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宇宙

ユタ州のテレスコープアレイ実験で検出された極めて高いエネルギーの宇宙線、アマテラス粒子と名付けられる 44

ストーリー by headless
oh my goddess 部門より
headless 曰く、

2021 年 5 月 27 日に検出された極めて高いエネルギーの宇宙線が「アマテラス粒子」と名付けられたそうだ (ICRR のプレスリリースAAAS のニュースリリースArs Technica の記事論文アブストラクト)。

この宇宙線は米ユタ州で稼働中の最高エネルギー宇宙線観測実験「テレスコープアレイ実験」により検出された。2008 年から続けられているテレスコープアレイ実験で最も高い 244 EeV というエネルギーを持ち、1991 年に検出された宇宙線以来の高エネルギー宇宙線となる。この宇宙線が到来した方向には発生源候補として有力な天体が存在せず、未知の天体現象やダークマターの崩壊といった標準理論を超えた新物理起源の可能性があるという。

2013 年ノーベル物理学賞の対象となったヒッグス粒子は「ゴッド粒子」と呼ばれ、1991 年にユタ州で検出された 320 EeV の宇宙線は「オーマイゴッド粒子」と呼ばれる。今回の宇宙線は発見者が日本人で現地時間明け方に検出されたこと、今後も極めて高いエネルギーを持った宇宙線の検出が期待されることから「アマテラス (天照) 粒子」と名付けたとのことだ。

本研究成果はScienceに掲載されているが、論文のページでは中身が表示されない。

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地球

アイスランドで街が噴火口になる可能性、全住民に避難勧告が出される 31

ストーリー by nagazou
街が茹で上がってる 部門より
KAMUI 曰く、

DVの記事BBCの記事に依ると、アイスランド西南部のグリンダヴィークで街の地下に溶岩が侵入し、街そのものが噴火口になる可能性から住民全員への避難勧告が出ているそうだ。

グリンダヴィークはレイキャネス半島の南岸に位置しており「世界最大の露天風呂」とも言われるブルーラグーンにもほど近い。レイキャネス半島は各地で温泉が湧出することから地熱発電所が3か所あるが、半島自体での噴火活動は過去800年起きていなかった。しかし2021年3月にファグラダルスフィヤルの噴火(6000年ぶり)が起きて以降、火山活動が活発化。2022年8月にファグラダルスフィヤルが再噴火し、2023年7月には前の噴火口より北東に位置するリトリ・フルトゥルが噴火している。現在、グリンダヴィークでは道路に亀裂が入って陥没、蒸気が上がるなどの状態になっている(CBS NewsのYouTubeチャンネル映像)。

なお、今回の避難勧告に合わせてブルーラグーンも閉鎖されているとのこと。

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バイオテック

米国でリコールされた目薬を製造するインドの工場、従業員が裸足で作業するなど不衛生な状態が確認される 43

ストーリー by nagazou
不衛生 部門より
headless 曰く、

米食品医薬品局 (FDA) では 10 月から、大手小売店ブランドの目薬数十製品に感染症の恐れがあるとして使用中止を呼び掛けているが、製品を製造するインドが工場で非常に不衛生な状態であることが調査により判明した (Ars Technica の記事報告書: PDF)。

報告書によれば製品はすべてインド・ムンバイの Kilitch Healthcare India Limited が製造しており、製造施設では床のひびやはがれた塗料、水漏れのあとなどがみられ、ほこりが積もっているという。施設内では白衣や手袋、靴カバーなどの着用が義務付けられているが、これらを着用していないだけでなく裸足で作業する従業員もみられ、管理職は靴なしでの作業を普通の習慣だと説明したそうだ。このほか、施設内で細菌の汚染が確認された場合、テスト結果を記録することなく、警告レベルよりも低くなるまで清掃とテストを繰り返すとのこと。

FDAの警告を受けて各小売店が販売を中止したこともあって 現在のところ目薬の使用による感染被害は報告されておらず、Kilitch は 13 日に自主回収を発表している。

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宇宙

Starship、2回目の軌道飛行試験でブースター分離に成功 38

ストーリー by headless
分離 部門より
SpaceX は 18 日、2 回目の Starship 軌道飛行試験ミッションを米テキサス州の Starbase で実施した (SpaceX のミッション情報The Verge の記事Ars Technica の記事Neowin の記事)。

今回の打ち上げでは Super Heavy ブースターの 33 基あるラプターエンジンすべてに点火。打ち上げから約 2 分 30 秒後、第 2 段エンジンでブースターを押し戻すホットステージ分離システムによる分離は成功した。ブースターは下降して着水する計画だったが、分離から 50 秒ほど後に爆発した。Starship は 6 基のラプターエンジンで高度およそ 150 km まで上昇したもののエンジン停止予定時刻以降はデータが送られてこず、メキシコ湾上空で自動破壊されたとみられる。

すべてが計画通りとはいかなかった今回のミッションだが、試験の成功はそこから何を学ぶかであり、SpaceX では今回の試験が Starship の信頼性向上につながると述べている。
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地球

米農務省が植物耐寒性マップを更新、園芸家は変化をすでに体感 18

ストーリー by headless
更新 部門より
米農務省 (USDA) は 15 日、2012 年以来の更新となる 2023 年版植物耐寒性マップを公開した (ニュースリリースNPR の記事)。

2023 年版マップは 1991 年から 2020 年の 30 年間における年最低気温の平均が元になっており、10 ℉ 間隔(約 5.55 ℃ 間隔)の 13 ゾーンに分割され、さらに各ゾーンは 5 ℉ 間隔で 2 つの半ゾーン (a・b) に分割される。2012 年版は 7,983 か所の観測所データを用いていたのに対し、2023 年版では 13,412 か所に増えており、アラスカのマップは解像度が大幅に向上しているとのこと。

2023 年版マップによれば、米本土は全体に 2.5 ℉ 暖かくなっており、およそ半分の地域で半ゾーン暖かい方へ移動したという。たとえばアーカンソー州中部ではゾーン 7b からゾーン 8a に移動している。このような変化を園芸家は既に体感しており、これまで育てられなかった熱帯の植物を植えることを計画する一方で、人間の活動による気候変動に懸念する声も出ているとのことだ。
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バイオテック

卵を産む哺乳類、「アッテンボロー・ミユビハリモグラ」が60年ぶりに目撃される 26

ストーリー by nagazou
目撃 部門より
英国オックスフォード大学の探検チームが、60年ぶりに絶滅したと考えられていたアッテンボロー・ミユビハリモグラの姿を発見した。アッテンボロー・ミユビハリモグラは、卵を産む珍しい哺乳類で、「ハリネズミの棘、アリクイの鼻、モグラの足」を持つという特徴としている。1960年代以来、この珍しい生物は姿を消していたが、地面に開けられた穴や痕跡が見つかっており、まだ生存している可能性があると推測されていた。そして今回、山中に設置されたカメラでその姿が確認され、60年ぶりに生存が証明されたという(カラパイア動画)。
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バイオテック

少年合唱団の歌声は、客席に女の子が居ると音質向上する 42

ストーリー by nagazou
人間なんて単純 部門より
デンマーク・オーフス大学の研究によれば、少年合唱団の歌声は客席に10代の女の子がいる場合、より輝きを増すことが分かったそうだ。曰く、16〜19歳のバス担当の少年たちの声には、声をより深く響かせる特定周波数(2500〜3000Hz)が増幅され、彼らの歌声が深みを増す傾向が見られたとのこと。また、客席の女の子の方も(自分たちの存在によって)ブーストされた少年の歌声を好んでいる可能性があるとしている(Biology Lettersナゾロジー)。

感受性テストでは男女とも、客席にいる女の子の存在によって誘発された少年たちの歌声の変化に気づいており、歌の差異を聞き分けていることが示されたという。男性の参加者は異なる条件での歌声に好みの違いを示さなかったのに対し、女性の参加者は嗜好性テストにおいてブーストされた少年の歌声の方を好む傾向が見られたとしている。この研究詳細は科学雑誌『Biology Letters』に掲載されたとしている。

あるAnonymous Coward 曰く、

職場に女の子が入ったら急にやる気出したみたいな話はありますが、もっと深い部分で生物として入っているんですかね。

情報元へのリンク

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国際宇宙ステーション

船外活動でISSの前方に漂流してしまった道具袋、地上から双眼鏡で目視可能 22

ストーリー by nagazou
きれいな星だね(道具袋) 部門より
11月2日にISSの船外活動で使用されていた道具袋が手元から離れ、宇宙空間を漂流するトラブルが起きたという。この道具袋、現在は地上から双眼鏡で観察できる程度の明るさでISSの前方を漂流しているそうだ(Riccardo RossiさんのポストTechnoEdge)。

この道具袋は修理作業中に飛行士の手から離れたもので、残りの作業では使用する予定がなく、さらにこの道具袋の軌道解析の結果、ふたたびISSに接触して何らかの障害を起こす危険性も低いとわかったため、回収不要との判断を下したという。道具袋は6等級ほどの明るさがあり、地上から肉眼でかろうじて見えるという。ISSの位置を発見した後であれば双眼鏡を使って観察することが可能としている。なお、予想では数か月後に大気圏に再突入する見込み。
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通信

Snapdragon Satellite、スマートフォンメーカーの採用がなく終了へ 16

ストーリー by nagazou
終了 部門より
headless 曰く、

Iridium は 9 日、Qualcomm から提携解消の連絡を受けたことを明らかにした (ニュースリリースCNBC の記事The Verge の記事The Register の記事)。

Iridium と Qualcomm は今年 1 月、Iridium の衛星コンステレーションを通じて地球上のあらゆる場所でメッセージの送受信を可能にするプレミアムスマートフォン向けのサービス Snapdragon Satellite を発表していた。Snapdragon Satellite は技術的に成功していたものの、スマートフォンメーカーには採用されなかったため提携解消の決定に至ったという。

Qualcomm から提携解消に関するプレスリリースは出ていないが、衛星と携帯電話の接続についてプロプライエタリなソリューションへの取り組みは打ち切るものの、標準ベースのソリューションについて Iridium と今後も協業関係を続けていくと CNBC への声明で述べている。

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地球

極めて深刻な食料不足に陥った場合、カロリーが高い作物への転換を指示できる制度を検討 75

ストーリー by nagazou
制度 部門より
農林水産省は、世界的な穀物不作や紛争による深刻な食料不足時に、国内の生産者に対し、高カロリー作物への転換を指示できる制度を検討する方針を決定した(NHK)。

食料安全保障の有識者会議で示された対応案によれば、極端な食料不足時には政府対策本部を設置し、さつまいもやコメといった高カロリー作物の生産者に対し増産を指示することが考えられている。同時に、野菜などほかの作物の生産者に対しても、高カロリー作物への転換を指示する可能性が検討されている。ただし、指示時には生産効率や栄養バランス、食生活への影響などを考慮する必要があるとしている。異論は出なかったとされ、今後は具体的な制度の検討が進められる予定としている。
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サイエンス

Nature、常温常圧近傍での超電導に関する論文を撤回 27

ストーリー by headless
撤回 部門より
Nature は 7 日、3 月に出版した窒素ドープ水素化ルテチウムにおける常温常圧近傍での超電導に関する論文を撤回した (Nature の記事The New York Times の記事Ars Technica の記事)。

今年は幻に終わった韓国の研究チームによる常温常圧の超電導物質 LK-99 が注目を集めたが、こちらの論文は昨年 9 月に Nature が撤回した常温超電導の論文と共通する研究者がかかわっていたこともあり、当初から懐疑的な見方が出ていたそうだ。

前回の論文では執筆者 9 人全員が撤回に反対したが、今回の論文は執筆者11人のうち 8 人が撤回を要請している。撤回を要請した執筆者によれば、研究に貢献した研究者として、出版された論文は研究した物質の由来や実施した実験の基準、適用したデータ処理手順を正確に反映していないのだという。両論文に執筆しているのは最終執筆者でロチェスター大学のランガ・P・ディアス氏を含む 6 人で、ディアス氏を除く 5 人が撤回要請に回った。一方、ディアス氏を含む 3 人は賛否を明らかにしていないとのこと。ただし、ディアス氏の広報担当者によれば、ディアス氏は論文に独自の編集を加えて再度 Nature に送る計画を示しているそうだ。

一方、半年前に同じ分野の論文を撤回したばかりのグループによる論文を再び掲載し、また撤回することになった Nature の方針にも疑問がわいてくる。Nature の応用科学および物理化学分野担当編集長のカール・ジーメリス氏によれば、論文は専門家によるレビューで挙げられた多数の疑問が後のリビジョンで解決されていくものであり、これがピアレビューの仕組みだという。ただし、論文が実際に行われた研究を正確に反映しているかどうかをピアレビューで確認することはできないとのことだ。
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火星

NASAの火星探査車Curiosity、火星着陸から4千日 19

ストーリー by headless
滞在 部門より
NASA の火星探査車 Curiosity は火星滞在日数が火星時間で 4,000 日 (Sol) を超えたそうだ (NASA JPL のブログ記事)。

Curiosity が火星のゲールクレーターに着陸したのは 2012 年 8 月 5 日。11 年以上にわたってゲールクレーター内の探査を続ける Curiosity は現在、古代の火星が微生物の生命を維持できる環境であったかどうかを調べるため、高さ 5km のシャープ山を徐々に登っている。

シャープ山の地層は火星の気候変動の記録であり、Curiosity はカリフォルニア・シエラネバダの場所にちなんで名づけられたターゲット「セコイア」から 39 番目のサンプルとなる岩石の粉末を Sol 3,982 ~ 3,983 に採取し、分析のために取り込んでいる。

昨年 Curiosity が特定した硫酸塩鉱物と炭酸塩鉱物は大昔の火星の様子を理解するため大きな役に立った。このような結果は 10 年以上待ち続けていたものであり、セコイアのサンプルからさらなる情報が得られると期待される。

なお、火星は間もなく地球から見て太陽と同じ方向に位置するとなり、数週間は通信が妨げられる可能性がある。そのため、エンジニアは 11 月 6 日 ~ 28 日の to-do リストを Curiosity に渡し、安全に通信が回復できる時期を待つとのことだ。
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サイエンス

米食生活指針、超加工食品の健康リスクを警告すべきか検討中 74

ストーリー by headless
超加工 部門より
米食生活指針の 2025 年改定に向けた諮問委員会では、科学的問題の一つとして超加工食品 (ultra-processed food) の健康への影響を調査している (Ars Technica の記事The Washington Post の記事)。

多数の天然に存在しない成分を組み合わせて工業的に製造される超加工食品は健康への悪影響を示す研究成果がいくつも発表されているが、現行の米食生活指針では栄養成分にのみ注目し、加工方法は重視されていない。そのため、ジャンクフードに栄養成分を追加した超加工ジャンクフードが学校の給食にも用いられる事態となっているという。

2025 年版食生活指針諮問委員会では超加工食品について、食習慣およびライフステージを通じた特定の食習慣要素に関する小委員会で調査を行っている。超加工食品に関する科学的な問題は、食習慣における超加工食品摂取量の違いと成長や体組成、肥満リスクとの関係を特定するものだ。米国では超加工食品の健康リスクに関する警告が他国に後れを取っており、食生活指針に追加されれば初の警告となる。

しかし、食品業界ではこれに反対するロビー活動をすでに始めているという。食品業界の主張は工業的加工処理が食品の長期保存を可能にして食品ごみを減らし、無駄になる食材が減ることで価格が安くなり、新鮮な食品が不足したときの保障にもなるというものや、科学的に受け入れられる超加工食品の定義が存在しないといったものだ。

これに対しニューヨーク大学のマリオン・ネスル氏は「家庭のキッチンで作れるなら超加工食品ではない」として、その定義に何の問題もないと指摘している。ネスル氏によれば、超加工食品を一切食べるなというのは無理な話だが、食べ過ぎるべきではないとのことだ。
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地球

JAMSTEC、鳥島周辺海域の緊急調査を実施 16

ストーリー by headless
鳥島 部門より
JAMSTEC では海底広域研究船「かいめい」が 11 月 10 日 ~ 28 日に予定していた西ノ島・福徳岡ノ場・三宅島周辺を対象とする調査航海の日程を変更し、鳥島周辺海域で緊急調査を実施する (プレスリリース)。

緊急調査は鳥島近海を震源とした地震活動が 10 月 2 日以降活発したことや、地震規模から予想されるよりもはるかに大きな津波が伊豆諸島等で発生したこと、鳥島近海で軽石いかだが確認されたことを受けて実施するものだ。通常の地震との関係では説明できない大きな津波が発生したことで、海底における火山活動や地滑り等による津波励起の可能性も指摘されている。

そのため、JAMSTEC では調査航海日程を 11 月 9 日 ~ 28 日に変更し、10 日 ~ 12 日に鳥島周辺海域での緊急調査を予定している。緊急調査では鳥島 ~ 孀婦岩周辺海域でマルチビーム音響測深観測を実施して地滑り地形の痕跡など海底地形変動の有無を確認するほか、広帯域海底地震計 (BBOBS) および短周期海底地震計 (SPOBS) を設置し、軽石いかだが観測された場合は軽石の採取を試みる。

本年度内に予定している追加調査航海では今回設置した地震計の一部を回収するとともに追加設置する計画だという。これらのデータを詳細に解析し、海底地形変動の確認および震源把握を目指すとのことだ。
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娯楽

米国でカップヌードルが「電子レンジ」対応。紙容器を採用 79

ストーリー by nagazou
日本でも変わるのかね 部門より
Forbesの記事によると、アメリカ日清(Nissin Foods USA)は10月26日、2024年初めからカップヌードルのパッケージを電子レンジで温めることができる紙製容器に変更することを発表した。現行の発泡スチロール製容器が環境に対する悪影響や発がん性の懸念があるための措置であるという(Forbes JAPAN)。

新しい紙容器は40%が再生繊維で作られ、スリーブには100%再生紙が使用される。この新しいカップヌードルは電子レンジで温めることが可能となり、調理時間も2分15秒に短縮されるとしている。アメリカ日清は、この変更により2030年までにCO2排出量を30%削減する効果があるとしている。
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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