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どこかでその判断をしないといけないわけで。
核融合はヘリウム3を生成しなくてよい(化石燃料のように原料として収集可能な)状態にできないかぎり、システム全体として入力した以上のエネルギーを取り出せる発電システムは作れないと思うし、宇宙空間で太陽風から3重水素やヘリウム3を収集できる装置とかを研究するほうがまだ可能性があるレベルだと思う。んでつまりは太陽をエネルギー源とする発電装置となるのなら、なにも核融合じゃなくてもって気もする。より安全で安定的な無線送電技術や、単なる送電線としての静止軌道塔のようなものを研究するのと等価的にとらえるべきって話になりそう。
無意味な研究ではないでしょう。
上記Anonymous Cowardの発言を引用すると、[引用開始]核融合研究では、1. 投入電力を上回る熱出力が得られるであろう温度、密度のプラズマ(ただし、使用ガスはDTではなく、商用レベルには20倍程度の効率化が必要)の1分以上の保持(JT-60U)2. 温度や密度は劣るプラズマながら数時間のプラズマ保持(TRIAM-1M)3. DTガスを用いたプラズマ生成と保持、それによる核融合反応の確認(JETなど)などの成果がすでに出ており、iterやその次のDEMO炉では「商用レベルのプラズマを数カ月程度定常に保持し続ける」ことを目指した研究が行われる予定です。[引用終わ
>>つまりできないというより、費用が1-2兆円ぐらいかかってしまい、発電コストが高い炉ならば製造が可能となると言われています。
iterが1兆円超のプロジェクトですから、磁場反転配位(FRC)で1-2兆円で実現できるなら安いもんです。FRCはまだまだ学術的なレベルなので先は長いでしょうね。(トカマクはそろそろ学問から技術へと課題や話題がシフトしているように思います)
というか、そもそもFRCやら球状トカマクやらの話が混乱しているような気がします。
トカマク、ヘリカルのようなトーラスでプラズマを閉じ込める核融合炉では、磁場にそって動くプラズマを閉じ込めるために、磁場をトーラスのトロイダル方向(ドーナツの輪っか方向)に走らせてやる必要があって、MHD発電をさせるのに必要な「電磁流体の流れる方向に”垂直な”磁場」をトカマク内に作ったら閉じ込めどころではなくなります。実現するとすればトカマク中の荷電粒子をMHD発電用の部屋に移動させる必要があるかと思いますが、現段階では現実的ではないでしょう。これは球状トカマクも同じです。
とはいえ、MHD発電を使った核融合炉のコンセプトというのも存在して、ARTEMISという日米共同(僕は専門では無いので詳しくないですが)コンセプトでは、炉が直線型で中央の部屋でFRCによる閉じ込めをしつつ、両端(もしくは片方の端?)についたMHD発電部で発電をします。これはトカマク、ヘリカルとは全く違った方式です。この方式ならD-He3反応からのMHD発電ができるわけです。すごいですね。
そんなわけでD-He3反応には夢があるんですが、MHD発電を抜きにしてもトカマクでの実現性には乏しいです。D-He3反応で発電に使う荷電粒子は固体内をせいぜい数十nm程度しか進めませんから、炉壁で受け止めるとすればGWオーダーの定常の熱負荷がたったそれだけの厚さに集中するわけで、大部分のエネルギーを中性子として数十cmの厚さで受け止めるDT反応ですら現状で難しいと言っていることを考えれば、どれだけプラズマ閉じ込めが進歩しても、材料分野でのトカマクの設計思想をひっくり返すレベルのイノベーションがなければ無理でしょう。
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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家
無意味な研究に見切りをつける (スコア:1)
どこかでその判断をしないといけないわけで。
核融合はヘリウム3を生成しなくてよい(化石燃料のように原料として収集可能な)状態にできないかぎり、システム全体として入力した以上のエネルギーを取り出せる発電システムは作れないと思うし、宇宙空間で太陽風から3重水素やヘリウム3を収集できる装置とかを研究するほうがまだ可能性があるレベルだと思う。
んでつまりは太陽をエネルギー源とする発電装置となるのなら、なにも核融合じゃなくてもって気もする。
より安全で安定的な無線送電技術や、単なる送電線としての静止軌道塔のようなものを研究するのと等価的にとらえるべきって話になりそう。
Re: (スコア:0)
無意味な研究ではないでしょう。
上記Anonymous Cowardの発言を引用すると、
[引用開始]
核融合研究では、
1. 投入電力を上回る熱出力が得られるであろう温度、密度のプラズマ(ただし、使用ガスはDTではなく、商用レベルには20倍程度の効率化が必要)の1分以上の保持(JT-60U)
2. 温度や密度は劣るプラズマながら数時間のプラズマ保持(TRIAM-1M)
3. DTガスを用いたプラズマ生成と保持、それによる核融合反応の確認(JETなど)
などの成果がすでに出ており、iterやその次のDEMO炉では「商用レベルのプラズマを数カ月程度定常に保持し続ける」ことを目指した研究が行われる予定です。
[引用終わ
Re:無意味な研究に見切りをつける (スコア:0)
>>
つまりできないというより、費用が1-2兆円ぐらいかかってしまい、
発電コストが高い炉ならば製造が可能となると言われています。
iterが1兆円超のプロジェクトですから、磁場反転配位(FRC)で1-2兆円で実現できるなら安いもんです。FRCはまだまだ学術的なレベルなので先は長いでしょうね。(トカマクはそろそろ学問から技術へと課題や話題がシフトしているように思います)
というか、そもそもFRCやら球状トカマクやらの話が混乱しているような気がします。
トカマク、ヘリカルのようなトーラスでプラズマを閉じ込める核融合炉では、磁場にそって動くプラズマを閉じ込めるために、磁場をトーラスのトロイダル方向(ドーナツの輪っか方向)に走らせてやる必要があって、MHD発電をさせるのに必要な「電磁流体の流れる方向に”垂直な”磁場」をトカマク内に作ったら閉じ込めどころではなくなります。実現するとすればトカマク中の荷電粒子をMHD発電用の部屋に移動させる必要があるかと思いますが、現段階では現実的ではないでしょう。これは球状トカマクも同じです。
とはいえ、MHD発電を使った核融合炉のコンセプトというのも存在して、ARTEMISという日米共同(僕は専門では無いので詳しくないですが)コンセプトでは、炉が直線型で中央の部屋でFRCによる閉じ込めをしつつ、両端(もしくは片方の端?)についたMHD発電部で発電をします。これはトカマク、ヘリカルとは全く違った方式です。この方式ならD-He3反応からのMHD発電ができるわけです。すごいですね。
そんなわけでD-He3反応には夢があるんですが、MHD発電を抜きにしてもトカマクでの実現性には乏しいです。D-He3反応で発電に使う荷電粒子は固体内をせいぜい数十nm程度しか進めませんから、炉壁で受け止めるとすればGWオーダーの定常の熱負荷がたったそれだけの厚さに集中するわけで、大部分のエネルギーを中性子として数十cmの厚さで受け止めるDT反応ですら現状で難しいと言っていることを考えれば、どれだけプラズマ閉じ込めが進歩しても、材料分野でのトカマクの設計思想をひっくり返すレベルのイノベーションがなければ無理でしょう。