エアバス、飛行中に翼の先端を跳ね上げることが可能な航空機のスケールモデルで試験飛行に成功 54
柔軟 部門より
翼の可動部分にはエアバスが開発した半空力弾性ヒンジが用いられており、突風や乱気流の影響を受けにくくしつつ、抗力や翼全体の重さを減少させることが可能だという。先端を跳ね上げ可能な翼は軍用機で格納時のスペース確保のために用いられているが、飛行中自由に先端を上下させることが可能な翼はこれまでなかったそうだ。
翼の構造は状況に応じてロック/アンロックされるアホウドリ(albatross)の翼をヒントにしたもので、A321をベースにしたデモ機はAlbatrossOneと名付けられている。突風に柔軟な反応が可能になれば負荷が減少するため、より軽く、より長い翼を作ることが可能となり、翼を長くすれば抗力が減少する。これにより、燃料効率の向上も期待できるとのこと。
AlbatrossOneは英国・フィルトンでエアバスのエンジニアにより20か月かけて開発された。フィルトンで開発された航空機としてはコンコルド以来だという。2月に行われた試験飛行では翼の先端をロックした状態と完全にアンロックした状態での安定性が確認された。エアバスではさらなるテストを重ねたうえでデモ機をスケールアップしていく計画で、次の段階としては飛行中にロック/アンロックを切り替えて2つのモードをテストするとのことだ。