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14180799 story
JAXA

小惑星リュウグウ、一時は太陽に接近した軌道にあったという研究成果 10

ストーリー by headless
接近 部門より
小惑星リュウグウは一時、太陽に接近した軌道にあったと考えられるそうだ(JAXAのプレスリリース論文Ars Technicaの記事)。

2019年2月22日に小惑星探査機はやぶさ2がリュウグウ表面への1回目のタッチダウンを行った際に取得した高解像度映像から、タッチダウン時に大量の赤黒い微粒子が舞い上がったことが判明している。赤黒い物質はリュウグウ表層数メートルの厚さで全球的に存在するが、リュウグウ表面の色は中緯度で赤黒く、両極と赤道付近では青白いことが観測によりわかっている。また、層序学的に古いクレーターの内部は赤黒く、新しいクレーターの内部は青白い。

これは古いクレーターができる前にリュウグウ表面を赤化させるイベントがあり、内部が青白いクレーターは赤化が終わった(または進行が遅くなった)後でできたことを示す。赤化はリュウグウが太陽に近付いて表面の岩石が変成したことが原因とみられ、赤黒い微粒子はその後の風化や衝撃で赤化した岩石が粉砕されてできたようだ。リュウグウ表面の色の違いは、赤黒い微粒子が地形学的に低い中緯度付近に流れ込んだことによるものとみられる。

これらのことから赤化は過去の短期間に発生したものであり、一時はリュウグウが太陽に接近する軌道をとっていたと考えられる。青白いクレーターの数密度から推定すると、表面赤化の年代は30万年前~800万年前とのことだ。タッチダウン地点表面には赤黒い物質と青白い物質の両方が存在することから、はやぶさ2が変成前後の物質を両方採取したことが期待される。
14179314 story
ニュース

英国では新型コロナ感染拡大の影響で科学者の発言を重視する傾向が強まる 121

ストーリー by hylom
日本はどうでしょう 部門より

taraiok曰く、

英国では、新型コロナウイルス(COVID-19)への感染拡大やそれに関するデマの広がりを受け、科学者や健康に関する専門家への信頼が高まっているという(The GuardianSlashdot)。

Open Knowledge Foundationによる世論調査によれば、有権者の64%が科学者や研究者、専門家の助言に耳を傾けるとし、逆に否定的な人はたった5%に過ぎなかった。また、51%がFacebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアで「次世代携帯通信網(5G)がコロナウイルスの感染を加速させている」といった偽ニュースを見たとの結果も出ている。

また、有権者の過半数(59%)は、ロックダウンの解除や社会的距離のルールを変更する時期について、政府が正しい決定を下すと信頼している。一方で35%は政府を信用していないと答え、分からないと答えたのはわずか6%だったという。

国民の多くは信頼できる科学的データへのアクセスを望んでおり、情報を制限することには否定的との結果も見られたという。たとえば有権者の67%が、Covid-19の関連ワクチンの調査結果について無償で公開すべきだと答えている。また97%は政府機関などがポリシーを通知するために使用している非機密データを公開するべきであるとし、95%は原則としてデータを常に公開しておくべきであると回答したとしている。

14178604 story
アメリカ合衆国

米国に外来種のオオスズメバチが上陸、養蜂家や蜂による受粉を行う農家は警戒 67

ストーリー by hylom
虐殺したスズメバチで餌を作るというのがすごい 部門より

日本では強毒を持つ外来種のアリ「ヒアリ」の上陸が話題になったが、米国ではオオスズメバチ(Asian giant hornet)の上陸が問題になっているそうだ(New York TimesCNN.co.jpNational Geobraphic)。

オオスズメバチは日本を含むアジアに広く分布する蜂の一種で、強力な毒を持ち、さらに別の蜂の巣を襲撃して餌とするなど、攻撃性も高いことが知られている。このオオスズメバチは本来北米には生息していなかったが、最近米国で確認されるようになり、養蜂家が管理しているミツバチの巣を襲って被害を与えるケースも報告されてるそうだ。北米への侵入経路については分かっていないが、ソーシャルメディアで「殺人バチ」などとして取引されていることが確認されているという。

また、アジアに分布するトウヨウミツバチ(ニホンミツバチを含む)はオオスズメバチに対し「蜂球」と呼ばれる対抗手段を持っているが、セイヨウミツバチはこうした手段を持っていないため、特にオオスズメバチの侵入によって大きな被害を受けているという。

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医療

フランス国内でのCOVID-19感染、昨年12月には始まっていた可能性 105

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一号 部門より
90 曰く、

フランスにおけるCOVID-19の流行は2020年1月から始まったと考えられているが、2019年12月にパリ北部の病院の入院患者から採取して保存していた検体をRT-PCR法で検査したところ、COVID-19の感染が分かったという。COVID-19の流行は考えられていたより前から始まっていたようだ(論文)。

検査はインフルエンザ様疾患(ILI)の症状を訴えて入院した患者58人のうち、14人分のサンプルを対象に行われた。今回の検査でSARS-CoV-2陽性と判定された男性は昨年12月27日、4日前から始まったILIの症状が次第に悪化したため救急外来を受診。男性の症状が出る前に彼の子供の1人もILIの症状を呈していたそうだ。男性はアルジェリア出身だが長年フランスに住んでおり、直近の渡航歴は2019年8月にアルジェリアへ行ったのが最後だという。さらに、男性は中国との関係もないことから、フランス国内での感染とみられるとのことだ。

14177093 story
火星

NASA、火星ヘリコプターの名前を「Ingenuity」に決定 19

ストーリー by headless
決定 部門より
NASAは4月29日、火星での動力飛行デモを計画しているヘリコプターの正式な名前が「Ingenuity」に決まったことを発表した(プレスリリースGeekWireの記事Mashableの記事動画)。

NASAは新火星探査車の名前を決めるエッセイコンテスト「Mars 2020 Rover Naming Contest」を昨夏実施し、28,000件以上の応募の中から3月に「Perseverance」を選んでいる。しかし、Perseveranceを提案したAlexander Mather氏のエッセイ以外にも優れたものが数多くあり、その中から火星ヘリコプターの名前を選ぶことになったという。Ingenuityはアラバマ州の高校生、Vaneeza Rupani氏が提案したもので、エッセイコンテストのファイナリストにも残っていた。Rupani氏はエッセイの中で「Ingenuity(優れた想像力)は人々の素晴らしい達成を可能にし、我々の地平線を宇宙の端まで広げることを可能にする」と述べている。

IngenuityはPerseveranceの腹面に取り付けられて火星に向かい、火星着陸から数か月後に時機を見て展開される。飛行前のチェックを行う間、寒い火星の夜を耐えることができれば実際にデモ飛行が行われるとのこと。太陽電池パネルを搭載するIngenuityの重量は約2 kg。デモ飛行が成功すれば、地球以外の惑星で動力飛行する初の航空機となり、将来の火星探査では次世代機が探査可能な範囲を大きく拡大することになる。
14177091 story
医療

COVID-19に関する緊急事態宣言の措置期間、全都道府県で5月31日まで延長 216

ストーリー by headless
延長 部門より
安倍晋三首相は4日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する緊急事態宣言の措置期間を5月31日まで延長することを発表した(首相官邸のニュース記事記者会見動画)。

同日開催された専門家会議では、国内の感染状況には緊急事態宣言の成果が現れているものの、毎日の新規感染者はかなりの数に上り、感染者の減少も十分なレベルに達していないことから、当面は現在の取り組みを続ける必要があるとの見解に達したという。措置期間延長は専門家会議の意見を踏まえたもので、現在と同じ全都道府県が対象となる。

ただし、5月14日を目途に状況を再評価し、可能であれば31日を待たずに緊急事態を解除する計画とのこと。13の特定警戒都道府県にはこれまでと同じ取り組みの継続を求める一方、それ以外の県では感染拡大の防止と社会経済活動を両立させる取り組みを求めている。

首相はこれからの1か月を緊急事態を収束するための期間と位置付けたうえで、緊急事態終了後もウイルスの存在を前提として「3つの密」を避けるといった「コロナの時代」の生活様式を続けていく必要があるとの考えを示した。
14176043 story
Ximian

ゴリラの群れに潜入したロボットゴリラ、ゴリラが鼻歌を歌いながら食事をする様子の撮影に成功 36

ストーリー by headless
仲間 部門より
英BBC/米PBSのテレビ番組「Spy in the Wild 2」でロボットゴリラが野生のマウンテンゴリラの群れに潜入し、食事中に出す鼻歌のような声や、放屁の音を録音することに成功した(Live Scicenceの記事The Science Timesの記事The Sunの記事動画)。

Spy in the Wild 2は野生動物に似せて作ったロボットを用い、人間のカメラマンでは撮影不可能な至近距離から野生動物の撮影を可能にするネイチャードキュメンタリー「Spy in the Wild」の第2シーズンだ。国内では現在、第1シーズンが「リラックス・アニマルズ ~魔法のカメラが映す素顔~」としてHuluで提供されている。

子供サイズのロボットゴリラは興味津々ながら警戒する群れの仲間たちに取り囲まれていたが、ボスゴリラの許可が出て群れに残れることになった。ゴリラが食べ物に関連して声を出すことは以前から知られていたものの、実際に野生のマウンテンゴリラが食事中に鼻歌のような声を出す様子が撮影されたのは初めてだという。このエピソードは1月に英国で放送されており、PBSは該当部分の動画を2週間前にYouTubeで公開しているが、4月29日に米国で第2シーズンの放送が始まったため英国でも再び話題になっているようだ。英Daily Mailは1月にゴリラの歌声を紹介していたにも関わらず、今回再び取り上げている。
14175533 story
宇宙

SpaceX、衛星コンステレーションが天体観測に及ぼす影響を低減するため日よけ付き衛星を開発 25

ストーリー by headless
反射 部門より
SpaceXは同社の衛星コンステレーションが天体観測に及ぼす影響を低減するため、日よけ付きの人工衛星「VisorSat」を開発したそうだ(SpaceXのニュース記事SlashGearの記事SpaceNewsの記事GeekWireの記事)。

SpaceXの衛星コンステレーションは地球低軌道からブロードバンドサービス「Starlink」を提供するためのもので、既に400基以上のStarlink衛星が打ち上げられている。しかし、Starlink衛星は日の出前と日没後に太陽の光を受けて明るく輝くことから、天体観測への影響が指摘されている。

SpaceXでは反射を低減するため、地球に向けられるアンテナ部分を黒く塗装した「DarkSat」衛星を開発して1月に打ち上げている。DarkSatは運用軌道上で従来機よりも55%暗くなり、肉眼では見えない程度になったという。しかし、黒い表面には衛星の温度を上昇させるという問題があり、反射を完全に防ぐこともできないため、VisorSatの開発へ移行したとのこと。VisorSatは電波を透過する素材で作られた日よけを装備しており、運用軌道上で展開する。これにより衛星本体の温度を上昇させることなく、反射を防ぐことが可能になる。VisorSatのプロトタイプは5月に打ち上げ予定で、6月以降に打ち上げるStarlink衛星はすべて日よけを装備する計画とのことだ。

なお、Starlink衛星のフライトは(1)軌道上昇、(2)高度380 kmの待機軌道、(3)高度550 kmの運用軌道、という3つの段階がある。運用軌道では太陽電池パネルが「鮫の背びれ」のように衛星本体の上に立った状態になるが、軌道上昇中は衛星本体の前に太陽電池パネルが並ぶ「開いた本」のような状態になる。これにより軌道上昇中は太陽電池パネル部分の反射も問題になるため、SpaceXでは全体を傾けて太陽光が縁にだけ当たるようにする運用もテストしているとのことだ。
14175374 story
宇宙

NASA、核がばらばらになった彗星C/2019 Y4(ATLAS)の映像を公開 18

ストーリー by headless
崩壊 部門より
NASAは4月29日、核が崩壊してばらばらになった彗星C/2019 Y4(ATLAS)の映像を公開した(NASAのニュース記事The Registerの記事SlashGearの記事Science Dailyの記事)。

映像は4月20日と23日にハブル宇宙望遠鏡が撮影したもので、前者は30個の、後者は25個の断片が確認できる。20日と23日の間に外観が大きく変わっており、それぞれの断片を特定することは難しいが、断片は小さいものでもそれぞれ家ぐらいの大きさだという。

昨年12月に発見されたATLAS彗星は5月23日に地球へ再接近し、5月31日には近日点に達することから相当な明るさになることが期待されていた。しかし、3月末から光度が低下して核崩壊の可能性が指摘されており、4月11日にはアマチュア天文学者José De Queiroz氏が3つの断片に分かれたATLAS彗星の撮影に成功していた。

核の崩壊は彗星消滅の主な原因とも考えられているが事前の予想は難しく、今回のように数多くの断片が輝いて見える崩壊直後の映像が得られる機会は少ないようだ。核崩壊は彗星内部で昇華したガスが均一に放出されないことにより発生するなどと予想されており、今回の観測データが核崩壊の仕組みを知る手掛かりになることも期待されている。
14175372 story
日本

COVID-19に関する緊急事態宣言、措置期間を1か月程度延長へ 243

ストーリー by headless
延長 部門より
安倍晋三首相は5月1日、6日に期限を迎えるCOVID-19に関する緊急事態宣言の枠組みを1か月程度延長する方向で調整するよう、新型コロナウイルス感染症対策担当相の西村康稔氏に指示したことを明らかにした(首相官邸のニュース記事)。

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では緊急事態宣言の下、国民の協力により国内での爆発的な感染拡大を防ぐことができていると評価。その一方で感染者が累積で1万人を大きく上回り、医療現場は依然として厳しい状態にあることから、引き続き国民の協力が必要との見解を示したとのこと。措置期間延長はこの報告を受けたものだ。最終的な内容は専門家による各地域の感染状況等の検討結果を受けて5月4日に決定し、改めて発表するとのことだ。
14174914 story
アメリカ合衆国

米宇宙軍にサテライトジャマーが配備される 36

ストーリー by hylom
SFっぽい 部門より

Anonymous Coward曰く、

2019年12月に発足した米宇宙軍に、同軍初となる攻撃兵器・サテライトジャマーが配備された(Interesting EngineeringGIGAZINESlashdot)。

このサテライトジャマー(正式名称はCounter Communications Systems、CCS)は、対象とする人工衛星の通信を妨害するシステムで、ターゲットを数分で無力化できるという。2004年から米軍への導入が進められており、開発・改良が続けられているという。

CCSは航空機や地上輸送車両に設置して移動できるという特徴がある。さらに今回導入されたバージョンである「Block 10.2」ではこれまでにないほど多くの周波数を対象に妨害を行えるそうだ。すでに宇宙軍には16基が引き渡し済みで、さらなる増備計画もある。

なお、今月15日はロシア軍が衛星攻撃兵器の実験を行ったとする報道があったことから、今回の米宇宙軍による衛星妨害兵器の配備発表は、ロシアを牽制する意味もあるのかもしれない。

14174764 story
ビジネス

「打ち上げを見に来る人がいるかもしれない」としてMOMO5号機の打ち上げが白紙に 81

ストーリー by hylom
まあ経済よりも人命という判断なのだろう 部門より

AC0x01曰く、

民間ロケット企業インターステラテクノロジズ (IST) は28日、5月2日~5月6日に予定されていた観測ロケット「MOMO5号機」の打ち上げを、射場のある北海道大樹町からの新型コロナウイルス感染症対策のための要請により延期することを発表した(マイナビニュースYahooニュース)。

ロケットの打ち上げは「イベント」でないため自粛要請の対象とはなっていない。打ち上げ予定日が発表されたのも4月20日で、当初の発表では大樹町と無観客での打ち上げで同意が取れていた様子である。ところが町民の一部から「無観客でも見学者が来てしまうのでは」との不安の声が上がったため、町は態度を一変。町とISTの話し合いもまとまらなかったようで、最終的に「延期しなければ打ち上げに協力しない」との厳しい要請により打ち上げ延期が決まったとのこと。

新型コロナの状況もあり、次の打ち上げがいつになるかは現状決まっていない。ISTは現状、利益を上げられる事業がMOMOしかないが、稲川社長は「一般論」と断った上で、「開発系の企業では毎月1人100万円かかると言われる。ISTは社員が40名なので、毎月4000万円が活動費として出て行くことになる」として、延期要請はベンチャー企業にとっては死活問題だと語った。またファウンダーである堀江氏も「今日すごく嫌なことされたので大樹町民やめます」とTwitterに投稿するなど、今回の延期要請はISTにとってかなり影響のある事態のようだ。

14174741 story
ニュース

楽天、開発元代表の経歴詐称問題を受けてPCR検査キットの販売を停止へ 28

ストーリー by hylom
意外なブレーキ 部門より

楽天は新型コロナウイルス向けPCR検査キットの販売を予定していたが(過去記事)、4月20日、同社がこの検査キットの販売休止を決めた。このキットを開発したGenesis Healthcare社に対し同社代表の経歴詐称疑惑が出ており、その影響を受けての決定のようだ(共同通信楽天の発表)。

Genesis Helthcare社は4月30日付で経歴詐称疑惑のあった代表が辞任することを発表しており、これを受けて楽天は「新体制下におけるコーポレート体制とコンプライアンス体制を再度、精査確認した上で、再開等の情報に関してお知らせいたします」して一時的に販売代理を見合わせるとしている。

14173979 story
ニュース

日本における新型コロナ感染拡大、海外からの帰国者が大きな感染源であることが判明 242

ストーリー by hylom
振り返り 部門より

Anonymous Coward曰く、

日本における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染は、多くの感染者を出した大型客船「ダイヤモンドプリンセス号」や中国からの訪日外国人ではなく、海外在留邦人や海外旅行者といった海外からの帰国者経由で広まったとの分析結果を国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センターが発表した朝日新聞)。

SARS-CoV-2などのウイルスの遺伝子は感染の過程で変異を繰り返すことが知られているが、感染症研究所はこれを利用し、SARS-CoV-2感染者から採取したサンプルの全遺伝子(ゲノム)情報を分析して感染者のつながりを視覚化した。その結果、1月から増加していた中国やダイヤモンドプリンセス号由来の感染は2月中までに押さえ込むことに成功していたものの、その後ヨーロッパや北米からの帰国者からの感染拡大が急増したことが確認できたという。

14173043 story
検閲

手作りマスク用の素材、フィルター効率が高いのは? 120

ストーリー by headless
効率 部門より
手作りマスク用に入手しやすい素材のエアロゾルに対するフィルター効率について、米アルゴンヌ国立研究所などの研究チームが実験結果を発表している(ニュースリリース論文Mashableの記事SlashGearの記事)。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)では症状の出ない感染者も多いことが判明し、これまで呼吸器感染性ウイルスの予防にマスクの使用を推奨していなかった米疾病予防センター(CDC)も同一世帯でない人との濃厚接触が避けられない場面で布製手作りマスクの使用を推奨している。CDCはマスクの作り方を紹介する記事で目の細かいコットンの生地を使うように説明しているが、素材によるフィルター効率についてはあまりわかっていなかった。

実験では手作りマスクによく使われるキルティング用コットン(80 TPI、縦糸と横糸の合計が1平方インチ当たり80本)のほか、より目の細かい600 TPIのコットンやキルティング生地(120 TPIのコットン2枚で中綿: コットン90%+ポリエステル5%+その他の繊維5%を挟んだもの)、フランネル(コットン65%+ポリエステル35%)、シフォン(ポリエステル90%+スパンデックス10%)、100%シルクなどの素材を使用。複数枚重ねや複数素材の組み合わせ、N95防護マスクやサージカルマスクを使用したデータも含まれる。

実験装置はエアロゾル発生装置で発生させた塩化ナトリウムのエアロゾルを混合室で空気と混ぜ、混合室の外側とをつなぐPVCパイプの混合室側にフィルター(マスク素材)を取り付けてブロワーで混合気を吹き付けるというもの。フィルターの両側で採取したエアロゾル粒子数に加え、呼吸しやすさを確認するため圧力差も測定している。混合気の流量は安静時を想定した1.2 CFM(立方フィート/分)と高活動時を想定した3.2 CFMの2段階。マスクがフィットしない状態を想定してパイプに2つの穴(直径0.635 cm)を開けた実験も行っている。
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アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家

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