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16614303 story
テクノロジー

名古屋大学と物材機構、エネルギー密度10倍のスゴい「キャパシター」開発 33

ストーリー by nagazou
10倍パワーとか中二病的 部門より
名古屋大学の長田実教授と物質・材料研究機構の佐々木高義フェローらは、分子レベルの厚さ(1.5〜3nm)で高い誘電率と絶縁性を備えたナノシートを開発した。この新しいナノシートは、174J/cm3~272J/cm3という世界最高クラスのエネルギー密度を達成しているという(名古屋大学発表[PDF]Nano Letters掲載論文TECH+ニュースイッチ)。

誘電体キャパシタは充電時間が数秒と短く、長寿命、高出力密度といった優れた特性を持つ。しかしエネルギー密度が低く、一度に多くのエネルギーを蓄積できない点が課題となっていた。研究チームが発見した常誘電体ペロブスカイトナノシートは、巨大分極(高誘電率化)と高耐電圧化が同時に実現するというユニークな特性があったことから、今回、蓄電キャパシタ用の誘電体として使用された。実験の結果、1立方センチメートル当たり272ジュールと、従来材料の同10~150ジュールと比べると2から10倍の密度になったとしている。これは、リチウム二次電池や電気二重層キャパシターに匹敵するものだという。
16614219 story
宇宙

NASA、HAKUTO-Rが月面に衝突した痕跡画像を公開 15

ストーリー by nagazou
バラバラ 部門より
NASAは23日、4月に月面着陸に失敗した民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション 1 のランダー (着陸機)の月面衝突と思われる痕跡画像を公開した。撮影はNASAの月周回衛星「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」によって行われたもので、撮影はHAKUTO-Rミッション1ランダーの着陸運用が行われた翌日に実施されたものだという(NASA発表sorae朝日新聞)。

着陸前後の比較画像がないと痕跡は分かりにくいが、四つの痕跡が確認されたされる。これは着陸船が月面に衝突したときにできた穴や、着陸船の破片の可能性があるとしている。NASAでも今後数か月かけてさらに分析が進められる予定とのこと。なおispaceは5月26日にHAKUTO-Rミッション1で得られたフライトデータの解析結果を公開する予定のようだ。
16613233 story
サイエンス

使用済み紙おむつを低コスト住宅の建築材料に用い、ゴミの問題と建設コストの問題を同時に解決する研究 21

ストーリー by nagazou
再利用 部門より
headless 曰く、

使用済み紙おむつをインドネシアの低コスト住宅で建築材料の複合原料に用い、ゴミの問題と建設コストの問題を同時に解決するという研究の成果を北九州市立大学の研究グループが発表している (論文Ars Technica の記事)。

インドネシアでは人口増に伴い、低コスト住宅の需要と育児に用いる使い捨て紙おむつの使用量が増加しているという。使用済み紙おむつをリサイクルする研究は既に行われており、取り出した高分子素材を複合原料として用いることで建築材料を強化できることが判明している。たとえば、コンクリートに 1% の紙おむつ素材を添加することで内部の水和反応による養生を改善し、より丈夫な素材ができる。塩素を使用すれば衛生上問題ないレベルまで消毒可能だ。

今回の研究ではインドネシアの低コスト住宅 (広さ 36m2) での使用を想定し、使用済み紙おむつを用いたコンクリートやモルタルをインドネシアの建築基準に合わせて設計した。その結果、構造部品では細骨材の 10%、非構造部品では 40% を紙おむつで置き換え可能であり、プロトタイプの住宅では紙おむつのゴミを 1 戸あたり 1.73m3 減らすことができたという。

ただし、紙おむつのリサイクルには収集・洗浄・消毒・乾燥・細断・分離といった複雑な処理が必要であり、現在のところ手掛ける企業は先進国に限られている。また、建設に関するさまざまな規則の対象は従来型の建設材料に限られており、新しい素材を使用するには法制化も必要だ。今後の研究ではこれらの問題も解決していく必要があるとのことだ。

16612482 story
宇宙

重力波の検出目指す「KAGRA」、3年ぶりの観測へ 17

ストーリー by nagazou
いよいよ稼働 部門より
「重力波」の検出を目指す大型観測施設「KAGRA」が、24日深夜から米国の施設との共同観測を開始するという。同施設はコロナ禍で機器の調整が遅れるなどの影響が出ていたが、3年ぶりに本格的な観測をスタートするという(産経新聞)。

重力波は、なるべく離れた3つ以上の地点で重力波を検出できれば、観測データの時間差から重力波が来る方向を調べることができる。観測チームを率いる東京大宇宙線研究所の梶田隆章教授は「KAGRAが東アジアの地にあるのは非常に重要だと認知されている」と述べているという。KAGRAでの本格的な観測はまだ先になるとのことだが、4週間の観測後、装置の検証や調整を実施、感度向上を目指す方針であるという。
16609406 story
ニュース

日本原子力研究開発機構、ウランテルル化物で新たな超伝導状態を発見 9

ストーリー by nagazou
超伝導 部門より
日本原子力研究開発機構は12日、トポロジカル超伝導体と呼ばれる新しいタイプの超伝導体の候補物質としてウランテルル化物(UTe2)において、新たな超伝導状態が存在することを東北大学と共同で発見したと発表した。磁場や温度を変えながら、超伝導の性質を精密に調べた結果、低磁場超伝導状態と高磁場超伝導状態との間に、両者が入り混じった新しい超伝導状態が存在することを発見したという。これらの状態を制御する方法を見出せば、量子コンピュータに向けた超伝導量子デバイスの開発につながる可能性があるとしている(日本原子力研究開発機構EE Times Japan)。
16609396 story
ニュース

日清食品グループ、乳酸菌N793株が毛髪を強化する事を確認 54

ストーリー by nagazou
また毛の話を 部門より
maia 曰く、

日清食品グループのグローバルイノベーション研究センターの研究によれば、日清食品グループが保有する「乳酸菌N793株」に"毛髪密度を高め、抜け毛を減らす効果がある" ことが確認された(ニュースリリース)。

N793株を含むローションを頭皮へ塗布すると、毛髪密度を高め、抜け毛を減らし、薄毛の主観 (毛のハリ・コシ、髪のボリューム)が改善された。毛髪の成長に必要な毛乳頭細胞を活性化させ、さらに毛髪の元となる毛母細胞の分裂を促すケラチノサイト増殖因子の産生を促進させるという。後は、製品化された時のお値段だろうか。

16609283 story
アメリカ合衆国

ニューヨーク市は高層ビルの重さのせいで毎年平均1〜2ミリずつ沈下している 54

ストーリー by nagazou
象が乗ったらダメなヤツ 部門より
米国の地質研究所の調査によれば、ニューヨーク市の地盤が毎年平均で1~2ミリ、一部の地域ではこの2倍の速度で陥没していることが分かったという。地盤沈下の一因は、計100万棟にも及ぶ高層ビル群の重さだとしている。森さやか氏によると、ニューヨーク市を象徴するエンパイアステートビルだけでも、37万トンもの重さがあるという(Earth's FutureThe GuardianYahoo!ニュース個人)。

もともとニューヨーク市は、海抜1~2メートルという低い土地に、840万人もの人たちが暮らす脆弱な環境とされる。建築物による地盤沈下は地球温暖化による海面上昇の影響を悪化させている。ニューヨーク市周辺の水位は1950年以来、約22センチほど上昇。こうした海面上昇とハリケーンの組み合わせにより、今世紀末までハリケーンによる大規模な洪水の頻度は、現在の最大4倍ほどまで頻発する可能性があるとしている。

あるAnonymous Coward 曰く、

マンハッタン島には象1億4000万頭の体重に相当する建造物が建てられているらしい

16605690 story
バイオテック

条件によって食虫化する熱帯植物、その条件が明らかに 14

ストーリー by nagazou
変異 部門より
headless 曰く、

ドイツ・ビュルツブルク大学とハノーバー大学の研究チームが熱帯植物 Triphyophyllum peltatum の食虫化条件を特定した (論文Phys.org の記事FOODBEAST の記事)。

西アフリカの熱帯地域原産の Triphyophyllum peltatum は一生のうちに 3 種類の葉を生やす。粘性の高いしずくで小さな虫をとらえて消化吸収する 2 番目の葉は特定の条件で生えると考えられていたが、栽培が難しいことからこれまでその条件を特定することはできなかった。しかし今回、ビュルツブルク大学の研究者が同大植物園での栽培に成功。ハノーバー大学では培地で多数増殖させる方法を開発し、さまざまな条件で食虫化の有無を確認することが可能となった。

その結果、養分としてリンが不足した場合にのみ食虫化することが判明した。原産地の熱帯雨林のやせた土壌で栄養不足を防ぐため、食虫性のある葉を生やすとみられる。この発見は食虫性の起源を調べるため、分子解析が有効であることを示す大きな進歩とのことだ。

16605527 story
クリスマス

住友林業 世界初、10か月間の木材宇宙曝露実験を完了、実用に足る耐久性を確認 31

ストーリー by nagazou
木材すごいな 部門より
京都大学と住友林業は12日、国際宇宙ステーション(ISS)での木材の宇宙曝露実験が完了したと発表した。この実験は2022年3月より取り組んできたもので、約10か月間の木材試験体の曝露実験ののち、2023年1月に試験体が地球に帰還したとしている(住友林業リリースfabcross for エンジニアMIT Tech Review)。

同実験で用いた試験体は、地上での各種物性実験を経て木造人工衛星「LignoSat」に用いる最終候補として選定したもので、ヤマザクラ、ホオノキ、ダケカンバの3樹種が試験された。試験体の検証の結果、温度変化が大きく強力な宇宙線が飛び交う極限の宇宙環境下でも、木材の割れ、反り、剥がれなどはなく木材の優れた耐久性を確認したとしている。

両社はこの結果を踏まえ、世界初の木造人工衛星「リグノサット(LignoSat)1号機」を2024年に打ち上げ、運用を開始する予定。なお地上で実施した各種試験の結果を踏まえ、LignoSat1号機にはホオノキを使用することに決定したという。今後は元素分析、結晶構造解析や強度試験などにより、微細構造への影響などを分析するとしている。

あるAnonymous Coward 曰く、

暴露でないなら、今までも宇宙ステーションなどの構造材・充填材に使われてたそうだから、一定の目算があったのだろう。

16601721 story
NASA

NASA、アルテミス計画の2機目の月着陸船に「Blue Moon」を選定 18

ストーリー by nagazou
選定 部門より
NASAは19日、月探査を実施する「アルテミス計画」向け月着陸船の開発企業にブルーオリジンを選定したと発表した。船名は「Blue Moon」となるという。2029年に実施予定のアルテミスVミッションで有人飛行を行い、飛行士を月の南極近くに降ろす計画。月着陸船は高さ16メートル、重さ16トンで、液体酸素と液体水素を燃料に使用、飛行士らが30日間滞在できる設計だとしている(NASA発表産経新聞AFPBB News)。

あるAnonymous Coward 曰く、

2029年予定のアルテミスVから使用されるという。月着陸船を巡っては3グループが競争の末、前回は予算の制約などからSpaceX社のStarshipのみが選定され、Blue Moonを提案するBlue Originらの陣営は法廷闘争などを繰り広げていた。

16601936 story
テクノロジー

大阪大学、iPS細胞による心筋シート移植計画の治験完了。2年以内の実用化目指す 7

ストーリー by nagazou
完了 部門より
大阪大学の研究グループは、3年前から進めているiPS細胞から作製した「心筋細胞シート」を重度の心臓病患者へ移植する治験について、計画していた治験内容がすべて完了したと発表した。この治験は大阪大学大学院医学系研究科の澤芳樹特任教授らのグループが進めていたもの。グループは2020年、虚血性心筋症の患者にiPS細胞から作製した心臓の筋肉の細胞シートを移植する治験を世界で初めて実施していた。その後予定していた8症例に対する移植も完了したという。患者の経過はいずれも順調とのことで、研究グループは2年以内の実用化を目指したいとしている(MBSNHK)。
16598320 story
ビジネス

米宇宙ベンチャー「Vast Space」が商業宇宙ステーションの打ち上げ計画を発表 13

ストーリー by headless
計画 部門より
AC0x01 曰く、

米宇宙ベンチャーの「Vast Space」は 10 日、世界初となる商業宇宙ステーション「Haven-1」を 2025 年 8 月以降に打ち上げる計画を発表した (プレスリリースマイナビニュースの記事Sorae の記事TEXAL の記事公式のイメージ動画)。

この宇宙ステーションは全長 10.1m、直径 3.8m、質量 14t ほどのもので、4 人が最大 30 日間滞在できるという。太陽電池パネルや生命維持システムなどを全て備え、モジュール 1 基だけで完結する小型のものになるようだ。宇宙旅行向けに大きなドーム状の窓や、Wi-Fi によるインターネット接続なども備えるという。人員輸送には SpaceX 社のドラゴン宇宙船を使う想定で、SpaceX 社と宇宙ステーション本体の打ち上げ並びに有人飛行ミッションについての契約を結んだとのこと。

ポスト ISS を見据えた商業宇宙ステーションは各社が計画しており、ISS をベースに構築予定の Axiom Station や、Blue Origin などが計画する Orbital Reef のほか、ノースロップ・グラマンも設計を進めている。一方で、実際に試験モジュールを打ち上げた Bigelow Aerospace は業務を停止しているとみられ、Haven-1 が計画通り打ち上げられれば世界初の商業宇宙ステーションとなるかもしれない。

Vast のロードマップによれば、まず 2023 年 ~ 2025 年に SpaceX の相乗りミッションでオービターの打ち上げ実験を行い、2025 年には Haven-1 打ち上げミッションに続いてクルーを輸送・滞在させる Vast-1 ミッションを行う。2028 年にはより大きな Starship クラスの宇宙ステーションを打ち上げ、2030 年代には長さ 100m で 40 人を収容可能な回転スティック型宇宙ステーション、2040 年代には数百人を収容可能な二重リング型宇宙ステーションを実用化する計画とのことだ。

16595301 story
医療

世界保健機関、長期的な健康状態改善を目的とした非糖質甘味料の使用を非推奨とするガイドライン 63

ストーリー by headless
非糖 部門より
世界保健機関 (WHO) は 15 日、非糖質甘味料 (NSS) を体重調整や非感染性疾患リスク低下の目的で使用すべきではないとのガイドラインを発表した (ニュースリリースガイドラインArs Technica の記事)。

新ガイドラインは NSS が長期的な体脂肪減少の利益をもたらさないことが示唆されていること、結果として 2 型糖尿病および心血管疾患などのリスクや成人の死亡率を高める、といった望ましくない影響をもたらす可能性があることを踏まえたものだという。そもそも NSS は必須の食品要素ではなく、栄養価もない。長期的に健康状態を改善するには遊離糖類を NSS に置き換えるのではなく、摂取する食品全体から甘みを減らすべきとのこと。

今回のガイドラインは糖尿病既往者を除くすべての人が対象であり、天然・人工ともにすべての非栄養甘味料が対象となる。多糖類のローカロリーシュガーや糖アルコールは糖に含まれ、NSS には含まれないとのことだ。
16591947 story
テクノロジー

脳死していない患者の死亡認定の5分後に心臓を再起動。移植用の臓器を摘出 25

ストーリー by nagazou
不合理だけど必要な手続き 部門より
一般に臓器移植の多くは、既に脳死した患者や自然死直後の患者など「ヒトとしての死」が認められている人物から行われる。しかし脳死の判定は難しく、条件に合う提供者の数は限られ、結果として移植待ちのリストに登録している人の多くは移植を受けられず亡くなっている。そこで近年「まだ脳死していない患者」から臓器を調達する「DCD(donation after circulatory death)」が注目されるようになってきているという(JTCVSThe Lancetナゾロジー)。

DCDの対象となる患者は脳死状態ではないものの、意識を取り戻す希望もないという状況を指すという。しかし法的には、患者は「生きている」と判定されるため臓器を摘出できない。そこでDCDではまず生命維持装置を停止させ、患者を死のプロセスに導き、心臓の鼓動が5分間停止した状態にもっていく。その後、臓器を取り出していた。しかし、生命維持装置の停止、患者の死亡認定、臓器の摘出、循環装置への接続など、DCDは複雑な過程を経る必要があり、救える臓器と救えない臓器が出てしまうことがあるという。

そこで既存のDCDを改良する「NRP(normothermic regional perfusion)」が登場したそうだ。NRPでは死亡認定後に移植用の臓器をすぐに摘出せず、しばらく体内にまとめて保存する方式がとられる。患者の死亡認定直後に酸素供給と血流を回復させる循環装置に繋がれ、移植用臓器の回復と維持が行われるとしている。
16591939 story
宇宙

新たに土星の衛星が62個発見される、総数145個で太陽系で最大に 34

ストーリー by nagazou
細かい定義ないのか 部門より
木星と土星は自身の強い重力の影響から多数の「衛星」を有していることが知られている。そのうちの土星で新たに62個の衛星が発見されたという。この発見で土星が抱える衛星は合計145個となり、92個の木星を抜いて太陽系で最も多くの衛星を抱える惑星となったそうだ。今回、カナダのブリティッシュコロンビア大学などの国際的研究チームが発見したものだという(ブリティッシュコロンビア大学理学部Live ScienceTechnoEdgesorae)。

研究者の間で木星と土星の衛星発見ブームでも起きているのか、2023年2月にアメリカのカーネギー研究所のチームが「木星を周回する衛星を新たに12個発見した」と報告。そのときに最多だった土星の83個を上回った。その後、冒頭のブリティッシュコロンビア大学の研究チームが「画像シフトスタック法」と呼ばれる手法を用いて土星を観測。これまでは小さすぎ、または暗すぎて発見できなかった衛星を今回、大量に発見したと発表している。

soraeの記事によると、惑星とは異なり衛星には明文化された定義が存在していないという。現状では事実上の定義として「太陽以外の天体を長期的に公転していると観測で証明された天体」が衛星と呼ばれているそうだ。

あるAnonymous Coward 曰く、

いくらなんでも一気に増えすぎでは。

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人生の大半の問題はスルー力で解決する -- スルー力研究専門家

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