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地球の内核は地表よりも速く回転する 9

ストーリー by yosuke
余計に回っております 部門より

BBCの記事NewScientistの記事によると、イリノイ大アーバナ・シャンペーン校のXiaodong Songやコロンビア大のPaul Richardsらは、地球の内核は地殻やマントルよりも速く回転していることを確認した。論文はScienceに掲載されている。彼らは同様の主張を1996年にNatureで発表していたが、その後、否定的な研究が出されていた。
彼らは、南サンドイッチ諸島付近のほぼ同じ場所で何年かの間隔をおいて起きた地震による地震波を、アラスカで計測した結果を詳しく調べた。その結果、後で起きた地震の方が、地震波が早く到達することがわかった。これは、内核は他の部分よりも速く回転していることを説明する証拠となる。求められた内核の差動回転の速度は0.3~0.5°/年であり、約900年で他の部分と比べて1周多く回ることになる。
地球の核の回転速度、特に外核の差動回転速度はダイナモ理論による地磁気の発生にとって重要な意味を持つ。内核の差動回転速度は、境界での外核の差動回転速度となるため、今回の結果は注目される。
なお、本家でも記事になっている

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  • by Anonymous Coward on 2005年08月27日 21時18分 (#788841)
    頭の悪い私に、同じ場所で起きた地震を観測して、
    後から起きた物が先に到達することがどうして内核が地表より
    速く回転していることの証拠になるのか、説明してくれませんか?

    もしかして、「ほぼ同じ場所」といいながら、
    後から起きた地震というのが、先に起きたものより深い場所で
    発生していた、というオチ?
    • by ferrocyan (7486) on 2005年08月27日 22時21分 (#788900)
      New Scientistのページの、最後から2番目の段落に、ヒントになりそうなことを書いてありました。
      This led Song to believe that waves from the second member of the earthquake pair was travelling through a different region of the inner core than the first.
        This new region was moved into place because the inner core is rotating faster than the outer layers of the Earth, he suggests.
      思いっきり意訳してしまうと、
      地震波の到達時間の差は、対になる地震は、同じ場所で起きたのだから同じ場所を通るはずなのにもかかわらず、後から起きた方が、内核の別の(地震波の速い)部分を通ってきたために生じた。
      この「別の部分」は、内核が地表よりも短い自転周期で自転しているために、先に起こった地震と後で起こった地震の間に、地震波の通り道へ動いてきたのだ。
      ということのようです。
      内核は固体ですから、地震波速度の速い部分が、そこだけ動くとは考えられないから、内核全体が(地表に対して)動いた、といいたいのでしょうね。
      18対の地震について調べて、間隔が4年以上あいているときに到達時間の差が認められたことから、地震波速度の速い部分が動いてくるのに4年かかったと考えて、0.3~0.5°/年という数字も出したようです。
       
      でもそうすると、次の疑問が……。
      地震波速度の速い部分て、いったいどんな部分なんだろう?
      親コメント
    • 専門家でない人間の個人的な理解のレベルですが。

      もし、内核が地殻より速く回転していれば、回転方向に伝わる地震波は、逆方向に伝わる地震波より速く進むことになります。つまり、速く伝わる方向と遅く伝わる方向があります。
      また、磁極が移動を行っていることから、内核の自転軸と地軸は一致しておらず、かつ内核の自転軸は地軸に対して移動しているもの、と考えられます。
      これによって、速く伝わる方向が変化します。その変化が南サンドイッチ諸島→アラスカの方向に向いてきたので、あとから起きた地震の方が速く伝わった、ということだと思います。
      親コメント
      • Re:誰か・・・ (スコア:3, 参考になる)

        by etsav (7596) on 2005年08月28日 6時09分 (#789052) ホームページ 日記

        もし、内核が地殻より速く回転していれば、回転方向に伝わる地震波は、逆方向に伝わる地震波より速く進むことになります。つまり、速く伝わる方向と遅く伝わる方向があります。

        定性的には確かにそうなんですが。

        半径約 1,200km の内核が、 0.5°/year ≒ 2.8e-10rad/s だけ速く回転しているとして、 内核表面での相対速度が 3.4e-7km/s。 回転方向が反対の場合、 この倍の 6.8e-7km/s の違いが出る事になります。

        外核は液体で剪断波である S 波は伝播できませんので、 内核に到達できるのは P 波。 内核でのその速度を 10km/s として、 仮に 1.0rad (約 57°)分、 つまり 1,200km だけ内核を伝播すると仮定しますと、 8.2μs の時間差が発生することになりますが。

        通常の地震計の時間軸方向の分解能では、 このオーダーの到来時間差は観えないのでは……?

        # やはり『速い部分が回って経路に入ってきた』という主張かと。

        親コメント
        • 計算してませんでした。これは差が出ませんね。ご指摘ありがとうございます。
          というわけで、ちゃんと調べ直してみました。

          内核を南北に通る地震波は、赤道に平行に通る地震波に比べて4sほど早く通過することが、1980年代後半~1990年代前半にかけて発見されていたようです。この原因については、内核を構成する鉄の結晶の異方性に関係するのではないか、とか、内核上部で非対称に液状化しているからではないか、などと言われています。この速い方向(fast axis)は地軸に対して少し傾いているか、もしくは内核が地軸に対しても非対称性を持っているかしているため、東半球と西半球では速度に差が出るようです。
          内核が差動回転していれば、その部分が移動するため、数年空いた地震では到達時間に差が出る、ということのようですね。
          親コメント
          • 書き忘れてたので補足です。

            オーダーが判ればいいっていう概算でしたので、 内核内での波の伝播について、 粗い近似を使ってました。 つまり、 最初に出した回転速度差の寄与値は内核表面上の距離についてですが、 内核が等方均質とするなら波線が直線になりますので、 波の伝播は内部に入り込み、 ほんとは補正が要ります。

            # あ、でも内核が不均質で異方性があるかもって話ですよねこれ。
            # 波線ぐにゃぐにゃでスプリッティングとか、めんどくさそう……〔笑〕

            親コメント
      • 磁極の移動は関係ないか。要は、内核が差動回転しているのであれば、地軸と内核の自転軸は一致していなくてもいいし、自転軸が移動してると考えてもいいんじゃないか、ということです。磁極がそうであるように。
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        >また、磁極が移動を行っていることから、内核の自転軸と地軸は一致しておらず、かつ内核の自転軸は地軸に対して移動しているもの、と考えられます。

        これが前提とすれば、磁極の移動がもうすこしうまく説明できるようになります。内核が固体であるという(標準的な)前提からしても、それとも別という観測結果がえられましょう。

        # 第一部終了
    • by Anonymous Coward
      頭が悪いグループでここにぶら下げていただきます。

      数年の間をおいた地震ということなので追い越したということはないでしょう?
      でも、0.3-0.5度/年程度の差で数年掛けて、なおかつ地震波の差が出るような物質がそ
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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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