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放射性トリチウムは薄めて海に流すべき?」記事へのコメント

  • そんなことできるのか?

    他の放射性物質も混じるのでは。

    • もちろん他の放射性物質を除去したあとの水のことですよ。他の放射性物質は「水から不純物を取り除く」という方法で除去できますが、トリチウムは水素の同位体であり、水そのものとして存在しているので除去は事実上無理です。

      • > 他の放射性物質は「水から不純物を取り除く」という方法で除去できますが、
        > トリチウムは水素の同位体であり、水そのものとして存在しているので除去は事実上無理です。

        「事実上無理」とはどういう意味なんでしょう。コンテキストからすれば、「技術的に無理」と言っているのだろうけど。

        同位体は化学的性質は似通っているものの、物理的性質は大きく異なります。三重水素の分離については、東電発表資料 [tepco.co.jp]をどうぞ。技術的には可能ですね。

        ゼニカネ的な話とすれば、どれもエネルギー馬鹿食いなので、東電的には止めたいでしょうね。

        • もちろん、水から三重水素水の濃縮抽出すること自体は技術的に可能です。汎用的な同位体分離法である遠心分離法や拡散法はもちろん、ご指摘の通り三重水素は水素との物性の違いが大きい(他の元素では同位体同士の質量は数%の違いですが、HとTでは3倍違いますからね)ため、蒸留法・交換法・電解法などより効率のよい方法もあります。

          ただ、効率が良いと言ってもそれは遠心分離法などと比べての話で、「水から不純物を取り除く」こととはレベルが大きく異なります。福島第一原発で必要とされているのは「日量500トン以上の規模で汚染水を処理可能な施設を運用する」ための技術で、それにはとても追いつかないというのが「事実上無理」の意味です。

          • 日量500トン以上の汚染水だって、東電が地下水の流入を止める対策を施さずに来たと言う手抜きから生じているもので、それこそ手抜きによって「水ぶくれ」になってると思いますがね。

            効率が悪いと主張されている?電解法ですが、第二次大戦時のノルウェーにあった工場で日量32トンの水を処理して重水を製造する事が可能とされています(この重水の中には三重水素による水も含まれます)。仮に水ぶくれの500トンの汚染水を処理するとして、そのノルウェーにあった工場と同じものがいくつ必要なんですか?そしてそれは「事実上無理」な水準なんでしょうか?

            地下水流入阻止も金がかかるから無理、三重水素の抽出も金がかかるから無理なら、除染だって廃炉だって金がかかるから無理でしょう。つまりそういう事を主張なさりたいのでしょうか?

            • ここに返信しましょうか。

              電解法は水を電気分解した時に軽水より重水のほうが分解されにくいことを利用する方法です。分解して水素ガスと酸素ガスが発生したあと、残った電解液中の重水濃度が高くなります。これは分解されにくいというだけですから、水素ガス中に重水素や三重水素が含まれることを大きく抑制できるわけではありません。

              ノルウェーの工場とはノルスク・ハイドロのリューカン工場 [wikipedia.org]のことですね。日量32トンというのは上記記事にはありませんが、重水生産量4.5kgということですからそれくらいの原料水は使ったのでしょうね。ただこれは「重水を作る」ための工場であり、「重水を除去した水を作る」ためではないので、この工場と同等のものを福島第一原発に作ったとして、どの程度トリチウム濃度を下げられるかはわかりません。ご存知でしたらお教えください。

              電解法で除去する場合、どの程度の規模の施設が必要か考えてみましょう。とりあえず経済産業省でこのような資料を見つけました。
              新型転換炉原型炉「ふげん」の重水精製装置における重水精製(トリチウム分離)実績について [meti.go.jp]

              ふげんは重水を減速材とする新型転換炉ですが、保守作業中に軽水が混入したり、中性子を吸ってトリチウムが発生するため、劣化した重水を再精製する装置が備えられていました。仮にこの精製装置を福島第一原発に備え付けるとします。
              (もちろん、この装置は最適のものではありませんし、大規模化すれば効率やコストも大きく改善されるでしょう。あくまでたたき台としての仮の計算です)

              装置の設置スペースは縦横13m*18m、高さ17mです。建屋も含め、福島第一原発の汚染水貯蔵タンク約2個分と考えるとイメージが湧くと思います。

              装置費用は建屋含まずで7億円、処理能力は日量0.03トン、ランニングコストはトンあたり2000万円です。

              日量500トン以上処理するためには、この装置が約17000基必要です。設置スペースはタンク34000個分、現在およそ350個あるはずなので、その100倍の敷地が必要です。

              装置費用は建屋含まずで約12兆円、ランニングコストは一日100億円、今後50万トン処理するとして1000日間、10兆円かかります。

              コストだけでもとんでもない規模です。東電に全額払わせて電気料金も上げてはいけないとなれば、間違いなく経営破綻ですね。電力供給のためには国有化なりで救済する必要があるでしょう。税金が投入されますね。

              コスト以外にも問題は山積です。まず敷地は明らかに原発内では足りません。周辺の土地を買うか借りるかし、造成して作ることになります。しかし今の国や東電と地元との信頼関係からして、交渉が成立するとはとても思えません。

              なんとか成立しても土地購入費、造成費、建屋や配管の建設費が別途かかります。建設期間も何年かかることやら。またここに建設技術者や資材が集中すれば、他地域の震災復興工事がさらに遅れることでしょう。

              複雑な装置や長大な配管を考えると、汚染水や水素ガスが漏れるリスクも相当のものになるでしょう。

              また、装置や配管の運用、保守点検には人が要ります。1基あたり技術者1人作業員2人では足りないと思いますが、それでも5万人以上ですね。

              コストを考えて作らないのは許せないという方々は、上記の問題も全部受け入れるというご意見なのでしょう。私はそれだけの問題を抱えるくらいなら、汚染水は流してしまって、お金があるなら避難者や漁業関係者への補償、医療費支援、復興支援などに回したほうがより多くの人を救えると思いますが。

              この試算は大げさすぎる、もっと効率のよい処理施設を作れるはずだというご意見の方、まったくその通りです。あくまでたたき台ですので、大規模化・大量生産すれば1基あたりのコストや処理能力も大きく変わるでしょう。

              そもそも装置自体が既述のとおり汚染水には不適切です。ふげんで使用されていた装置の排水中のトリチウム濃度は4E+3(Bq/ml)で、排出する際に100倍に希釈していましたが、今回はこの装置排水程度の汚染水を処理して希釈せずに6E+1(Bq/ml)以下にしようというのですから。

              おそらくこのような低濃度での処理は蒸留法の方が優れていると思いますが、蒸留法でやった場合の規模やコストについての情報を見つけられませんでした。もしご存知でしたらぜひお教えください。

              ただ、効率で言うならたたき台の10倍程度ではまだまだ足りないでしょうね。100倍以上の効率があってようやく現実味が出てくる感じでしょうか。

              親コメント
              • >ただこれは「重水を作る」ための工場であり、「重水を除去した水を作る」ためではないので、
                > どの程度トリチウム濃度を下げられるかはわかりません。
                電解法がどの様な原理で動作するのか、ご存じではない?ご存じなら、この様な記述は出て来ないはずですが。

                > 日量500トン以上処理するためには
                金の延べ棒から金箔を削り出すとすれば、金箔はとんでもなく高いものになるでしょうね。そして、対費用効果の観点からすれば、その様な無駄な事は行われません。つまり、そんな事をするヤツは馬鹿丸出しな訳です。
                日量500トン以上の水ぶくれした汚染水をどこまでスリム化出来るかを考えてから、次へ行ったらどうですか?まずは地下水の遮断でしょう。

                > 電解法で除去する場合、どの程度の規模の施設が必要か考えてみましょう。とりあえず経済産業省でこのような資料を見つけました。
                ボクが#2453481で提示した資料を、別途探してきた訳ですね。ご苦労様です。ですが、ボクが提示した資料を精査する事を先に行えば、不要な作業でしたね。
                ふげんの処理プラントは実験プラントです。だから、高々日量30リッターの処理プラントの建設に7億も掛かるんですよ。実験プラントの建設コストで工業規模のプラントのコストを算定するなぞ、狂気の沙汰でしょう。たたき台なんてシロモンじゃありませんよ。現実的な数字なら、例えば銅の電気精錬プラントのコストを参考にすべきです。
                日量30tの汚染水を処理する電解法のプラントであれば、まあ建設費が50億円、使用する電気代は1500万円/日という所でしょう。発生した水素を有効利用するなら、ランニングコストはもう少し下がるでしょうが。
                汚染水の貯留量が20万t、プラント建設や地下水遮断までに更に20万t積み上がったとして、合計40万t。100日で処理するとして、日量で400t、プラント120個ですね。建設費は6000億円、電気代は一日18億円という所ですか。地下水遮断後の汚染水処理は、プラントが1つ2つあれば十分でしょう。

                > おそらくこのような低濃度での処理は蒸留法の方が優れていると思いますが
                既存の技術とすれば、蒸留法は分離比が低過ぎて実用にならないと思いますよ。

                ところで、電解法の話もそうですが、化学工学や電気化学、プラントエンジニアリングの知識無しで、この手の話をしようとされています?

                親コメント

クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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