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15255806 story
バグ

敬称の「Miss」を子供と決め打ちする国のプログラマー、旅客機が実際よりも1トン以上軽い設定で離陸する重大インシデントの原因に 157

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体重 部門より
英航空事故調査局(AAIB)は8日、昨年7月に英国の航空会社のフライトで発生した重大インシデントの報告書を公開した(報告書Flight Globalの記事The Vergeの記事The Registerの記事)。

インシデントは7月21日5時にバーミンガムを出発したボーイング737-8K5型機による旅客便で、チェックイン結果を踏まえて作成されるロードシートに実際より1,244kg少ない重量が記載されていたというもの。この航空会社はインシデント発生前にCOVID-19の影響で数か月運航を停止しており、その間に予約システムの更新を行った。ところが、更新を請け負ったプログラマーの国では敬称の「Miss」を子供に対して用い、成人女性に対しては「Ms」を用いる習慣があったため、「Miss」としてチェックインした成人女性(標準体重69kg)ではなく、子供(標準体重35kg)として重量を計算するプログラムになっていたそうだ。

この問題はシステム更新直後のフライトで確認されており、予約を確認して「Miss」が指定された成人女性の予約を「Ms」に手作業で置き換える解決法が2つのチームで共有されていた。地上スタッフにはチェックインカウンターやゲートで大人かどうかを確認するよう勧告されていたが、オペレーションズマニュアルには追加されてはいなかった。一方、プログラマーは大人の未チェックインの予約について「Miss」を「Ms」に自動で置き換える機能を実装したが、既に「Miss」としてチェックインしている場合には対応していなかったという。

しかし、週末には2つのチームが作業を行わなかったうえ、同便はフライト24時間前の7月20日(月曜日)にはオンラインチェックインが可能になった。そのため、同便のフライトプランでは29人だった子供の乗客がロードシートでは38人に増え、実際よりも1,244kg少ない機体重量が記載されることになる。このような差が出ることは珍しくないため、機長はロードシートを信じて離陸。その結果、離陸時の推力はわずかに小さくなったものの、運航の安全性に影響はなかったとのこと。

再発防止のため、7月24日にはより正式な確認手順が導入される。報告書にはロードシート作成のためのシステムがアップグレードされたとも記載されている。報告書に航空会社名は記載されていないが、機体記号G-TAWGはTUIエアウェイズの保有機材だ。TUIはインシデント発生を認めているが、プログラマーがどこの国の人だったかという質問には回答しなかったとのことだ。
15255777 story
火星

NASA、火星ヘリコプターの初飛行を4月14日以降に再設定 5

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計画 部門より
NASAは火星ヘリコプターIngenuityの初飛行を4月11日夜(日本時間12日午前)に実施する計画を示していたが、9日にIngenuityが送ってきたデータに基づき、14日以降に再設定したそうだ(NASA/JPLの更新情報)。

Ingenuityは飛行実験の「飛行場」となるジェゼロクレーター内の平坦で障害物のない場所火星探査車Perseveranceから降ろされ、切り離し後は最低-90℃にもなる火星の夜を自力で無事に乗り越えている。9日にはローターの高速回転テストが行われたが、テストを制御するコマンドシーケンスが監視タイマーの時間切れにより早期に終了した。この現象はフライトコンピューターのモードが「フライト前」から「フライト」への移行中に発生したという。

監視タイマーはコマンドシーケンスを監視し、問題発生の可能性をシステムに警告する。これにより想定外の問題が発生した場合に計画を中止することで、システムの安全を守る仕組みだ。ヘリコプターの状態は正常であり、地球とは完全なテレメトリーで通信している。ヘリコプターチームは診断と問題理解のためテレメトリーデータを精査中で、その後フルスピードテストの再スケジュールをするとのこと。

現在の地球と火星の距離では無線電波が届くまでに15分以上を要するため、実際の飛行はIngenuityのシステムにより自律制御される。Ingenuityはスピンアップ中に浮き上がらないようローターのブレードを調整後、初飛行時は12秒かけて2,537rpmまでスピンアップ。最終チェックが完了したらブレードのピッチを再調整して浮上を開始し、高度10フィートに達したら30秒間のホバリングを行う。その後再びジェゼロクレーター表面に降り、Perseveranceを通じて地球にデータを送信するとのことだ。
15254893 story
医療

政府、東京都・京都府・沖縄県でもCOVID-19まん延防止等重点措置の実施を決定 119

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拡大 部門より
菅義偉首相は9日、東京都・京都府・沖縄県の3都府県で新型コロナウイルス(COVID-19)まん延防止等重点措置を4月12日から実施すると発表した(首相官邸のニュース記事首相記者会見)。

まん延防止等重点措置は宮城県・大阪府・兵庫県の3府県で4月5日から5月5日まで実施されているが、東京都の措置期間は5月11日まで、京都府と沖縄県は5月5日までとなる。これら3都府県では新規感染者数が増加し、病院提供体制のひっ迫が懸念されることから措置の実施を決定したという。

指定都道府県全域が対象になる緊急事態宣言とは異なり、まん延防止等重点措置では自治体が区域と期間を指定して飲食店への営業時間短縮要請が可能で、罰則も適用できる。

東京都では23区と八王子市・立川市・武蔵野市・府中市・調布市・町田市をまん延防止等重点措置区域として20時までの営業時間短縮を要請する一方、これ以外の区域でも21時までの営業時間短縮を要請する(PDF)。

京都府は府内全域をまん延防止等重点措置の対象としつつ、京都市内では20時までの営業時間短縮、京都市外15市町村では21時までの営業時間短縮を要請する(PDF)。

沖縄県は感染急拡大を封じ込めるための緊急特別対策として営業時間短縮の要請等を既に実施しており、今回措置対象になったことに伴う発表は特に出ていない。
15253995 story
医療

鼻の中の鉛を除去すると、スギ花粉症が緩和する可能性 41

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ヘックション。うへい 部門より
スギ花粉症の症状の原因は、大気中に含まれる鉛が原因であるとする研究が発表された。福井大学と名古屋大学の共同研究グループが発表したもので、研究チームはスギ花粉が飛散期のアレルギー患者44人から採取した鼻汁の鉛濃度が、アレルギーではない57人と比べて40%以上高いことを発見したという。鼻汁に含まれる鉛の一部はスギ花粉由来である可能性があるとしている(名古屋大学[PDF]ニュースイッチ読売新聞)。

さらにアレルギー性鼻炎モデルマウスを用いた動物実験を行い、鉛濃度の増加と鼻症状の増悪の相関関係を突き止めることに成功した。研究によると、花粉症の患者は鉛が鼻腔内に残りやすい体質があるという。一方で健常者の場合、鼻汁が出ると鉛は洗い流されて外に排出されやすいとしている。花粉に付着した鉛が鼻の中に入って症状を悪化させている可能性があるとしている。
15253724 story
Java

スターバックス、再使用可能な持ち帰り用カップを貸し出す「Borrow A Cup」プログラムを米シアトル5店舗で試験的に実施 18

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実施 部門より
headless 曰く、

スターバックスが米国・シアトルの5店舗で3月30日から5月31日まで、再使用可能な持ち帰り用カップを貸し出す「Borrow A Cup」プログラムを試験的に実施しているそうだ( Starbucks Storiesの記事GeekWireの記事)。

再使用型カップは客によるカップの持ち込みとは異なり、1回使用するごとに回収して専門の業者が洗浄・消毒後に店舗へ届けられ、最大30回まで再使用される。客は1ドルのデポジットを支払うことで再使用型カップを選択でき、使用後は実施店舗の店内やドライブスルーに設置された非接触の返却キオスクで返却する。返却時にスターバックスアプリをスキャンするとデポジットはスターバックスリワードアカウントのクレジットとして返金され、10 Bonus Stars(ポイント)が付与される。自宅からの回収サービスも提供しているとのこと。

スターバックスは持ち込みカップでのドリンク購入時に値引きするサービスを1980年代から実施しているが、COVID-19パンデミックの影響で世界各地で持ち込みカップでの提供が一時見合わせられた。日本のスターバックスでは既に持ち込みカップでの提供を再開しているが、米国とカナダでは提供が再開されていないという。

スターバックスで販売されるドリンクの80%は持ち帰りとなっており、リサイクル可能な1回使い捨てカップで提供されるものの、実際にリサイクルされるのは一部にとどまるとのこと。スターバックスは昨年、2030年までに廃棄物を50%削減する目標を発表しており、Borrow A Cupプログラムは使い捨てカップの利便性を大きく損なわずに廃棄物を減らす方法として考案されたようだ。

15252734 story
お金

レジ袋有料化にコンビニオーナーらは好意的、クレーム少なく経費節減 141

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家で温めるからレンジの使用も減ってる気がする 部門より
弁護士ドットコムの記事によれば、政府が来年施行を目指す「プラスチック資源循環促進法案」によるスプーン有料化は、コンビニ側としては好意的な見方も出ているようだ(弁護士ドットコム)。

その理由としては、レジ袋の有料化による顧客からのクレームが予想外に少なかったことやレジ袋や箸、スプーンに関しては加盟店が購入し、顧客に無償提供していたためだそうだ。有料化されたことにより営業経費を削減できるとしている。この記事で取り上げているコンビニオーナー3人のうちの一人によれば、月4万円ほどの経費節減になったとしている。
15252988 story
バイオテック

コロナによる肺障害患者に世界初の生体肺移植。京都大附属病院 4

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移植 部門より
京都大学医学部附属病院は8日、新型コロナウイルス感染後に発生した重い肺障害を発生した患者に対し、生体肺移植を実施したと発表した。この患者はECMOを使用して治療を約3か月続けていたという(京都大学医学部附属病院読売新聞)。

7日に女性の夫と息子の肺の一部を移植する手術が行われ、4月8日現在、患者は集中治療室にて慎重に管理中であるとしている。読売新聞の記事によれば、女性は今後2か月で退院できる見通し。3か月で社会復帰が可能であるとしている。新型コロナウイルス感染後に起きた肺障害での肺移植は中国や欧米で行われているが、生体肺移植はこれが初めてだとしている。
15250629 story
バイオテック

細胞分裂による増殖が可能な人工生物が作り出される 40

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神様仏様 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

天然の細菌のDNAを丸々人工のものに置き換えた生物が、安定して細胞分裂できるようになったという話の様だ。人工の生命体の第一歩を超えた感じだろうか?

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科学者たちは遺伝子工学の初期段階として、正常な細胞と同じように成長や分裂を行う単細胞合成生物を開発することに成功した。科学者たちの数十年にわたるゲノム配列決定と分析の結果、誕生したこの合成生物は「JCVI-syn3A」という名称で呼ばれている。JCVI-syn3Aは、個々の遺伝子が生物の中で果たす役割を探求する目的で作成された(CellScienceAlertGIGAZINEナゾロジー)。

2010年に初めてMycoplasma mycoidesという細菌から「JCVI-syn1.0」が作られ、そこから3代目に当たる「JCVI-syn3.0」では合計473個の遺伝子を合成して作られた。この数は自然界で知られている自立した生物よりも少ない数だそうだ。細胞の成長と分裂に必要な遺伝子を厳選して選んだためだという。

しかしこのJCVI-syn3.0は細胞分裂はするものの、分裂してできた細胞が奇形化する問題が出たという。原因は遺伝子数の不足にあったようだ。研究チームは、JCVI-syn3.0に新たに19個の遺伝子を追加することことにより、分裂細胞が異常な形にならないようにし、この改良されたものがJCVI-syn3Aと名付けられた。JCVI-syn3Aは安定して細胞分裂が行われ、形態学的変化が大幅に少なくなったとしている。

研究によれば、追加された19個の遺伝子のうち、細胞分裂プロセスを規則的に実行する役割を果たしているのは7個の遺伝子だけだという。その7個中の「ftsZ」と「sepF」と呼ばれる2つの遺伝子に関しては機能の特定に成功したとしている。他の5つがどのように関与しているかについてはまだ分かっていないようだ。

15250654 story
宇宙

正常に軌道離脱しなかったFalcon 9ロケット第2段の圧力容器、燃え尽きずに農場へ落下 23

ストーリー by nagazou
落下 部門より
headless 曰く、

米ワシントン州やオレゴン州では3月25日夜、Falcon 9ロケット第2段の再突入とみられる火球ショーが観測されたのだが、アルミニウム製ライナーをカーボン繊維で包んだ圧力容器(COPV)が燃え尽きずに地上へ落下し、ワシントン州の農場で見つかったそうだ(グラント郡保安官のツイートTri-City Heraldの記事GeekWireの記事The Vergeの記事)。

この再突入についてSpaceXは何も発表していないが、3月4日のStarlinkミッションで打ち上げられたFalcon 9ロケット第2段の軌道離脱噴射が完了しなかったものとみられている。そのため、ロケット第2段は22日間地球を周回した末、通常の陸地から遠く離れた海洋上ではなく、人口の多い地域から観測可能な位置で再突入することになったようだ。

落下物を発見した農場主はロケットの一部ではないかと考えて保安官事務所に連絡。副保安官がSpaceXに連絡したところ、Falcon 9ロケットのCOPVであることが確認され、SpaceXが回収していったという。落下による被害はなかったが、地面には4~5インチのへこみができていたそうだ。現場はワシントン州中央に位置するグラント郡南西部だが、見物人やメディア、トレジャーハンターが集まることを避けたい農場主の希望により具体的な場所は公表されていない。

15249807 story
地球

米ホワイトハウス機構問題アドバイザー、バイデン政権が原子力発電をクリーンエネルギーとみなすことになるとの見解 62

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クリーンクリーン 部門より
headless 曰く、

米ホワイトハウス気候問題アドバイザーのジーナ・マッカーシー氏が1日、バイデン政権が原子力発電をクリーンエネルギーとみなすことになるとの見解を示したそうだ(E&E Newsの記事Ars Technicaの記事Bloombergの記事)。

ジョー・バイデン米大統領は2035年までにすべての電力をCO2フリーにする計画を示し、クリーンエネルギー基準(CES)の策定を進めている。マッカーシー氏によれば、CESには原子力発電の利用や二酸化炭素回収・貯留(CCS)技術への投資が組み込まれることになるという。議会では政党を問わず全体に原子力発電や二酸化炭素回収技術が支持されてきたとのことだが、原子力発電をクリーンエネルギーとみなすかどうかについては議論の的になるとみられる。また、環境保護団体などからは、CCSへの投資は化石燃料の終息を遅らせることになるとして反対の声も出ているとのこと。一方、化石燃料の完全な終息については、民主党穏健派の中にも支持しない議員が出てくる可能性も指摘されているとのことだ。

15249805 story
テクノロジー

EMドライブの推力は誤検出によるもの。ドレスデン工科大学 85

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ダメでした 部門より
donadona 曰く、

円錐状または漏斗状の密閉容器内に往復するマイクロ波を閉じ込めるだけで推力が発生するというEMドライブ。過去にNASAも「推力を検出した」と報告していたが、ドレスデン大学よりこれが熱膨張に伴う治具の位置ずれによる誤検出だと指摘する論文が3報提出された。
夢のエンジンは幻と消えるのか。

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この提出された国際テストでは、EmDrive支持者が期待していた量の推力を生み出すことはなかった。中でもドイツのドレスデン工科大学で行われたテストでは、まったく推力が発生しなかったとしている。彼らは推力が発生したとするデータは、外部の力によって説明される誤検知であるとした(Popular MechanicsResearch Gate)。

ドレスデンの科学者は「NASA​​チームによって測定されたものと同様、見かけの推力を再現することはできた。しかし、それはEmDriveに電力が流れることによってエンジンが暖まり、その結果発生する装置のゆがみによるものだ。構造の改善で誤検出は防ぐことができたと話した。Popular Mechanicsの記事では、今回の検証により、EmDriveは実質的に死んだと指摘している。

15249774 story
バイオテック

ヒトの骨格筋を製造できるブタ。ヒトとブタのキメラが誕生 48

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なぜか脳まで人間化して反乱 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

ヒト幹細胞を動物の胚に混ぜて成長させることは倫理的問題から法律で規制されているため、筋肉が作れないブタの変異胚を作成して、ここにヒトの骨格筋幹細胞を混ぜることで規制を回避したという。これにより仮に実験動物が研究室から流出しても自然界に拡散する危険性は無く、再生医療に必要な素材の生産が可能になるとのこと。

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心臓や肝臓といった臓器の移植と比べて骨格筋の移植は困難とされている。骨格筋は死亡時の劣化が早いためだという。しかし3月29日にNature Biomedical Engineeringに掲載されたミネソタ大学の研究によれば、全身の骨格筋をヒトのものに置き換えられたブタが作成されたそうだ。これにより、新鮮な骨格筋の提供が可能になったとしている。この骨格筋は患者の幹細胞をもとに作成されるため、移植による拒絶反応の心配もないとしている(Nature Biomedical Engineeringナゾロジー)。

15249779 story
医療

米CDC曰く、COVID-19ワクチン接種済みの人は米国内を安全に旅行できる 18

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goto-トラベル 部門より
headless 曰く、

米疾病予防センター(CDC)がCOVID-19パンデミック下における米国内での旅行に関するガイドラインを2日に更新し、COVID-19ワクチン完全接種済みの人は安全に旅行できるとの記述を追加した(Domestic Travel During COVID-19The Vergeの記事SlashGearの記事)。

これまでのガイドライン(Internet Archiveのスナップショット)では、旅行はCOVID-19の感染を拡大させたり感染したりする可能性を高めるとして、ワクチン完全接種済みでもできるだけ旅行しないよう勧告していた。更新版ではFDAが認可したワクチンを完全接種済みの人はCOVID-19に感染したり感染を拡大したりする可能性が低いとして、米国内で安全に旅行ができるとの説明に変更されている。

3か月以内にCOVID-19ワクチン完全接種済みの人とCOVID-19から回復した人は、目的地で義務付けられていない限り旅行の前後に検査を受ける必要がなく、自己検疫も必要ない。ただし、旅行中はマスクを着用して他人と6フィート以上の安全な距離を保ち、人込みを避ける、頻繁に手を洗うかハンドサニタイザーを使用する、旅行後はCOVID-19様の症状が出ていないか自分でチェックし、症状が出た場合には隔離と検査を行う、地元保健当局の勧告に従う、といったCDC勧告には引き続き従う必要がある。

未接種の人はできるだけ旅行しないことが推奨されるが、どうしても必要な場合は完全接種済みの人が従うべきCDC勧告の内容に加え、旅行前後の検査と旅行後7日間(検査を受ける場合)または10日間(検査を受けない場合)の自主検疫のほか、旅行後14日間は重症化リスクの高い人に近づかないこと、陽性になったら自己隔離することが必要になる。

つまり、完全接種済みの人は安全に旅行できるものの、要件としては症状が出ていない限り検査と検疫が不要になるだけで、それ以外は未接種の人と同じということのようだ。

15249505 story
日本

房総半島沖水深6,000m付近の海底に大量のプラスチックごみ 143

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チキンハンバーグ 部門より
JAMSTECの海洋プラスチック動態研究グループの調査によると、房総半島から約500km沖、水深6,000m付近の深海平原に大量のプラスチックごみが集積しているそうだ(プレスリリース論文)。

海洋に流出するプラスチックごみのうち海面に浮かぶ量は4%程度に過ぎず、深海底が最終的な集積地と考えられているが、その実態はよくわかっていなかった。海洋プラスチックごみの約半分は日本を含む東アジアや東南アジアから漏出しており、その一部は黒潮に乗って日本近海を北上する。そのため、海流が大きく渦を巻いて循環する四国沖の「黒潮・再循環域」と房総半島沖の「黒潮続流・再循環域」では、運ばれてきたプラスチックごみが渦に巻き込まれて集積・沈降し、海底に巨大なごみだまりが形成されていると予想されていたという。

今回の研究では、2019年9月に有人潜水調査船「しんかい6500」で黒潮続流・再循環域直下の深海平原を調査。目視観察および撮影した映像をもとに単位面積当たりのプラスチックごみ密度を算出したところ1平方キロメートル当たり平均4,561個と、過去に記録された深海平原におけるプラスチックごみと比べて2桁高く、海溝や海底谷といったごみが集まりやすいと考えられる窪地との比較でも高い値となっている。

見つかったプラスチックごみの8割以上はポリ袋や食品包装などの使い捨てプラスチックであり、製造年月日に昭和59年(1984年)9月と印刷されたチキンハンバーグの袋がほぼ無傷な状態で発見されるなど、水温の低い深海ではプラスチックがほとんど劣化しないことも判明。表層で沈み込むプラスチックごみは1週間以内に海底まで到達すると推定されており、地球シミュレータによるシミュレーションでは黒潮続流・再循環域の海底に沈むプラスチックごみは遠くの海底から運ばれてきたのではなく、鉛直方向に沈降したものが残留している可能性が高いという結果が出たとのこと。

今後の研究ではさらに多くのごみが集積されている可能性のある四国沖の黒潮・再循環域の海底を調査するほか、黒潮が運ぶプラスチックごみの量や海底に輸送するメカニズム、日本周辺の深海底に広がるプラスチックの存在量などを明らかにし、深海に特異的なプラスチックごみ生命圏の実体を明らかにしていく予定とのことだ。
15248668 story
パテント

訃報: 青色LED発明者の赤﨑勇氏 48

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不屈 部門より
青色LEDを発明した功績で2014年にノーベル物理学賞を受賞した赤﨑勇氏が1日、肺炎のため名古屋市の病院で逝去した。92歳だった(名城大学のニュース記事名古屋大学のお知らせ)。

赤﨑氏は1929年1月30日、鹿児島県生まれ。1952年に京都大学を卒業し、神戸工業株式会社や松下電器(現パナソニック)などを経て1981年に名古屋大学教授に就任。1992年には名城大学教授に就任している。

20世紀中には無理だと考えられていた青色LEDを「我ひとり荒れ野を行く」という不屈の精神で1989年に発明し、2014年のノーベル物理学賞を天野浩氏、中村修二氏と共同受賞した。葬儀は近親者のみで行い、供花・香典は固く辞退するとのこと。
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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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