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34330 story

親から子へ、DNA経由でウイルスも受け継がれる 9

ストーリー by hylom
まさに「DNA汚染」 部門より

insiderman 曰く、

主に小児に発症する突発性発疹の原因となるヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)は、血液ではなく、DNA経由で親から子に感染するという研究結果を、米国の研究者であるDr. Caroline Breese Hall氏らが明らかにした(Reutersの記事米国小児科学会の学会誌に掲載された論文の概要)。

ウイルスはほかの生物のDNAに侵入して増殖するが、もし両親の少なくともどちらかがHHV-6に感染していた場合、卵子もしくは精子のDNAにもHHV-6が感染し、その結果その子供はHHV-6に感染した状態で生まれる可能性がある、とのことだ。Hall氏らの研究チームが実際に250人の患者を対象に調査を行ったところ、85人のHHV-6感染者のうち、43人が生まれつきウイルスに感染しており、42人が生後感染していた。

いままで、ウイルスは母親の胎盤を通じて母親から子供へと感染すると思われていたが、実際には胎盤経由で感染するケースは14%で、残り86%のケースではDNAを通じてウイルスに感染していたそうだ。

なお、ウイルスに感染した子供が必ず何らかの症状を発症する訳ではないため、Hall氏は子供がもし感染していた場合でも成長を見守ってほしいとしている。ちなみに、HHV-6への感染を防ぐ薬というのは今のところ無いそうだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by ef (25263) on 2008年09月05日 20時41分 (#1416177)
    ボルバキア [wikipedia.org]のゲノム断片が宿主であるアズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)のX染色体上に転移した例が紹介されています [aist.go.jp]。

    #本題じゃないですが、アズキゾウムシはゾウムシ上科ではなくハムシ上科です(学名調べる時、苦労しました)
  • by celibidache (14043) on 2008年09月05日 17時34分 (#1416057)
    も、こんな感じだったんでしょうか?
    • by Anonymous Coward on 2008年09月05日 19時49分 (#1416146)

      残念ながら全然違います。ミトコンドリアや葉緑体は「細胞内共生」起源で、元々の細菌の構造のなれの果てをとどめ、DNAも一部保持しています。そこから一部の遺伝子が核に移行したりはしていますが、それとウイルスが宿主ゲノムに潜り込むのとはまただいぶ違う話のはずです。

      レトロウイルスでは当たり前ですが、ヒトヘルペスウイルスがそれをやるのを見つけたのが新しいのかな。詳しくはありませんが、我々のゲノムの中にもきっと潜り込んで壊れたウイルスの残骸がたくさんあるのだろうと思います。ソースコードの中のコメントアウトされて久しくもはや意味不明になったコードのかけら、みたいなものですかね。まあゴミ配列かと思っていたら物理化学的安定性に寄与していたりするなんてこともあるみたいですが。

      # ぬおお、あとちょっとで試薬が全部溶けきるぅ。

      親コメント
      • ウィルス進化説 (スコア:3, おもしろおかしい)

        by Gockie (33276) on 2008年09月05日 23時19分 (#1416263)
        そういやウィルス進化説なんてのも有りますね。
        キリンの首が長いのは首が長くなるウィルスに感染したとかそう言う。

        #みかんばっかり食ってると皮膚が黄色くなるのはみかんのDNAが(ネェヨ
        親コメント
      • by SAKAGUCHI_flask (34748) on 2008年09月05日 22時00分 (#1416216) 日記
        子の親の立場から。

        HHV-6は突発性発疹(トッパツ) [wikipedia.org]という病気を引き起こすことが知られとります。
        (wikipediaがソースで恐縮だが)
        トッパツは熱性痙攣 [wikipedia.org]を伴いやすく、これがまた大変に親を不安にさせます。
        ヒキツケをおこして、目が釣り上がった状態で硬直したりするので、
        昔のヒトが”狐が憑いた"と思うのも無理もないだろうなぁと。
        前述のリンク先でもトッパツは水平感染だと思われていたので、生後間もなく、
        感染する機会がなくてもトッパツを起こすかと思うと、厄介だなぁ。
        まぁ、脳炎にまで進行するのは稀らしいし、ウチのチビもその後、何もないのだけれど。

        #知り合いで初めて実家に預けたその時に熱性痙攣になって、
        #それ以来、預かって貰えなくなったって言うヒトがいます。
        ##初孫なのに、気の毒な話だ。

        ># ぬおお、あとちょっとで試薬が全部溶けきるぅ。

        実験、乙。

        バクテリアのファージでは染色体にintegrateして溶原化する現象はよく知られております。
        ゲノムを見ても『ココは元ファージね』なんていう領域はしばしば見つかるわけです。
        教科書的には、真核生物の場合はゲノムへのintegrateはレトロウィルスの特徴だと思っていたので、
        また生物の多様性がここでも見つかったか、と感慨深いです。

        #タレコミ文の「ウイルスはほかの生物のDNAに侵入して増殖する」は
        #言わんとするところは分かるが、あまり賛成できないなぁ。
        #そこを前提とすると、今回の話は何が新しいか、よく分かんない。
        #ただ、同じヘルペスウィルスが子供の時に水疱瘡、
        #成人してから帯状疱疹を起こすことを考えると
        #長期間安定に細胞内に保持されるには好都合で、理屈にあってる気がする。
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      ミトコンドリアのDNAは人間のDNAとは融合してませんよ?
  • by cobonzu (17398) on 2008年09月05日 17時37分 (#1416058) 日記
    この記事ではよくわからんかったけど、HHV-6 のDNA がまるごと生殖細胞の染色体のDNAに取り込まれてしまっているってことなんでしょうかね。

    ってことはそういう感染の場合、体中の細胞から HHV-6 DNAの配列が検出される?うまくやったら遺伝病の治療ができちゃう?なんかよくわからんけどすごそう。
  • by Anonymous Coward on 2008年09月06日 1時05分 (#1416318)
    http://www.nikkei-science.com/page/magazine/9802/wasp.html [nikkei-science.com]
    どーっちだ?

    # そう考えたら抗体とかもある意味、DNA持ってないだけでこの手だよね。
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吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人

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