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宇宙

H-IIA による初の海外衛星打ち上げを正式受注 30

ストーリー by reo
かぶとのおをしめる 部門より

KAMEDA,Tsukasa 曰く、

以前のストーリーでも話題になったH-IIAによる韓国の衛星の打ち上げですが、正式に受注した模様 (三菱重工のプレスリリース) 。

以前から言われてたとおり、打ち上げられるのは多目的衛星 KOMPSAT-3で、JAXA の水循環変動観測衛星 GCOM-W と相乗りで低軌道に投入されるとのことです。長い道のりでしたが、先日の三菱電機による商用通信衛星 ST-2 の受注とともに、やっとここまで来られたかという思いです。

宇宙ネタと言えばこのお方ということで、松浦晋也氏のエントリー「三菱重工、KOMPSAT-3打ち上げを正式に受注」もどうぞ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2009年01月14日 11時19分 (#1490729)

    プレスリリースにも太陽同期軌道 [wikipedia.org]と書いてあるんだから、正確を期して欲しいな。

  • by Anonymous Coward on 2009年01月14日 11時49分 (#1490748)

    松浦氏の
    >H-IIAは、種子島からの静止軌道/地球低軌道打ち上げに、徹底的に最適化されたロケットで、ほとんど融通が利かない。

    って指摘は「H-IIAは三段目がないので不経済だ」ってことですね。
    今は低軌道に乗った後で2段目のエンジンを再点火させて衛星を希望の軌道まで運んでいます。

    でも、2段目って重いんです。ドンガラだけで3トンもあるんです。ほとんど空の馬鹿でかい燃料タンクと
    不必要に大出力の2段目エンジンでもって衛星を軌道まで届けるのは損が多い。

    たとえば、H-IIAで打ち上げる予定の金星探査機PLANET-C [wikipedia.org]の重さは500kgですが、
    2段目で金星軌道まで運ぶわけであり、それはつまり3トンのドンガラが一緒に金星軌道まで飛んでくってことなんですな。

    だからH-IIAはとりあえず低軌道とか静止軌道に衛星を打ち上げることはできるけど、もっと重い衛星を静止軌道に送ろうとか、
    月や惑星間に探査機を飛ばそうとか、そういう用途にはあんまり向いてないんです。
    惑星間探査機の打ち上げ能力でいえばH-IIAロケットはM-Vロケットとあんま変わらない能力しかもってないわけですし。

    • by kitakitsune (25416) on 2009年01月14日 14時48分 (#1490909) 日記

      商用衛星のほぼすべてが静止衛星である以上、まずはそこへの最適化を目指すのが商用ロケットとして当然。
      融通が利く≒無駄がある、てことでもあるわけだから。そして惑星間軌道の場合、日々変わる目指す惑星と地球との位置関係、
      あるいは軌道の設計で投入できる質量と目的地への到達時間はビックリするくらい変わるから、
      M-Vで打ち上げられる予定であったPLANET-CがそのままH-IIA単機で打ち上げということになっても、それは直接に

      惑星間探査機の打ち上げ能力でいえばH-IIAロケットはM-Vロケットとあんま変わらない

      ということを意味しないのよね。たとえ3tのドンガラと一緒に加速させようようが何しようがH2A202は2.5tを地球重力脱出させられるわけだが、
      M-Vは地球低軌道にさえそんなペイロード運べないよね? むしろH-IIAの能力で驚くべきはその太陽同期軌道への能力の低さで、
      しかもその原因はH-IIAそのものにはない、点が問題っちゃあ問題。
      あるいはそんなにドンガラごと金星へ飛ばすのがイヤなら、衛星の推薬タンク増やしてそっちでヒドラジン推進系でもふかしたら?

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      Hでいいあ ってことでしょ
    • by Anonymous Coward

      >って指摘は「H-IIAは三段目がないので不経済だ」ってことですね。
      三段目なら、イオンエンジンを使う選択って無いんですかね~?
      出力が低いのが難点ですが、出力が高い(?)ものを開発する方法も考えられますし。
      1ヶ月くらいで静止軌道に持っていける推力を確保できればいけそうな気がします。

      • by Anonymous Coward

        イオンエンジンは何桁も出力が小さいから向かないでしょう。
        素直に3段目を乗せるのが無難ですよ。
        実質衛星側が二段構造みたいなものになったとしても。

        • by Anonymous Coward

          >イオンエンジンは何桁も出力が小さいから向かないでしょう。
          イオンエンジンは推力はめっちゃ小さいですが、比推力(燃料あたりの推力)はすばらしくよいのでけっこうイイアイデアなのでは?
          一段目や二段目では重力損失や空気抵抗に打ち勝てないからイオンエンジンは使えませんが
          ほぼ真空中で衛星になったあとでの移動だったらけっこう筋がいい方法なのではないかと思います。

          あ、でも電力が要るか…三段目に太陽電池パネルを展開させるというのはダサいかな。
          衛星の太陽電池を使えるといいんだけどそしたらそれはH-IIAの三段目ってよりは衛星+三段目っていう別の飛行システムになってしまい
          それはそれで問題かなあ

  • 3段目 (スコア:3, 興味深い)

    by pongchang (31613) on 2009年01月15日 5時54分 (#1491435) 日記
    3段目をLNG推進系で開発するのは一つのアイデアとしては良いと思います。
    しかし、「フェアリング内に、打ち上げ時の衛星の荷重に耐える強度を持った上段ロケット」ならISASの4段目で実績がある固体キックモーターがあるし、3段目とLE-5の親和性なら旧日産の固体3段UM-129Aもあるあります。MHI 社内には液体水素の3段目の検討資料もある筈です。
    固体の誘導の精密さを欠ける点や液体水素の燃料の揮発を、危惧しているのでLNG推進系を推しているのでしょうが、値段も含めて言えばUM-129Aの方が枯れている技術でしょう。
  • by dodonga (4178) on 2009年01月14日 14時12分 (#1490877) 日記
     dodongaです。

     日本がロケット打ち上げる時、ホントは北に向けて飛ばすと効率良いのだけど、
     落ちちゃった(;;)時とかに、国際問題になるので仕方なく南に発射している。

     と、聞いた事があります。

    #ソ~ス無くてごめんなさい。
    --
    閑話休題
    • Re:一方日本では (スコア:5, 参考になる)

      by simon (1336) on 2009年01月14日 14時23分 (#1490887)

      >日本がロケット打ち上げる時、ホントは北に向けて飛ばすと効率良いのだけど、
      >落ちちゃった(;;)時とかに、国際問題になるので仕方なく南に発射している。
      >
      >と、聞いた事があります。

      完璧に違います。
      ふつうの人工衛星というものは、東に向かって飛ばします。
      人工衛星となるのに必要な速度(秒速8km以上)を得るのに、地球の自転のエネルギーも利用できるからです。
      同じ理由から、発射場は赤道に近いほど効率的に打ち上げができます。(赤道に近いほうが自転の速度がおおきい)

      「落ちちゃった(;;)時とかに、国際問題になるので仕方なく」というのはイスラエル宇宙局 [wikipedia.org]のロケットでしょう。
      間違って落ちた場合に「イスラエルによるロケット攻撃」と誤解されないためにイスラエルは例外的に西向きにロケットを打ち上げます。効率が悪いですが、落ちた場合の政治的問題の大きさには替えられません。

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      • by kitakitsune (25416) on 2009年01月14日 14時53分 (#1490912) 日記

        地球自転で得られる速度は、そんなに大きいものじゃありません。
        静止トランスファ軌道→静止ドリフト軌道への軌道と軌道面の変換に要するΔVを小さく出来ることが射場を赤道に近づける最大の動機です。
        太陽同期軌道に打ち上げるなら地球の自転はむしろ邪魔だし、そこへ投入するならプレセツクでもバレンツ海でも構いません。

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        • by Anonymous Coward
          じゃあ、何でイスラエル以外に(基本的に)西向けに飛ばさないのさ?
          • by Anonymous Coward

            たとえ東に向かって発射することによって得られるものがほんのわずかでも足しにしたいからでは?
            そんでもって、射場が基本的に東に向かって発射するようにできているから、東に向かって打つことによってメリットがあまりない OR 多少デメリットがある場合でもおいそれと変えられないのでは。

      • Re:一方日本では (スコア:1, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2009年01月14日 17時33分 (#1491078)

        > 完璧に違います。
        > ふつうの人工衛星というものは、東に向かって飛ばします。

        北や南と言ってるんだから、極軌道打ち上げのことでしょう。

        H-IIAの極軌道打ち上げでは、フィリピン辺りの島々を避けるために大きく東に迂回していて、性能が落ちているという話ですね。
        ただ、北に打つと効率がいいというのはデマだと思います。

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    • by Anonymous Coward on 2009年01月14日 20時00分 (#1491190)

      種子島よりむしろ北海道大樹町のJAXA施設を射場にして
      打ち上げた方がいいです。
      あちらなら真南に飛ばしても太平洋のただ中なので、
      気兼ねなく打ち上げられます。

      種子島の場合は極軌道打ち上げの場合、素で打ち上げると
      大気圏飛行中にフィリピン領空を通過してしまうので、
      領空にさしかかる前に機体をひねって飛行コースを変更するのだとか。
      H2Aの極軌道打ち上げ能力がロケットの能力の割に低くなってしまう
      原因のひとつがこの射場の地理的条件が絡みます。

      一方、内之浦射場の場合、極軌道打ち上げは南に位置する種子島の
      岬の先端を僅かに避ける飛行コースをとるだけでいいそうです。

      M-Vがロケットの能力の割に極軌道打ち上げ能力が
      そこそこ良かったのはロケットがミッション毎にガチガチに
      最適化されているのもありますが、地理的な条件が大きいようです。
      ポストM-Vのイプシロンロケットと仮称される次期固体ロケットは、
      H2AのSRBを一段目に使う兼ね合いで、種子島射場を使う事も
      考えられましたが、科学衛星で需要の多い極軌道打ち上げでは
      H2A同様に飛行コースで不利になる為、これまで通り内之浦になったそうです。

      次期固体ロケットは極軌道打ち上げ能力がM-Vの約半分の
      500キロだそうですが、もし種子島からの打ち上げだと
      さらにダウンしてしまうでしょう。

      約半世紀前には平らなところは海以外無く、
      山と岸壁しかなかった内之浦を射場に決めた
      糸川博士の慧眼のおかげでしょうか。

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    • by grobda (4894) on 2009年01月15日 17時31分 (#1491840)

      ホントは北に向けて飛ばすと効率良いのだけど

      それは多分、道川で開発してたらいつの間にか射程が200km越えちゃって対岸に届いちゃいそうになったので、打ち上げ事故が起きたのをきっかけに太平洋岸(内之浦)に移転した、って話を誤解してるんだと思います。

      参考 [wikipedia.org]

      他の方も書いているように、ロケットは基本的に地球自転方向(東)に向けて打つのが効率的といわれていますので。

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  • by the.ACount (31144) on 2009年01月16日 15時14分 (#1492334)

    なんで韓国が他国と比べて費用が掛かるはずの日本のロケットを使うのか分からん。
    それとも、状況が変わったのか?
    アリランじゃなくてアリアン・ロケットとかロシアとか問題あるのかな。

    --
    the.ACount
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