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ビッグバン直後に宇宙が崩壊しなかった理由は「未知の物理」ではなく重力?」記事へのコメント

  • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2014年11月21日 17時10分 (#2715294) 日記

    正直ちゃんと読めてないんで怪しいところではありますが

    ・現在の真空は,初期宇宙の真空(エネルギーが高い,偽の真空)が自発的な対称性の破れによる相転移を起こした結果.
    ・この相転移の結果,偽の真空よりエネルギーが低くなっている(偽の真空の状態に戻るには,ある障壁を超えるエネルギーが必要).
    ・この障壁の高さは,ヒッグス粒子の質量などから計算可能.
    ・先日のBICEP2による結果(原始重力波っぽいものの検出)が正しいとすると,インフレーションを起こすインフラトン場の量子揺らぎの大きさが見積れる.
    ・見積ると,インフラトン場の揺らぎから生じるエネルギーは前述の障壁を超えてしまうほど大きい.
    ・ということは,インフラトン場の揺らぎによって今の真空は破壊され,元の状態に戻ったりまた相転移したりを繰り返しちゃうんじゃないの?

    という問題があるようです(多分).で,これを解決するのにヒッグス側の特徴をいじったり,もっと高度な理論(例えば超弦理論など,標準模型を超える理論)でいろいろ計算してみたり,未知の過程を考えたり,いろいろやり方はある,と.
    で,ヒッグス粒子の自己相互作用項(自分自身と相互作用することで質量等に補正がかかる)は空間の曲がり方で影響を受ける.ということは重力による空間の歪みを考えないと,ヒッグスが絡む現象はちゃんと考えられないよね?というわけで今回重力による空間のゆがみを取り入れて(1ループレベルで)計算しました,と.
    その結果,現在の真空を壊すのに要する障壁の高さが格段に高くなって,(BICEP2の結果が正しいとしていくつかの過程から見積った)インフラトン場の揺らぎ程度では壊れなくなるよ(=今の真空が安定になるよ),ってこと……のような気がします.
    #ただし,「もっと高次の摂動まで入れると結果変わる可能性は否定できないよ(たぶん大丈夫だと思うけど)」とも書いてありますが.

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