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娯楽

反物質研究者 ソニー映画「天使と悪魔」表現に異例の指摘 87

ストーリー by reo
#27→形而上生物学研究室はありません 部門より

pongchang 曰く、

3 月 18 日、東京大学で反物質の研究を行う早野龍五教授が、ソニーピクチャーズ配給の映画「天使と悪魔」の内容について、反物質の取り上げた方について「危険な印象を持たれ、誤解や不安を与える可能性がある」と異例の指摘を行った (早野教授のニュース, NHK のニュース) 。

早野教授は「天使と悪魔」の虚と実 50 のポイントという Web サイトで詳細を述べている。非科学の知識が拡散する前に、第一人者が判り易く解く努力が今後一層必要になるが、良い前例になると期待する。

非科学 (似非科学 ?) 批判というよりは、フィクションによる誇張や現実とのギャップを丁寧に解説しているという感じ。記者会見まで開いたのは教育の一環といった意図があるのかしらん ? あるいはソニーピクチャーズとのタイアップとか :-)

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by T.Sawamoto (4142) on 2009年03月19日 16時45分 (#1534113)

    # 原作を読んでないので、頓珍漢なコメントになってるかもしれませんが……。

    「天使と悪魔」の虚と実 50 のポイント [u-tokyo.ac.jp]では、

    11.「高度六万フィートの上空...だと体重が三十パーセント軽くなります」
    ここは、ダン・ブラウンが、事実を書こうと意図しながら、何か大きな誤解をしたと思われます。地球の半径は約6400km、六万フィートは約18km。重力は地球中心からの距離の2乗に逆比例するので、64002/(6400+18)2を計算すると、正解は約0.6%となります。

    とされていますけど、この航空機(なのですよね?)の速度が計算に入っていないんじゃないかな、と個人的には思うのです。
    (以下、計算が面倒なので色々と簡略化させていただいてます(^^;))

    高度六万フィートだと、軌道速度は秒速約7.9キロメートル(地表とほとんど変わらない)ですので、この速度で飛行すれば遠心加速度が1Gになり、重力は打ち消されてゼロになります。
    「体重が三十パーセント軽くなる」とすると、遠心加速度が0.3Gになればいいわけですから、

    √(9.8*0.3*(6400000+18000)) ≒ 4300[m/s]

    となり、秒速4.3キロメートル(マッハ12)で飛行すれば原作の状況を再現できるはず、です。
    (計算が間違っていたら、ご指摘ください(^^;))

    ただ、この高度でマッハ12を達成できるのかどうかは不明です(笑)
    現時点での航空機の最高速度は、X-43 [wikipedia.org]のマッハ9.8(秒速2.2キロメートル)、高度10万フィート以上とのことです。

    • by torigasira (9469) on 2009年03月19日 18時08分 (#1534179)

      >となり、秒速4.3キロメートル(マッハ12)で飛行すれば原作の状況を再現できるはず、です。

      ちょうど原作が手元にありました。

      11.は、ニューヨーク→ジュネーブ間を一時間で飛んだ際のパイロットの台詞です。
      最高速か巡航速度かは分かりませんが、「この飛行機はマッハ十五で飛びますから」とも言ってます。

      親コメント
    • by ookubo (642) on 2009年03月20日 18時24分 (#1534793)

      同じく原作を読んでいないので・・・

      「体重」という言葉を重力加速度による力(=地球の質量起源の万有引力)と捕らえれば、
      この説明で合っています。

      「体重」という言葉を上空の周回軌道上で体が感じる力と捕らえると
      軌道運動による遠心力も考慮しなければならないのでT.Sawamoto氏のような指摘が成り立ちます。

      遠心力がその場所の重力加速度とつりあって
      mvv/(R+r)=GMm/(R+r)/(R+r)≒GMm/R/R=mg
      --> v≒sqrt(g(R+r)) g=9.8m/s/s

      親コメント
  • 要点としては (スコア:3, 参考になる)

    by elderwand (34630) on 2009年03月19日 8時42分 (#1533624) 日記

    47.「無尽蔵のエネルギー...」
    反物質を作るには、まず電力を使って加速器を運転し、加速された粒子のエネルギーを物質・反物質対に転化しなければなりません。その効率は極めてひくいもので、、、

    48.「四分の一グラムです」
    現在CERNの反陽子減速器では、100秒間で三千万個の反陽子が得られます。そのすべてを反水素原子に転化できるわけではありませんが、仮に可能だとして、四分の一グラムの反水素、すなわち、1.5×1023個を作るには、5×1017秒を要します。これは、約158億年、つまり、宇宙年齢(137億年)よりも長い!

    といったところでしょうかね。

    CERN で作るのは無理とわかったら、どこでどうやったらできるか、考えてみよう。

    同じ CERN でブラックホールができるらしいが、こちらはテロ兵器に転化できないのか?
    (いや、もちろんフィクションでの話だが)

    • Re:要点としては (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2009年03月19日 11時43分 (#1533786)
      > 四分の一グラムの反水素、すなわち、1.5×1023個
      えらい少ないな、と思ってしまった。
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    • by Anonymous Coward on 2009年03月19日 19時44分 (#1534231)

      > といったところでしょうかね。

      むしろ/.J的には早野センセーが日本のDECnetの草分け的存在であったことに注目が集まらないのかな
      と思ったり思わなかったり。

      #まー、昔を知ってる人はそーそーおらんかな。

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    • by kikki (30639) on 2009年03月19日 20時31分 (#1534269)
      反物質はやっぱり滅んだ超古代文明か、太古の昔に地球に移住しようとした異星人の置き土産なんですね。
      で、発掘された有限の量の反物質を巡っていろんな勢力が醜い争奪戦を繰り広げる、と。
      ※もちろん製造方法は謎のまま(笑)

      あまり自然科学に詳しくない人にブラックホールのイメージを聞くと、例えば目の前の物質がブラックホール化した瞬間、
      ものすごい強力な吸引力を発揮し、周りの物を吸い込みながら急激に成長する、みたいな感じだそうです。
      こんな感じの描写の映画か何かがありましたっけ?
      ある物質が100%ブラックホールになっても質量は増えない、って所が抜けるようです。

      兵器に転用するとしたら…ブラックホールになる直前の状態で持ち運んで、目標で起爆(ブラックホール化)、爆発的に蒸発、質量のほとんどをエネルギーに転化、みたいな手順はいかがでしょう?全然考察していませんが(笑)
      親コメント
      • というのはさておき、多くの映像作品でロクな科学的考証もなくわかるようなハッタリもかまされずに淡々ともっともらしい嘘(これ自体はフィクションである以上避けられない)が行われている事は嘆かざるを得ないですね、主に物事を表現する細部のレベルで。
        多くのアニメや映画ではSF的な考証もされずに安易に物理現象がエキセントリックに描かれてるじゃないですか。
        昔はよくよくかんがえればここは嘘だなと分かるような世界観や表現レベルであったけど、最近の映像作品では嘘を本当かもしれないと一瞬納得するようなストーリーテリングのテクニックと見た目にリアリティを感じてしまう絵柄や特撮技術が幅広く行き渡っている。

        ものすごい強力な吸引力を発揮し、周りの物を吸い込みながら急激に成長する、みたいな感じだそうです。
        こんな感じの描写の映画か何かがありましたっけ?
        ある物質が100%ブラックホールになっても質量は増えない、って所が抜けるようです。

        これ自体は70~80年代のスーパーロボット物や「ヤマト」のようなテレビ漫画(敢えてこの表現で)にそこそこあって、そこから80年代後半からのオカルト要素が濃くなったアニメで良くあったのでは…そういえば、「アキラ」って、こういう表現の先駆け的な漫画だったような気が(^^;アニメの方を見て誤解する人は誤解するかも(^^;

        無から有を産むのは殆ど不可能に近いほど難しい。やるとしたら莫大なエネルギーがいるというのは分かりにくいですからね…

        兵器に転用するとしたら…ブラックホールになる直前の状態で持ち運んで、目標で起爆(ブラックホール化)、爆発的に蒸発、質量のほとんどをエネルギーに転化、みたいな手順はいかがでしょう?全然考察していませんが(笑)

        対消滅する前に自己の質量増幅のループが起こるようなだけの質量の物質が近くにあれば使えるのでは?問題はループを起こせるだけの猛烈なブラックホール化を始めるだけのエネルギーが得られるかどうかですけど。ブラックホール化につきものの事象の地平が我々の側にむき出しに現れた時に現在の理論にないイレギュラーな現象が起こってその条件を定性化できれば別ですけど、現状では起爆にかかるエネルギー量は莫大では…

        それだけの物となると惑星で惑星を消す程度の規模になるでしょうが、水爆のようにトリガになる対消滅装置(水爆の場合はウラニウムなどを使った?核分裂装置)とその周囲にある莫大なポテンシャルエネルギーを持つ爆薬(水爆の場合は三重水素とか)があればもしかしたら…巨大な水爆を作る方が楽でしょうけど。
        「さよならジュピター」の筋書きがブラックホールの軌道を逸らすのに木星を爆発させてぶつけるというのはあながち間違っていなかったかも(^^;

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      • あまり自然科学に詳しくない人にブラックホールのイメージを聞くと、例えば目の前の物質がブラックホール化した瞬間、 ものすごい強力な吸引力を発揮し、周りの物を吸い込みながら急激に成長する、みたいな感じだそうです。 こんな感じの描写の映画か何かがありましたっけ?

        漫画「バスタード」の「魔王の指輪(サタン・リング)」がそんな感じでした。あのイメージは強烈で分かりやすかったと思います。

        --
        LIVE-GON(リベゴン)
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  • by hohehohe (11394) on 2009年03月19日 16時22分 (#1534091)
    そのサイトかなり面白いですがネタバレも多いのでご注意を。
    --
    AVG anti-virus data base out of date
  • ページ全体に -webkit-text-size-adjust: none が施されているので、
    Safari の文字拡大および「ユニバーサルアクセス:○より小さいサイズのフォントを使わない」が効かない。
    iPhone 用の設定をデスクトップ版にも適用してしまったのか、元からそういう意図なのか。

    デザイン命、凝ったレイアウトこそが身上ですよ、ってページで -webkit-text-size-adjust: none を使うなら、それはまあアリだと思うが、文章こそが本体であろうページでこれを使うのは何を考えているんだろうと思う。

    まあ、初期状態で設定されている米粒のような文字サイズ自体薄ら寒いが。カバーページにある追記など、契約書やスペック表の末尾にある都合の悪い注釈のごとく小さな文字で読む気にも気にもならない。

  • by Anonymous Coward on 2009年03月19日 11時12分 (#1533751)
    ネタニマジレスカコワルイ

    # 嘘を嘘と(略 # まあ指摘どおり、批判のつもりはないんでしょうけど
  • by Anonymous Coward on 2009年03月19日 11時36分 (#1533776)
    本当にスラドjpてどうしようもない場所に成り下がったなー2chにも劣るレベル
typodupeerror

身近な人の偉大さは半減する -- あるアレゲ人

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