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SF小説の影響力は多大なり」記事へのコメント

  • 怪奇小説かと思ってましたよ。
    あれのどこにいわゆる正統的なSF要素があるのでしょう。

    • おいおい、フランケンシュタインの怪物の成立過程を舐めてもらっちゃ困るな。
      確かに怪談のコンペで披露するために書かれはしたものの、物語の着想となったのは会場となったバイロン卿の屋敷で交わされたエラスマス・ダーウィン(進化論のチャールズ・ダーウィンの祖父)の生命理論やガルバーニの電気の実験、そしてバイロン卿の娘のエイダ・ラブレス婦人が参加している”人間が命令した通りの計算をする機械”なんかの談義で、当時の最先端科学だったんだぜ。
      そして話の内容も人工的に作られた生命の話だ。これをSFと言わずに何て言うのさ。
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      • 推敲してる間に適切なツッコミがあったようなので、時代背景を簡単に。
        「フランケンシュタイン」の出版が1818年、ガルヴァーニの「動物電気」の論文が1791年、ボルタが電池を発明したのが1800年、ファラデーが電磁式発電機「ファラデーの円盤」を製作したのが1832年です。
        電気そのものとか、電気が生体に与える作用というのは最先端科学でした。
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      • 確かインゴルシュタット大学医学部のフランケンシュタイン博士が生命の神秘に迫りたくて、死体から作り上げたのが「怪物」だったはず(これはキリスト教世界では、神に対する冒涜になる行為)。
        怪物を作り上げるのが魔法使いとか錬金術師ではなく、医師だったという設定は、自然科学が哲学から分離し始めようとしていた時代を反映した、当時としてはとても斬新な小説だったといえますね(スタイルはゴシック小説の様式に則っているらしいけど)。

        ちなみに科学者という言葉ができるのは1830年代。

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        • by T.Sawamoto (4142) on 2012年02月11日 1時52分 (#2096960)

          重箱の隅つつきで申し訳ないのですが、少しばかり指摘を……。

          まず、ヴィクター・フランケンシュタインは博士ではなく、学生です。
          それから、医学部という記述も原作ににはありません。ヴィクターが師事することになるのは化学の教授ヴァルトマンです。

          また、ヴィクターは幼少時に錬金術(アグリッパ、パラケルスス等)にかなり傾倒していたと回想されています。(このせいで、大学の教授達にからかわれます)
          怪物の創造にどのような技術が使われたのかはほとんど記述がないのですけど(よく映画などで表現される電気への言及もなし)、ヴィクターの生い立ちや独白から考えて錬金術が関与していても不思議ではありません。

          あと、確かに怪物はインゴルシュタット大学で誕生しますが、ヴィクターはその後すぐに大学を離れてしまう訳ですから、「大学が舞台」という言い方には少々違和感を覚えます。

          『フランケンシュタイン』は間違いなくSFの萌芽を内包する先駆的作品ではありますが、執筆の動機がホラーであることも事実です。
          ですから、「ホラーかSFか」という捉え方の問題で相手を否定すべきではないでしょう。

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          •  読み直してみたら、フランケンシュタインは学生ですね。
             解剖室に出入りとかで、医学博士だと誤解していたようです(創元推理文庫の解説にも誤解している人が多いと書かれていた・・・)。
             ご指摘ありがとうございました。
             電気ショックですが、初期のフランケンシュタイン映画の演出が広まったものですね。創元推理文庫の訳では「生命の機械」を怪物のまわりにおいたとの記述しかないです。
             ちなみに、現代からみると初期SFとみなされる作品でも、書かれた当時は怪奇小説だったり政体小説だったりしたようです。
             作者自身は序の中でダーウィン博士やドイツの生理学者が実現可能な出来事といっていると書いて、物語にリアリティを与える枠組みとして使うことを表明しているし、ゴシック小説の一つでありつつ、初期SFとしてみなせる作品だと思いますね。

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            • 電気ショックですが、初期のフランケンシュタイン映画の演出が広まったものですね。創元推理文庫の訳では「生命の機械」を怪物のまわりにおいたとの記述しかないです。

              原作では、

              With an anxiety that almost amounted to agony, I collected the instruments of life around me, that I might infuse a spark of being into the lifeless thing that lay at my feet.

              となっていて"infuse a spark of being"が何だか判りませんね。映像化する時は安直に「spark=火花」にしてしまいそうです。:)
              なお、原作では第2章の最後でフランケンシュタインが15歳の時に落雷による破壊を見た事、その時一緒にいた自然哲学者の語る"electricity and galvanism"の理論によって錬金術から科学へ目を向けさせられた事が描写されているので、彼の生命創造に電気が利用されていると考えるのはまぁ自然ではないかと思います。
              # 古い小説だけあって、Project Gutenberg で公開されていました。 [gutenberg.org]

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          • 映画はホラーだと思うけど、原作小説がホラーとは思わんなー。

            --
            the.ACount
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          • by Anonymous Coward

            相手の捉え方を否定とかしている人いましたか?
            自分の捉え方は違うと書くのが、他の人の捉え方を否定することになるのでしょうか?

            あなたの考えが分からないと言われるのは、再説明を即されているのであって、他人の意見を拒絶しているわけではないのですよ。

            みんな自分の感想を書いて話題を膨らませているだけでしょう。
            事実、SF要素を感じないという意見にはたくさんの反論がよせられました。読んでいて、楽しいと思いませんか? ホラー要素もそうしていけばいいじゃないですか。

            あなたがこの作品でホラーを感じるのはどういうところですか?

        • 結構多くの方が、怪物の名を「フランケンシュタイン」だと勘違いしているよね。フランシス・コッポラの同名の映画は、見ておいて損はないですよ。

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      • by Anonymous Coward

        それは妖怪人間ベムも似たようなもんだが、さすがに俺もアレをSFとは呼ばない。
        フラン軒シュタインは映像化やリスペクトされた作品毎に演出も違うから印象も全然変わるので、そのいずれを見たかで評価がガラッと変わってもおかしくないと思う。

      • by Anonymous Coward
        リンク先のコラムの冒頭はまさにその成立過程を記していますね。

        また、フランケンシュタイン・コンプレックスとなってロボットのような人工生命体のストーリーが悪夢一辺倒になってしまい、うんざりしたアシモフ(とキャンベル)によってロボット工学三原則が生み出されたという流れの源流としてもまた、SFの文脈として重要な作品です。

私はプログラマです。1040 formに私の職業としてそう書いています -- Ken Thompson

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