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2個のストレンジクォークを持つ新粒子を発見 31

ストーリー by hylom
新ハドロン発見か 部門より

capra 曰く、

米国のフェルミ国立研究所のDZero実験にて、2個のストレンジクオークと1個のボトムクォーク(s-s-b)を持つ新しい粒子が発見されたそうだ(実験資料本家記事より)。

Ωbというこの粒子は、ボトムクオークを持つ新しいバリオンであり、プロトンよりも6倍の質量がある。Ωbの性質を持つ粒子はフェルミ国立研究所の陽子反陽子衝突型加速器テヴァトロンで100兆回近くの衝突を通して、18回発生が観測されたとのこと。発生後、Ωbは1mm程移動した後より軽い粒子に崩壊するが、この崩壊は1兆分の1秒という時間で起きるとのこと。

なお、DZero実験とは18カ国の90の研究機関から600人近くの物理学研究者が集まり行われており、米エネルギー省、国立科学財団をはじめ、国際的な資金援助を受け行われている国際プロジェクトである。

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  • by Anonymous Coward on 2008年09月08日 19時10分 (#1417409)
    この機会に以前から漠然と抱えていた疑問を。

    こういう素粒子の観測実験って不確定性原理で難しいと思うんだけど、
    周囲状況から理論推定するのでしょうか?
    直接目的粒子の観測できるの?

    霧箱も泡箱でも同じだけどさ。存在を認識できるほど周囲状況を変化
    させておいて、それでもなお素粒子自体が存続できるのかな・・・
    寿命の測定は、観測が影響せず正確にできるのでしょうか。

    お詳しい方、解説いただけましたら。
    • by nox_dot (11614) on 2008年09月08日 20時49分 (#1417497) 日記
      これらの寿命の短い粒子の測定には、それが崩壊して出てきた長寿命の粒子(陽子やパイ中間子など)をすべてとらえます。
      そして、それらの運動量とエネルギーを測定します。
      あとは、運動量とエネルギーの保存則を使って、崩壊前の粒子の質量と運動量を計算します。

      陽子などのありふれた粒子は、直接同定できるような実験装置を準備します。しかし、どの方向に出てくるかはわからないので、実験ポイントを巨大な検出装置でぐるりと取り囲んで、ひたすら実験と測定を繰り返します。

      非常に寿命の短い粒子の寿命の測定は、不確定性原理を逆に使います。
      不確定性原理により、粒子の質量の不確定性は、寿命に反比例します。
      そこで、質量を精密に測定して、そのばらつきを測定できれば、寿命が分かるわけです。
      今回はそれほど寿命が短くなさそうなので、別の方法で測定したのかもしれません。時間があれば原著論文を読んでみます。
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      • by Anonymous Coward on 2008年09月08日 21時22分 (#1417524)
        いえ、派生する粒子を全て捕らえて運動量とエネルギーを正確に測定できれば
        逆算できるのは判るのですが・・・
        って、循環してません?
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        • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2008年09月09日 0時49分 (#1417656) 日記
          長寿命の粒子は普通にエネルギーとか飛んできた方向とか検出すればよいわけで,
          特に不確定性とか関係ないような.一方の大元の短寿命粒子は観測系と相互作用する
          よりもはるかに早く崩壊しちゃうわけですし.
          #もちろん、生じた多数の(それなりに)安定な粒子の種類選択的な測定とか,
          #実際の測定系の構築はそれはそれで大変だそうですが.

          で,1回の事象で短寿命粒子の崩壊までの時間が測定できたら,あとは繰り返すと
          統計的に寿命がわかる,と.
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      • Re: (スコア:0, おもしろおかしい)

        by Anonymous Coward
        >不確定性原理により、粒子の質量の不確定性は、寿命に反比例します。
        >そこで、質量を精密に測定して、そのばらつきを測定できれば、寿命が分かるわけです。

        違います
        不確定性原理により質量を正確に求めるほど寿命がよく判らなくなります
        なので、質量を求めることを放棄することで自動的に寿命が求まるのです。えっへん
        • by nox_dot (11614) on 2008年09月09日 7時36分 (#1417723) 日記
          > 不確定性原理により質量を正確に求めるほど寿命がよく判らなくなります
          いえ、寿命が短いほど、質量が正確に求まらなくなるのです。
          とはいえ、その平均値は統計を貯めれば正確に求まります。寿命が短いほど、質量のばらつき(幅)が広くなるわけです。
          この質量幅(ばらつき)と寿命の積は、約200MeV・fm/cになります。
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    • Re:観測ってどうやるの (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2008年09月08日 19時46分 (#1417438)
      もちろん、箱の中の猫が死んでいたら粒子が観測されたということなのれす。
      18匹も殺すなんて(涙)
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  • by Anonymous Coward on 2008年09月08日 19時09分 (#1417408)
    でもミニブラックホールに飲み込まれるから検出できない。(ウソでーす
  • by Anonymous Coward on 2008年09月08日 19時41分 (#1417434)
    1兆分の1秒にこの粒子は1mm進んじゃうわけですね。 その速度は光速と比べると…!?
    • lifetime τ=1.54 ps なら decay length cτ=462 μm だから、
      いくつかの粒子の中にはがんばって崩壊前に1 mm飛ぶ粒子も
      ないではなってことでひとつよろ。

      # 日本の研究所に所属している著者はいないけど、日本人ぽい著者はいらっしゃいますね。
      --
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      t-nissie
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2008年09月08日 21時39分 (#1417541)
        > lifetime τ=1.54 ps なら decay length cτ=462 μm だから

        エネルギーが高い粒子の場合、特殊相対論の効果により数ミリは飛ぶんじゃないでしょうか。
        (粒子の寿命として、1.5psは長い部類に入ります。)

        高い確率で、粒子の崩壊点はシリコン検出器で見ることができると思います。
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      もう一度よく読んだ方がいいぞ。
  • by Anonymous Coward on 2008年09月09日 11時32分 (#1417846)
    バイオ系なんかでは進歩が速くていちいち用語に訳語をあてていられないという話もありますが、素粒子関係の方々も、もう日本語を使うのはやめる方向でしょうか。せめて訳語があるものは、一般人向けに話すときには、日本語でお願いしますよ。プロトンなんていうのは化学関係の人かもしれませんが。

    母国語で学問が出来ることの重要性、ありがたさが日本人にはわかっていないようです。

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皆さんもソースを読むときに、行と行の間を読むような気持ちで見てほしい -- あるハッカー

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