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ガスクロとかで何からできているかは機械的に判るもんだと思っていましたが・・・それだとコカ・コーラなんかとっくに解明されているか
最終物における物質の種類・割合(ガスクロとかの分析で分かる)と製造時の原料・製法(=レシピ)とはまた別の話で、コーラとかで秘匿されてるとされるのはレシピです。最終物が化学式アレとコレとソレでできてると分かっても、原料としてどこ産のなんてスパイス使ったのかが分かるわけではないのです。
例えば競合ラーメン屋のスープを入手して分析して、「ナントカペンタドデカンが○%、ウントカ酸スントカリウムが□%入ってるよ!」とか言われても、同じスープを再現はできないのです。
ガスクロだと複数成分の分離と定量までで、そこからどんな分子であるかっていうのは分からない。質量分析も組み合わせたGC-MSを使えば分子の質量数が分かる。でも質量数だけ分かってもそれだけでは情報が絞り込めない。仮定の話として「質量数2の原子が5つの分子」と「質量数4の原子が2つと質量数2の原子が1つの分子」というのは同じ質量数だから、この段階では分子の候補はいくつもある。
質量分析では分子をイオン化して加速するので分子が壊れたシグナルも出てくる。分子の構造により壊れ具合が違うのでそこから構造についての取っ掛かりが得られる。あとはIRやNMRで得られる構造情報を組み合わせて分子を特定するという手順。それと分子の結晶が得られればX線構造解析という手法も使える。分離だけでも物質によって機械のパーツを換えたりする必要があるから、未知物質だと結構熟練とか感が必要になってくる。
タレコミソース読むと、臭いの強さに関してはgas chromatography-olfactometry (GC-O)ってのを使ってるのかな?調べてみると人間の鼻を検出器として使うとかなんとか。におい嗅ぎGC/GCMSシステム [shimadzu.co.jp]におい嗅ぎシステム Sniffer 9000 [alpha-mos.co.jp]測る人、大変そう…。ここは機械化できないんだろうか?
匂い嗅ぎ分析は、おおざっぱに言えばGCの燃焼部が二股になってて、ピークが現れたとき、どのような匂いがするのかを調べるもの。経験的には、理論上ガスクロで分離を行うと、AとBのピークは繰り返しテストを行っても、前後がいれかわることはないんだけど、実際は前後しちゃうことがままある。そこで、匂い嗅ぎ分析を含めると、より同定の精度があがることになる。
計る人の自動化について、もしかすると九大あたりがやってる匂いの定量化ってのが絡んでくるかも。でも、人間がどういう匂いととらえるかの機械化は、少なくとも今のところはできないと思う。二十年くらい前という大昔の話だけど、確かお茶の水でコーヒーの匂い分析やってたけど、完全に人間に依存してた。まさに、匂い嗅ぎ分析は官能分析の1つというわけだ。
臭気判定士 [wikipedia.org]って資格があるのは知ってたけど、人が臭いを嗅いで調べるってのはまだまだ需要があるんですね。臭いのバイオセンサーが実用的になれば代替えできそうな予感。
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分析ってむつかしいのね (スコア:0)
ガスクロとかで何からできているかは機械的に判るもんだと思っていましたが
・・・それだとコカ・コーラなんかとっくに解明されているか
Re:分析ってむつかしいのね (スコア:2, 興味深い)
最終物における物質の種類・割合(ガスクロとかの分析で分かる)と製造時の原料・製法(=レシピ)とはまた別の話で、コーラとかで秘匿されてるとされるのはレシピです。
最終物が化学式アレとコレとソレでできてると分かっても、原料としてどこ産のなんてスパイス使ったのかが分かるわけではないのです。
例えば競合ラーメン屋のスープを入手して分析して、
「ナントカペンタドデカンが○%、ウントカ酸スントカリウムが□%入ってるよ!」
とか言われても、同じスープを再現はできないのです。
Re:分析ってむつかしいのね (スコア:2, 興味深い)
ガスクロだと複数成分の分離と定量までで、そこからどんな分子であるかっていうのは分からない。
質量分析も組み合わせたGC-MSを使えば分子の質量数が分かる。でも質量数だけ分かってもそれだけでは情報が絞り込めない。
仮定の話として
「質量数2の原子が5つの分子」と「質量数4の原子が2つと質量数2の原子が1つの分子」というのは同じ質量数だから、この段階では分子の候補はいくつもある。
質量分析では分子をイオン化して加速するので分子が壊れたシグナルも出てくる。分子の構造により壊れ具合が違うのでそこから構造についての取っ掛かりが得られる。
あとはIRやNMRで得られる構造情報を組み合わせて分子を特定するという手順。それと分子の結晶が得られればX線構造解析という手法も使える。
分離だけでも物質によって機械のパーツを換えたりする必要があるから、未知物質だと結構熟練とか感が必要になってくる。
タレコミソース読むと、臭いの強さに関してはgas chromatography-olfactometry (GC-O)ってのを使ってるのかな?
調べてみると人間の鼻を検出器として使うとかなんとか。
におい嗅ぎGC/GCMSシステム [shimadzu.co.jp]
におい嗅ぎシステム Sniffer 9000 [alpha-mos.co.jp]
測る人、大変そう…。ここは機械化できないんだろうか?
Re: (スコア:0)
匂い嗅ぎ分析は、おおざっぱに言えばGCの燃焼部が二股になってて、ピークが現れたとき、どのような匂いがするのかを
調べるもの。経験的には、理論上ガスクロで分離を行うと、AとBのピークは繰り返しテストを行っても、前後がいれかわ
ることはないんだけど、実際は前後しちゃうことがままある。そこで、匂い嗅ぎ分析を含めると、より同定の精度があが
ることになる。
計る人の自動化について、もしかすると九大あたりがやってる匂いの定量化ってのが絡んでくるかも。でも、人間が
どういう匂いととらえるかの機械化は、少なくとも今のところはできないと思う。二十年くらい前という大昔の話だけど、
確かお茶の水でコーヒーの匂い分析やってたけど、完全に人間に依存してた。まさに、匂い嗅ぎ分析は官能分析の1つ
というわけだ。
Re: (スコア:0)
臭気判定士 [wikipedia.org]って資格があるのは知ってたけど、人が臭いを嗅いで調べるってのはまだまだ需要があるんですね。
臭いのバイオセンサーが実用的になれば代替えできそうな予感。