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大砲とか鉄砲の弾の弾道計算が正確にできるようになるってこと?#飛行経路の途中で様々な条件が変動するだろうから、実際の戦闘で役に立つ程の効果が現れるかどうかは別として。
本家/.記事を斜め読みしたところでは、従来は数値的に解いていた問題を解析的に解けるようになった、といったことが書かれています。
ミレニアム懸賞問題の一つが解かれた、ってことではないと思うんですが、コメント読んでもよく解らない…。
私もよくわからなかったので、上にもありましたが:
http://www.reddit.com/r/worldnews/comments/u7551/teen_solves_newtons_3... [reddit.com]
あたりを見てました。まとめると (および一番の肝である式の変形を飛ばさないで書くと) 以下のように件の少年の出した解析解を逆に力の運動方程式まで戻すことでなにやってるか分かった、って話です。
速度の自乗に比例する空気抵抗を受ける (高速に移動する) 放物運動の運動方程式:
sqrt(x'' ^ 2 + (y'' + g) ^ 2) = C * (x' ^ 2 + y' ^ 2)
があります。これは見ての通り加速度であらわした式なので、これを x, y 方向にそれぞれ力であらわした:
m * x'' = -b * x' * sqrt(x' * x' + y' * y')m * y'' = -b * y' * sqrt(x' * x' + y' * y') - m * g
とします。この辺は reddit でも ref されていた http://www.df.uba.ar/users/sgil/physics_paper_doc/papers_phys/mechan/a... [df.uba.ar] 等いろいろなところで見ます (where b: 慣性抗力係数)。で、これを reddit での議論通り x' = u, y' = v と置き、さらに a = b/m として:
u' = -a * u * sqrt(u * u + v * v) ... (1)v' = -a * v * sqrt(u * u + v * v) - g ... (2)
とします。(1) に v', (2) u' を掛けて引き算して:
a * (u * v' - u' * v) * sqrt(u * u + v * v) = g * u' ... (3)
ここで v = s * u と置き、v' = s' * u + s * u' で (3) の v と v' を u と u' に置換し:
a * (u * (s' * u + s * u') - u' * s * u) * sqrt(u * u + s * s * u * u) = g * u' ... (4)
(4) をきれいにして:
a * sqrt(1 + s * s) * s' = g * u' / (u * u * u) ... (5)
を得ます。あとは (5) を両片積分して:
g / (u * u) + a * (v * sqrt(u * u + v * v) / (u * u) + arcsinh(abs(v/u))) = 一定
これが https://www.jugend-forscht.de/index.php/projectsearch/detail/6038.4568 [jugend-forscht.de] で嬉しそうに掲げられています。
この、たすき掛けして引くのは、まぁ、なんか思いつきそうなんだけど、v = s * u を思いつけるか、しかもそれが u * v' - u' * v を s' * u * u に還元する、と気がつくのがスゴい。というか、多分、先に s' * u * u がほしいと (無意識にでも) 思って解いているのだろうなぁ、等と凡人は思うわけです。
さらに、フタ開けてみたら変数分離の数学的テクニック的に、この少年に限らず過去 300 年の間には誰か気がついていたのではないか、とも思ったりするのですが、気がつかないもんなのかもしれませんねぇ。ともあれ、繰り返しになるけどやっぱインド人の数学センスはスゴいですね。これで 16 才だよまったく。
今更ですが、勝手に補足。
結局解けたのはuとvの満たす微分方程式であって、x,yの満たす方程式ではないのでした。だから、x,yについての微分方程式m * x'' = -b * x' * sqrt(x' * x' + y' * y')m * y'' = -b * y' * sqrt(x' * x' + y' * y') - m * gが解けたというのは言い過ぎだと思う。結局、g / (x' * x') + a * (y' * sqrt(x' * x' + y' * y') / (x' * x') + arcsinh(abs(y'/x')))=constを解かなきゃならないんだし。もしかしたらこれ、普通に解けるのかもしらんけれど。
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※ただしPHPを除く -- あるAdmin
これって (スコア:0)
大砲とか鉄砲の弾の弾道計算が正確にできるようになるってこと?
#飛行経路の途中で様々な条件が変動するだろうから、実際の戦闘で役に立つ程の効果が現れるかどうかは別として。
Re: (スコア:2)
本家/.記事を斜め読みしたところでは、従来は数値的に解いていた問題を解析的に解けるようになった、といったことが書かれています。
ミレニアム懸賞問題の一つが解かれた、ってことではないと思うんですが、コメント読んでもよく解らない…。
Re:これって (スコア:0)
私もよくわからなかったので、上にもありましたが:
http://www.reddit.com/r/worldnews/comments/u7551/teen_solves_newtons_3... [reddit.com]
あたりを見てました。まとめると (および一番の肝である式の変形を飛ばさないで書くと) 以下のように件の少年の出した解析解を逆に力の運動方程式まで戻すことでなにやってるか分かった、って話です。
速度の自乗に比例する空気抵抗を受ける (高速に移動する) 放物運動の運動方程式:
sqrt(x'' ^ 2 + (y'' + g) ^ 2) = C * (x' ^ 2 + y' ^ 2)
があります。これは見ての通り加速度であらわした式なので、これを x, y 方向にそれぞれ力であらわした:
m * x'' = -b * x' * sqrt(x' * x' + y' * y')
m * y'' = -b * y' * sqrt(x' * x' + y' * y') - m * g
とします。この辺は reddit でも ref されていた http://www.df.uba.ar/users/sgil/physics_paper_doc/papers_phys/mechan/a... [df.uba.ar] 等いろいろなところで見ます (where b: 慣性抗力係数)。で、これを reddit での議論通り x' = u, y' = v と置き、さらに a = b/m として:
u' = -a * u * sqrt(u * u + v * v) ... (1)
v' = -a * v * sqrt(u * u + v * v) - g ... (2)
とします。(1) に v', (2) u' を掛けて引き算して:
a * (u * v' - u' * v) * sqrt(u * u + v * v) = g * u' ... (3)
ここで v = s * u と置き、v' = s' * u + s * u' で (3) の v と v' を u と u' に置換し:
a * (u * (s' * u + s * u') - u' * s * u) * sqrt(u * u + s * s * u * u) = g * u' ... (4)
(4) をきれいにして:
a * sqrt(1 + s * s) * s' = g * u' / (u * u * u) ... (5)
を得ます。あとは (5) を両片積分して:
g / (u * u) + a * (v * sqrt(u * u + v * v) / (u * u) + arcsinh(abs(v/u))) = 一定
これが https://www.jugend-forscht.de/index.php/projectsearch/detail/6038.4568 [jugend-forscht.de] で嬉しそうに掲げられています。
この、たすき掛けして引くのは、まぁ、なんか思いつきそうなんだけど、v = s * u を思いつけるか、しかもそれが u * v' - u' * v を s' * u * u に還元する、と気がつくのがスゴい。というか、多分、先に s' * u * u がほしいと (無意識にでも) 思って解いているのだろうなぁ、等と凡人は思うわけです。
さらに、フタ開けてみたら変数分離の数学的テクニック的に、この少年に限らず過去 300 年の間には誰か気がついていたのではないか、とも思ったりするのですが、気がつかないもんなのかもしれませんねぇ。ともあれ、繰り返しになるけどやっぱインド人の数学センスはスゴいですね。これで 16 才だよまったく。
Re: (スコア:0)
今更ですが、勝手に補足。
結局解けたのはuとvの満たす微分方程式であって、x,yの満たす方程式ではないのでした。
だから、x,yについての微分方程式
m * x'' = -b * x' * sqrt(x' * x' + y' * y')
m * y'' = -b * y' * sqrt(x' * x' + y' * y') - m * g
が解けたというのは言い過ぎだと思う。
結局、
g / (x' * x') + a * (y' * sqrt(x' * x' + y' * y') / (x' * x') + arcsinh(abs(y'/x')))=const
を解かなきゃならないんだし。もしかしたらこれ、普通に解けるのかもしらんけれど。