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phason氏の解説がないのか。クラスチェンジ [srad.jp]以後忙しくなったのだろうか。
いや,今回の件に関しては説明が難しいんですよね.というのもすでに他のコメントにもあるように,熱音響現象自体は100年近くの歴史のある研究対象ですので,温度差から音波(といってもかなり変位の大きなものなので,一般的にイメージする「音」というよりも,ピストンの振動に近いようなレベルの変位として取り出せる)を作る,というようなこと自体は目新しさがありません.ですから,今回の発表の肝はあくまでも「高効率化」とか,そのための設計ツールの開発だと思うんですが,それに関する詳しい説明が見あたらなかったもので……#それに恐らく,その手の細かい部分は分野外の人が見てもあまり面白くない.
熱音響機関の原理自体としては,気体の小さな部分に注目すれば,0. 左右に伸びて外部熱源などで温度勾配のある管を用意しておく1. 何らかの揺らぎなどで微弱な振動が一時的に発生する2. 気体の小部分に注目すると,この振動によりちょっと左(=ちょっと高温)とちょっと右(=ちょっと低温)の間を行ったり来たりする3. 気体はちょっと高温側で熱を吸収し,ちょっと低温側で熱を放出する4. 熱の吸収・放出に伴い気体の温度も変わり,膨張・収縮を起こす5. この気体の膨張・収縮が最初の振動とカップルし,振動を増強する方向に働く(=振動がどんどん増幅される)6. 巨視的な振動となり,音波が管全体に行き渡る.この音波が気体の各部分の振動を引き起こし,熱を移動し,それに伴い振動が強められ……と自励発振する.
という流れです.熱勾配のある管と,内部の気体と熱のやりとりをしやすい部分を作っておけばよいので,非常に簡単な構造で音波が発生できます.またこの熱音響機関で発生する音波は振幅が非常に大きいので,管の一端にピストンを付けるだけで簡単に力として取り出せます.例えば動画だとこんなものがあります.http://rikatanrikatan.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/rikatanrikatan-.html [cocolog-nifty.com]http://www.youtube.com/user/keiii1963?gl=JP&hl=ja [youtube.com](下の方の熱音響エンジンの部分)
見てわかるとおり,構造は非常に単純です.このやたらと単純な構造の一端を加熱するだけでピストンが駆動できます.#ただこの例だとあまりにも単純なものなので,発振が不安定ですが.
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ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ
何か足りない (スコア:0)
phason氏の解説がないのか。クラスチェンジ [srad.jp]以後忙しくなったのだろうか。
Re:何か足りない (スコア:2)
いや,今回の件に関しては説明が難しいんですよね.
というのもすでに他のコメントにもあるように,熱音響現象自体は100年近くの歴史のある研究対象ですので,温度差から音波(といってもかなり変位の大きなものなので,一般的にイメージする「音」というよりも,ピストンの振動に近いようなレベルの変位として取り出せる)を作る,というようなこと自体は目新しさがありません.
ですから,今回の発表の肝はあくまでも「高効率化」とか,そのための設計ツールの開発だと思うんですが,それに関する詳しい説明が見あたらなかったもので……
#それに恐らく,その手の細かい部分は分野外の人が見てもあまり面白くない.
熱音響機関の原理自体としては,気体の小さな部分に注目すれば,
0. 左右に伸びて外部熱源などで温度勾配のある管を用意しておく
1. 何らかの揺らぎなどで微弱な振動が一時的に発生する
2. 気体の小部分に注目すると,この振動によりちょっと左(=ちょっと高温)とちょっと右(=ちょっと低温)の間を行ったり来たりする
3. 気体はちょっと高温側で熱を吸収し,ちょっと低温側で熱を放出する
4. 熱の吸収・放出に伴い気体の温度も変わり,膨張・収縮を起こす
5. この気体の膨張・収縮が最初の振動とカップルし,振動を増強する方向に働く(=振動がどんどん増幅される)
6. 巨視的な振動となり,音波が管全体に行き渡る.この音波が気体の各部分の振動を引き起こし,熱を移動し,それに伴い振動が強められ……と自励発振する.
という流れです.
熱勾配のある管と,内部の気体と熱のやりとりをしやすい部分を作っておけばよいので,非常に簡単な構造で音波が発生できます.
またこの熱音響機関で発生する音波は振幅が非常に大きいので,管の一端にピストンを付けるだけで簡単に力として取り出せます.
例えば動画だとこんなものがあります.
http://rikatanrikatan.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/rikatanrikatan-.html [cocolog-nifty.com]
http://www.youtube.com/user/keiii1963?gl=JP&hl=ja [youtube.com]
(下の方の熱音響エンジンの部分)
見てわかるとおり,構造は非常に単純です.
このやたらと単純な構造の一端を加熱するだけでピストンが駆動できます.
#ただこの例だとあまりにも単純なものなので,発振が不安定ですが.