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>テレポートだから移動だけ?
移動だけですね.一般的な量子テレポーテーションの概念だけ簡単に書くと,
1. テレポーテーションの操作の途中で使うEPRペアA,Bを発生させる.ペアの量子状態は密接に結びついている&観測するまで不確定(わからないのではなく決まっていない)な状態.ここでは例えばある物理量X(運動量とか,スピンとか)があって,AとBそれぞれの物理量は不確定であるものの,XA+XB ≡ 0であるとする.例えば観測してみたらXA=-1.5,XB=1.5だった,とかそういう感じで.
2. ある物理量をテレポーテーションしたい元粒子Zを用意する.ここでは簡単のために粒子の種類は前述のA,Bと同じ(例えば全部光子だとか,全部プロトンだとか)とする.こいつのある物理量X(=XZ)を別な場所に移したいわけです.
3. EPRペアの片割れAとZとをまとめて,両者の物理量Xの和XA+XZ=Sを確定する(ことに相当する)測定をする.例えば,個々の値XAとかXZはわからないが,XA+XZ=4とかそういう測定結果が得られる.通常は物理量の差分(のようなもの)を取ることが多いが話を簡単に(略).*この段階でもAやらBやらの運動量そのものはまだ確定していない.ただしAとZが一体となるような測定をしたため,EPRの相関はAとBの間ではなく,(A+Z)とBとの間に生じている.またこの測定により,元粒子Zの元々の物理量は破壊される(変化してしまう).
4. XA+XZの値Sが測定の結果わかって,XA+XB≡0という関係があるから,いま手元にある粒子Bの物理量XはXB=-XA=XZ-Sである.従って,XBをS(測定値)だけ増加させるような操作を行えば,元々の粒子Zの物理量XZを,粒子Bへと転写することが出来る.
こういったテレポーテーションの特徴は,・元々の物理量XZそのものを測定する必要がないから,(転写先の粒子に関しては)測定による状態の破壊がない.・そのため,元々の物理量XZが量子論的に不確定な状態であっても,不確定なものを不確定なまま転写することが出来る. 例えば,X・Yの粒子がEPRペアだったものを,Yの状態を別の粒子Zへと転写することでX・ZがEPRペアな状態に出来る.といった特徴があります.また,途中で観測の結果を相手に古典的な経路で伝える必要があるため,・テレポーテーション自体は必ず古典的な速度制限(光速度の制限)を受けるという点も避けられません.
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「科学者は100%安全だと保証できないものは動かしてはならない」、科学者「えっ」、プログラマ「えっ」
猫は増殖しないのか (スコア:0)
猫増殖したら、猫の大量虐殺ができるわけですね
Re:猫は増殖しないのか (スコア:5, 参考になる)
>テレポートだから移動だけ?
移動だけですね.
一般的な量子テレポーテーションの概念だけ簡単に書くと,
1. テレポーテーションの操作の途中で使うEPRペアA,Bを発生させる.ペアの量子状態は密接に結びついている&観測するまで不確定(わからないのではなく決まっていない)な状態.ここでは例えばある物理量X(運動量とか,スピンとか)があって,AとBそれぞれの物理量は不確定であるものの,XA+XB ≡ 0であるとする.例えば観測してみたらXA=-1.5,XB=1.5だった,とかそういう感じで.
2. ある物理量をテレポーテーションしたい元粒子Zを用意する.ここでは簡単のために粒子の種類は前述のA,Bと同じ(例えば全部光子だとか,全部プロトンだとか)とする.こいつのある物理量X(=XZ)を別な場所に移したいわけです.
3. EPRペアの片割れAとZとをまとめて,両者の物理量Xの和XA+XZ=Sを確定する(ことに相当する)測定をする.例えば,個々の値XAとかXZはわからないが,XA+XZ=4とかそういう測定結果が得られる.通常は物理量の差分(のようなもの)を取ることが多いが話を簡単に(略).
*この段階でもAやらBやらの運動量そのものはまだ確定していない.ただしAとZが一体となるような測定をしたため,EPRの相関はAとBの間ではなく,(A+Z)とBとの間に生じている.またこの測定により,元粒子Zの元々の物理量は破壊される(変化してしまう).
4. XA+XZの値Sが測定の結果わかって,XA+XB≡0という関係があるから,いま手元にある粒子Bの物理量XはXB=-XA=XZ-Sである.従って,XBをS(測定値)だけ増加させるような操作を行えば,元々の粒子Zの物理量XZを,粒子Bへと転写することが出来る.
こういったテレポーテーションの特徴は,
・元々の物理量XZそのものを測定する必要がないから,(転写先の粒子に関しては)測定による状態の破壊がない.
・そのため,元々の物理量XZが量子論的に不確定な状態であっても,不確定なものを不確定なまま転写することが出来る.
例えば,X・Yの粒子がEPRペアだったものを,Yの状態を別の粒子Zへと転写することでX・ZがEPRペアな状態に出来る.
といった特徴があります.また,途中で観測の結果を相手に古典的な経路で伝える必要があるため,
・テレポーテーション自体は必ず古典的な速度制限(光速度の制限)を受ける
という点も避けられません.