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149682 journal

y_tambeの日記: これはひどいリストですね ;-P 3

日記 by y_tambe
TarZさんの日記経由。"What's inside a cup of coffee?"(Wired記事)

随分とまたダメダメなリストだこと…以下突っ込み。
−−−
2-エチルフェノール:大して含まれてない。むしろ、グアヤコール(2-メトキシフェノール)類の方がよっぽど大事。
3,5-ジカフェオイルキナ酸:別名、イソクロロゲン酸(3,5-ジクロロゲン酸)。クロロゲン酸(≒カフェオイルキナ酸)類の中では含量は比較的少ない方。ここは素直にクロロゲン酸にしとこうよ。
ジメチルジスルフィド:これも少ない。同系統の化合物なら、むしろジメチルスルフィドやジメチルトリスルフィドの方だろうと……というより、含硫化合物を挙げるなら、2-フルフリルチオールを挙げずしてどうする。
アセチルメチルカルビノール:アセトイン。これも少(ry どうせならダイアセチル(2,3-ブタンジオン)を挙げずしてどうす(ry
プトレシン:これも(ry 含窒化合物ならピラジン類を(ry
トリゴネリン、ナイアシン:ちなみにトリゴネリン→ナイアシン→ピリジンと分解される。ピリジンの生成はかなり深煎りの段階になってから(焦げ臭や煙臭の一部)

カフェインとかキナ酸はまぁともかく、香り物質についてはもうぼろぼろ。よりにもよって、こんなものを「代表」として扱うとは何と失礼な!
※ただし、記者がコーヒー好きならば特別に許す

ちなみにコーヒーの香りについては、Coffee Flavor Chemistryという網羅的にレビューした本があって、2001年の段階で1000種類近く(生豆300種類、焙煎豆850種類、うち200種類は共通)のものが見つかってますが、この論文ではそのうち約30種類を混合すると「コーヒーらしい匂いが再現できた」としてます。

#香料関係者に話を聞く機会があったのですが、その混合物だと「60点くらいの出来」だそうですが。今度会う時は、僕も嗅がせてもらうんだ…
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by TarZ (28055) on 2009年10月05日 18時21分 (#1648855) 日記

     ストレートにクロロゲン酸挙げとけーとは思ったり思わなかったり。

    • by TarZ (28055) on 2009年10月05日 18時43分 (#1648869) 日記

      この論文ではそのうち約30種類を混合すると「コーヒーらしい匂いが再現できた」

       要約だけ見てみましたが、味や香りの「骨格」となる部分は(成分の種類的には)意外と少なくていい、というところがびっくりだったかも。もちろん、60点という点をどうみるか、にもよりそうですが。

       もっとも、微生物が絡む酒の再現は、まだまだ遠そうでしょうか。(蒸留酒ならコーヒーと同程度の難易度かな?)

      親コメント
      • 判明してる香気成分の数だけで言うと、実はワインとかよりもコーヒーの方が多いので、多分「60点くらい」の香りでよければ、他の食品でも再現可能なんだろうと思います。
        #手元に文献がないけど、紅茶で600-700種類くらい、ワインはそれよりも少なかったような…

        ただ問題は、ワインなんかで同じように数十種類の成分で再構成実験をしても、「こんなのワインじゃない」というクレームがものすごいことになって、論文の査読を通らなそうな気が (^^;
        親コメント
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