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レーザーパルスとX線パルスを交互に繰り返し入射する測定法(ポンプ・プローブ法)により ...
…という理解であっているでしょうか。「動画」というか、ある現象をちょっとずつ異なる時間で撮ったスナップショットを並べてみるようなイメージですかね。(高速回転する動きのものをムービーで撮ると、ゆっくり回転して見えることがあるのと似たような原理)
今回、観測のための設備をわざわざ設計・建設したということは、これまでX線の領域ではこうした観測はできなかったということでしょうか。
ポンプ・プローブ法は、ポンプ光(パルス)の照射をきっかけとして化学反応や物理現象を起こし、ポンプ光パルスから遅れてプローブ光(パルス)を照射することでその瞬間の状態を観測する手法です。ポンプ光とプローブ光は両方とも(欲しい時間分解能程度に)鋭いパルスである必要があり、かつ、ポンプ光とプローブ光の時間のずれ(遅れ)も、欲しい時間分解能程度の正確さで制御できる必要があります。
ポンプ光を照射してから起こる現象は、何度やっても同じ現象が起こるので(そういう現象が、ポンプ・プローブ法が適用できる対象となります)、ポンプ光を何度も照射し、そのたびにポンプ光とプローブ光の時間のずれをちょっとずつ変えていくことで、ポンプ光を照射してから起こる現象を時間的に追跡することができます。
そうですねえ、たとえばポンプ光を「ボールを投げる」、プローブ光を「カメラのストロボ」とすると、ボールを投げてから1秒後の写真、2秒後の写真、...を撮影できるイメージでしょうか。ただし、ポンプ光1回に対してプローブ光1回ですので、1秒後、2秒後、...のたびごとに新たにボールを投げ直しているイメージです。同じ形・重さのボールを同じように投げれば、同じように飛ぶはずですから、それで問題ないですよね。
ふつう、短パルスレーザーをプリズム等を使ってふたつに分け、その光路長を変化させて時間差を作り出す実験が行われているのだと思います(見たことないので想像ですが)。たとえば10cmの光路長を作ると、0.3ナノ秒(30億分の1秒)の時間差となるはず。X線を使うのはKEKならではの新技術だと思います。
ええと,詳しく書いていただいていますが,同じ事を身の回りの例を挙げて簡単に書かれたのがTarZさんのコメントなわけで……
>短パルスレーザーをプリズム等を使ってふたつに分け
プリズム仕様のビームスプリッタももちろんありますが、主流は金属蒸着膜による半透過型ではないかなあと。#膜厚が厚ければ全反射、薄ければ透過、その中間が半反射・半透過。
>X線を使うのはKEKならではの新技術だと思います。
そんな事はありません。今回はタイムスケールの部分でちょっと頑張ったってのと、面白いものを選んだと言うところがポイントであって、X線(を含めた)放射光を用いてのポンプ-プローブは現在ではそれなりに広く使われています。#分光特化型のUV-SORなぞも昔からポンプ-プローブやってますしね。
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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー
観測の原理 (スコア:4, 興味深い)
カメラでいうと露光時間を短くする(シャッタースピードを速くする)ことに相当。これが遅いと被写体ブレするので、何が起こっているのかよく見えない。
得られたスナップショットが、レーザーで物質の状態変化が始まって何秒後の状態か(動画像の何コマ目にあたるか)を把握できる。
…という理解であっているでしょうか。「動画」というか、ある現象をちょっとずつ異なる時間で撮ったスナップショットを並べてみるようなイメージですかね。(高速回転する動きのものをムービーで撮ると、ゆっくり回転して見えることがあるのと似たような原理)
今回、観測のための設備をわざわざ設計・建設したということは、これまでX線の領域ではこうした観測はできなかったということでしょうか。
Re:観測の原理 (スコア:0)
ポンプ・プローブ法は、ポンプ光(パルス)の照射をきっかけとして化学反応や物理現象を起こし、
ポンプ光パルスから遅れてプローブ光(パルス)を照射することでその瞬間の状態を観測する手法です。
ポンプ光とプローブ光は両方とも(欲しい時間分解能程度に)鋭いパルスである必要があり、かつ、
ポンプ光とプローブ光の時間のずれ(遅れ)も、欲しい時間分解能程度の正確さで制御できる必要が
あります。
ポンプ光を照射してから起こる現象は、何度やっても同じ現象が起こるので(そういう現象が、
ポンプ・プローブ法が適用できる対象となります)、ポンプ光を何度も照射し、そのたびに
ポンプ光とプローブ光の時間のずれをちょっとずつ変えていくことで、ポンプ光を照射してから
起こる現象を時間的に追跡することができます。
そうですねえ、たとえばポンプ光を「ボールを投げる」、プローブ光を「カメラのストロボ」
とすると、ボールを投げてから1秒後の写真、2秒後の写真、...を撮影できるイメージでしょうか。
ただし、ポンプ光1回に対してプローブ光1回ですので、1秒後、2秒後、...のたびごとに
新たにボールを投げ直しているイメージです。同じ形・重さのボールを同じように投げれば、
同じように飛ぶはずですから、それで問題ないですよね。
ふつう、短パルスレーザーをプリズム等を使ってふたつに分け、その光路長を変化させて時間差を
作り出す実験が行われているのだと思います(見たことないので想像ですが)。たとえば10cmの
光路長を作ると、0.3ナノ秒(30億分の1秒)の時間差となるはず。X線を使うのはKEKならではの
新技術だと思います。
Re:観測の原理(オフトピ) (スコア:1)
ええと,詳しく書いていただいていますが,同じ事を身の回りの例を挙げて簡単に書かれたのがTarZさんのコメントなわけで……
Re: (スコア:0)
>短パルスレーザーをプリズム等を使ってふたつに分け
プリズム仕様のビームスプリッタももちろんありますが、主流は金属蒸着膜による半透過型ではないかなあと。
#膜厚が厚ければ全反射、薄ければ透過、その中間が半反射・半透過。
>X線を使うのはKEKならではの新技術だと思います。
そんな事はありません。
今回はタイムスケールの部分でちょっと頑張ったってのと、面白いものを選んだと言うところがポイントであって、X線(を含めた)放射光を用いてのポンプ-プローブは現在ではそれなりに広く使われています。
#分光特化型のUV-SORなぞも昔からポンプ-プローブやってますしね。