
JAXAと三菱重工業、次世代ロケット向けにメタンを燃料とするエンジンの開発に着手 28
着手 部門より
日経新聞が 9 月 17 日に報じたところによると、JAXA と三菱重工業が 2030 年ごろ初飛行する H3 の次の次世代ロケット向けに、メタンを燃料とするエンジンの設計に今夏より着手しているという (日本経済新聞の記事)。
JAXA の次世代ロケットのロードマップでは燃料について既存の水素と併記する形でメタンについても記述されていたが、メタンでの開発に着手したと報じられたのはこれが初であろう。メタンはロケット燃料としては扱いやすいケロシンと、比推力の高い水素の中間的な性質を持つ。推力が高いため固体ロケットブースターが不要で、かつ煤が出ないなどロケットの再使用に向いており、近年注目が高まっている (IHI のメタンエンジン解説: PDF、東洋経済のロケット燃料の解説記事)。米 SpaceX や Blue Origin がメタンロケットの開発を進めるほか、先日は中国の民間企業が世界初のメタンロケットの打ち上げを行った。
ただ、JAXA は2009年に開発中止した GX ロケットのエンジンとして、メタンを主成分とするLNG (液化天然ガス) を使う LE-8 エンジンを IHI と開発しており、三菱重工業とのエンジン開発となっていることに SNS 上では疑問を呈する声もあるようだ。