議でストップがかかっています。これが、今回言われている「禁止」と同じレベルの話でしょう。
個人的には「こんなカネかかることを先走ってやるような物好きはいないだろ?」と疑問に思えたのですが、(ここからちょっと想像が入るのですが)例の「排出枠」が絡むとカネになるんでしょう。そのあたりを踏まえて、「先走って実験するなよ」ということになっているのではないでしょうか。
その他大勢の「言うだけならタダだからとりあえず言ってみただけ未来技術シリーズ」の一つ
ええ、そういった意味では、現在はまだ「言うだけならタダ」くらいの段階だとは思います。
関連ストーリーにこれは挙げたい。米が宇宙の巨大鏡を打ち上げ [slashdot.jp]
「言うだけならタダ」レベルのものを国連が禁止とかどんだけ温暖化ファシストどもはヒステリックやねん。そのうち「日傘」の論文持ってるだけで10年ブチ込まれる世の中になるかもな。
現時点で、名指しで却下しなきゃならないほど「有望視」されてるんでしょうか。
どっかの国が先走ってやってしまうと、国境を越えて地球規模で致命的な悪影響を与える可能性があるからじゃないですかね。リカバリする方法も少なそうだし。だからお互いに禁止することで同意しておきましょうという。
地球温暖化対策としては、熱源を遮断することが出来ると言う筋の良い話だけど、いろいろ面倒くさいからやめましょうね。という意味じゃないのかな。
その辺がキモですよね。要は、「日傘」だと本質的な解決になっていない。
「日傘で輻射を減らして温室効果をうまく打ち消すことができ、さらにデブリ問題などの悪影響も考えなくてよい」と楽観的な仮定をしたとしても、エネルギーが石油依存のままではいずれもっと温室効果が強く効いてくる。そうなったらさらに日傘増やすの? 増やすのであれば、どこまで増やすの? …とまあ、そういった問題がありそうです。
また、「日傘」も寿命が永久にあるわけではないだろうから、定期的に打ち上げなおさないといけない。これもあまりおいしい話じゃありません。
このあたりは「日傘」の研究者でもちゃんとそう言っている人がいて、あくまで化石燃料依存から脱却するまでの時間稼ぎだ、というような話はあったように記憶してます。(/.Jの過去ストーリーでも出ていたと思いますがうまく検索にヒットしないなあ)
日除けなんて打ち上げるならもっと他のもの打ち上げようよっていう現実的な判断もあるんじゃないかな。所詮は対処療法にすぎず、コスト的に割に合う案だとはちょっと思えない。
研究中止は地球温暖化の解決策が必要なくなってからでいいと思います。選択肢には多様性があったほうが良いというだけの理由ですが。
「もっと早くから着手していれば」というのはよくあることだから研究にかける時間は後からは取り戻せないし、細々とでもいいからわざわざ禁止することはない・・と思います。もっとも「もっと予算をかけていれば、こんなことには」ってのもよくありますが。
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まあ、妥当な判断ではないでしょうか (スコア:4, 興味深い)
正直なところ、この手の「宇宙日傘」はいわゆる地球温暖化の解決策として筋がよいとは思えないので、こんなものを研究するくらいならもっと有意義な他の研究に資金をまわすべき。…という意味では、今回の方針は正しいだろうと私個人は思います。
何億年か後、太陽が熱くなってきた場合になら役に立つかもしれませんが、そっちの危機のほうはまだ時間があるので、研究を始めるのはもうちょい未来でもいい。その場合も、地球の公転軌道を広げるほうがおいしいのかもしれないし。技術的にはどっちが難しいのかよく判りませんが。
Re:まあ、妥当な判断ではないでしょうか (スコア:4, 興味深い)
トラスやら何やらを使った頑丈で複雑な組み立て工程が必要な構造でなくとも
単に陽をさえぎる用であれば遠心力利用とかインフレータブル構造とかで面積に比べて相当軽くできると思うので、
温室効果ガスを完全に押さえ込むまでの繋ぎとしては全く芽が無いわけではないと思うのよね。
というか、本当に芽があるのかダメなのか、危険なのかどうなのか研究するのさえ禁止するいわれはないでしょう。
そしてもしこれを実現するならば、いかに軽く作ったといえど大ペイロードの打上げ機の量産は必須になるでしょうし、
その暁には打上げコストの大幅な低下を伴って宇宙空間利用のハードルがぐんと下がりますよ。
それこそ月/他惑星/小惑星への有人探査やSSPSみたいな宇宙開発の次のステップが大分現実味を帯びてくるはずだし、
そういうのを渇望する宇宙開発周辺の人々の最終目的を考えると、地球でこの程度の自然改造は大したこと無いんじゃないの。
Re:まあ、妥当な判断ではないでしょうか (スコア:5, 参考になる)
そもそも、国連に研究を禁止するような権限があるのか? というところがまず不思議だったのでちょっと調べてみました。
うまく調べ切れていないので間違っているかもしれませんが、調べた範囲から結論を言えば、「試み」を先走ってやらんでくれよ、という要請レベルの話ではないかと思います。また、未来永劫「試み」を禁止するとか、そういう話ではありません。
で、重要なのは、ここで言う「試み」というのは、紙と鉛筆、計算機ですむ机上の研究レベルではありません。商業化をみすえて、実際の環境で実験してみようとする者が現れるレベルを指しているようです。
実際にこの件については似たような前例「海洋の肥沃化実験(栄養の乏しい海洋に養分をブチこむことで植物プランクトンの光合成を促し、二酸化炭素固定を促進できるかという実験)」があり、環境に与える影響が不明ということで気候変動枠組条約国の会議でストップがかかっています。これが、今回言われている「禁止」と同じレベルの話でしょう。
個人的には「こんなカネかかることを先走ってやるような物好きはいないだろ?」と疑問に思えたのですが、(ここからちょっと想像が入るのですが)例の「排出枠」が絡むとカネになるんでしょう。そのあたりを踏まえて、「先走って実験するなよ」ということになっているのではないでしょうか。
Re:まあ、妥当な判断ではないでしょうか (スコア:1)
Re:まあ、妥当な判断ではないでしょうか (スコア:4, 参考になる)
ええ、そういった意味では、現在はまだ「言うだけならタダ」くらいの段階だとは思います。
関連ストーリーにこれは挙げたい。米が宇宙の巨大鏡を打ち上げ [slashdot.jp]
Re:まあ、妥当な判断ではないでしょうか (スコア:1, すばらしい洞察)
「言うだけならタダ」レベルのものを国連が禁止とかどんだけ温暖化ファシストどもはヒステリックやねん。
そのうち「日傘」の論文持ってるだけで10年ブチ込まれる世の中になるかもな。
Re: (スコア:0)
どっかの国が先走ってやってしまうと、国境を越えて地球規模で致命的な悪影響を与える可能性があるからじゃないですかね。
リカバリする方法も少なそうだし。だからお互いに禁止することで同意しておきましょうという。
Re:まあ、妥当な判断ではないでしょうか (スコア:1)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
地球温暖化対策としては、熱源を遮断することが出来ると言う筋の良い話だけど、いろいろ面倒くさいからやめましょうね。という意味じゃないのかな。
Re: (スコア:0)
Re:まあ、妥当な判断ではないでしょうか (スコア:3, 興味深い)
その辺がキモですよね。要は、「日傘」だと本質的な解決になっていない。
「日傘で輻射を減らして温室効果をうまく打ち消すことができ、さらにデブリ問題などの悪影響も考えなくてよい」と楽観的な仮定をしたとしても、エネルギーが石油依存のままではいずれもっと温室効果が強く効いてくる。そうなったらさらに日傘増やすの? 増やすのであれば、どこまで増やすの? …とまあ、そういった問題がありそうです。
また、「日傘」も寿命が永久にあるわけではないだろうから、定期的に打ち上げなおさないといけない。これもあまりおいしい話じゃありません。
このあたりは「日傘」の研究者でもちゃんとそう言っている人がいて、あくまで化石燃料依存から脱却するまでの時間稼ぎだ、というような話はあったように記憶してます。(/.Jの過去ストーリーでも出ていたと思いますがうまく検索にヒットしないなあ)
Re: (スコア:0)
日除けなんて打ち上げるならもっと他のもの打ち上げようよっていう現実的な判断もあるんじゃないかな。
所詮は対処療法にすぎず、コスト的に割に合う案だとはちょっと思えない。
Re: (スコア:0)
研究中止は地球温暖化の解決策が必要なくなってからでいいと思います。
選択肢には多様性があったほうが良いというだけの理由ですが。
「もっと早くから着手していれば」というのはよくあることだから
研究にかける時間は後からは取り戻せないし、細々とでもいいからわざわざ禁止することはない・・と思います。
もっとも「もっと予算をかけていれば、こんなことには」ってのもよくありますが。