心臓疾患の遺伝子変異を持つ人は 100 人に 1 人 21
ストーリー by reo
闇に隠れて生きる 部門より
闇に隠れて生きる 部門より
capra 曰く、
インド、アメリカ合衆国などからなる国際的な研究チームが、心臓疾患に深く関係している遺伝子変異を突き止めた (nature genetics の論文要旨、本家 /. 記事より) 。
研究によると心臓のタンパク質生成に関わる遺伝子 MYBPC3 で 25 塩基対欠如を起こしている場合、異常タンパク質が生成され、心臓疾患に繋がる可能性が高くなるとのこと。この遺伝子変異は世界的にみて 1 % の人がもっていると考えられている。また、若い人では異常タンパク質を分解出来るため問題は起きないが、年齢とともにその能力は低下し、異常タンパク質の蓄積が心臓疾患の原因となると考えられるという。出産や子育ての年齢では問題とならないことが多いため、この遺伝子変異は消滅することなく代々受け継がれてきたとのこと。
この変異は 3 万年程前にインド地域で発生したと考えられており、現在もインド亜大陸では 4 % の人がこの遺伝子変異保有者という高い確率を示している。EurekAlert! の記事ではさらに 2010 年には世界の心臓疾患の約 6 割がインドの人口で発生するという予想にも言及している。心臓疾患は現在世界の死因 1 位と言われているが、将来的には異常タンパク質の分解を促進する新しい治療法の確立が期待されている。
出したい結論を出す (スコア:2)
3万年の間淘汰されなかったって言うなら、むしろ生存に有利だから保存された、と考えても筋は通る。全体の平均より発生地域での率が高いのも、それを裏付けるとも言える。
というわけで、もうちょっと経ったら同じ著者たちから「MYBPC3 での 25 塩基対の欠如が長生きの鍵」とかいう論文が出るかも。
#ほんとに出たら驚くけど。
Re:出したい結論を出す (スコア:1, すばらしい洞察)
#少し不謹慎なのでAC。
寒い結論だけど (スコア:1, 興味深い)
若く健康なままで長生きするなら良いけれど、老人介護で子供が仕事を辞めたり
ノイローゼになったり自殺したりということになることに比べれば、一定年齢で
ポックリいく方が、子孫繁栄という目的にかなっている可能性はあるでしょう。
http://diamond.jp/series/analysis/10061/ [diamond.jp]
子供を産んで、大人になるまで育てて独り立ちするまでは親も必要だけど、子供が
独り立ちして以後の親なんて子孫繁栄の観点からは既に用済みの存在なんです。
一定の速度で死に続けて若い者に道を譲らなければ、組織だろうと生物だろうと
未来はないでしょう。
#できれば長生きしたいという気持ちはあるが、末期癌で苦しんだり治療に巨額の
#医療費が必要になったり、寝たきりで子供の世話にならないと寝返りも打てないまま
#何十年も生き続けるのなら、一定の年齢でポックリいく方が、マシな人生なのかも
#しれないと思うこともある。
Re:寒い結論だけど (スコア:2, 興味深い)
そう悲観しなくても「祖母仮説http://www.1101.com/kasoken/2004-10-22.html [1101.com]」ってのもありますよ。
まぁ、真偽のほどはまだわかりませんけども。
とはいえ大切にされるくらい価値のある知識・経験を蓄えた年寄りになりたいものですね。
ところで日本で寝たきり老人が多いのは手が回らなくて寝かせたままにすることが多いという介護の方式(とそういう事態を余儀なくさせる予算&社会制度)の問題という話も。>寝たきり
Re:寒い結論だけど (スコア:1)
>祖母仮説
そういえば、「閉経」は生殖期間を打ち切って寿命を延ばすために獲得した、と言う話を聞いたことがある。
the.ACount
Re:寒い結論だけど (スコア:1)
閉経については女性の卵子の元になる卵胞は数が決まっていて、かつ生後減少し続ける上に卵子になるのはそのごく一部。その結果障害の卵子総数は500-400個だとか。この卵子を毎月一回1-2個づつ放出していると最長で500ヵ月(≒41年)で限界がくるのは必然。
また卵子が精子と違って随時量産体制ってことになってないのは卵子が精子と違って大量の細胞質を保持するという人類以前、有性生殖が始まった頃からの制約を満たすための選択の結果。
ということで閉経そのものは他の要因で寿命が延びた結果、卵子が先に枯渇したってだけかも。で、そうなると卵子が枯渇して繁殖力を失った後にも生きていられるような長命を可能にする進化上の選択圧が何かという話になって、祖母仮説ではそれが社会を支える文化の継承や母親の負荷軽減などの要因によるのではないかと推測しているわけでしょう。
Re:寒い結論だけど (スコア:1)
排卵に至る卵子数は、卵巣に内在する総卵子数のごく一部 [nibio.go.jp]とか体外授精なら63歳でも可能 [rda.co.jp]とか書いてあるぞ。
the.ACount
Re:寒い結論だけど (スコア:1)
「卵子が枯渇」という言い方が雑だったのは認めるけど、卵子の候補となる卵胞の数に上限があるのは事実。
で、参照されているそれは卵胞内の未熟な卵子をまっとうな卵子になるまで外部で人工的に培養する話だから、
進化と寿命の話とは別の話題かなと。ましてそれは屠殺された家畜の卵巣の話だから閉経後の卵巣の卵胞でも
同じかどうかはわからない(閉経前に屠殺されている可能性があるから)。
また体外受精の高齢記録は海外の場合代理母って可能性があるから本人の卵子とは限らない。
人生50年 (スコア:0)
>そう悲観しなくても「祖母仮説http://www.1101.com/kasoken/2004-10-22.html」ってのもありますよ。
それでもせいぜい40台~50台まででは?
(遺伝的には)60歳、70歳の高齢者の存在を守る理由にはならない。
「15でねえやは 嫁に行き」って歌われるくらいで、長い間そんな年齢で
結婚出産していたのでしょう。「売れ残りのクリスマスケーキ」が死語に
なるくらい晩婚化が進んだのは、せいぜいここ十数年~数十年の話。
生物学的にはほんの一瞬。
#それが仮に正しいとして、男性の方が早死にするのは男性が無用の存在だからなのかな。orz
Re:人生50年 (スコア:1, すばらしい洞察)
なんだか
考えるの怖いんだけど、
第二次ベビーブーム世代と、
就職氷河期世代と、
クリスマスケーキ売れ残り世代と、
今アラフォーやら婚活って呼ばれてる世代が
実はみんな重なってるような・・・
俺達が皆の足を引っ張ってる。
そんな、そんな気がするんだ。ごめん、ごめんね。
#そんな被害妄想を持ってしまう世代で。
Re:人生50年 (スコア:1)
逆に考えるんだ!
足を引っ張っているのではない、我々を使いこなせていない(=人的資源を無駄にしている)社会システムに問題があるのだ!
…と考えないと社会問題は解決しない。問題を個人の責任にするのは社会問題を理解し、対策を考える上では敗北宣言に近い。(もちろん、個人がどうしてそういう行動をとるのかをちゃんと分析するのは単に「自己責任」と言い張って解決を丸投げするのとは違う。)
にも関わらず、なぜか自己責任論で問題解決を個人に丸投げしたがる人が意外と多い印象がある。それはひょっとすると社会的な視点分析ではなく社会の「責任」と丸投げする人もまた少なくないことへの反動かもしれない…。が、結局どっちの立場も問題の分析と解決を放棄している点では同じ。
まぁ既得権益のいくつかは社会問題が解決され、資源配分が変更されると失われたり目減りしたりするのでその受益者が個人責任を声高に主張するのは(承知でやってるなら知的態度としては不正直だとは感じるが)立場としては理解できなくもない。が、非受益者と思われる立場のヒトが大した根拠があるわけでもないのにちょくちょく同調することがあるのが私には謎。
2chのネトウヨに見られるような特に感情的に見える一部の自己責任論者については以下のような意地の悪いことを考えてしまうこともある:
自己責任論を強調することで個人責任を重く見せることにより、たまたまトラブルなく普通に生活で来ているだけのことをトラブルに巻き込まれている人の対比によって「責任を取っている一人前の漢」というように演出することができる。これによってマッチョなイメージを新たな投資なく演出できるからそうするのであると。そしてそのような不毛なマッチョ演出に精を出すのは、何かそれによって目をそらしたい別の問題を抱えている可能性もある。
Re: (スコア:0)
いや、アラフォーになってるのはバブル世代で、第二次ベビーブーム世代・氷河期世代はそれより5歳以上歳下でしょ。
クリスマスケーキ売れ残り世代というのがどの世代を指しているのか知らないけど。
Re:人生50年 (スコア:1)
>クリスマスケーキ売れ残り
クリスマスケーキ売れ残りになるのは25歳からですから、
概ね20代後半でしょう。第二次ベビーブームの中心からさらに5歳以上下ですね。
Re:人生50年 (スコア:1)
元コメントで
> 「売れ残りのクリスマスケーキ」が死語に
って書かれてるわけですから、
> クリスマスケーキ売れ残り世代
ってのは、「かつてクリスマスケーキの売れ残りと言われたことがある」人達でしょう。
80年代後半にはもう死語になってたような気がしますから、90年に25歳だったとして今44歳。70年に売れ残ったなら今64歳
あまりにも幅が広すぎますが、少なくともアラフォーよりさらに上の世代なのは確かでしょう。
Re:出したい結論を出す (スコア:1, 参考になる)
他の枝にも出てますが、
高齢になってから疾患を引き起こすような遺伝の場合
淘汰される見込みはあまりないのだと思います。
# 成人前に死に至るような遺伝なら別ですが
Re: (スコア:0)
遺伝的な疾患を否定したいという気持ちが、そういう解釈をしたくなる 背景にあるのかもしれませんが。
100人に1人 (スコア:1, 興味深い)
新生児の先天性の心疾患の確立は100人に1人の確率で発生すると見たことがあります。
これと関係するんですかね?
Re:100人に1人 (スコア:1)
(多分高齢になってから心疾患を引き起こす)異常タンパク質を生成する遺伝子、ということなので先天性の心疾患とは同じではないと思いました。
が、先天性の心疾患も何らかの遺伝子が関わっている可能性はありますね。
そのあたりが解明されたら面白いんじゃないかと思っています。
Re: (スコア:0)
> が、先天性の心疾患も何らかの遺伝子が関わっている可能性はありますね。
嫁さんが先天性心疾患なので妊娠前に色々調べました。
親に先天性心疾患がある場合、子供に先天性心疾患が発生する確率は多少上がるようで、当然遺伝的要因が考えられます。
ただ、遺伝的要因だけが原因ではありません。
心臓に限りませんが、生物の発生過程における器官の形成には、適切なタイミングに適切なタンパク質が生成される必要があります。この記事の件も染色体異常によるタンパク質の生成異常ですが、同様にタンパク質の生成がうまく行かない事が原因で心臓の形成に異常が生じ、先天性心疾患となります。
しかし、タンパク質の生成がうまく行かない原因は遺伝的要因だけではなく、外的要因(ウィルス感染・薬等)によってタンパク質が生成されない事もあり、その場合も同様に先天性心疾患となります。
ちなみに、先天性心疾患を持つ人を調査した所、原因が特定出来た人は遺伝的要因を含め5%程度で、現在の所ほとんどの場合で原因不明だそうです。
# この記事の心臓疾患は心筋症の事のようですね
Re: (スコア:0)
元記事には、heart disease=心臓疾患などの言葉は出てきません。
元記事に出てくるcardiomyopathy = 心筋症
heart failure =心不全
ですね。心筋症は心臓疾患の中のごく一部ですね。
適度に落ちた今なら言える (スコア:0)
インド人もびっくり