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そんな話で一喜一憂している人って、そういう調査ってのが後出し優先で以前の結果は全て否定されるとでも考えているんだろうか?
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア
高感度・低利益? (スコア:0)
本当に役に立つ事実って、プロットするだけで判明するじゃないですか。時にはプロットすらしなくても、「レナードの朝」一例だけでl-dopaの効能に説得力があったわけです。コーヒーを飲む人が長生き・早死にするとしても、一般人がうすうす気がつくレベルの効果でなければ、大したことはない。たとえば「風邪の時に風呂に入っていいかどうか」って判然としていませんが、8万人を調べるのは明らかに無駄ですよね。
コーヒーはもちろん、タバコですら、これだけ徹底的に調べてこの程度の悪影響なのね、と感じます。ほかに、調べてなくて悪いモノが多数ありそうな…それこそ小麦粉とかは?
Re:高感度・低利益? (スコア:3, 興味深い)
多分ご存知だと思いますが、20-30年くらい前あたりから「コーヒーは有害である」という説が頻繁に出てくるようになりまして。この時期、さまざまなin vitro実験系や、動物実験系などを用いて天然物の有用性や有害性のスクリーニングが行われてたんですが、in vitroの変異原性試験とか、いくつかの動物実験(大量投与の場合が実は多かった)で、コーヒーやカフェインが引っかかった、という経緯があるんです。
さらに、この頃行われた疫学調査でも、例えば発がん性だとか、心疾患、高血圧、高脂血症ほかの心血管系疾患の発症リスクとの相関が見られる、ということが次々と報告された、と。いわゆる「コーヒー(カフェイン)有害説」というのは、こういう研究結果が一般にも一部漏れ聞こえたことによります。
#実はこの背景にモルモン教とか、一部の「自然至上主義者」とかも関わったことで、「一般」側の受け止め方が、より強固になっちゃったという側面もあるんだけど。
ところが、この頃の研究結果には、特に疫学調査のデザイン上問題があったものが多かったということが、後になって判明してきたもので、ここ10-20年くらいで再調査が進められてきました。その結果、これまで言われてたような「有害な」効果というのは、実は気にするほどのものではなかった、ということが明らかになってきてるわけです。
コーヒーの場合、こういう経緯が他の調査対象とは異なってるところでして……アルコールやタバコのように調べてみたらやっぱり(いわゆる)「有害なもの」だったらしい、というものがある一方、他のほとんどの嗜好品や食品は、そもそも疫学調査の対象にすらなってこなかった(あるのはせいぜい肉食/菜食の違いくらい)のです。
コーヒーの飲用と心疾患リスクとの関連についても、まさにこのような流れの過程にありまして。動物実験の結果だと、カフェインによる血圧上昇や心拍増加、血中コレステロール上昇(これは後に一過性のものと判明)などが明らかになり、その後、コーヒー飲用とヒトの心疾患による死亡率に相関が見られるという報告がなされたりしました。しかしその後、20年くらい前から、それに反するような疫学調査の結果も上がってくるようになり、どっちが正しいか判らないような状況になってきてます。そしてここ10年くらいは、むしろ相関がない、という方が優勢になってきてます。
今回の、心疾患リスクと死亡率についても、これは実はロイターが取り上げてるような「リスクが下がる」ってのが主眼じゃないんです。有意差は付いてるけど、オッズ比ではせいぜい0.8になった程度なので、こんなもんで「有用」と言えるわけがない。そうではなくて、大事なのは「大量飲用者でもリスクが上がらなかった」ということ。これがこの論文で大事なところ。
実を言うと、心疾患との関連については去年、メタアナリシスの論文が出てまして、興味深い結論が得られてます。
あとまぁ、いわゆる「コーヒーが健康にいい」と言われるような疫学調査の結果ってのも、実はまるっきり医学的に無駄かと言うと、そうとばかりも言えなかったりします。最近のトピックに、コーヒー飲用(ただし大量)が二型糖尿病の発症リスクの低下と相関があるというのがありますが。二型糖尿病に関してはこれまで「生活習慣をこう変えれば」とか「○○を慎めば」リスクが低下する、ということしか言われてなくて、逆に「○○を摂ることでリスクが下がる」ときちんと再現よく言えるファクターは、コーヒーが最初なんです。だからこそ、その活性本体やメカニズムを明らかにしようという研究がさかんに行われてます。うまくいけば、二型糖尿病の予防や、進行を止める薬の開発にもつながる可能性があるので。もちろん「糖尿病の予防のためにコーヒーをがばがば飲め」と言うのは短絡的だし、間違ってますが。でもまぁ、こういう疫学調査の結果がシードとして、他の医学上有用な方面への応用にもつながるという点にも、こういった疫学調査研究の意義が存在するということです。
Re:高感度・低利益? (スコア:1)
>本当に役に立つ事実って、プロットするだけで判明するじゃないですか。
>時にはプロットすらしなくても、「レナードの朝」一例だけでl-dopaの効能に
>説得力があったわけです。
そのぐらいのレベルをもとめるなら,大規模な調査をしないと分からないようなものは
全て不十分で,そんな調査は無駄だと言われそうです。
#調べないと分からない程度のものは無駄で,
#調べなくても分かる程度のものは調べる必要が無い?
>ほかに、調べてなくて悪いモノが多数ありそうな…それこそ小麦粉とかは?
小麦粉の害が「一般人がうすうす気がつくレベル」以上なのか分かりませんが,
僕はうすうす気がついていません。この理屈でいくと,調べる必要ないんじゃないですか?
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
とにかく、小麦を全く食べない人は限られていて、情報が足りません。概してコメを主食とする国のほうが長生きみたいですが、複雑すぎて介入試験でないとものが言いづらい。寿命ばかりでなく、「小麦が頭に悪い」可能性も否定しきれません(コメだけだと脚気になるが)。少なくとも、コーヒーの調査より大事かもしれないですよ。それでも、そこまで調べる必要が実感されないとしたら、コーヒーも同じです。
Re: (スコア:0)
脚気の原因も対策も判っているんですから
Re: (スコア:0)
そんな話で一喜一憂している人って、そういう調査ってのが後出し優先で以前の結果は全て否定されるとでも考えているんだろうか?