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恒星間の宇宙空間に希薄に存在する水素原子を磁気でかき集めて吸い取って加速に使うバサード・ラムジェット [wikipedia.org](Bussard ramjet)を思い出した。だんだん現実がSFに近づいていきますね
野暮ですが、だいぶ違うと思います。バサード・ラムジェットは、吸い込んだ水素を核融合の燃料として使うアイディア。なので、吸い込むのはエネルギー源であり、推進剤でもあります。恒星間の水素は思っていたよりはるかに薄いらしく、実現はかなり困難な模様。
ESAが発表したやつは"air-breathing electric thruster"なので、エネルギー源はおそらく太陽電池。吸い込んだ空気はあくまで推進剤(後ろに噴射して反動を得るためのもの)としてのみ使う。(これはこれですごいものだとは思いますが)
太陽電池とはまたひ弱な感じがするけど秒速7.8kmに達するまでどのぐらいかかるのだろう。希薄空気中を進むとなると抵抗もあるよね。
なんか勘違いしてると思われ。このシステムで7.8km/sまで加速するのではない。
まず機体を人工衛星として普通に軌道に投入する。ただしこの時、一般的な衛星より低い200km程度の軌道を与える。このような軌道では空気抵抗による減速が激しく、通常では数週間から数ヶ月で速度を失って落下してしまう。
そこで、ガススラスタや安定翼などで姿勢を安定させてから、衛星に積まれたイオンエンジンやこのイオンラムジェットエンジンを始動する。そして出力を空気抵抗による減速と一致するよう調整する。これにより衛星の寿命を、通常の数週間からエンジンが停止してから数週間へと大幅に伸ばすことができる、というわけだ。
ESAとJAXAは高層大気観測だか光学観測だか、衛星として成立させるには空気抵抗が大きすぎる高度での観測に関心があり、長年こういうのをやっている。
hylom氏の解説文がちょっと誤解を生んだようですね「秒速7.8kmほどの速度が出せる」は省略しすぎで、「衛星軌道を保てる(=地球に落下しない)秒速7.8kmほどの速度を維持できる」が適切な表現でしょう
イオンクラフト(数年前リフターとか言って少し復活した奴)の実用版、という理解でいいのかな?地上で物を浮かすには(1Gに逆らうんで)軽くせにゃアカンかったがほぼ自由落下中の衛星の軌道修正程度ならそんなに推力要らん、と。
いや、イオンクラフトは全然違います。あれは単に空気をイオン化する以外は何もしない仕組みなので。(イオン化した空気が勝手に流れるだけ)
こいつはストーリーにもある通り、由緒正しいイオンエンジン(小惑星探査機はやぶさにも搭載されていたもの)の系譜です。
推進剤(空気)を陽イオン化 ↓陽イオンを電気的に加速 ↓電極通過後、電子をぶつけて中和(陽イオンのままだと、せっかく加速したものが電極の方に戻ってきてしまうので) ↓放出
という手順を踏む電気推進エンジンです。
以前はイオノクラフトと言ってた奴?それなら空気中で放電してグリッドで加速するから全く同じだね。さらに昔からあるプラズマジェットも放電プラズマを電場加速するから原理は同じなんだが。
おっさんが空気をつかんで登り続けるイメージ
はやぶさみたいなのとは全くシチュエーションが違うけれど、これはなかなか便利なんじゃないか。少なくとも空気抵抗以上を稼げるなら低高度の衛星の寿命が飛躍的に伸びるんじゃないか。確か衛星の寿命って相当推進剤に支配されるでしょ。空気抵抗があれば高度も落ちるし。やたらとでかいけど普通の衛星に気楽に載せられるくらいになればコストダウンになりそうだ。イオンエンジンだから明日までに向き変えてとかには使えないかもしれないけど。
日本だとはやぶさのイオンエンジンの技術を使ったプロトタイプのエンジン(大気吸入型イオンエンジン)の屋内試験はやってる。まだプロトタイプで実証用のエンジンではないけど。
現在、イオンエンジンを使ったつばめ(SLATS)という衛星が超低高度での飛行試験をしてる。欧州は同種の衛星については日本より先行していたから、日本もつばめの試験結果が良ければ同じような衛星を打ち上げると思われ。
普通の衛星が飛ぶ高度では大気が希薄すぎて使えないんじゃないか
空気抵抗による抗力は空気密度に比例し、イオンエンジンの推進力も密度に比例するので大気が希薄なことは、衛星を落とさないためには問題にはならないかと。
一方、対大気速度が速いと抗力は2乗で増加し推進力が減少(または1乗未満で増加)するので公転速度の遅い高高度のほうが都合がいい。
ただ、高高度では普通のエンジンでも十分長寿命だとか太陽風のような力には結局対応しづらいとか空気推進エンジンが重すぎて打ち上げコストがかかるなどで当面のターゲットは低軌道になるんじゃないかな。
普通の衛星も超低軌道衛星も燃料搭載量に寿命が制約されるところは同じだけど、超低軌道衛星は姿勢を空力で安定させ減速をスラスタで補うのに対して、高度数千キロや数万キロの商用衛星においては姿勢や位相をスラスタで安定させている一方で空気抵抗による減速という問題をほぼ持たないので、使い道も適用方法もないと思う。
偵察衛星の運用が捗るな。撮影時には150kmぐらいまで降りてきて、終わったらエンジンふかして300kmまで戻るんだと。
領空侵犯問題になったりしないのかな。ジェットエンジンであり航空機だ! って主張する国が出てきそうだけど。軌道速度でかっ飛んでれば言い逃れできそうだけどもね…。
領空は高度100kmまで
宇宙船の窓開けると入ってきちゃうんでしょ?
真空でも泳げるんだから推進剤に使えないわけがない。
#わしが宇宙飛行士江田島平八である!
あれは宇宙船幽霊の柄杓でしか汲み取れないから
EMドライブとか、今はどうなってるんでしょうね。あれは、真空をおしてるんだよね?
要するに電気で空気を後ろに送る画期的な装置なんだよ!! …と言うと、ただのモーター+プロペラでもできそうな話に思えるけど、環境と必要な要件が違うと難しいやつか。
第一宇宙速度かつほぼゼロ気圧だからな
低いの?高いの?
低能度が高い問いですね
うまくいけばスパイ衛星の長寿命化に最適なんで、DoDとかが欲しがると思うもちろんそれより平和利用してほしいですが。
空気の中を泳ぐ衛星・・・
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普通のやつらの下を行け -- バッドノウハウ専門家
むかしSFでみた (スコア:2)
恒星間の宇宙空間に希薄に存在する水素原子を磁気でかき集めて吸い取って加速に使うバサード・ラムジェット [wikipedia.org](Bussard ramjet)を思い出した。だんだん現実がSFに近づいていきますね
Re:むかしSFでみた (スコア:2)
Re:むかしSFでみた (スコア:1)
野暮ですが、だいぶ違うと思います。
バサード・ラムジェットは、吸い込んだ水素を核融合の燃料として使うアイディア。
なので、吸い込むのはエネルギー源であり、推進剤でもあります。
恒星間の水素は思っていたよりはるかに薄いらしく、実現はかなり困難な模様。
ESAが発表したやつは"air-breathing electric thruster"なので、エネルギー源はおそらく太陽電池。
吸い込んだ空気はあくまで推進剤(後ろに噴射して反動を得るためのもの)としてのみ使う。
(これはこれですごいものだとは思いますが)
Re: (スコア:0)
太陽電池とはまたひ弱な感じがするけど秒速7.8kmに達するまでどのぐらいかかるのだろう。希薄空気中を進むとなると抵抗もあるよね。
Re:むかしSFでみた (スコア:2, 参考になる)
なんか勘違いしてると思われ。このシステムで7.8km/sまで加速するのではない。
まず機体を人工衛星として普通に軌道に投入する。ただしこの時、一般的な衛星より低い200km程度の軌道を与える。
このような軌道では空気抵抗による減速が激しく、通常では数週間から数ヶ月で速度を失って落下してしまう。
そこで、ガススラスタや安定翼などで姿勢を安定させてから、衛星に積まれたイオンエンジンやこのイオンラムジェット
エンジンを始動する。そして出力を空気抵抗による減速と一致するよう調整する。これにより衛星の寿命を、通常の数週間から
エンジンが停止してから数週間へと大幅に伸ばすことができる、というわけだ。
ESAとJAXAは高層大気観測だか光学観測だか、衛星として成立させるには空気抵抗が大きすぎる高度での観測に関心があり、
長年こういうのをやっている。
Re: (スコア:0)
hylom氏の解説文がちょっと誤解を生んだようですね
「秒速7.8kmほどの速度が出せる」は省略しすぎで、「衛星軌道を保てる(=地球に落下しない)秒速7.8kmほどの速度を維持できる」が適切な表現でしょう
Re: (スコア:0)
イオンクラフト(数年前リフターとか言って少し復活した奴)の実用版、
という理解でいいのかな?
地上で物を浮かすには(1Gに逆らうんで)軽くせにゃアカンかったが
ほぼ自由落下中の衛星の軌道修正程度ならそんなに推力要らん、と。
Re:むかしSFでみた (スコア:1)
いや、イオンクラフトは全然違います。
あれは単に空気をイオン化する以外は何もしない仕組みなので。
(イオン化した空気が勝手に流れるだけ)
こいつはストーリーにもある通り、由緒正しいイオンエンジン(小惑星探査機はやぶさにも搭載されていたもの)の系譜です。
推進剤(空気)を陽イオン化
↓
陽イオンを電気的に加速
↓
電極通過後、電子をぶつけて中和
(陽イオンのままだと、せっかく加速したものが電極の方に戻ってきてしまうので)
↓
放出
という手順を踏む電気推進エンジンです。
Re:むかしSFでみた (スコア:1)
以前はイオノクラフトと言ってた奴?
それなら空気中で放電してグリッドで加速するから全く同じだね。
さらに昔からあるプラズマジェットも放電プラズマを電場加速するから原理は同じなんだが。
the.ACount
Re: (スコア:0)
おっさんが空気をつかんで登り続けるイメージ
低高度か (スコア:1)
はやぶさみたいなのとは全くシチュエーションが違うけれど、これはなかなか便利なんじゃないか。
少なくとも空気抵抗以上を稼げるなら低高度の衛星の寿命が飛躍的に伸びるんじゃないか。
確か衛星の寿命って相当推進剤に支配されるでしょ。空気抵抗があれば高度も落ちるし。
やたらとでかいけど普通の衛星に気楽に載せられるくらいになればコストダウンになりそうだ。
イオンエンジンだから明日までに向き変えてとかには使えないかもしれないけど。
Re:低高度か (スコア:1)
日本だとはやぶさのイオンエンジンの技術を使ったプロトタイプのエンジン(大気吸入型イオンエンジン)の屋内試験はやってる。
まだプロトタイプで実証用のエンジンではないけど。
現在、イオンエンジンを使ったつばめ(SLATS)という衛星が超低高度での飛行試験をしてる。
欧州は同種の衛星については日本より先行していたから、日本もつばめの試験結果が良ければ同じような衛星を打ち上げると思われ。
Re: (スコア:0)
普通の衛星が飛ぶ高度では大気が希薄すぎて使えないんじゃないか
Re: (スコア:0)
空気抵抗による抗力は空気密度に比例し、
イオンエンジンの推進力も密度に比例するので
大気が希薄なことは、衛星を落とさないためには問題にはならないかと。
一方、対大気速度が速いと抗力は2乗で増加し推進力が減少(または1乗未満で増加)するので
公転速度の遅い高高度のほうが都合がいい。
ただ、高高度では普通のエンジンでも十分長寿命だとか
太陽風のような力には結局対応しづらいとか
空気推進エンジンが重すぎて打ち上げコストがかかるなどで
当面のターゲットは低軌道になるんじゃないかな。
Re:低高度か (スコア:1)
Re: (スコア:0)
普通の衛星も超低軌道衛星も燃料搭載量に寿命が制約されるところは同じだけど、超低軌道衛星は姿勢を空力で安定させ
減速をスラスタで補うのに対して、高度数千キロや数万キロの商用衛星においては姿勢や位相をスラスタで安定させている一方で
空気抵抗による減速という問題をほぼ持たないので、使い道も適用方法もないと思う。
Re: (スコア:0)
偵察衛星の運用が捗るな。撮影時には150kmぐらいまで降りてきて、終わったらエンジンふかして300kmまで戻るんだと。
Re: (スコア:0)
領空侵犯問題になったりしないのかな。
ジェットエンジンであり航空機だ! って主張する国が出てきそうだけど。
軌道速度でかっ飛んでれば言い逃れできそうだけどもね…。
Re: (スコア:0)
領空は高度100kmまで
何故宇宙に満ちている真空を活用しないのか (スコア:0)
宇宙船の窓開けると入ってきちゃうんでしょ?
むかしジャンプで見た (スコア:0)
真空でも泳げるんだから推進剤に使えないわけがない。
#わしが宇宙飛行士江田島平八である!
Re: (スコア:0)
あれは宇宙船幽霊の柄杓でしか汲み取れないから
Re: (スコア:0)
EMドライブとか、今はどうなってるんでしょうね。
あれは、真空をおしてるんだよね?
スペースドローン (スコア:0)
要するに電気で空気を後ろに送る画期的な装置なんだよ!! …と言うと、ただのモーター+プロペラでもできそうな話に思えるけど、環境と必要な要件が違うと難しいやつか。
Re: (スコア:0)
第一宇宙速度かつほぼゼロ気圧だからな
低高度 (スコア:0)
低いの?高いの?
Re: (スコア:0)
低能度が高い問いですね
低高度に一番関心があるのは軍事衛星 (スコア:0)
うまくいけばスパイ衛星の長寿命化に最適なんで、DoDとかが欲しがると思う
もちろんそれより平和利用してほしいですが。
空気の中を泳ぐ衛星・・・