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2012年ノーベル医学・生理学賞の受賞者が発表された。受賞したのは英国の発生生物学者 John B. Gurdon氏と京都大学の山中伸弥氏(プレスリリース)。
たったこれだけか。随分シンプルだなぁ。 せめて受賞者がどんな研究をしてどのような業績を理由に受賞したのかくらい書いて欲しい。 なんだか、科学の進歩なんかさっぱり興味がなくて、とにかく自国民から受賞者がでて誇らしい!という虚栄心しか感じないよ……。
いや, これぐらいノーベル賞確実, 問題はいつ受賞するかだけなんて業績は滅多に無いわけで, むしろ書かれなくちゃ分からないことを恥ずべきでしょう. 下手すりゃ週に1回か2回ぐらいは関連するニュースが一般向けにも出てるぐらいなんだし. 例えば今週に限ってもiPS細胞から卵子 [asahi.com]とかiPS細胞から人の始原生殖細胞 [msn.com]なんてのがあるぐらいですし.
それはそれとしても、ここまであれこれ出てきた情報を、一旦まとめるという意味でも記事を書いてくれても良かったかな……と。 で、殆ど触れられていませんけど、ガードン博士の研究は生物の教科書にも出てくる有名なもの。 山中博士の研究はご存じのiPSですが…… これだけ研究時期に違いがあるのも珍しいんじゃないでしょうか 一応説明しておくと、ガードン博士の研究は成熟した(分化した)細胞のDNAは発生に十分な情報を持っていることを解明し(DNAは幹細胞でも分化細胞でも内容は同じ)、山中博士の研究は成熟したした細胞でも未分化な細胞(幹細胞)に戻せることを解明したとして、それぞれ受賞となっています。
あと、2009年のノーベル医学生理学賞 [srad.jp]で受賞理由になった研究も絡んできます。 幹細胞(分化しきっていない細胞、その根本が受精卵)は、一旦分化すると全能性を永久に失うと考えられていました。老化もその一端(テロメアは老化部分だけ絡んでます)。 このへん、いろんな研究が絡んでくるので、識者の詳しい解説が欲しいところです。
2006年のCell論文のニュースをタレコんだ者です。
ガードンのXenopusの有名な実験は「核に発生に十分な情報がある」というものでもあるのですが、成熟した細胞の核には(メチル化など)ゲノムに対する修飾が加わっているはずですね。それらの修飾が卵細胞のそれに置き換わり、遺伝子発現のパターンも変化しなければその後の発生は起こらないわけで、つまり、成熟した核を卵細胞に移植することで再び核が未分化性を獲得することができる、ということも示しています。リプログラミングが可能であり、それが細胞質内に存在する物質によって行われる、というのはこの時点で示されています。で、そのリプログラミングに必要な分子はたった4つ(Mycを除けば3つ)、と同定したのが山中先生の実験、ということですね。
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人生unstable -- あるハッカー
受賞理由は? (スコア:5, すばらしい洞察)
2012年ノーベル医学・生理学賞の受賞者が発表された。受賞したのは英国の発生生物学者 John B. Gurdon氏と京都大学の山中伸弥氏(プレスリリース)。
たったこれだけか。随分シンプルだなぁ。
せめて受賞者がどんな研究をしてどのような業績を理由に受賞したのかくらい書いて欲しい。
なんだか、科学の進歩なんかさっぱり興味がなくて、とにかく自国民から受賞者がでて誇らしい!という虚栄心しか感じないよ……。
Re: (スコア:0)
いや, これぐらいノーベル賞確実, 問題はいつ受賞するかだけなんて業績は滅多に無いわけで, むしろ書かれなくちゃ分からないことを恥ずべきでしょう. 下手すりゃ週に1回か2回ぐらいは関連するニュースが一般向けにも出てるぐらいなんだし. 例えば今週に限ってもiPS細胞から卵子 [asahi.com]とかiPS細胞から人の始原生殖細胞 [msn.com]なんてのがあるぐらいですし.
Re:受賞理由は? (スコア:5, 参考になる)
それはそれとしても、ここまであれこれ出てきた情報を、一旦まとめるという意味でも記事を書いてくれても良かったかな……と。
で、殆ど触れられていませんけど、ガードン博士の研究は生物の教科書にも出てくる有名なもの。
山中博士の研究はご存じのiPSですが……
これだけ研究時期に違いがあるのも珍しいんじゃないでしょうか
一応説明しておくと、ガードン博士の研究は成熟した(分化した)細胞のDNAは発生に十分な情報を持っていることを解明し(DNAは幹細胞でも分化細胞でも内容は同じ)、山中博士の研究は成熟したした細胞でも未分化な細胞(幹細胞)に戻せることを解明したとして、それぞれ受賞となっています。
あと、2009年のノーベル医学生理学賞 [srad.jp]で受賞理由になった研究も絡んできます。
幹細胞(分化しきっていない細胞、その根本が受精卵)は、一旦分化すると全能性を永久に失うと考えられていました。老化もその一端(テロメアは老化部分だけ絡んでます)。
このへん、いろんな研究が絡んでくるので、識者の詳しい解説が欲しいところです。
Re:受賞理由は? (スコア:1)
2006年のCell論文のニュースをタレコんだ者です。
ガードンのXenopusの有名な実験は「核に発生に十分な情報がある」というものでもあるのですが、成熟した細胞の核には(メチル化など)ゲノムに対する修飾が加わっているはずですね。それらの修飾が卵細胞のそれに置き換わり、遺伝子発現のパターンも変化しなければその後の発生は起こらないわけで、つまり、成熟した核を卵細胞に移植することで再び核が未分化性を獲得することができる、ということも示しています。
リプログラミングが可能であり、それが細胞質内に存在する物質によって行われる、というのはこの時点で示されています。
で、そのリプログラミングに必要な分子はたった4つ(Mycを除けば3つ)、と同定したのが山中先生の実験、ということですね。