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31306 story

高い効率を持つ熱電変換材料が開発される 28

ストーリー by hylom
熱→電力変換システム普及のきっかけとなるか 部門より

schiavona 曰く

大阪大学と米オハイオ州立大学カリフォルニア工科大学は、無次元性能指数ZTが1を超え、従来の2倍の性能を持つという熱電変換材料を開発した(日刊工業新聞の記事AAAS)。

熱電変換材料の性能は無次元性能指数ZTなどで評価され、実用化にはZT>1が必須といわれている。これまで一般に使われていた熱電変換材料であるNa-PbTeのZTは0.71だが、発表された素材はナノテク素材を用いていないTl-PbTeで、この素材で1を超える1.5以上を記録している。500ケルビンぐらいまではNaドープとそれほど変わらないZT値をとるが、Tlを2%ドープしたものは500ケルビン以降もZTは大きくなり、約600ケルビンで1を超え、800ケルビンで1.5に達している。

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  • Science Daily [sciencedaily.com]に記事がありますが、ガソリンエネルギーの6割といわれる自動車の排熱に活用されそうです。今回の研究はBSST [bsst.com]という会社から資金提供を受けているので、製品もこの会社からではないかと。効率の良い温度帯がエンジン排熱のあたりにマッチしそうなこと、ダイナモ などと違って可動部を持たないことから、ハイブリッドカーには標準装備となりそうな感じです。もちろんお値段次第だとは思いますが。
  • by T.SKG (20663) on 2008年07月29日 18時07分 (#1392946) 日記
    従来の2倍の性能は、すごいと思う。
    日刊工業新聞の記事によると、

      > 大阪大学の山中伸介教授、黒崎健助教、米オハイオ州立大学、米カリフォルニア工科大学は共同で、

    力を合わせなければ、開発できなかったのだろう、

      > 作製は特別な手法ではなく、再現性もある。

    ・・・これは? 作り方が判ってしまえば、割と簡単につくれるの?
    それとも、特別じゃないけれど、一教室で、ちょこちょことは、作れないような代物なの?
    • by Anonymous Coward on 2008年07月29日 19時28分 (#1393018)
      >力を合わせなければ、開発できなかったのだろう

      この手の材料の「こんなのが出来ました」系だと、発見そのものにおいてはあまり力を
      合わせるってことに意味はなかったりします。多いのは「僕作る人、君測る人(or
      解明する人)」とかです。あとは、マテリアル系は人海戦術的な面も往々にして
      ありますんでその分担とか。でもこっちだとあまり協力する意味はないかなあ。
      #単純に人数n倍で速度もn倍、とかそんな感じですんで。

      >作り方が判ってしまえば、割と簡単につくれるの?

      マテリアル系は、作り方とか組成さえわかってしまえば誰にでも作れる、
      ってものも多いものでして。
      高温超伝導体なんぞも、作り方さえ知っていれば小中学生でも作れますが、
      その組成のものが凄い、と誰かが見つけるまでにはえらく時間がかかっています。
      まあ元素の組み合わせとその比率はそれこそ膨大ですので、あたりを引くのは
      大変です。
      #特殊なナノ構造体だののように、作ること自体が難しい場合ももちろんあります。
      親コメント
  • by Tellur52 (36331) on 2008年07月29日 21時42分 (#1393128) 日記
    Tlって毒ですよ、どくどくですよ、Be、Osと並んで普通の廃液処理プラントに流せない重金属ですよ。

    #いやTeも毒だけどさ
  • by Anonymous Coward on 2008年07月29日 16時04分 (#1392843)
    小型レンズを並べて、その下にこの熱電素子?を並べれば家庭用になりませんか?
    太陽光発電モジュールの場合には、モジュール温度の上昇と共に発電量が落ちるようなので、
    太陽光発電モジュールの代替えとしてはいかがでしょう?エロい人たちプリーズ。
    • by Anonymous Coward on 2008年07月29日 17時39分 (#1392914)
      確かに、普通のシリコンの太陽光発電と比べてどうなのかが知りたいですね。

      ぱっと思いつくのは宇宙空間の利用かな。
      低温側を太陽から見えないよう陰にしておけば温度差が簡単に稼げて良いかも、とか。
      親コメント
      • by Dobon (7495) on 2008年07月29日 22時58分 (#1393205) 日記
        反射鏡(集光鏡)や放熱板などの重量増で太陽電池に負けます。
        重量増=打ち上げコスト増なので、大面積の太陽電池の方が有利。

        原子力電池には有望だけど、効率の上がる温度が500℃以上では使いづらいかも。
         500℃以上の高温で、数十年以上の長期間をメンテなしで動作させるのは大変らしいです。
        (これが200℃程度なら大丈夫らしい。この温度域だとビスマス系が有利)
        --
        notice : I ignore an anonymous contribution.
        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2008年07月29日 16時30分 (#1392861)
      熱電素子は温度差が必要で、全体が熱くなったら発電しない。だから片方を冷やしておく仕組みが必要。
      どうせ冷やす機構を取り入れるなら・・・わかるよね。まぁ熱を利用するものなべて温度差が必要だけど。

      いまのところ熱から一番効率よく電気エネルギーを取り出せるのは、スターリングエンジンに発電機つなぐという
      方法じゃないのかな。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        電気もらって温度差を作るのがペルチェだよね。
        逆をやってるってこと?温度差を貰って電気を作るという。
        • ペルチェも温度差で起電するよ。
          効率についてはアレだけど。
          親コメント
          • by Anonymous Coward on 2008年07月29日 19時11分 (#1393002)
            一つの特性を違う方向から見ているだけ。

            温度差->電流変換する素子は熱電素子とか、ゼーベック素子といわれる。

            これを逆に使って
            電流->温度差変換するものがペルチェ素子と呼ばれる。

            二種類の金属を張り合わせて、それぞれの金属を違った温度に保つ(温度差をつくる)と起電力(電圧)が
            発生するのがゼーベック効果。
            逆に、その張り合わせた金属の間に電流を流すと温度差が生まれるという現象が、ペルチェ効果。
            親コメント
            • by Jubilee (20038) on 2008年07月29日 23時06分 (#1393213)

              ジャンク箱にペルチェ素子があったら試してみると面白いですよ。冷たい金属の台の上にペルチェを置いて、さらにその上にお湯の入ったビーカーか何かを置くと、テスター当てればちゃんと発電(ていうか起電)していることが分かります。

              ついでに言うとLEDに光を当ててもちょびっと発電します。太陽電池に電流を流すと光るんでしたっけ?

              --
              Jubilee
              親コメント
              • by Anonymous Coward
                Si系素材を使った太陽電池はSiのバンド構造の問題で実質光らないはず。 GaAsとか使った太陽電池なら光るかもしれない。
    • by Anonymous Coward
      Tl-PbTeなんて材料を、そういうコモディティな用途に使うなんていろんな意味で無理では…
  • by akiraani (24305) on 2008年07月29日 16時47分 (#1392869) 日記
    これ [srad.jp]と同じような感じでCPU冷却に使えないかな?
    温度差があればあるほど電圧が上がるんだから、シンプルな制御システムで冷却運用が出来そうな気がするんだけど。
    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
    • by Anonymous Coward on 2008年07月29日 16時57分 (#1392879)
      問題は、そもそも温度差を作る(チップ-ヒートシンク間)為にファンを回したい訳で。

      親コメント
      • 通常、一番温度差があるのはチップと冷却ファンの間じゃないか?
        ヒートシンクはCPUの熱をダイレクトに受けるんだから、温度差はもともと少ないだろう。

        冷えれば回転数が落ちるのも別に問題なくて
        1. CPU発熱で温度差が発生
        2. 発電されてファンが回る
        3. ファンの冷却で温度差が減り、電圧が落ちて回転数下がる
        4. 発熱と発電~放熱がつりあうところで回転数が安定する
        とこんな感じで均衡状態に出来ればベスト。
        --
        しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
        • by Anonymous Coward on 2008年07月29日 17時47分 (#1392924)
          外気温が高いときほど温度差が小さくなって回転数を稼げないのが悩みどころ。
          保ちたいのはコアの絶対温度であって、環境との温度差ではない。
          親コメント
          • by Anonymous Coward
            >外気温が高いときほど温度差が小さくなって回転数を稼げないのが悩みどころ。
            >保ちたいのはコアの絶対温度であって、環境との温度差ではない。

            まあまあ、全部、熱から電気をもらう必要はないので
            安全用に主電源からバッファ(コンデンサ)を確保しておけばいいんじゃないかな?
        • by Anonymous Coward
          >ヒートシンクはCPUの熱をダイレクトに受けるんだから、温度差はもともと少ないだろう。
          「冷却」って意味を考えた方が良いかと。
          熱伝導性の高い物質を密着させて温度の平衡性によってチップからヒートシンクに「熱を運ばせる」為には、ヒートシンクの温度がチップよりも「低い」必要が有るんですよ。
          •  ヒートシンクから熱を放射するためには、ヒートシンクにぶつける空気はヒートシンクより温度が低い必要がありますが。

            温度順に並べれば
            CPU>ヒートシンク>>>>冷却ファンから送られてくる空気
            こうなってるはず。
            #ていうか、こうなってないと冷えないっしょ。
            --
            しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
            • by Anonymous Coward
              >CPU>ヒートシンク>>>>冷却ファンから送られてくる空気
              >こうなってるはず。
              >#ていうか、こうなってないと冷えないっしょ。
              違います。

              そうする為にファンで空気を送って冷やすんです。

              何も手を加えない状況でそれが成り立つのであれば、ヒートシンクだけでファンレスで使えますんでファンなんぞ不要。

              ってよりもそんな状況に出来るなら、放熱面にファンを付けるて発電に使えば、永遠にロハで電気が使えてオススメですよ。

              • 言い方を変えようか?

                稼働中のPC筐体内でCPUの次に温度が高いのは普通はヒートシンク。
                温度差で発電するんだから低温部をヒートシンクにするのは効率が悪いだろう。

                #[排気口]-[CPU]-[発電素子高温部]-[ヒートシンク]-[発電素子低温部]-[ファン]と並べるのが一番合理的じゃないか?
                --
                しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
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    •  >CPU冷却に使えないかな?
       >温度差があればあるほど電圧が上がるんだから、シンプルな制御システムで
       >冷却運用が出来そうな気がするんだけど。

       もとの記事には、
       >500ケルビンぐらいまではNaドープとそれほど変わらないZT値をとるが、
       >Tlを2%ドープしたものは500ケルビン以降もZTは大きくなり、
       >約600ケルビンで1を超え、800ケルビンで1.5に達している。
       とあり。
       効率的なのは800ケルビン以上。400℃のオーダー以上になってから。

       あなたのPCのCPUはじゅうぶんに暖まってますか?

       いやあ、冷却システムの立ち上げには、CPUの上にメタ(固形アルコール)を載っけて点火、余熱しなくちゃいけなかったりして。

      --
       YuiTad
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  • by Anonymous Coward on 2008年07月29日 23時17分 (#1393220)
    高温側しか狙わないのかね。

    廃熱の7割は300℃(約600K)以下なんだから、この温度を狙ってほしいよ。
    800Kなんて、発電所以外に使い道ないじゃん。
    だいたい、そんな温度で使って酸化しないの?
    • Re:なんで (スコア:2, すばらしい洞察)

      by albireo (7374) on 2008年07月30日 2時16分 (#1393315) 日記
      温度差が低いと効率が悪すぎて用途が限られるから。
      「廃熱は電気に変換せずに熱のまま利用」した方が使いやすいんでしょう。コジェネレーショみたいに。
      --
      うじゃうじゃ
      親コメント
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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