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ざっくり言うなら、ちょっと前におけるその対策は、「医者の資料は企業や(たまーに現れる)査察官が確認する」「企業の資料は医者や(たまーに現れる)査察官が確認する」という形で企業と医者が結託していなければ、どちらかがミスや不正を見つけて正しいものに修正するだろう、という形でした。(もちろん人間が見るので”正しさ”の限界はありますが、そこはちょっと別の問題ということで)
ですがそれは結局医者と企業が結託すればデータ偽造できちゃう、ということでどうするか。今度は、「なるべく生に近いデータを改竄できない形(正確には「改竄したらバレる形で」)残し、査察や審査はその生データと企業の提出データとを見比べる」という方向に移りつつあります。
例えば簡単なところなら、体重や体温などの測定データを、測定機器が即ネットワークに記録しログを全部残す。データ修正しようとしたらその内容から作業者から日時から一通り残す。こうすれば、少なくとも「体温計には37.5℃って出てるけど36.5℃って書いちゃった」って類いのミスが防げますし、「0.5ポイントしかアップしてないけど10ポイントアップしたって報告しちゃえ」とかもどんどん難しくなりますし、「効いてないのに効いたと報告」「病気になったのに病気じゃないと報告」とかがどんどん難しくなります。(もちろん限界はありますし、厳しくしすぎるとコストとのバランスがおかしくなるので、曖昧あるいは意図的な操作が可能な範囲はどうしても残るのですが)
あと忘れちゃいけないのは、こういう事件は結局「調査する仕組みがあり、おかしなケースを見つけることができた」という話であることです。こうやって不正が見つかり話が広まるということそれ自体が「不正を防ぐ」ことの一つの役目を担っています。よく「ウソでもいいから一発当てて売り逃げしちゃえば製薬企業の勝ち」みたいなこと言われますが、当てれば何十何百億儲かるというのは、当てなきゃつぎ込んだ何億何十億を丸損することでもありますし、不正が見つかれば「それまで儲かっていたもの」ですら儲けを失うので気軽にウソを付けるものでもありません。アメリカとかですと罰が非常に大きいせいで不正発覚一つで会社倒産なんてことも(ちょいちょいある、と書きそうになって、そこまでの知識は自分には無かった)。
#じゃあ罰を厳しくすればいいのかと言うと、罰を与える方も完璧ではないせいで#「正しいつもりでもアウトになる」リスクも上がるため、#「正しくやるためにかかるコスト」より「不正を隠しほどほどにやるコスト」の方が低くなってはマズいんですがね。
今回の不正で失われる儲けはあるの?
今回のような不正はやった方が得とかにはならない?
普通不正騒ぎを起こしたらその製薬企業はかなりの経営的ダメージを負います。モノがモノだけに安易にその薬以外も販売禁止とか罰金とかしてしまうと「その会社の薬がいきなり生産中止になると困る人」が出てくるからやりにくいだけで。
何かを期待してる人って結局「倒産」とか「大赤字」とかを期待しているんでしょうけど、短期で分かりやすく出てくるものより、長期でジワジワ効いてくるものの方がツラいです。
製薬企業ってのが、たった一つ薬を作って売り抜けたら会社潰してもいい、次の会社、次の製品もあまり元手をかけず作れる、というなら「不正をして売れるだけ売ってバレたらトンズラ」でも儲けになるでしょうけどね。一般の人の目に付きにくいだけで、信用で持ってる部分とかあるんですよ、製薬業界も。
よし、3ヶ所で多数決にしよう
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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs
大きな利害の絡む根拠データの正しさは何で担保する? (スコア:0)
すべき、というか、どんな方法なら不正を防ぐことができるのだろう。
Re:大きな利害の絡む根拠データの正しさは何で担保する? (スコア:3, 参考になる)
ざっくり言うなら、ちょっと前におけるその対策は、
「医者の資料は企業や(たまーに現れる)査察官が確認する」「企業の資料は医者や(たまーに現れる)査察官が確認する」という形で
企業と医者が結託していなければ、どちらかがミスや不正を見つけて正しいものに修正するだろう、という形でした。
(もちろん人間が見るので”正しさ”の限界はありますが、そこはちょっと別の問題ということで)
ですがそれは結局医者と企業が結託すればデータ偽造できちゃう、ということでどうするか。
今度は、「なるべく生に近いデータを改竄できない形(正確には「改竄したらバレる形で」)残し、査察や審査はその生データと企業の提出データとを見比べる」という方向に移りつつあります。
例えば簡単なところなら、体重や体温などの測定データを、測定機器が即ネットワークに記録しログを全部残す。
データ修正しようとしたらその内容から作業者から日時から一通り残す。
こうすれば、少なくとも「体温計には37.5℃って出てるけど36.5℃って書いちゃった」って類いのミスが防げますし、
「0.5ポイントしかアップしてないけど10ポイントアップしたって報告しちゃえ」とかもどんどん難しくなりますし、
「効いてないのに効いたと報告」「病気になったのに病気じゃないと報告」とかがどんどん難しくなります。
(もちろん限界はありますし、厳しくしすぎるとコストとのバランスがおかしくなるので、曖昧あるいは意図的な操作が可能な範囲はどうしても残るのですが)
あと忘れちゃいけないのは、こういう事件は結局「調査する仕組みがあり、おかしなケースを見つけることができた」という話であることです。
こうやって不正が見つかり話が広まるということそれ自体が「不正を防ぐ」ことの一つの役目を担っています。
よく「ウソでもいいから一発当てて売り逃げしちゃえば製薬企業の勝ち」みたいなこと言われますが、
当てれば何十何百億儲かるというのは、当てなきゃつぎ込んだ何億何十億を丸損することでもありますし、不正が見つかれば「それまで儲かっていたもの」ですら儲けを失うので気軽にウソを付けるものでもありません。
アメリカとかですと罰が非常に大きいせいで不正発覚一つで会社倒産なんてことも(ちょいちょいある、と書きそうになって、そこまでの知識は自分には無かった)。
#じゃあ罰を厳しくすればいいのかと言うと、罰を与える方も完璧ではないせいで
#「正しいつもりでもアウトになる」リスクも上がるため、
#「正しくやるためにかかるコスト」より「不正を隠しほどほどにやるコスト」の方が低くなってはマズいんですがね。
Re: (スコア:0)
今回の不正で失われる儲けはあるの?
今回のような不正はやった方が得とかにはならない?
Re: (スコア:0)
普通不正騒ぎを起こしたらその製薬企業はかなりの経営的ダメージを負います。
モノがモノだけに安易にその薬以外も販売禁止とか罰金とかしてしまうと「その会社の薬がいきなり生産中止になると困る人」が出てくるからやりにくいだけで。
何かを期待してる人って結局「倒産」とか「大赤字」とかを期待しているんでしょうけど、短期で分かりやすく出てくるものより、長期でジワジワ効いてくるものの方がツラいです。
製薬企業ってのが、たった一つ薬を作って売り抜けたら会社潰してもいい、次の会社、次の製品もあまり元手をかけず作れる、
というなら「不正をして売れるだけ売ってバレたらトンズラ」でも儲けになるでしょうけどね。
一般の人の目に付きにくいだけで、信用で持ってる部分とかあるんですよ、製薬業界も。
Re: (スコア:0)
よし、3ヶ所で多数決にしよう