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土壌に含まれるセシウム量が0なら、コメにはセシウムが含まれないし、極端に少ない場合も高くなりようがありません。相関が全くないなんてあり得ないです。しかしグラフ上ではぱっと見て相関が無いように見えます。考えられるのは、(A) 土壌に含まれるセシウム量がある一定の量(例えば100bq/kgとか)を超えると、コメが自然に取り込めるセシウム量が飽和するので、それ以上の濃度ではフラットになる(A') または、相関関係は単純な線形では無い(例えば対数容量に比例しているなど)のため、相関が見え辛い(B) 他の要素(例えば肥料や土壌に含まれるたの成分など)の影響で、コメにセシウムが濃縮して取り込まれる場合がある。その場合は極端に高いセシウムが取り込まれる可能性がある。と言ったことでしょう。(B)のノイズを取り除けば、何か見えてくるかもしれませんね。
人体や他の多くの陸上生物の体にとって、セシウムは必要な成分では全くない。しかし、生物の体はセシウムを取り込む。これは、高校で化学と生物の両方を取っている人には自明だと思うけど、答えは「セシウムがナトリウムではないアルカリ金属だから」。
もともと、同族の元素は分離するのが難しい。アルカリ金属もその例にもれるわけではないが、生物にとって、ナトリウムイオンだけは別格の存在だといえる。おそらく、これを説明できる化学的な理論はないと思うが、多分、海にあるアルカリ金属はナトリウムイオン(食塩)が大勢を占め、ナトリウムの有無は生物にとって最重要の情報の一つであるから、だと思われる。例えば、陸上職物の多くはカリウムを撒くとよく育つが、ナトリウムを撒くと塩害で枯れる。
肥料の三要素として、窒素、リン、カリウムがある。しかし、ここでいうカリウムは実際のところ、「ナトリウムではないアルカリ金属」の意味であって、これをカリウムと厳密に区別することは生物にとって化学的に無意味である。ただ単に、自然界にある「ナトリウムではないアルカリ金属」の大半がカリウムであるに過ぎない。
ちなみに、Wikipediaによると、地殻元素の存在比率のうち、ナトリウムが23,000ppm、カリウムが21,000 ppmに対し、ルビジウムが90ppmで、セシウムが3ppmだから、文字通り桁違いに少ない。だから、ほとんどの生物にはカリウムからセシウムを選別する仕組みがそもそも存在していないと思われる。
だから、工業的な製法で作られたカリウム塩(例えば農協で売ってる塩化カリウム)を畑に撒くと、土中のアルカリ金属に占めるカリウム率が極端に上がるので、植物を構成するアルカリ金属の殆どがカリウムになって、単純にセシウムの率が下がる。まあ、目的からいえば、放射性でないセシウムを撒いたって(金銭的なもの以外)何ら問題はない。というか、肥料のカリウムにだってセシウムはある程度混ざっているだろうが、放射性じゃないからガイガーカウンターで検出されないだけだろう。
----ここまでが常識的な話----
そもそも、土壌って一言でいうが、土壌は全てものが均一混じり合っている水溶液のようなものではない。同じ「量」のセシウムが含まれている植木鉢が2つあったとして、同じ作物を植えてもセシウムの含有量には違いが出る。しかも、1割とか2割みたいなみみっちい話ではなく、数倍というオーダーで出る。つまり、セシウム塩がどういう状態で含まれていて、何と塩を作っているのか、というかなり細かい話が重要になってくる。これが、いわゆる「移行係数の地域性」という話である。
塚田さんの博士論文http://ir.library.tohoku.ac.jp/re/bitstream/10097/16107/1/A1H120648.pdf [tohoku.ac.jp]によると、セシウム137の移行係数はセシウム133の2倍あり、つまり、2倍吸収されやすい。これは、セシウム133と137は、中性子の数による質量の差を除いて、化学的には全く同一の物質なんだから、かなり常識に逆らうデータであり、一見「え、なんで?」と思わせる。
しかし、その推察も論文中に示されている。
人為的に付加された137Csは、土壌中において133Csよりきのこに移行しやすい形態に富んでいるためと思われる。
すなわち、セシウム137はチェルノブイリから降ってきたものであるのに対し、133は元から土の中にあるものだから、元素の化学的な性質は同じでも、「形態」はもちろん違う。地表の上の方にずっと昔から存在しているセシウム133は、ある種の難溶性の塩に閉じ込められた錯塩のような形態で存在しているのに対し、降ってきたばかりのやつはすぐに水に溶けて、植物に取り込まれやすい状態で存在している。こういった複数の「形態」の存在比が、移行係数にダイレクトに影響していると考えられる。
「セシウムを含む土」を「セシウムを含まない土」で2倍に薄めると、取れる作物に含まれるセシウムの量は単純に半分になる。これが移行係数が科学的に意味を持つことの証明であるが、肝心の移行係数は「セシウムを多く含む土」によってバラバラであるから、全土を一律で定量的な話はできない。ただし、福島の状況を鑑みると、まさに、「移行しやすい」状態である可能性の方が高いだろう。
だから、「土壌中のセシウムの量」そのものとは強い相関がない、っていうのは、ある程度科学的な話で、しかも玄米みたいにもともと含有量が少ない場合は誤差の範囲で収まることもあるだろう。ちなみに、植物のカリウム分は殆ど茎(稲の場合は稲藁)に集中するため、玄米は比較的安全であり、逆に、茎や葉そのものを食用にする葉物野菜は、相対的には危険性が高い。さらに、塚田さんの論文にもあるように、同じ土壌で比べると、キノコは移行係数が段違いに高いので注意を要する。
つまり、たけのこの里が優位であると。
いやカリウムも生物にとって別格だと思うけど。動物だったら細胞内外で区別されてるし、植物はむしろナトリウムはどうでも良くて、浸透圧だとかそれこそカリウム摂取障害とかで問題なのであって。という認識だったのだけど。それとも人工的にリチウムベースにしても育つの?さすがに無理な気がするけど。
すなわち、セシウム137はチェルノブイリから降ってきたものであるのに対し、
重箱の隅みたいで申し訳ありませんが、論文中には違うことが書いてありますよ。# 137Csはほとんど大気圏内核実験、134Csがチェルノブイリ
それでは福島をキノコの王国にしてキノコ除染しましょう
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物事のやり方は一つではない -- Perlな人
他の要素が絡んでる (スコア:0)
土壌に含まれるセシウム量が0なら、コメにはセシウムが含まれないし、極端に少ない場合も高くなりようがありません。
相関が全くないなんてあり得ないです。しかしグラフ上ではぱっと見て相関が無いように見えます。
考えられるのは、
(A) 土壌に含まれるセシウム量がある一定の量(例えば100bq/kgとか)を超えると、コメが自然に取り込めるセシウム量が飽和するので、それ以上の濃度ではフラットになる
(A') または、相関関係は単純な線形では無い(例えば対数容量に比例しているなど)のため、相関が見え辛い
(B) 他の要素(例えば肥料や土壌に含まれるたの成分など)の影響で、コメにセシウムが濃縮して取り込まれる場合がある。その場合は極端に高いセシウムが取り込まれる可能性がある。
と言ったことでしょう。(B)のノイズを取り除けば、何か見えてくるかもしれませんね。
Re:他の要素が絡んでる (スコア:3, 参考になる)
人体や他の多くの陸上生物の体にとって、セシウムは必要な成分では全くない。しかし、生物の体はセシウムを取り込む。これは、高校で化学と生物の両方を取っている人には自明だと思うけど、答えは「セシウムがナトリウムではないアルカリ金属だから」。
もともと、同族の元素は分離するのが難しい。アルカリ金属もその例にもれるわけではないが、生物にとって、ナトリウムイオンだけは別格の存在だといえる。おそらく、これを説明できる化学的な理論はないと思うが、多分、海にあるアルカリ金属はナトリウムイオン(食塩)が大勢を占め、ナトリウムの有無は生物にとって最重要の情報の一つであるから、だと思われる。例えば、陸上職物の多くはカリウムを撒くとよく育つが、ナトリウムを撒くと塩害で枯れる。
肥料の三要素として、窒素、リン、カリウムがある。しかし、ここでいうカリウムは実際のところ、「ナトリウムではないアルカリ金属」の意味であって、これをカリウムと厳密に区別することは生物にとって化学的に無意味である。ただ単に、自然界にある「ナトリウムではないアルカリ金属」の大半がカリウムであるに過ぎない。
ちなみに、Wikipediaによると、地殻元素の存在比率のうち、ナトリウムが23,000ppm、カリウムが21,000 ppmに対し、ルビジウムが90ppmで、セシウムが3ppmだから、文字通り桁違いに少ない。だから、ほとんどの生物にはカリウムからセシウムを選別する仕組みがそもそも存在していないと思われる。
だから、工業的な製法で作られたカリウム塩(例えば農協で売ってる塩化カリウム)を畑に撒くと、土中のアルカリ金属に占めるカリウム率が極端に上がるので、植物を構成するアルカリ金属の殆どがカリウムになって、単純にセシウムの率が下がる。まあ、目的からいえば、放射性でないセシウムを撒いたって(金銭的なもの以外)何ら問題はない。というか、肥料のカリウムにだってセシウムはある程度混ざっているだろうが、放射性じゃないからガイガーカウンターで検出されないだけだろう。
----ここまでが常識的な話----
そもそも、土壌って一言でいうが、土壌は全てものが均一混じり合っている水溶液のようなものではない。同じ「量」のセシウムが含まれている植木鉢が2つあったとして、同じ作物を植えてもセシウムの含有量には違いが出る。しかも、1割とか2割みたいなみみっちい話ではなく、数倍というオーダーで出る。つまり、セシウム塩がどういう状態で含まれていて、何と塩を作っているのか、というかなり細かい話が重要になってくる。これが、いわゆる「移行係数の地域性」という話である。
塚田さんの博士論文
http://ir.library.tohoku.ac.jp/re/bitstream/10097/16107/1/A1H120648.pdf [tohoku.ac.jp]
によると、セシウム137の移行係数はセシウム133の2倍あり、つまり、2倍吸収されやすい。これは、セシウム133と137は、中性子の数による質量の差を除いて、化学的には全く同一の物質なんだから、かなり常識に逆らうデータであり、一見「え、なんで?」と思わせる。
しかし、その推察も論文中に示されている。
すなわち、セシウム137はチェルノブイリから降ってきたものであるのに対し、133は元から土の中にあるものだから、元素の化学的な性質は同じでも、「形態」はもちろん違う。地表の上の方にずっと昔から存在しているセシウム133は、ある種の難溶性の塩に閉じ込められた錯塩のような形態で存在しているのに対し、降ってきたばかりのやつはすぐに水に溶けて、植物に取り込まれやすい状態で存在している。こういった複数の「形態」の存在比が、移行係数にダイレクトに影響していると考えられる。
「セシウムを含む土」を「セシウムを含まない土」で2倍に薄めると、取れる作物に含まれるセシウムの量は単純に半分になる。これが移行係数が科学的に意味を持つことの証明であるが、肝心の移行係数は「セシウムを多く含む土」によってバラバラであるから、全土を一律で定量的な話はできない。ただし、福島の状況を鑑みると、まさに、「移行しやすい」状態である可能性の方が高いだろう。
だから、「土壌中のセシウムの量」そのものとは強い相関がない、っていうのは、ある程度科学的な話で、しかも玄米みたいにもともと含有量が少ない場合は誤差の範囲で収まることもあるだろう。ちなみに、植物のカリウム分は殆ど茎(稲の場合は稲藁)に集中するため、玄米は比較的安全であり、逆に、茎や葉そのものを食用にする葉物野菜は、相対的には危険性が高い。さらに、塚田さんの論文にもあるように、同じ土壌で比べると、キノコは移行係数が段違いに高いので注意を要する。
Re: (スコア:0)
つまり、たけのこの里が優位であると。
Re: (スコア:0)
いやカリウムも生物にとって別格だと思うけど。
動物だったら細胞内外で区別されてるし、植物はむしろナトリウムはどうでも良くて、浸透圧だとかそれこそカリウム摂取障害とかで問題なのであって。
という認識だったのだけど。それとも人工的にリチウムベースにしても育つの?さすがに無理な気がするけど。
Re: (スコア:0)
すなわち、セシウム137はチェルノブイリから降ってきたものであるのに対し、
重箱の隅みたいで申し訳ありませんが、論文中には違うことが書いてありますよ。
# 137Csはほとんど大気圏内核実験、134Csがチェルノブイリ
Re: (スコア:0)
それでは福島をキノコの王国にしてキノコ除染しましょう