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第六の味覚:「カルシウムっぽい」発見か」記事へのコメント

  • >人間が感じる基本味は甘み、塩味、酸味、苦味に、日本の研究者池田菊苗博士が発見したうま味(英語でもそのまま音写した「Umami」)がある。

    あれ?辛味は?
    • Re: (スコア:2, 参考になる)

      wikipediaですけど、味覚 [wikipedia.org]が参考になるかと。
      • 辛味は神経を直接刺激して起こるので味覚の定義から外れてるのですね。
        • Re:ナルホド (スコア:5, 参考になる)

          by y_tambe (8218) on 2008年08月26日 14時02分 (#1410041) ホームページ 日記
          んにゃ、そこの説明は誤り、というか少し古い。
          辛みについては、温度刺激を感知するTRPチャネルが受容体になることが判ってます。トウガラシの辛み成分であるカプサイシンや、ショウガの辛み成分ジンゲロール、コショウの辛み成分ピペリンなどは、いずれも43℃以上で活性化される熱刺激受容体のTRPV1に結合して活性化させます。ちなみにメントールは25℃以下の冷刺激受容体、ワサビのアリルイソチオシアネートやシナモンのシナモアルデヒドは17℃以下の冷刺激受容体のリガンドになります。

          ほかの「基本味」とこれらの味要素の違いは、その知覚が味蕾(より正確には味細胞)から味覚神経を介して感知されるのかどうか、という部分です。砂糖水を皮膚に塗っても「甘い」とは感じないけど、カプサイシンは皮膚に塗ったら「熱い」と感じる。その、いわゆる体性感覚が、口の中で知覚されるときには「辛い」となるわけでうs。
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          • Re:ナルホド (スコア:5, 参考になる)

            by y_tambe (8218) on 2008年08月26日 14時09分 (#1410048) ホームページ 日記
            あぁ、最後にtypoった orz

            これだけだと何なので。

            「第6の味覚」という条件を満たすかどうか、ということについて現在は、味蕾にある味細胞表面に、それらの物質を特異的に認識する受容体があるかどうか、というところがポイントになってます。で、実はカルシウムよりも先に、京大農学部の伏木先生らのグループが、脂質を特異的に認識する受容体の存在を見つけてまして、「油の味」が第6の味覚である、という主張 [nii.ac.jp]をされてます。この受容体は、CD36と呼ばれるタンパク質であることも判っています。

            まぁ、この辺りは、脂質にしてもカルシウムにしても、どれだけのコンセンサスを集められるのか、というのがキーポイントだったりするのですけどね。
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            • Re:ナルホド (スコア:1, おもしろおかしい)

              by Anonymous Coward on 2008年08月26日 22時44分 (#1410342)
              「米国人の味覚は甘い、辛い、でかい、脂っこいの4つ」という話もあるので
              そのうち でかさ を認識する受容体も特定されるのですね
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          • by rin_penguin (9144) on 2008年08月26日 14時37分 (#1410070)
            > んにゃ、そこの説明は誤り、というか少し古い。

            ぬう。やはり過信はいけないですね。自分でも調べればよかった。
            自戒を込めてID。
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            • Re:ナルホド (スコア:5, 参考になる)

              by y_tambe (8218) on 2008年08月26日 14時55分 (#1410082) ホームページ 日記
              あ、ソース忘れてました。
              細胞工学2007年8月号 [shujunsha.co.jp]の特集記事あたりが、もし手近にあれば良い日本語総説になるかと。

              ちなみに今回のヤツに関連すると思われる原著 [nih.gov]も見つけましたが、近年注目されている、味覚受容体のうち、TAS1R3 (T1R3)タンパク質が関与しているようですね。これは味覚受容のうち、甘味とうま味の受容体を形成しているもので、甘味ではT1R2とT1R3のヘテロ二量体が、うま味ではT1R1とT1R3のヘテロ二量体が、それぞれ受容体を形成しています。つまり、どちらにもT1R3は含まれていて、その相方が変わることで、甘味とうま味のどちらの受容体を味細胞が発現するのかが変わっている、ということです。

              今回の報告は、これらとは別にT1R3が直接カルシウム/マグネシウムなどの二価の陽イオン(つまり、これまで言われていた「塩味(えんみ)」…味覚上は、食塩以外の金属塩の味も指すが、大抵は一価の陽イオンの味を意味する事が多かった…とはちょっと異なる)に対する受容体としても働くんじゃないか、と言おうとしてる感じですね。まぁT1R3が関わっている味覚は、いわゆる「報酬系」的に好まれる味だ、ということと、今回、彼らが行ったマウスの実験系での結果も一致するので、ありえない話ではないですが、それが独立した「第六の味覚」として認められるのかどうかというと、ちょっとまだ判らない、と言ったところかと。
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          • by Anonymous Coward
            トウガラシを皮膚に塗ると熱さをかんじますけど、
            お湯を口に含んでも熱いけど、辛いとは感じない気がします。
            なんでなんでしょうかね?(´・ω・`)

            慣れとか思い込みということなんですかね?
            • Re:ナルホド (スコア:3, 興味深い)

              by y_tambe (8218) on 2008年08月27日 9時36分 (#1410474) ホームページ 日記
              なんでなんでしょうね? まったく不思議な話ではあります。

              が、おそらくは、我々が最終的に感じてる「味」は、単純な一種類の受容体−リガンドの反応ではなくて、より大きな感覚(匂いや舌触りなど)の集合として、脳で情報処理されたものだから、ということになるんだと思います。
              例えば、他のところでも挙げた、甘味や旨味の受容体はヒトにはそれぞれ一種類ずつ(T1R2+T1R3, T1R1+T1R3)しか存在しないとされています(これに対して、苦味受容体 T2Rs だけは数十種類存在しますが)。それぞれの受容体に結合しうるリガンドは、例えば甘味ならばショ糖、ブドウ糖、乳糖、その他いろいろあるわけですが、我々はそれらを別の「味」として感じ分けることが可能です。一つには、受容体とリガンドとの結合性(閾値とか、結合の強さとか)も関係しているでしょうが、それに加えて味覚以外の要素(口から鼻腔に通じて認識されるわずかな匂いだとか、温度だとか)も総合的に脳に伝わって、それぞれ別の「味」が作られている、という考え方が有力です。

              カプサイシンや熱湯の場合、具体的なことはまだ判ってないと思いますが、例えば熱湯ならばTRPV1以外の熱刺激受容体も活性化されるでしょうし、また、ひょっとしたらTRPV1以外にも、まだ見つかっていないカプサイシンのリガンドになる感覚受容体(それこそ痛覚系の何かとか)があるかもしれません。主役はおそらくTRPV1なのでしょうが、それ以外の「脇役」の違いによって、我々が感じる「感覚」には差が現れるのでしょう。ある意味これは、それぞれの刺激全体がどういう場合に、どんな味と認識するのか、ということなので、確かに「慣れ」みたいなもの、と言ってもいいかもしれませんね。ただ、それは単なる「思い込み」というのではなくて、言わばその「思い込み」まで含めた、総合的な認知の結果こそがそれぞれの「味」なのかもしれません。
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            • by phenix (31258) on 2008年08月27日 9時22分 (#1410466)
              感覚の残り方ですかね?
              知りませんが。
              確かに一瞬だけだと区別つかない気がする・・・
              親コメント

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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