アカウント名:
パスワード:
消える砂あれば、新たに生まれる海岸……というのは無いのでしょうか。自然の雄大な時間軸においては、海岸が作られては消え、海は砂漠となり、砂漠は海となり。と考える方がしっくりくるのですが現実は違うのでしょうか?
残念ながら、治水目的で河川にダムをつくると、本来海岸で砂丘を形成するはずだった土砂が、ダムの底に貯まるようになりますので、海岸の砂丘は痩せ衰えていきます。洪水の危険性がある河川による土砂の運搬こそ、海岸の砂丘の砂の供給源なので、そこを絶ってしまうと、浸食される一方になってしまう。浸食された分の砂は大抵沖合に流されて、新たな砂浜を形成することはまれです。
ダムだけでなく、護岸工事も悪影響を与えているのでは。
海岸の砂の大部分は、近くの河川を流れてきて堆積したものです。そこから波に浸食されて沖へ流され沈殿してしまえば次に陸上に出てくるのは海底が隆起するときのこと。
今はダム等により砂があまり流れてこないので、この50年ほどで砂浜の砂は減りまくり、父母の時代には海水浴場だった場所で砂浜が無くなり遊泳不可になっているところが近所で2カ所ほどあります。
最近話題になったところでは、美保の松原なども安倍川からの砂がダムに遮られて激減しているので、昔の写真にくらべるとかなり貧弱な光景になっています。これ以上砂浜が減らないようにと砂の補充もされていますね。
砂防堰堤もその名のとおり砂をブロックしてるんじゃないの?ちゃんとメンテされて砂が河口に運ばれているならいいのですが
利水等の目的で作られるダムは、堤体の高さも高く、貯水量も大きなものが多いので、砂防堰堤もそんなものをイメージする人が多いかもしれませんが、砂防堰堤自体はそれほど大規模なものではありません。高さもせいぜい10~15m程度です。作られてからしばらくは土砂を貯めることになりますが、えん堤の上部には凹状の通水部があります。通常はこの部分から水とともに土砂も流下します。土石流が発生したときには、砂防堰堤の両サイドの高くなっている部分で土石流の勢いを弱めるため、一気に土砂が流下することを防ぐつくりになっています。
ですから、貯水量を確保するために土砂の浚渫をするようなダムとは違い、通常時は水とともに土砂も流下するので堰堤裏面からの排砂ということが行われることは稀です。
完全に土砂を留めてしまうようなら、安倍川の下流部の河床が上昇して災害が起きやすくなるなんてことはありませんが、現実は河床が上昇していて河川敷グランドが被災することが多くなっています。この事例からも、上流部から下流部への土砂の移動は行われていることが理解できると思います。
侵食される量>>>>>>供給される量、という現状なのではないでしょうか。
--ダムに溜まってる砂は本来、川岸や海岸に"供給"されるはずだったものなのでは…?
まったく違いますね。
自然の雄大な時間軸によるものでは無く、結局は人間が手を加えたことによる結果だからです。関東圏で深刻な場所と言えば、九十九里浜です。数年前から危機が叫ばれていますが、まだ根本的な解決策が見つかっていません。堤防を作ることで砂浜の浸食を食い止めようとしていますが、堤防を作ることでむしろ浸食が進んでいる指摘もあり、改善には向かっていないのが現状です。
海水浴場が激減。九十九里浜から砂浜がなくなっていってる…http://matome.naver.jp/odai/2140607891718928001 [naver.jp]
The New York Timesの元記事では、そこは「温暖化の影響で将来そうなりうる」という文脈なので、現時点で問題化している九十九里とかとはちょっと違いますね。
2100年頃にはそうなっててもおかしくない、というのがIPCCの見解です。 以下の記事では、現在までと将来の双方について解説されてます。 視点・論点 「消えゆく砂浜」 [nhk.or.jp]
IPCC・気候変動に関する政府間パネルが昨年発表した第5次報告書では、2100年頃までの海面上昇量は世界平均で26 cm~82 cmと予測されており、日本周辺においてもこの程度の海面上昇が生じると考えられます。砂浜消失率の予測結果を見ると、日本では、26 cmの上昇量であっても、4割前後の砂浜が消失し、82 cmの上昇量では、ほとんどの砂浜が消失すると予測されます。
九州の芦屋海水浴場や九十九里でも片貝漁港周辺は堆積がひどいらしいですね。港湾や河口で浚渫しているのを見ると,自然環境でインフラを維持するのは大変だなと思わされます。
局地的な例外はあるでしょうが、基本、海は広いんだから、沖合に拡散してしまう量の方が、再び海岸に押し寄せる量より多いのが一般的でしょう。
より多くのコメントがこの議論にあるかもしれませんが、JavaScriptが有効ではない環境を使用している場合、クラシックなコメントシステム(D1)に設定を変更する必要があります。
私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike
新しい砂は? (スコア:0)
消える砂あれば、新たに生まれる海岸……というのは無いのでしょうか。
自然の雄大な時間軸においては、海岸が作られては消え、海は砂漠となり、砂漠は海となり。
と考える方がしっくりくるのですが現実は違うのでしょうか?
Re:新しい砂は? (スコア:2, 参考になる)
残念ながら、治水目的で河川にダムをつくると、本来海岸で砂丘を形成するはずだった土砂が、ダムの底に貯まるようになりますので、海岸の砂丘は痩せ衰えていきます。洪水の危険性がある河川による土砂の運搬こそ、海岸の砂丘の砂の供給源なので、そこを絶ってしまうと、浸食される一方になってしまう。浸食された分の砂は大抵沖合に流されて、新たな砂浜を形成することはまれです。
Re:新しい砂は? (スコア:2)
そこから砂が供給されていた。
しかし、がけの上に家やゴルフ場が出来たので、それを守るために消波ブロックを置いたら、
砂が供給されなくなってしまって、砂浜が消えた。
砂の供給元はいろいろあるのです。
治山が砂浜を殺す (スコア:1)
Jubilee
Re: (スコア:0)
ダムだけでなく、護岸工事も悪影響を与えているのでは。
Re:新しい砂は? (スコア:1)
海岸の砂の大部分は、近くの河川を流れてきて堆積したものです。
そこから波に浸食されて沖へ流され沈殿してしまえば次に陸上に出てくるのは海底が隆起するときのこと。
今はダム等により砂があまり流れてこないので、この50年ほどで砂浜の砂は減りまくり、
父母の時代には海水浴場だった場所で砂浜が無くなり遊泳不可になっているところが近所で2カ所ほどあります。
最近話題になったところでは、美保の松原なども安倍川からの砂がダムに遮られて激減しているので、
昔の写真にくらべるとかなり貧弱な光景になっています。
これ以上砂浜が減らないようにと砂の補充もされていますね。
ψアレゲな事を真面目にやることこそアレゲだと思う。
Re:新しい砂は? (スコア:2, 参考になる)
元コメにも書いて有りますが、三保の砂浜は安倍川から土砂が供給されたことにより形成されたものですが、高度成長期に建設資材として川砂を大量に浚渫したことが原因で、海岸線に供給される土砂量減少したために砂浜の減少を招きました。
ダムによって砂が遮られたと誤解されることが多いのですが、実は安倍川にはダムはありません。安倍川にあるのは土石流発生時等に一時的に土砂を堆積させるための砂防堰堤です。
近年では安倍川で土砂を採取することが制限され、河口から海に供給される土砂量が増加したため、河口付近の砂浜は回復し、旧清水市との境界付近まで砂浜が見られるようになって来ました。このまま順調に行けば三保付近まで土砂が移動していくことが想定されます。
とはいうものの、安倍川で土砂の採取をしないことにより河床の上昇を招き、低水護岸と河床との差が小さくなり、河川敷のグラウンド等が出水により被害を受けることが多くなっていることも事実です。
河口から海への土砂の供給のためには過度の土砂の採取は禁物ではありますが、河川災害を防ぐ意味で中流部で適度な浚渫を行い、その土砂を河口部に運搬することで養浜の効果を狙うということが今まで以上に必要になってくるかもしれません。
#一応その関係の仕事もしているのでAC
Re:新しい砂は? (スコア:1)
砂防堰堤もその名のとおり砂をブロックしてるんじゃないの?
ちゃんとメンテされて砂が河口に運ばれているならいいのですが
Re: (スコア:0)
利水等の目的で作られるダムは、堤体の高さも高く、貯水量も大きなものが多いので、砂防堰堤もそんなものをイメージする人が多いかもしれませんが、砂防堰堤自体はそれほど大規模なものではありません。高さもせいぜい10~15m程度です。
作られてからしばらくは土砂を貯めることになりますが、えん堤の上部には凹状の通水部があります。通常はこの部分から水とともに土砂も流下します。
土石流が発生したときには、砂防堰堤の両サイドの高くなっている部分で土石流の勢いを弱めるため、一気に土砂が流下することを防ぐつくりになっています。
ですから、貯水量を確保するために土砂の浚渫をするようなダムとは違い、通常時は水とともに土砂も流下するので堰堤裏面からの排砂ということが行われることは稀です。
完全に土砂を留めてしまうようなら、安倍川の下流部の河床が上昇して災害が起きやすくなるなんてことはありませんが、現実は河床が上昇していて河川敷グランドが被災することが多くなっています。この事例からも、上流部から下流部への土砂の移動は行われていることが理解できると思います。
Re: (スコア:0)
侵食される量>>>>>>供給される量、という現状なのではないでしょうか。
--
ダムに溜まってる砂は本来、川岸や海岸に"供給"されるはずだったものなのでは…?
Re: (スコア:0)
まったく違いますね。
自然の雄大な時間軸によるものでは無く、結局は人間が手を加えたことによる結果だからです。
関東圏で深刻な場所と言えば、九十九里浜です。
数年前から危機が叫ばれていますが、まだ根本的な解決策が見つかっていません。
堤防を作ることで砂浜の浸食を食い止めようとしていますが、
堤防を作ることでむしろ浸食が進んでいる指摘もあり、改善には向かっていないのが現状です。
海水浴場が激減。九十九里浜から砂浜がなくなっていってる…
http://matome.naver.jp/odai/2140607891718928001 [naver.jp]
Re: (スコア:0)
>世界の砂浜の75~90%が消失の危機
までの大きな影響が引き起こされているのでしょうか。
にわかには信じがたいのですけれど。
Re:新しい砂は? (スコア:1)
The New York Timesの元記事では、そこは「温暖化の影響で将来そうなりうる」という文脈なので、現時点で問題化している九十九里とかとはちょっと違いますね。
2100年頃にはそうなっててもおかしくない、というのがIPCCの見解です。
以下の記事では、現在までと将来の双方について解説されてます。
視点・論点 「消えゆく砂浜」 [nhk.or.jp]
日本の砂浜とIPCCが採り上げている問題とは別物 (スコア:1)
Jubilee
Re: (スコア:0)
九州の芦屋海水浴場や九十九里でも片貝漁港周辺は堆積がひどいらしいですね。
港湾や河口で浚渫しているのを見ると,自然環境でインフラを維持するのは大変だなと思わされます。
Re: (スコア:0)
局地的な例外はあるでしょうが、基本、海は広いんだから、沖合に拡散してしまう量の方が、再び海岸に押し寄せる量より多いのが一般的でしょう。