アカウント名:
パスワード:
> とタレコミ人は思っていたのだが、真の宇宙利用の拡大(それが人類全体に必要なのかという議論はさておき)のためには宇宙輸送のコストが革命的に下がる必要があるが、現状の使い捨て打ち上げ機は毎度製造費用が発生するから原理的にコストが1桁2桁というレベルで下がることはない、というのはスペースシャトル以前から今現在まで変わってない。一方で、軌道へ行く上段まで完全再使用とかSSTOとか空気吸込み式エンジンなどは、実現するにしても宇宙開発機関の職掌ではないところの技術が革新的に進歩した後、今の関係者が皆くたばった後の話で、これらの「すごい未来のすごい輸送機」がロードマップの先の方にとりあえず書いてあるという構図もやっぱりスペースシャトル時代からずっと変わってない。結局のところ、こんな類の長期構想はおよそ世界中で同じようなのがずーっと、目標年度を1年/年ずつずらす以外は変化なく続いてきてて、また同じような「長期ビジョンの素案」なんて出してみても、それに目新しさもニュース性もないのだよね。新聞だって暇ネタその1みたいな扱いでしょ。
ただ変化があるとすれば、完全再使用は無理でも、図体が大きくてコストで占める割合が大きく、その割に速度も高度も小さいから回収再使用が容易と考えられるブースタ/第1段、ここの再使用は頑張れば出来るんじゃないか、やってみてコスト的にメリットがあるところまでもしかしたら行けるんじゃないか、という兆しがSpaceXあたりからようやく出てきたこと。あれが本当にうまくいくようなら次の基幹ロケット(アリアン6とか長征5とかアンガラとかH-IIIとか)のそのまた次あたりには考えないといけないよね、将来のすごい完全再使用機へのステップという口実で……みたいな期待感はまったく無いではない。
てか、スペースシャトルでもブースターは再利用されてましたから、そこだけに限定するなら行けそうな気はします。オービターというか人や荷物を載せるキャビン側の設計については、結局運用を重ねないとノウハウは貯まらないわけで、いつか航空機並の運行回数になれば、同程度の安全性は確保できるようになると思います。が、航空機は一応人が住んでる地域同士を結んでいたからそれなりの需要を得られ(→改良の原資が得られ)ましたが、行き先が普通の人が行かない世界で、資源なり何なりを持ち帰るにしてもまずその開発方法から考えないといけないレベルでは、なかなか進まないでしょうね。
実現が2040年−2050年って時点で真っ当なプランではないですな。単にその頃にはそういうものが出来てたらいいな(願望)をスケジュール表に載せただけ。
もし本気でやるなら、例えば2020年までに1段目のフライバックブースターを実現、この時点で足りない技術はこれなので何年を目処にこれとこれを開発して・・・という話が当然付いてくるわけですから。そもそも、再使用型といってもファルコン9が目指すTSTOからSkylonみたいなスペースプレーンまでいろいろある訳で、手段を曖昧なまま目標決めてうまく行くとは、言った本人だって思っ
実際には作りもせん往還機がどうこうてのは通常営業と言うかなんと言うか。 でも、今度ばかりは米欧が次世代打上機のコストダウンのために1段目やブースタの再利用(スペースX、ブルーオリジン、アリアン6)に舵を切ってるので、液酸液水版長征5,6,7と言うかパチもんデルタヘビーみたいなH3作ってる場合じゃないと思うんですけどねえ。
それは分からんではないのだけど、今が下段の再使用に乗り出す時かというのも微妙なのだよね。SpaceXはちょっとした勇み足かもしれないという。
製造コストが大きさに大体比例するとして、1段目を新造せずに済むなら製造コストは1/4とか1/3にはなるけれど、でも総コストの1/3くらいを占める射場整備のコストはそのまま残って、追加で回収・再整備のコストが増える。一方で現実的な機体の配分のロケットでは、ツィオルコフスキーの公式の言うとおり、1段目が1段目の役割だけ加速したうえに減速もエンジンでやって着陸までするとなると、その能力は1/3減とかになるのは避けられない。
となると、回収再使用による能力の低下をできるだけ避けつつ、追加でかかるコストは極限まで抑えないと再使用の旨みが吹き飛んでしまうわけで、そこをSpaceXがやりおおせるのかどうか、正直ボクは半信半疑です。現状のファルコン9のコストだって確かに安いけれど、それでもアリアン6やH-IIIが目標にできる程度の安さにしかなってないし、それでさえ何処かから持ち出しはないのか、ちゃんと値札通りのコストでやっていけるのかは外部には分からないですし。
2個上のACです。おっしゃるとおり、そもそも1段目再使用ですら採算が合わない可能性もあるのですよね・・・。しかしこの方法での再使用もダメとなると、結局散々提唱されていた再使用によるコスト削減というアイデアはロケット分野には適用できない、何かしら画期的な代替技術(エアブリージングエンジンとか、スカイフックとか)が開発されない限り打ち上げコストは大きくは下がらない、を意味するので、かなり行き詰まり感が漂います(--;
結局のところ、使い捨てなんだから部品点数を下げて、汎用品を多く使うしかないんじゃないですかね。3Dプリンタで打ち出されたようなネジが宇宙開発で使い物になる時代になれば、おのずと可能になるでしょう。
ベルによる電話の発明(1876年)とマルコーニによる電波送受信の実用化(1895年)があれば、携帯電話は不可能な装置ではないはずでした。実際、車載電話や衛星電話には結構な歴史があります。しかし、実際に携帯電話が普及しだしたのは90年代後半以降、つまりIT革命(デジタル技術)が必要でした。マルコーニから数えて、100年間は不可能だったのです。
今の時代に「安価な宇宙開発」を論ずるのは車載電話の時代にどうやって国民に携帯電話を普及させるか、という話をしているようなもので、金銭的な問題は単純な工業技術力の不足と捉えるべきじゃないですかね。だから私は打ち上げ方法に関するブレイクスルーに期待すべきじゃないと思いますよ。ロケット用のネジが米粒より安くなるブレイクスルーを待てばいいだけの話で。
思い出してみれば、「ソユーズなんて時代遅れだ!」と言ってたのはゴルバチョフ。ソ連時代から時代遅れだと言われてたものが、未だに現役!もういっそのこと、一段目はダンボールと樹脂とフィルムで作ったら?「どうやって姿勢制御するんだよ?」という声が聞こえてきそうだが。とりあえずまっすぐ飛べばいいんだろ?耐燃性強化ボール紙で筒を作り火薬詰めて数百本束ねればかなりの推力が得られるだろ?推力のムラを補償する仕組みが思いつかないけど何とかならないかな?
重すぎ。
Otrag? [astronautix.com]
ところが近年、米国のInterorbital Systems社→■がOTRAGロケットと同じアイディアのNEPTUNEモジュラーロケットシステムを計画している。http://blog.livedoor.jp/janome_gotyou/archives/5830125.html [livedoor.jp]
ってのは、日常生活や他の業種なんかを見渡しても事実だとは思うけどね。
これだって月やラグランジュポイントとの往復のような長距離での話なんだし。
まともに宇宙開発を行うには安上がりな方法が必要で、それには再利用型の宇宙船を(もちろん低コストで)実現でする必要がある、ってことなんじゃ?
作る人が居なくなっちゃいますけどね…。日用品や家みたいな大量に作られるものならば、良い物を長く使うのが良いと思うのですけど、ロケットみたいな需要が少なく、高価なものだと、数台建造して使い回してたら、製造ノウハウも人材も枯れます。結局、1台作るコストがべらぼうに高騰するか、ロストテクノロジーになって作れないってことになっちゃう。シャトルだけにかまけてた米国が、使い捨て型基幹ロケットの復活に苦労してるように。
今の技術レベル・需要レベルだと、常に作り続けて常に使い捨て、人材とノウハウを積み上げる段階でしょう。再使用型を真剣に検討するには、まだ20年早いね。
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ
宇宙村のこの手のポンチ絵はまともに受け止めなさんな (スコア:5, 興味深い)
> とタレコミ人は思っていたのだが、
真の宇宙利用の拡大(それが人類全体に必要なのかという議論はさておき)のためには宇宙輸送のコストが革命的に下がる必要があるが、現状の使い捨て打ち上げ機は毎度製造費用が発生するから原理的にコストが1桁2桁というレベルで下がることはない、というのはスペースシャトル以前から今現在まで変わってない。
一方で、軌道へ行く上段まで完全再使用とかSSTOとか空気吸込み式エンジンなどは、実現するにしても宇宙開発機関の職掌ではないところの技術が革新的に進歩した後、今の関係者が皆くたばった後の話で、これらの「すごい未来のすごい輸送機」がロードマップの先の方にとりあえず書いてあるという構図もやっぱりスペースシャトル時代からずっと変わってない。
結局のところ、こんな類の長期構想はおよそ世界中で同じようなのがずーっと、目標年度を1年/年ずつずらす以外は変化なく続いてきてて、また同じような「長期ビジョンの素案」なんて出してみても、それに目新しさもニュース性もないのだよね。新聞だって暇ネタその1みたいな扱いでしょ。
ただ変化があるとすれば、完全再使用は無理でも、図体が大きくてコストで占める割合が大きく、その割に速度も高度も小さいから回収再使用が容易と考えられるブースタ/第1段、ここの再使用は頑張れば出来るんじゃないか、やってみてコスト的にメリットがあるところまでもしかしたら行けるんじゃないか、という兆しがSpaceXあたりからようやく出てきたこと。あれが本当にうまくいくようなら次の基幹ロケット(アリアン6とか長征5とかアンガラとかH-IIIとか)のそのまた次あたりには考えないといけないよね、将来のすごい完全再使用機へのステップという口実で……みたいな期待感はまったく無いではない。
Re:宇宙村のこの手のポンチ絵はまともに受け止めなさんな (スコア:2)
てか、スペースシャトルでもブースターは再利用されてましたから、そこだけに限定するなら行けそうな気はします。
オービターというか人や荷物を載せるキャビン側の設計については、結局運用を重ねないとノウハウは貯まらないわけで、
いつか航空機並の運行回数になれば、同程度の安全性は確保できるようになると思います。
が、航空機は一応人が住んでる地域同士を結んでいたからそれなりの需要を得られ(→改良の原資が得られ)ましたが、
行き先が普通の人が行かない世界で、資源なり何なりを持ち帰るにしてもまずその開発方法から考えないといけないレベルでは、
なかなか進まないでしょうね。
Re: (スコア:0)
実現が2040年−2050年って時点で真っ当なプランではないですな。
単にその頃にはそういうものが出来てたらいいな(願望)をスケジュール表に載せただけ。
もし本気でやるなら、例えば2020年までに1段目のフライバックブースターを実現、この時点で足りない技術はこれなので何年を目処にこれとこれを開発して・・・という話が当然付いてくるわけですから。
そもそも、再使用型といってもファルコン9が目指すTSTOからSkylonみたいなスペースプレーンまでいろいろある訳で、手段を曖昧なまま目標決めてうまく行くとは、言った本人だって思っ
Re:宇宙村のこの手のポンチ絵はまともに受け止めなさんな (スコア:1)
実際には作りもせん往還機がどうこうてのは通常営業と言うかなんと言うか。
でも、今度ばかりは米欧が次世代打上機のコストダウンのために1段目やブースタの再利用(スペースX、ブルーオリジン、アリアン6)に舵を切ってるので、液酸液水版長征5,6,7と言うかパチもんデルタヘビーみたいなH3作ってる場合じゃないと思うんですけどねえ。
Re:宇宙村のこの手のポンチ絵はまともに受け止めなさんな (スコア:2)
それは分からんではないのだけど、今が下段の再使用に乗り出す時かというのも微妙なのだよね。SpaceXはちょっとした勇み足かもしれないという。
製造コストが大きさに大体比例するとして、1段目を新造せずに済むなら製造コストは1/4とか1/3にはなるけれど、でも総コストの1/3くらいを占める射場整備のコストはそのまま残って、追加で回収・再整備のコストが増える。
一方で現実的な機体の配分のロケットでは、ツィオルコフスキーの公式の言うとおり、1段目が1段目の役割だけ加速したうえに減速もエンジンでやって着陸までするとなると、その能力は1/3減とかになるのは避けられない。
となると、回収再使用による能力の低下をできるだけ避けつつ、追加でかかるコストは極限まで抑えないと再使用の旨みが吹き飛んでしまうわけで、そこをSpaceXがやりおおせるのかどうか、正直ボクは半信半疑です。
現状のファルコン9のコストだって確かに安いけれど、それでもアリアン6やH-IIIが目標にできる程度の安さにしかなってないし、それでさえ何処かから持ち出しはないのか、ちゃんと値札通りのコストでやっていけるのかは外部には分からないですし。
Re: (スコア:0)
2個上のACです。おっしゃるとおり、そもそも1段目再使用ですら採算が合わない可能性もあるのですよね・・・。
しかしこの方法での再使用もダメとなると、結局散々提唱されていた再使用によるコスト削減というアイデアはロケット分野には適用できない、何かしら画期的な代替技術(エアブリージングエンジンとか、スカイフックとか)が開発されない限り打ち上げコストは大きくは下がらない、を意味するので、かなり行き詰まり感が漂います(--;
Re:宇宙村のこの手のポンチ絵はまともに受け止めなさんな (スコア:1)
結局のところ、使い捨てなんだから部品点数を下げて、汎用品を多く使うしかないんじゃないですかね。3Dプリンタで打ち出されたようなネジが宇宙開発で使い物になる時代になれば、おのずと可能になるでしょう。
ベルによる電話の発明(1876年)とマルコーニによる電波送受信の実用化(1895年)があれば、携帯電話は不可能な装置ではないはずでした。実際、車載電話や衛星電話には結構な歴史があります。しかし、実際に携帯電話が普及しだしたのは90年代後半以降、つまりIT革命(デジタル技術)が必要でした。マルコーニから数えて、100年間は不可能だったのです。
今の時代に「安価な宇宙開発」を論ずるのは車載電話の時代にどうやって国民に携帯電話を普及させるか、という話をしているようなもので、金銭的な問題は単純な工業技術力の不足と捉えるべきじゃないですかね。だから私は打ち上げ方法に関するブレイクスルーに期待すべきじゃないと思いますよ。ロケット用のネジが米粒より安くなるブレイクスルーを待てばいいだけの話で。
Re: (スコア:0)
思い出してみれば、「ソユーズなんて時代遅れだ!」と言ってたのはゴルバチョフ。
ソ連時代から時代遅れだと言われてたものが、未だに現役!
もういっそのこと、一段目はダンボールと樹脂とフィルムで作ったら?
「どうやって姿勢制御するんだよ?」という声が聞こえてきそうだが。
とりあえずまっすぐ飛べばいいんだろ?
耐燃性強化ボール紙で筒を作り火薬詰めて数百本束ねればかなりの推力が得られるだろ?
推力のムラを補償する仕組みが思いつかないけど何とかならないかな?
Re:宇宙村のこの手のポンチ絵はまともに受け止めなさんな (スコア:3)
重すぎ。
Re:宇宙村のこの手のポンチ絵はまともに受け止めなさんな (スコア:1)
Re: (スコア:0)
Otrag? [astronautix.com]
ところが近年、米国のInterorbital Systems社→■がOTRAGロケットと同じアイディアのNEPTUNEモジュラーロケットシステムを計画している。
http://blog.livedoor.jp/janome_gotyou/archives/5830125.html [livedoor.jp]
永く使うならば、良いものを使い続ける(再利用する)ほうが安上がり (スコア:0)
ってのは、日常生活や他の業種なんかを見渡しても事実だとは思うけどね。
これだって月やラグランジュポイントとの往復のような長距離での話なんだし。
Re: (スコア:0)
まともに宇宙開発を行うには安上がりな方法が必要で、それには再利用型の宇宙船を(もちろん低コストで)実現でする必要がある、ってことなんじゃ?
Re:永く使うならば、良いものを使い続ける(再利用する)ほうが安上がり (スコア:1)
まあこう言う小さなことからコツコツと的に技術を蓄積していずれオービタルな往還機を作るしか無いんでしょう日本は。
予算が減らされたとはいえ潤沢なNASAとその下請け企業の真似はできませんわ。
Re: (スコア:0)
作る人が居なくなっちゃいますけどね…。
日用品や家みたいな大量に作られるものならば、良い物を長く使うのが良いと思うのですけど、ロケットみたいな需要が少なく、高価なものだと、数台建造して使い回してたら、製造ノウハウも人材も枯れます。
結局、1台作るコストがべらぼうに高騰するか、ロストテクノロジーになって作れないってことになっちゃう。
シャトルだけにかまけてた米国が、使い捨て型基幹ロケットの復活に苦労してるように。
今の技術レベル・需要レベルだと、常に作り続けて常に使い捨て、人材とノウハウを積み上げる段階でしょう。
再使用型を真剣に検討するには、まだ20年早いね。