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反物質は「下に落ちる」?「上に落ちる」? 83

ストーリー by hylom
一般人にはもうわけ分かりません 部門より

capra 曰く、

一般相対性理論では、重力場では反物質が「下に落ちる」のではなく「上に落ちる」と解釈できる余地が十分あります。今までこれを検証するだけの反物質を作り出すことは出来ずにいました。しかし、世界最大規模の素粒子物理学の研究所である欧州原子核研究機構では、反水素の生成技術を高める研究も行っており、反物質への重力の影響を明らかにする実験の準備を進めているとのこと。実験の概念は非常に単純で、反水素原子ビームを生成し、どのように「落ちる」かを観測するというものです。(arxivblog.com記事本家記事実験概要)。

この実験結果は宇宙定数や、私達の周りには何故これ程反物質が少ないかといった難題を解明する手立てになると期待されています。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2008年06月09日 18時53分 (#1359745)
    >この実験結果は宇宙定数や、私達の周りには何故これ程反物質が少ないかといった難題を解明する手立てになると期待されています。

  • by soramade (23252) on 2008年06月09日 19時29分 (#1359778)
    宇宙開発に革命がおきます。

    大質量の反物質を地場などで通常部質と非接触に保ちつつ保持するだけで宇宙まで引っ張ってってくれますから。
    しかもその反物質は地上に同等質量の通常物質とともに戻すことができて再利用はできるは、宇宙から荷物を降ろすのに使えるはでもうロケット?軌道エレベータ?なにそれ状態。

    そうなりゃきっと反物質を大量生産する技術の開発に軍産複合体が大金を注ぐに違いない。

    いやホント、ぜひともそうなって欲しいものです。

    #でも個人的には下に落ちる気がするんですよね...
    • >宇宙開発に革命がおきます。

       「上に落ちる」のを利用できるぐらいの量を生産できるなら、素直にエネルギー源として使えば十分革命ですよ。

      マツド・サイエンティスト研究所
      研究報告1 反物質ロケット 22nd April 1998
      http://www.koalanet.ne.jp/~anoda/space/mlab01/mlab01.htm [koalanet.ne.jp]
      >4. 反物質推進を使った宇宙機システム
      > ここでは、反物質を使った宇宙機システムの例を2つ紹介する。
      >反物質推進パーソナル・ロケット
      >質量比が2では、反物質は2.3mg必要である。この程度の質量比なら、特殊な材料や構造は必要無い。構造体は「鉄」で充分である。これを反映した夢のパーソナル・ロケットのシステム構成を図10に示す。
      >このパーソナル・ロケットは、普通乗用車程度の大きさで、居住性は最悪であるものの、ちょっとした駐車場程度から離陸し、低軌道を回った後、垂直に地上に降りてくることができる。それも、空力的減速を一切使わずに!!

       また、反物質が正物質の重力に反発するとしてその力を利用しようにも、そんな量の反物質を安全に封じ込める容器がその反物質の質量を超える気がします。

       でも、ほぼ真空中の宇宙空間なら、使い物になるかも。
       例えば、100kgの反物質鉄に100kgの装置を磁力でぶら下げて、任意の高度に静止衛星(衛星…?)を置いたり。
      # kg単位の反物質なんて物騒極まりないので、地球の上空には置けそうもない。
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    • by Anonymous Coward on 2008年06月09日 21時29分 (#1359877)
      例えば1tの反物質を作るってなったら軌道エレベータのほうが安くて安全だったりしないんだろうか・・・
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2008年06月09日 21時31分 (#1359882)
      ちょっと待った!どれくらいの量でどれくらいの力が得られるのかはまだ判らないだろうけど、
      場合によっちゃちょっとした事故が起こった瞬間に、地球が消滅しない?
      素直に、微量の反物質を対消滅させてロケット飛ばした方がいいって。安全面的に。
      親コメント
    • しかもその反物質は地上に同等質量の通常物質とともに戻すことができて再利用はできるは、宇宙から荷物を降ろすのに使えるはでもうロケット?軌道エレベータ?なにそれ状態。

      反物質の安全な保持というのは大規模な仕掛けが必要な気がします。どちらかというと軌道エレベータにとって大いなる福音では無いでしょうか。

      トーラス型の反物質閉じ込め装置を貫いてそびえ立つ軌道エレベータを想像しました。必要とされる張力がずっと少なくできるとか、切れたときの安全性確保とか。反物質でエレベータを支えて(引っ張って?)いけば地上から「積み上げて」建築することだってできるかも知れません。

      # 軌道エレベータでも上りと下りの質量をバランスさせればエネルギーは極小で済みます。
      親コメント
  • by max-papa (18793) on 2008年06月09日 20時15分 (#1359815) ホームページ
    ブラックホールからは光速で反物質が吹き出してくるの?
  • by Anonymous Coward on 2008年06月09日 18時58分 (#1359753)
    こんな基礎的なこともわかってないぐらい、重力って弱い力だったんですね。

    陽電子が発見されて76年もたってるのに、重力場との相互作用が観測されてなかったとは。
    ※陽電子じゃ軽すぎか?

    低温の反物質原子作れるようになったのってごく最近だったと思うので、当然のことなのかもしれませんけど。
  • by t_mrc-ct (5292) on 2008年06月09日 19時18分 (#1359768) 日記
    仮に反物質が上に落ちるとすると、
    重力は質点から遠ざかれば遠ざかるほど弱くなるので、反物質は最初勢いよく落ち出すけど次第に加速が弱くなって、最終的には一定の速度に落ち着く事になるんでしょうか。

    何か面白い挙動になりそう、と思ったけど、人間サイズのスケールでは単に上に落ちていく様にしか見えないだろうな……。
  • by Tatenon (20311) on 2008年06月09日 19時20分 (#1359771) 日記
    もし(上に落ちる)ことが証明されると、
    『反重力びーむ』や『反重力すとーむ』が実用化される可能性があるわけですねっ!

    # や、そんなもん気軽に使ったら対消滅で周囲数km巻き込んでえらいことに
    ## 細かいことは気にするな。これは男のロマンなんだ。
    # ロマンで消滅されられたらかなわんわっ!
    • >『反重力びーむ』や『反重力すとーむ』

      攻撃対象も万有引力持ってるんで、自分より質量の大きい相手に使ったら跳ね返ってきませんかね。

      地球上で使ったら敵に当たる前に上の方へ反れて飛んで行っちゃったり。
      --
      署名スパムがウザい?アカウント作って非表示に設定すればスッキリさ。
      親コメント
  • by greentea (17971) on 2008年06月09日 19時33分 (#1359783) 日記
    上に落ちるってのは、質量がマイナスになると考えていいのだろうか。

    仮に質量がマイナスとして、飛行機を作ったらどうなるか。
    離陸: 反物質を作り出して浮上
    着陸: 対消滅させながら落下、離陸時のエネルギーは回収

    ……けど、反物質作ったら同じ量の普通の物質ができるし、結果的に
    機内の反物質の質量(の絶対値)<機内の普通の物質の質量
    となって、上がらないんだなぁ。

    永久機関作ろうと思っても、対生成で同量の質量が発生、対消滅には同量の質量が必要の
    2点を考えると、なかなかうまくいかない。

    # ところで、そうならE=mc^2 は E=|m|c^2に修正ってことでいいのかな?
    --
    1を聞いて0を知れ!
    • by baku3393 (32616) on 2008年06月09日 19時54分 (#1359797) 日記
      ちょっと待て!!

      大気中で反物質作ったら生成されたそばから大気と反応して消滅して放出されたエネルギーで爆発しないのか??
      結構危険じゃないのかなぁ。

      するってぇと、気球みたいに密閉された空間にさらに磁場か何かで正物質と触れないようにしないとならないわけで。
      その隔離フィールドを維持する電力を得るために何をエネルギー源にするのかな?

      反物質と正物質をぶつけて消滅したエネルギーから反物質を生成して磁場フィールド作って…。

      ごめん、頭が混乱してきた。

      # 鶏が先か卵が先か

      あ、反物質と正物質を反応させて得られるエネルギーを熱変換して、熱気球にすればいいんだ!
      --
      ---- ばくさん!@一応IT土方
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      • by TarZ (28055) on 2008年06月09日 20時19分 (#1359824) 日記

        大気中で反物質作ったら生成されたそばから大気と反応して消滅して放出されたエネルギーで爆発しないのか??

        もし反物質の質量がマイナスなら、爆発しないから大丈夫です。同等質量の正物質と反応してもエネルギーは開放されません。(質量の合計がゼロだから)

        また、もちろん反物質・正物質の生成時は、一義的にはエネルギーゼロで作れます。(生成するものの質量の合計がゼロだから)
        親コメント
  • 反物質とただの物質の間に斥力が発生する可能性があるなら、
    反物質同士の間にも斥力が発生する可能性があるのかな?
    だとしたら宇宙がただの物質だらけの現状も、直感的にうなずけるなぁ。

    CP対称性の破れとか言われても、あっしにゃあそういう難しい話はよくわかんねーですよ。

    • 反物質同士には引力が働いて私達の周り以外のどこかで固まってるんじゃないのか?

      たぶんどっか遠いところだよ。
      親コメント
  • はるか昔の記憶になっちゃうけど、一般相対論の前提として等価原理 [wikipedia.org]ってのがあったと思うんだけど、それと今回の仮説との整合性ってどうなんだろ?
    「上に落ちる」ってのは重力質量がマイナスになるってことですよね。一方でF=maに普通に従うとすれば、慣性質量はそのままってことになって、等価原理が成り立たなくなるってこと?
    教えて!エロい先生!
    • 元のタレコミ文から
      >一般相対性理論では、(略)「上に落ちる」と解釈できる余地が十分あります。
      となっているのに「一般相対論的にはいいのか?」と言われても…

      「弱い等価原理」には反していますが、相対論の効果を考慮しなくていい場合はニュートン力学が今でも有効なように、対象となる範囲が通常物質に限定されるだけで破綻とまではいかないかなと。

      重力質量は重力が働いた場合に観測される間接的な物理量なので、慣性質量ほど絶対的なものではなくても不思議はない気がします。
      --
      うじゃうじゃ
      親コメント
      • > >一般相対性理論では、(略)「上に落ちる」と解釈できる余地が十分あります。
        > となっているのに「一般相対論的にはいいのか?」と言われても…

        元コメントはそのタレコミ文の正当性を含めて疑問視してるのだと思いますが。

        「一般相対論では」反物質だろうが何だろうが「上に落ちる」と解釈できる余地が
        あるとは思えません。

        タレコミ文を書いた方に「どのような余地」なのか聞いてみたいですが、どうも
        本家記事の文を訳しただけみたいなので回答は期待できなさそうです。

        > 相対論の効果を考慮しなくていい場合はニュートン力学が今でも有効なように

        たとえば、物体の「加速しにくさ」が速度によって異なるとか、時間が座標系によって
        異なるなんて「解釈する余地」は「ニュートン力学には」ありません。

        ですが、そのようなことが生じたとしても即、ニュートン力学が破綻するというわけ
        でもありません。それはおっしゃるとおりです。
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    • 慣性質量=物体の外力に対する影響の受けにくさ
      重力質量=物体の重力に対する影響の(与えやすさ|受けにくさ)

      なので慣性質量は定義上、正の値です。
      重力質量も現状負の値を持つものが見つかっていないのでが暗黙に正の値が想定されています。
      等価原理の本質が

      慣性質量=|重力質量|

      であると定義し直せば何も矛盾しません。

      重力質量は必ず正であるというのは確認された事実ではないのでむしろ今からでもこう考えたほうが無難。
      --
      Youthの半分はバファリンでできています。
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      • > 慣性質量=物体の外力に対する影響の受けにくさ

        これはニュートン力学の運動法則

          f = ma の m

        を言葉で定性的に書き直したものでしょう。元の式の m が正でなければな
        らないという理由は (ニュートン力学の中には) どこにもありません。
        もちろん m が負なら

          慣性質量とは物体の外力に対する影響の受けにくさ

        とは言い難く成りますがそれは単に、この「日本語訳」が m > 0 の場合しか
        想定していないというだけのことです。

        不完全な日本語訳を根拠に「慣性質量は正」という結論を出そうとするのは、物理
        学ではなくただの言葉遊びです。

        > 慣性質量=|重力質量|
        >
        > であると定義し直せば何も矛盾しません。

        これも言葉遊びですね。そりゃ

          「そういう風に定義し直した等価原理」

        とは矛盾しません。でもそれは一般相対論の等価原理とは完全に別物です。
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        • 元の式の m が正でなければな
          らないという理由は (ニュートン力学の中には) どこにもありません。

          いいえ。どこかのコメントにありましたが、力と加速度は本来ベクトルです。
          式だけに着目して議論するならばm>0でなければならない理由は無いかもしれませんが、明らかに観測的事実に反します。

          慣性質量=|重力質量|
          は現在の等価原理を内包した拡張であるから矛盾しないのです。
          全くの別物ではありません。
          この仮定を採用しても観測的事実とは矛盾しません。

          正の重力質量しか検出されていない現在、等価原理を元にしたあらゆる予測と一致するでしょう。
          だから確かめる必要があるというのが今回のストーリーの主旨だと思うのですが、何を否定されたいのですか?

          --
          Youthの半分はバファリンでできています。
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          • > いいえ。どこかのコメントにありましたが、力と加速度は本来ベクトルです。

            もちろんそうです。したがって、m が負であるとは、力と加速度が逆方向を
            向くと言うことです。そのような物質が絶対に存在し得ないということは証
            明されたことはありません。

            > 明らかに観測的事実に反します。

            観測事実からは観測された範囲内のことしか言えないので、反しないことは明らかです。

            > 慣性質量=|重力質量|
            > は現在の等価原理を内包した拡張であるから矛盾しないのです。

            いいえ。これは (負の重力質量を持つ物質がある、という前提では) 「一般相対論における
            等価原理」と矛盾しています。

            > この仮定を採用しても観測的事実とは矛盾しません。

            「観測事実と矛盾する」かどうかは問題にしていません。

            > だから確かめる必要があるというのが今回のストーリーの主旨だと思うのですが、
            > 何を否定されたいのですか?

              一般相対論には反物質が上に落ちると解釈できる余地がある

            という主張を否定しています。

            実際に反物質が上に落ちる可能性は否定していませんし、それを確かめることの意義も
            否定していません。
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            • もちろんそうです。したがって、m が負であるとは、力と加速度が逆方向を
              向くと言うことです。そのような物質が絶対に存在し得ないということは証
              明されたことはありません。

              相対論はミクロでもマクロでも成り立つ普遍的な法則でなければなりません。
              よって、物体同志が衝突せずにすり抜けるような予測が導かれることは好ましくありません。
              まだ観測されていないというのはこの件に関しては仰るとおり(自分も投稿後に読み返して違和感はありました)ですが、経験則と一致しません。具体的にはエネルギー保存則です。

              いいえ。これは (負の重力質量を持つ物質がある、という前提では) 「一般相対論における
              等価原理」と矛盾しています。

              一般相対論には反物質が上に落ちると解釈できる余地がある

              この2点については具体的な根拠を明示して頂かなければ承伏しかねます。
              --
              Youthの半分はバファリンでできています。
              親コメント
  • 時間逆行粒子 (スコア:1, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2008年06月09日 23時09分 (#1359948)
    ホイーラー(先日亡くなられた)とファインマンの吸収体理論では反物質が時間逆行粒子だと解釈しても矛盾はないそうですが、もし重力が逆に作用すれば時間逆行の傍証にならないですかね?吸収体理論を拡張したクレーマーの交流解釈にも現実味が出てくるかも。
  • 「物質どうし」や「反物質どうし」は引力で,「物質と反物質」は斥力かも,という話だと思うのですが。素粒子って,そんなにきっちり分類できるものなんですか?

    陽子や中性子,電子が「物質」であることは間違いないので,反陽子や反中性子,陽電子は「反物質」なんでしょうね。では,そのほかの素粒子は?

    たとえば自身の反粒子であるπ0中間子なんかはどちらに分類されるのでしょうか?

    「物質と反物質は斥力」が正しいとすると,π0中間子と陽子などの物質の重力相互作用はどうなるのでしょうか?
  • by the.ACount (31144) on 2008年06月16日 14時57分 (#1364509)
    一般相対性理論で反物質が「上に落ちる」と解釈できる余地なんて全然ない。(光だろうが反物質だろうが負質量だろうが、歪んだ時空間の測地線に沿うだけの幾何学)
    どこのトンデモを読んだんだ?
    --
    the.ACount
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一つのことを行い、またそれをうまくやるプログラムを書け -- Malcolm Douglas McIlroy

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